11月20日にLEVECHYの7号案件の募集が行われます。
利回り10%で人気確実ですが。
この案件のポイントの一つが共有持分です。
共有持分?
この記事では
- 共有持分とは何か?
- どんな注意点があるか?
- 区分所有権と何が違うか?
を解説し、LEVECHY 7号案件で検討すべき問題について考えます。
みなさんの投資判断の参考になれば幸いです。
初心者向けの解説です!
見落としている業者がきっとある!
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共有持分の注意点
それではさっそく、共有持分について解説していきます。
共有持分とは?
共有とは?
まず、共有とは不動産を複数名で所有することです。
例えば、親の家を子供3人で相続した場合、3人が親の家を共有していることになります。
このとき、親の家を共有不動産、3人の子供それぞれを共有者といいます。
共同所有ってことか。
共有持分とは?
次に共有持分とは共有不動産に対する各共有者の所有権の割合のことです。
例えばさきほどの子供3人で相続の場合、一般的に3人の子供の共有持分はそれぞれ3分の1となります。
遺言で長男が2分の1、長女と次男が4分の1ずつとすることもできます。
所有権とはちょっと違う
共有持分で注意したいのは、所有権の対象がどこからどこまでと物理的に決まっていないことです。
2分の1の長男が1階全部、4分の1の長女と次男が2階の左半分と右半分ということではありません。
また、長男が毎月2週間、長女と次男が1週間ずつ使うということでもありません。
投票権を長男が2票、長女と次男が1票ずつ持っているみたいなイメージで捉えてください。
共有持分=権利の割合みたいな感じか。
ちなみに土地ならば、道路から見て短冊状に3筆に分け、それぞれを3人の所有権に分割することも可能です。
共有持分のデメリット
次に共有持分のデメリットを見ていきます。
自由に売却できない
さて、長男が家を売ろうと思った時、上述の通り長男の持分の範囲は決まっていません。
家のここからここまでを売るということはできず、売るならば家1軒まるごとです。
よって、売却には共有者全員の同意が必要になります。
自分の一存で自由に売却できないということです。
兄弟で揉めそう…
自由にリフォームできない
次にリフォームを考えてみましょう。
ASSECLIとかでよく出てきますよね。
まず、不動産の価値を維持するための修繕であれば、各共有者の判断で行なえます。
しかし、価値を向上するためのリフォームレベルになると、全共有持分の過半数の同意が必要です。
さらに、増改築や解体の場合は全共有者の同意が必要になります。
変更のレベル | 必要な同意 |
---|---|
修繕(現状を維持) | 不要 |
リフォーム(価値を向上) | 共有持分の過半数 |
増改築・解体(大幅な変更) | 全員 |
共有持分では解体どころかリフォームすら自由にできないということです。
なお「過半数の同意」ですが、仮に3人の共有持分が3分の1ずつですと、2人以上の同意が必要です。
3分の2だから過半数か。
自由に賃貸できない
共有不動産を賃貸に出すにも制約があります。
これまで賃貸していなかった建物を新たに賃貸する場合、契約期間が3年を超える場合は全共有者の同意が必要です。
3年以内の場合は過半数の共有持分の同意で可能ですが、普通借家契約の場合は全員の同意が必要とされています。
また、もともと賃貸していた不動産の賃貸契約の変更、賃借人の変更には過半数の共有持分の同意が必要です。
賃貸の状況 | 必要な同意 |
---|---|
新規(3年超) | 全員 |
新規(3年以内) | 共有持分の過半数 (実際は全員) |
既存 | 共有持分の過半数 |
このように共有持分の場合は自由に貸すことができません。
なんか面倒くさいね。
さらに面倒があります!
共有者が増えるリスク
共有持分では他の共有者の同意を得にくくなる可能性も想定されます。
例えば次のような場合です。
- 次男が死亡した
- 次男の妻と子供2人が共有持分を相続した
- さらに子供のうちの1人が死亡した
- その子供の配偶者と子供3人が相続した
長男が家を売りたいと思った時、同意が必要な相手は合計7人になります。
- 長女
- 次男の妻
- 次男の子供1人
- 次男の子供の妻
- 次男の子供の子供3人
身内ではあっても3世代も違うと価値観とか違いますよね?
しかも、共有持分は売買できます。
誰かが自分の持分を赤の他人に売却したら?
各自の思惑が異なり合意形成はさらに困難になるでしょう。
泥沼になりそう…
共有持分と区分所有権の違い
さて、不動産クラファンでよく投資対象になるのが区分所有権です。
プレファンのようなマンションの1室への投資がこれにあたります。
共有持分と区分所有権の違いを解説しましょう。
区分所有権とは?
マンションなどは1棟の建物の中に複数の部屋が独立して存在しています。
これら独立した各部屋に対する所有権が区分所有権です。
区分所有権はワンセット
区分所有権では次の3つの権利がワンセットになっています。
- 専有部分(部屋)の所有権
- 共用部分(廊下など)の共有持分
- 敷地の共有持分
つまり、区分所有権は共用部分および敷地の共有持分とワンセットで扱われます。
区分所有権は自由度が高い
このため、区分所有権の利用は所有者1人の裁量で行なえます。
廊下を改造するとか敷地内に小屋を建てるなど、他の共有者の権利に影響を与えない限り、売買、リフォーム、賃貸など1人で決定できるのです。
区分所有権は共有持分と比べて自由度が高いと言えます。
ここまで共有持分についてでした!
