bitREALTYで遅延が発生しました。
ガチ堅業者で初の事故!
安全の方程式が崩壊したのでしょうか?
詳しく解説します。
はっきり言ってショックです!
見落としている業者がきっとある!
タップできる目次
遅延発生の状況
それではまず、今回なにが起こったのか状況を整理します。
bitREALTYとは?
bitREALTYは2019年に運営を開始したソーシャルレンディング業者です。
運営会社のビットリアルティはケネディクスと野村総合研究所の合弁会社として2017年に設立されました。
東証一部上場企業2社の共同出資会社が運営するソシャレンということで、信頼性の高さが期待できる堅い業者との評価を得ています。
ガチ堅業者です!
遅延が発生したのは海老名案件
今回、遅延が発生したのは海老名案件です。
海老名案件の概要
海老名案件は2回に分けて募集されました。
概要は以下の通りです。
- 海老名案件1
- 募集開始:2021年1月27日
- 利回り:3.6%
- 運用期間:36カ月
- 募集総額:2億100万円
- 海老名案件2
- 募集開始:2021年4月9日
- 利回り:3.5%
- 運用期間:34カ月
- 募集総額:2億4,100万円
利回りと運用期間が若干異なりますが、投資対象は同じです。
実質的に1つの案件が2回に分けて募集されたと考えてください。
第1期、第2期みたいな感じね。
海老名案件のスキーム
海老名案件のスキームを図で解説します。(図は案件1)
合同会社KRF93が不動産信託受益権を取得します。
そのための資金の一部、4億5千万円をケネディクスが融資しました。
ケネディクスはその貸付債権を合同会社BRD3に譲渡します。
そして、BRD3が貸付債権を取得する費用を我々投資家が出資する。
ザックリ大雑把に言うと、ケネディクスに代わって投資家がKRF93にお金を貸す形です。
ピンチヒッターか。
安全性の高さが期待できた
この案件が募集された2021年はコロナ禍で物流系不動産の評価が高まった時期でした。
CRE fundingで物流案件が量産されたのもこの時期です。
また、KRF93への融資はメザニンローンではありましたが、LTVは66.6%と低い水準でした。
なにより、国内最大手の不動産ファンド運用会社であるケネディクスが融資している。
ケネディクスがOKを出した借り手である。
これらの状況、事実から海老名案件は高い安全性が期待されました。
たしかに安全と思っちゃうよね。
遅延の経緯と現状
今回、この海老名案件2件で遅延が発生しました。
現時点で分かっている状況は以下の通りです。
bitREALTYからメールが
2月9日に状況を報告するメールがbitREALTYから発信されました。
要点は以下の通りです。
- 2月29日に運用終了予定だった
- KRF93から連絡が来た
- 8月末までに受益権を第三者に売却する
- これにより運用期間を8月末まで延長する
- 再延長の可能性は否定しない
どゆこと?
要は予定が狂った
実際のメールは長文でいろいろ書いていますが。
ズバッと直球ど真ん中で言うと、こういうことです。
- KRF93語りていわく
- 2末までに売却する予定だった
- ところがどっこい、売却できんやった
- ごめん、頑張るけん、半年待って!
- bitREALTY語りていわく
- ってことで、半年延長します
- あ、最悪、再延長もあり得るので、その際はよろ!
要は売れなかったと。
メールが下手
なお、発信されたメールに苦言を呈しますと、次の2点は書いておくべきだったかと。
- 迷惑かけてごめん!的な内容
- 延長期間中も分配は付くこと
末端の消費者を相手にする商売って、理屈じゃなくて感情ですから。
書き手の姿勢、出す情報で読み手の読後感が変わります。
書き方一つで感じ方が!
安全の方程式が崩壊か?
