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安全にソーシャルレンディングをしたいなら利回り7%以下を狙え!

ソーシャルレンディングで僕は常々、

利回りが7%を超えるとリスクが高くなる

と、言ってきましたが。

実は明確な根拠はありませんでした。

そこで今回、データを取って分析してみました。

結論から申し上げますと、

  • 利回りが7%を超える案件の比率が上がると
  • 被害に遭うリスクが高まります

ソーシャルレンディングの安全の目安は7%

さっそく見ていきましょう!

この記事の著者
投資家・ブロガー
タロウ

ソーシャルレンディング、不動産クラウドファディング専門の投資家です。
2018年にソシャレン・クラファン投資を始め、これまで400件を超える案件に2億3千万円以上を投資し損失ゼロ。
安全性を最重視した投資情報を発信しています。

調査概要

まずは、調査の概要について説明します。

利回り別の案件の構成比を集計

ソーシャルレンディング各社について、利回り別の案件の構成比を集計しました。

意味が分かりにくいと思うので、下の表を見てください。

利回り 案件数 構成比
5%以下 218 20.8%
5%超7%以下 671 64.1%
7%超9%以下 130 12.4%
9%超11%以下 28 2.7%
11%超 0 0%
合計 1,047 100%

これはLCレンディングで今までに募集されたすべての案件を集計したものです。

左野くん
左野くん

利回りが5%以下の案件は全体の20.8%

右田さん
右田さん

9.1%から11%の案件は全体の2.7%

そうそう、そういうことです。

これを各社について調べ、利回りの構成比とリスクとの関係を分析します。

調査対象

調査対象は主なソーシャルレンディング業者です。

不動産投資型クラウドファンディングは利回りの源泉がソーシャルレンディングと違う(投資収益率VS貸出利率)ので、調査対象から外しています。

また、Fundsはソーシャルレンディングに広告効果を持たせており、他のソシャレンと同等に比べられません。

このため、今回の調査対象からは外しています。

SBIソーシャルレンディングの扱い

SBIソーシャルレンディングについて迷ったのですが。

まず、現在の主力ではない下記の案件は調査対象から外しました。

  • 個人向け無担保ローンファンド
  • カンボジア技能実習生支援ローンファンド

また、大半の投資家が興味を持ち実際に投資しているのは、不動産Plusなどオーダーメイド型の案件ですよね?

なので、今回の調査ではオーダーメイド型に絞って調査しています。

データ元

なお、SBIソーシャルレンディングを除き、元データはZUU funding(旧クラウドポート)から引用しています。

ソーシャルレンディング各社の利回り構成比の調査結果

それでは、さっそく調査結果を見ていきます。

なお、ここからしばらく延々と表が並びます。

この次の章で集計し考察しますので、気になる業者の表だけ見て流してください。

問題を起こした業者

まず、全案件の期失など大きな問題を起こした業者です。

みんなのクレジット

利回り 案件数 構成比
5%以下 2 1.8%
5%超7%以下 37 33.3%
7%超9%以下 60 54.1%
9%超11%以下 11 9.9%
11%超 1 0.9%
合計 111 100%

ラッキーバンク

利回り 案件数 構成比
5%以下 0 0%
5%超7%以下 13 3.4%
7%超9%以下 189 48.7%
9%超11%以下 186 47.9%
11%超 0 0%
合計 388 100%

トラストレンディング

利回り 案件数 構成比
5%以下 0 0%
5%超7%以下 5 2.4%
7%超9%以下 41 19.5%
9%超11%以下 83 39.5%
11%超 81 38.6%
合計 210 100%

キャッシュフローファイナンス

利回り 案件数 構成比
5%以下 0 0%
5%超7%以下 11 2.0%
7%超9%以下 144 26.3%
9%超11%以下 293 53.5%
11%超 100 18.2%
合計 548 100%

ガイアファンディング

利回り 案件数 構成比
5%以下 0 0%
5%超7%以下 0 0%
7%超9%以下 40 9.4%
9%超11%以下 387 90.6%
11%超 0 0%
合計 427 100%

クラウドリース

利回り 案件数 構成比
5%以下 0 0%
5%超7%以下 0 0%
7%超9%以下 160 5.3%
9%超11%以下 2,256 74.3%
11%超 621 20.4%
合計 3037 100%

グリーンインフラレンディング

利回り 案件数 構成比
5%以下 0 0%
5%超7%以下 0 0%
7%超9%以下 0 0%
9%超11%以下 117 10.6%
11%超 989 89.4%
合計 1,106 100%

