DAIMLAR FUNDの小机案件が売却できず、第2期に延長されたことを以前紹介しました。
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残念ながら第2期も売却できず再延長されることになりました。
第3期に突入です。
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ありゃま…
DAIMLAR FUND小机案件のこれまでの経緯を振り返り、今後を展望します。
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懸念が現実になりました…
見逃している穴場業者があるかも?
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タップできる目次
DAIMLAR FUND小机案件の経緯
まず、DAIMLAR FUND小机案件のこれまでの経緯を振り返ります。
小机案件第1期
オリジナルとなる案件は2022年11月に募集されました。
案件の概要
- 案件名:010 DARES小机
- 利回り:8%
- 運用期間:6カ月
- 募集総額:3,000万円
- 劣後出資比率:80%
- 募集時期:2022年11月18日
劣後出資比率が80%と非常に高く、高利回りと安全性が期待された案件でした。
横浜市港北区小机町にダイムラー社が企画する投資用マンション「DARES小机」を建設します。
資金使途は建設用地の取得
案件の説明には次のように記載されていました。
本ファンドは、土地を弊社で取得し、建物を企画し、販売する計画です。ファンド資金は土地の購入費用に充て、建物建設費用は不動産の購入者が融資などを用いて建築する予定です。
投資家の資金はマンション建設用地の取得に使うということです。
高い安定性をアピール
また、次のような記載もありました。
通常の不動産開発では、「土地取得」→「開発」→「売却活動」となり、1年以上の期間、買い手があるか不明な状態で自社保有する必要があります。リスクとして、「開発後売れ残るリスク」が懸念されます。
しかし、今回の案件は土地の取得のみで、建物の建設は含まないため、売れ残りリスクが低減され、安定性が比較的高いファンドとなっています。
今ひとつしっくりこない内容ですが、恐らく以下のようなプランだったのでしょう。
- 投資家が出資
- 土地を取得
- 投資用マンションを企画
- マンション投資をしたい人を募る
- 購入希望者が銀行から融資を受ける
- この時点で投資家に償還
- 建設 → 完成
小机案件第1期は3,000万円満額を集め、運用が開始されました。
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ちゃんとスタートできた。
小机案件第2期
物件を売却できず
小机案件第1期は以下のスケジュールで終了する予定でした。
- 運用終了:2023年6月2日
- 償還:2023年6月16日
ところが、終了を目前に控えた5月27日。
DAIMLAR FUND全会員に「小机(第二期)の募集開始予定について」というメールが届きました。
「010 DARES小机(第二期)」について、運用期間中に売却活動が終了しなかったため、出資者の入れ替え・ 再募集を行います。
出資者の入れ替えは、前期出資者全員に対し返還希望をヒアリングし、 返還希望総額と同額を第二期として再募集することにより行います 。
売却できなかったということです。
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なんと!
実質的な延長
案件詳細ページには次のように書かれていました。
010 DARES小机は運用期間中に売却活動が完了しなかったため、第二期として出資者の入れ替え・再募集を行います。
前出資者の皆様に通知の上、返還希望者を募集し、同額の再募集を行います。
運用期間・運用日数以外は全て第一期と同条件と致します。
つまりこういうことです。
- 物件が売れなかった
- 案件を終了できない
- 第1期の出資者は以下のいずれかを選択
- 第2期に継続
- 第1期で終了
- 終了する人には元本を返す
- 返して空いた穴を第2期として募集する
第1期の3,000万円の内、やめる人が600万円分いたら、その600万円を第2期として募集するということです。
再募集と書いてはいますが、実質的には小机案件の延長が行われたのです。
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イグジットできなかった。
売却活動を継続する
サイトには以下の記載も。
第一期では、昨年末ごろからの全国的な建築資材の高騰を受けて、購入希望者が購入後の事業計画に慎重になったことなどから、売却活動が予定期間内に終了しませんでした。
第二期では、劣後出資者(当社)の想定利益を削減しつつ売却成約を重視して売却活動を致します。
DARES小机に興味を示す投資家はいたが、契約には至らなかった。
なので、あらためて売却活動をするということです。
6割の投資家が継続
小机案件第2期の条件は第1期とまったく同じでした。
- 案件名:010 DARES小机(第2期)
- 利回り:8%
- 運用期間:6カ月
- 募集総額:3,000万円
- 劣後出資比率:80%
- 募集時期:2023年5月29日
5月29日に第2期分として実際に募集されたのは1,226万円。
募集=やめた人 | 1,226万円(40.9%) |
---|---|
やめなかった人 | 1,774万円(59.1%) |
6割の人が第1期でやめずに第2期に継続した。
6割の人は第2期の6カ月で売れると判断したのでしょう。
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ところがどっこい!