LEVECHY 7号案件で検討すべき問題
共有持分を理解した上でLEVECHY 7号案件で検討すべき問題を考えてみます。
割安なのは当たり前
LEVECHYサイトの案件詳細には次のように書かれています。
相場として、牛込柳町エリアでは平均取引実績が1坪あたり約334万円のエリアですが、本物件は1坪あたり約200万円で仕入れることができます。
上述の通り共有持分は自由がきかないです。
10万円の収益を生む区分所有権と共有持分、どっちがほしいですか?
区分所有権!
自由がきかない共有持分は欲しくないですよね。
共有持分が相場より割安になるのは当然のこと。
5から7掛けの価値にしかならないそうです。
共有持分のまま売却できるか?
LEVECHYでは今回の案件の出口戦略を3つ挙げています。
1つ目が「プランA:リーシングによるバリューアップ」です。
入居率を上げて価値を向上させ、仕入れ値よりも高く売るということです。
しかし、価値が向上したとしても自由度が低い共有持分のままで買い手がつくのか?
10%の利回りを乗せた価格で売れるのか?
売れなければ元本は戻ってきません。
元本割れは困る…
1つの所有権にまとめられるか?
1棟の所有権にまとめれば売れる
2つ目の出口は「プランB:共有持分の組み合わせによる売却」です。
現在、LEVECHYは共有持分の6割を保有しています。
残り4割を買い取れば1棟まるまるの所有権になる。
そうなれば新宿の1棟ビルですので売却の可能性はもちろん高まります。
買い取れるの?
相続が発生している
LEVECHYサイトによると、残り4割の共有持分の一部に相続が発生しています。
しかも、親から子、子から孫のような2段階の相続です。
共有者が増え複雑化しており、買い取りが容易ではない可能性があるでしょう。
共有物分割は可能だが…
仮に買い取りができなかった場合ですが。
共有不動産が部屋単位など物理的な分割が可能ならば、共有不動産を分割して共有者それぞれの所有権にすることが可能です。
1棟4戸のマンションを1戸ずつに分割し、4人それぞれの区分所有権にするといったケースです。
これを共有物分割といいます。
ただ共有物分割をした場合、出口3つ目の「プランC:本社ビルなどへの転用」は難しくなるでしょう。
1棟まるっと本社ビルにできない。
劣後出資比率が低い
もう一つ気になるのが劣後出資比率が5%と低いことです。
本案件の運用期間は18カ月ですが、2年を超えない範囲で延長できます。
本契約の契約期間の満了日の1ヶ月前までに匿名組合員に書面または電磁的方法により通知をすることにより、2年を超えない範囲で本契約の契約期間を延長することができます。
つまり、運用期間は最長で3年半です。
3年半で値下がり余地5%をどう見るか?
5%を超えて値下がりすると元本割れ…
共有持分の注意点のまとめ
最後に共有持分の注意点をまとめます。
共有持分のポイント
共有持分は単独所有ではなく共同所有です。
このため、次のような不自由が伴います。
- 自由に売却できない
- 自由にリフォームできない
- 自由に賃貸できない
また、相続などで共有者が増えて同意を得るのが困難になったり、
不自由ゆえに普通の所有権より価値が下がるのが一般的です。
覚えておきましょう!
高利回りには理由がある
LEVECHYの7号案件は10%の高利回りです。
高利回りには必ず理由があります。
今回は共有持分というリスクに手を出しているから高利回りなのです。
10%には理由がある。
高利回り=リスクテイクです。
リスクは現実化するのか?
リスクに見合う利回りなのか?
総合的に考えて投資の是非を判断しましょう。
利回りだけ見たらダメだよ。
LEVECHYはリスクを明示している
なお、誤解のないように申し添えますが。
今回の案件についてLEVECHYはリスクを隠していないです。
隠してません!
投資対象が共有持分であることを明示していますし、
リスクタブで共有持分ゆえに発生するリスクも説明しています。
また、相続が繰り返されていることにも言及があります。
リスクをコソッと隠して募集しているのではありません。
ただ、延長について目立つように赤字で書いているのは良いですが、
この表現だと延長して最大2年と誤解を招きかねないです。
2年延長で3年半だよね。
ここはちょっと改善した方が良いかと。
調べるクセをつけよう
最後に特に初心者の方にアドバイスを。
知らない用語が出てきた時に「ふ~ん、そんなものがあるんだ」で流してませんか?
ギクッ!
知らないことは面倒でも必ずその場で調べましょう。
知識は自分の資産を守る武器になります。
と、偉そうに言っていますが。
実は僕も共有持分をちゃんと理解できていなくて、今回調べた内容をまとめたのがこの記事です。笑
調べるクセをつけて知識を増やし、資産防衛力を高めましょう!
一緒に学びましょう!
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