問題を起こしていない業者

次に、現在までのところ、大きな問題を起こしていない業者です。

SBIソーシャルレンディング

利回り 案件数 構成比
5%以下 32 23.7%
5%超7%以下 91 67.4%
7%超9%以下 10 7.4%
9%超11%以下 2 1.5%
11%超 0 0%
合計 135 100%

LCレンディング

利回り 案件数 構成比
5%以下 218 20.8%
5%超7%以下 671 64.1%
7%超9%以下 130 12.4%
9%超11%以下 28 2.7%
11%超 0 0%
合計 1,047 100%

OwnersBook

利回り 案件数 構成比
5%以下 139 94.6%
5%超7%以下 8 5.4%
7%超9%以下 0 0%
9%超11%以下 0 0%
11%超 0 0%
合計 147 100%

クラウドバンク

利回り 案件数 構成比
5%以下 65 3.4%
5%超7%以下 1,714 90.4%
7%超9%以下 118 6.2%
9%超11%以下 0 0%
11%超 0 0%
合計 1,897 100%

maneo

利回り 案件数 構成比
5%以下 748 11.8%
5%超7%以下 2,938 46.4%
7%超9%以下 2,383 37.6%
9%超11%以下 234 3.7%
11%超 35 0.6%
合計 6,338 100%

プレリートファンド

利回り 案件数 構成比
5%以下 97 35.8%
5%超7%以下 145 53.5%
7%超9%以下 24 8.9%
9%超11%以下 5 1.8%
11%超 0 0%
合計 271 100%

さくらソーシャルレンディング

利回り 案件数 構成比
5%以下 0 0%
5%超7%以下 258 81.4%
7%超9%以下 52 16.4%
9%超11%以下 7 2.2%
11%超 0 0%
合計 317 100%

スマートレンド

利回り 案件数 構成比
5%以下 28 4.9%
5%超7%以下 314 54.7%
7%超9%以下 94 16.4%
9%超11%以下 63 11.0%
11%超 75 13.1%
合計 574 100%

アメリカンファンディング

利回り 案件数 構成比
5%以下 0 0%
5%超7%以下 3 0.7%
7%超9%以下 213 51.8%
9%超11%以下 195 47.4%
11%超 0 0%
合計 411 100%

クラウドクレジット

利回り 案件数 構成比
5%以下 40 5.3%
5%超7%以下 152 20.1%
7%超9%以下 155 20.5%
9%超11%以下 263 34.8%
11%超 145 19.2%
合計 755 100%

Pocket Funding

利回り 案件数 構成比
5%以下 0 0%
5%超7%以下 60 51.7%
7%超9%以下 56 48.3%
9%超11%以下 0 0%
11%超 0 0%
合計 116 100%

LENDEX

利回り 案件数 構成比
5%以下 0 0%
5%超7%以下 5 13.5%
7%超9%以下 17 45.9%
9%超11%以下 15 40.5%
11%超 0 0%
合計 37 100%

7%を超える利回りの構成比が上がるとリスクが高まる

各ソーシャルレンディング業者ごとの、利回りの構成比を見てきました。

ハイリスク・ハイリターンという傾向はなんとなく見えたと思います。

調査結果の集計表

次に調査結果を集計し、7%以下(利回り低め)の構成比が高い順に並べます。

赤字は大きな問題を起こしている業者です。

業者名 5%以下 7%以下 9%以下 11%以下 11%超
OwnersBook 94.6% 5.4% 0% 0% 0%
クラウドバンク 3.4% 90.4% 6.2% 0% 0%
SBIソシャレン 23.7% 67.4% 7.4% 1.5% 0%
プレリートファンド 35.8% 53.5% 8.9% 1.8% 0%
LCレンディング 20.8% 64.1% 12.4% 2.7% 0%
さくらソシャレン 0% 81.4% 16.4% 2.2% 0%
スマートレンド 4.9% 54.7% 16.4% 11.0% 13.1%
maneo 11.8% 46.4% 37.6% 3.7% 0.6%
Pocket Funding 0% 51.7% 48.3% 0% 0%
みんなのクレジット 1.8% 33.3% 54.1% 9.9% 0.9%
クラウドクレジット 5.3% 20.1% 20.5% 34.8% 19.2%
LENDEX 0% 13.5% 45.9% 40.5% 0%
ラッキーバンク 0% 3.4% 48.7% 47.9% 0%
トラストレンディング 0% 2.4% 19.5% 39.5% 38.6%
キャッシュフローF 0% 2.0% 26.3% 53.5% 18.2%
アメリカンF 0% 0.7% 51.8% 47.4% 0%
ガイアファンディング 0% 0% 9.4% 90.6% 0%
クラウドリース 0% 0% 5.3% 74.3% 20.4%
グリーンインフラ 0% 0% 0% 10.6% 89.4%

下に行く(高利回りが増える)ほど、問題業者が増えることがよく分かります。

一番上のOwnersBookと一番下のグリーンインフラレンディングを比べてください。

あまりにも対照的ですよね。

グラフにすると一目瞭然「7%が分水嶺」

さらにこれをグラフにします。

以下を頭に入れて、下のグラフを見てください。

  • 低利回り|青→緑→黄→赤→紫|高利回り
  • 青+緑の部分が7%以下
  • 赤文字は問題発生業者

一目瞭然です。どうぞ!