小机案件第3期
またしても売れず
このたび小机案件第3期の募集が発表されました。
- 案件名:010 DARES小机(第3期)
- 利回り:8%
- 運用期間:6カ月
- 募集総額:3,000万円
- 劣後出資比率:80%
- 募集時期:2023年11月22日
つまり、第2期の6カ月でも売却できなかった。
なので、第2期のときと同じように第3期に延長、再募集するということです。
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二度あることになった…
8割の投資家が継続
前回同様に第2期の出資者は撤退or継続を選択できました。
第2期で撤退した人で空いた枠が第3期として募集されます。
それがこちらです。
募集=やめた人 | 556万円(18.5%) |
---|---|
やめなかった人 | 2,444万円(81.5%) |
第2期出資者の8割が第3期に継続。
あと6カ月以内に売れると判断したのでしょうか?
第3期で起こった変化
第2期と第3期で変わったことが2つあります。
メールは出資者だけに
第2期の時は延長・再募集の案内メールが全会員に届きました。
しかし、第3期では第2期の出資者だけに届いています。
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騒ぎにしたくなかった?
売却できなかったことに触れず
第3期の案件説明には次のように書かれています。
010 DARES小机は運用期間の更新を行うため、第三期として出資者の入れ替え・再募集を行います。
前出資者の皆様に通知の上、返還希望者を募集し、同額の再募集を行います。
第2期で売却を目指すとしていたのに、売却できなかったことには触れていません。
これだけ読むとインカム型案件の出資者入れ替えと勘違いしそうです。
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投資家に不安を持たせたくない?
ここまで小机案件の経緯でした。
DAIMLAR FUND小机案件の今後の展望
ここからは小机案件の今後の展望を考えます。
第3期で売却できるのか?
小机案件が終了できるかはDARES小机が売却できるか次第です。
では、第3期で売却できるのか?
DARES小机は現在、ダイムラー社のサイトで販売中です。
これまで1期と2期の1年で売却できなかった物件です。
それが次の6カ月で売れるのか、僕は懐疑的に見ています。
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6カ月で市況が変わるとは…
物件は完成しているのか?
ところで、そもそも物件は完成しているのでしょうか?
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はい?
検索しても出てこない
もし、DARES小机が完成済みであれば、入居者を募集するはずです。
空室のままだと利益ゼロですし、入居者がついている方が売却もしやすいでしょう。
しかし、物件名で検索しても賃貸情報が一切出てこないのです。
実物画像がない
また、ダイムラー社のサイトに掲載されているのはDARES小机の完成イメージだけです。
実物の画像は1枚も載っていません。
Google Mapでも見当たらない
さらに、DARES小机は敷地面積335.23㎡でそれなりの規模です。
しかし、Google Mapでそれらしき物件が見当たりません。
もちろん、Google Mapの画像が最新でない可能性はあります。
未着工では?
この記事の上の方で案件の計画は次のように想定しました。
- 投資家が出資
- 土地を取得
- 投資用マンションを企画
- マンション投資をしたい人を募る
- 購入希望者が銀行から融資を受ける
- この時点で投資家に償還
- 建設 → 完成
もしかしたら、4で止まっているのではないでしょうか?
DARES小机を建設し取得したい人がまだ見つかっていない。
つまり、売却以前に工事すら始まっていないということです。
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まさか…
分配原資はどこから出ているのか?
もしそうであれば、分配金はどこから出ているのか?
ダイムラー社の自己資金から出すしかないですよね。
3,000万円の8%で6カ月ですから、1案件120万円、3つで360万円、大した金額ではありませんが。
それがいつまで続くのか。
劣後80%=安全ではない
小机案件は劣後出資比率が80%と非常に高いです。
80%までの値下がりで済めば元本は戻ってきます。
ただし、業者が物件を売却すればの話です。
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どういうこと?
売却を判断するのは業者だけ
優先3,000万の劣後80%ってことは、次のような構造です。
優先出資 | 3,000万円(20%) |
---|---|
劣後出資 | 1億2,000万円(80%) |
出資総額 | 1億5,000万円(100%) |
例えば、1億4,000万円で売れば投資家の元本は戻ってきます。
しかし、ダイムラー社は1,000万円の損失です。
損失を避けるために売却しない可能性は十分あります。
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それってありなの?
ありです。
必ず売却するなんて成立前書面のどこにも書いていませんから。
そして、売却するかを判断する権利を持つのはダイムラー社だけです。
慎重な判断が求められる
もちろん、第3期でも売却に至らず第4期で再募集の可能性もあります。
そうなれば第4期に出資した人のお金で第3期の投資家の元本は戻ってくるでしょう。
しかし、第3期を終了せずに運用期間を延長する可能性も否定できません。
そうなると第3期の投資家の元本は戻ってこないことになります。
小机案件第3期に投資するか、慎重な判断が求められるでしょう。
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8%はリスクに見合うか?
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