今回の遅延はbitREALTYの安全性、信頼性への期待を大きく損なうものです。
bitREALTYに瑕疵はない
まず先に申し上げておきますが、今回の遅延についてbitREALTYに瑕疵はないと僕は考えています。
そもそも、ソーシャルレンディングの本質は貸金業です。
そして、貸金業とは一定の確率で貸し倒れが起こる商売です。
良し悪しではなく、貸金業とはそういう商売なわけで。
それがいやなら最初からソシャレンなんかに手を出すなって話です。
厳しいねぇ…
少なくともここまでbitREALTYは事務的に淡々と作業を行っているだけでして。
現時点で明らかになっている事実を見る限り、批判される点はないと考えます。
安全の方程式が崩壊
ただ、今回の遅延で僕がbitREALTYに期待していた安全の方程式は崩壊しました。
期間限定の代理融資ゆえに安全と思っていた
海老名案件でケネディクスはKRF93に4億5千万円を融資していました。
その貸付債権のほぼすべてを海老名案件1(2億100万円)と案件2(2億4,100万円)でBRD3に譲渡します。
これで投資家がケネディクスに代わってKRF93にお金を貸す形です。
ただし、ケネディクスのKRF93に対する融資期限は2025年11月です。
それを、2021年2月から2024年2月まで投資家が代わりに貸す。
2024年3月からはケネディクスに戻し、それにより元本が戻ってくる。
期間限定で代わりに貸すだけで、期間が終わったら元に戻る。
ゆえにbitREALTYの安全性は高い、と僕は確信していました。
ところが!
リスクもセットだった
しかし、実はそうではなかった。
海老名案件の運用開始時点では、KRF93への貸付債権は良質な債権でした。
ところが、返済の遅延で債権の価値が下がった。
なので、ケネディクスは引き取らない。
つまり、運用期間後に必ずケネディクスに戻る前提ではなかったということです。
我ながら甘かった
今さらですが、甘かったです。
リターンとリスクはセットなのに、リターンだけごっちゃんしてリスクはノータッチ。
そんな都合の良い話が通用するわけないじゃないですか。
利息というリターンを得ている間はリスクもついて回る。
そのリスクが現実化したらその後も変わる。
債権がケネディクスに戻る保証などあるわけない。
いやぁ、甘かった、大反省です。
ソシャレン6年やってきてコレです…
実はケネディクスへの融資だった
もう一つ、今さらながら気づいたことがあります。
穴があったら来世紀まで入っていたいくらいお恥ずかしい。
KRF93はケネディクス?
KRF93の所在地は千代田区内幸町2丁目1番6号。
これ、ケネディクスの本社所在地です。
つまり、KRF93=ケネディクスの可能性が高い。
そりゃ引き取らないよね
もう一度スキーム図を見てほしいのですが。
KRF93=ケネディクスが信託受益権を取得する費用を投資家が貸した。
ところが、ケネディクスは予定通りに売却できなかった。
これにより、投資家が持つ債権は元本が戻ってくるか分からない状態になった。
そりゃ、そんな債権を引き取りませんよね。
ない袖か…
ケネディクスに貸すのだから、ケネディクスがミスるリスクを想定しないといけない。
それが抜けていた。
今さらですが…
他の案件にも同じリスクが浮上
今回の遅延により、現在bitREALTYで運用中の案件にも同じリスクが浮上しました。
プレジオ芦屋案件も同様
まず、プレジオ芦屋案件ですが、スキームは海老名案件とまったく同じです。
そして、融資先の合同会社KRF103もケネディクス本社と所在地が同じ。
受益権の売却が予定通りに進まなければ、海老名案件同様に遅延になる可能性があります。
ちなみに僕は50万円投資中です。苦笑
やっちゃった!
レム六本木案件も同様の可能性
レム六本木案件もスキームは海老名案件と同じです。
融資先の合同会社RRBの所在地は某税理士法人の事務所ですが、この税理士法人は複数の別件でケネディクスとつながりがあります。
なので、こちらも海老名案件と同様になる可能性は否定できないでしょう。
警戒を強めよう
ただひたすら反省
いやぁ、今回ばかりはただただ反省です。
勝手に甘く淡い期待を寄せて、ただの想像で期待に確信を持ち、フタを開けたらこのザマ。
バカ丸出しですよ。
いい年して我ながら愚か者の極みです。
反省してます…
事故が急に増えてきた
ところで最近、事故が増えてきましたよね?
クラバンのテクノスチール、オナブ大阪、オルタナバンク横浜不動産、property+桜山、トモタク築地。
そして今回、ガチ堅のはずのbitREALTY。
じわじわ次から次へと出てくる。
2018~19年を彷彿とさせますよね。
怖いことを…
注意するに越したことはありません。
あとから取り越し苦労だったねで済めば良し。
警戒を強めて慎重にいきましょう。
備えあればです!
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