このグラフから次のことが分かります。

  • OwnersBookなど安全と言われる業者はことごとく上にある
  • 安全と言われる業者は9%以下(黄)すら少ない
  • 7%以下(青+緑)が半分以下になると、問題業者が出てくる
  • 11%以上(赤+紫)が6割を超えると、例外なく問題業者
  • みんクレのように11%以上が少なくても、7%以下が4割を切ると危険

これらのことから、7%が安全と危険の分水嶺であると僕は考えます。

安全重視ならば利回り7%以下の案件に投資しよう

ソーシャルレンディングは投資なので、儲けたいのは分かります。

ただ、利回りだけを求めリスクに目を向けずに投資すると、必ず痛い目に遭います。

そして、被害者が増えるほど、ソシャレンへの世間の目が厳しくなります。

その結果、ソシャレンを利用する借り手企業が減り、僕たちの投資機会も減ります

被害に遭わないために、投資機会を減らさないために、

  • 7%超え案件にはリスクを承知した上で投資する
  • 安全を重視するならば7%以下の案件に投資する

を徹底しましょう。

業者としては以下をオススメします。

以上です!

コメント

  1. Air♂ より:

    タロウ様、はじめまして。

    いつも興味深い内容を発信していただき、とても参考にさせていただいております。

    唐突ではありますが、質問をさせてください。

    安全の目安は利回り7%以下というのは、たしかに一つの目安となる上、とてもわかりやすかったです。
    その上で、ソーシャルレンディングなどで借り手にかかる最終的な「貸付金利」としては「配当利回り+営業者報酬等の手数料」で構成されていることが一般的かと思います。

    この貸付金利や営業者報酬等から考察した際に、安全の目安はどのくらいかと思われますか?

    ソーシャルレンディングの運営で報酬は大切なのはわかりますが、営業者報酬等が高すぎるのは借り手側に大きなプレッシャーになり、さらにそれだけの借り手の信用の低さを感じさせます。
    安すぎるのはSL事業者に利益が少なく(財務状況が不明瞭なSLの)経営に不安を感じることもある反面、貸付金利の低さは借り手の信用の高さを感じさせます。

    一概に言えないところも多く、トンチンカンな質問でしたら大変申し訳ありませんが、タロウさんのお考えをお聞かせいただけるとすごく嬉しいです。

    • タロウ タロウ より:

      こんにちは~
      貸付金利ですか。う~ん、分からんです。笑
      ノンバンクとかの貸付金利の相場を知らないので、見当つかないです。

      ただ、一概にいくらとは言えないと思うんですよね。
      例えば、100万円借りて骨董品を仕入れて素人に200万円で売りつけるだったら、金利30%でも70万儲かるじゃないですか。笑
      だから借りた資金の用途とか、事業内容によっても変わるんじゃないかな?と。

      営業者報酬も貸付額が1,000万円だと3%でも30万にしかならんですが。
      10億円だと1%でも1千万ですよね。
      また、同じ業者に定期的に貸し付けてる場合だと、営業費用が安いでしょうし。

      ただ、営業者報酬は1~3%のところが多いみたいですね。
      仮に僕の7%説が正しいならば、貸付金利は8~10%が安全ラインってことでしょうか?
      すんません、トンチンカンな回答で。笑

      • Air♂ より:

        トンチンカンは、もはや死後だったかもしれません…汗

        確かに…貸付額の大小や期間の長短、事業内容や活用内容や地域性などによって、また借り手の利用状況など、その貸付金利でも貸し手や借り手が可能であると適正に判断できれば、あまり拘るべきでもないのかもしれませんね。

        希望的なことではありますが、借り手が何度も借りて(事業を拡大し)、貸し手が何度も貸して(実績と信用を上げ)、投資者が何度も投資できて(ウッハウハw)、そんな好循環が続くよう願っています。
        できたら税制も改善してほしいですね。

        コメントを頂きまして、ありがとうございました。
        これからも拝見させていただきます!
        (返信不要です)