「安い=危険」ではない
チェジュ航空は格安航空会社(LCC)であるため、安かろう悪かろう的に見られることがあります。しかし、これはまったく見当違いの見方です。
チェジュ航空に限らずLCCは、徹底したコスト削減と収益性の向上、付加サービスをなくすことなどで安さを実現しています。安全を犠牲にして安くしているわけではないのです。(参考:チケットの安さの理由)
オンボロ飛行機ではない
また、安くするために古い機材を使っているので事故を起こしやすい、と言われることもありますが、これも事実に反します。日韓の主な航空会社が所有する機材の平均年齢は下表の通りです。
- 航空会社
- 機材年齢
- チェジュ航空
- 11.1年
- 日本航空
- 8.9年
- 全日空
- 9.4年
- スカイマーク
- 5.9年
- 大韓航空
- 9.2年
- アシアナ航空
- 10.6年
- ピーチ航空
- 3.3年
- ジェットスター
- 3.9年
- バニラエア
- 2.0年
- 春秋航空日本
- 2.5年
- ジンエアー
- 11.2年
- エアプサン
- 12.6年
- イースター航空
- 12.6年
- ティーウェイ航空
- 10.2年
- エアソウル
- 3.9年
チェジュ航空の平均機材年齢は11.1年です。日本航空や大韓航空のような普通の航空会社と比べて特に古いわけではありません
また、ピーチ、ジェットスターやエアソウルのような、ここ数年で誕生したLCCと比較すると機材年齢は高いですが、ジンエアーやエアプサンなど他の韓国のLCCと機体年齢はほぼ同じです。
ですので、チェジュ航空がコストダウンのために古い機材を使っているので、事故が起こる可能性が高いというのは、まったく根拠がない間違った指摘です。
チェジュ航空は過去に死者や重傷者を伴うような重大事故を起こしたことはありません。主な事故は以下の通りです。
- 2007年2月1日、済州発ソウル金浦行き7C122便(ボンバルディアDHC-8-400型機、機体記号HL5255):金浦空港に着陸し誘導路を走行中だった午後4時48分に、右主脚の2個の車輪の内の1つが脱落した。負傷者はいなかった。
- 2007年8月12日、済州発釜山行き7C502便(ボンバルディアDHC-8-400型機、機体記号HL5256):釜山空港到着後、移動中の午前9時37分に強い向かい風を受け滑走路を外れ、左主脚が排水溝に脱輪した。これにより左主脚と左プロペラが破損した他、乗員乗客79名の内4名が軽傷を負った。
- 2011年7月7日、ソウル金浦発済州行き7C107便(ボーイング737-800型機、機体記号不明):パイロットが誤って機内与圧装置を作動させないまま離陸し、午前9時23分に作動していないことに気づき、高度2万6千フィートで上昇を停止し、高度を1万フィートに下げて飛行を続けた。この過程で乗客約20名が耳と頭の痛みを訴え、済州空港到着後に病院で治療を受けた。
- 2015年12月23日、ソウル金浦発済州行き7C101便(ボーイング737-800型機、機体記号HL8049):機内与圧装置が作動しないまま離陸したが、高度1万4千フィートに達したときに警告が表示され、与圧装置を作動させるとともに高度を1万フィートまで下げた。しかし、機内与圧が十分でない状態で再度1万9千フィートまで上昇したため、乗客の一部が鼻血を出したり耳の痛みを訴えた。このため、高度を8千フィートまで下げて済州空港まで飛行した。