不動産情報サービス大手のLIFULLが不動産クラウドファンディングに参入することが分かりました。
なんと!
4月11日の日経新聞で報道されましたが、
読んだけどいまいちピンとこないという方もいるのでは?
は~い!
そこで今回は、LIFULLが不動産クラファンに参入する
- 狙い
- 投資家への影響
を、初心者向けに分かりやすく解説します。
良いニュースです!
見落としている穴場業者はありませんか?
タップできる目次
LIFULLの不動産クラファン参入の概要
それではまず、LIFULLの不動産クラウドファンディング参入の概要から解説します。
LIFULLとは?
LIFULLは東証プライム上場の不動産情報サービス業者です。
不動産情報サイト「LIFULL HOME'S」などを運営しており、楽天グループの持分法適用会社でもあります。
LIFULLの不動産クラファン参入の概要
4月11日に発表
LIFULLが不動産クラファンに参入することは、4月11日に同社のプレスリリースで発表されました。
その主な内容は以下の通りです。
国交省に許可申請
不動産クラファンを行うには不動産特定共同事業の許可が必要です。
勝手にはできません!
その許可の申請を4月5日に国土交通省と金融庁に対して行いました。
申請したのはLIFULLの100%子会社で金融事業を担当するLIFULL Investmentです。
プチ解説 不動産特定共同事業とは?
目的は不動産業者への資金調達支援
不動産クラファンに参入する目的について、前掲の日経記事には次のように書かれています。
宅地建物取引業者への資金調達支援を拡充する。
これは具体的には、
- LIFULLの不動産クラファンを使って
- 不動産業者が
- 資金調達できるようにする
ということです。
どゆこと?
なんのこっちゃ、よく分かりませんよね。
これについては後ほど詳しく解説します。
7月スタートを予定
LIFULLの不動産クラファンですが、2024年7月の運営開始を予定しています。
この 夏に新しい業者が誕生です!
大物の登場ね。
LIFULL不動産クラファンサイトはすでにある
不動産クラファン情報サイトを運営していた
LIFULLは「LIFULL不動産クラウドファンディング」というサイトを運営しています。
このサイトはLIFULLが不動産クラファンを運営するサイトではありません。
各業者が募集する案件の紹介をしていました。
不動産クラファンの情報サイトか。
プチ解説 案件とは?
LIFULLの不動産クラファンサイトにリニューアル
こちらのサイトは昨年9月30日で案件情報のサービスを停止しました。
現在はトップページに以下の案内が書かれています。
本サイトは、必要な許可取得後に、LIFULLグループのLIFULL Investmentが厳選したファンドの募集を取り扱うクラウドファンディングサイトにリニューアルする予定です。
「LIFULL不動産クラウドファンディング」サイトが、今年7月にLIFULLの不動産クラファンサイトに変わるのでしょう。
準備万端です!
LIFULLの不動産クラファン参入の狙い
LIFULLは今回、国交省に2種類の許可を申請しています。
それぞれの許可を得て何をしたいのか?
ここからはLIFULLの狙いを探ります。
LIFULLが不動産クラファン業者に
LIFULLの狙いの1つ目はLIFULLが不動産クラファン業者になることです。
不動産特定共同事業をやる許可を申請
LIFULLが許可を申請した不動産特定共同事業(以下、不特事業)とは次のような事業です。
- 不動産業者が複数の投資家から出資を受け
- 集まった資金で不動産を取得、運用し
- 得られた利益を投資家に分配する
1人のお金持ちがドーン!と1億円を出すのではなく、私たち庶民1千人が10万円ずつ出すイメージです。
貧乏人でも不動産投資!
プチ解説 分配とは?
ただし、不特事業は誰でも勝手にやって良いわけではありません。
国交省などの許可が必要で、LIFULLは今回、その許可を申請しました。
LIFULLが案件を組成・運用
この許可が降りると、LIFULLは他の業者と同じように不特事業をできるようになります。
つまり、他の業者と同様にLIFULLが不動産クラファン業者になるということです。
LIFULLが不動産クラファンに参入です!
プチ解説 組成とは?
LIFULLが他社の案件の募集を代行
LIFULLの狙いの2つ目はLIFULLが不動産クラファンの募集代行をすることです。
募集代行?
不動産クラファンの運営は大変
不動産クラファンを運営するのは簡単ではありません。
まず、インターネットを使って案件の募集などを行うには、不特事業の許可とは別に、電子取引業務の許可が必要です。
また、不動産クラファンのシステムは専門のシステム業者から導入するのが一般的ですが、数百万円から1千万円以上かかります。
業者が自分で作ってるんじゃないんだ!
自社で作ってる業者はごく一部です!
そして最も大変なのが集客です。
ネットマーケティングのノウハウが必要ですし、販促コストもかかります。
会員登録でアマギフとか。
多くの業者は非クラファン
不特事業の許可を取っている不動産業者は全国で約300社あります。
しかし、上述の通り不動産クラファンをやるのは大変です。
- 電子取引業務の許可
- システム導入
- 数百万円から1千万円以上
- 集客
- ネットマーケティングのノウハウ
- 販促コスト
そのため、不動産クラファンをやっているのは100社足らずにすぎないのです。
他の業者はどうしてるの?
ネットを使った募集業務ができないため、店頭や郵便などネット以外の方法で販売しています。
その代償として集客が限られるということです。
それはツライね…
LIFULLが募集代行の許可を取得
LIFULLは不特事業の許可といっしょに電子取引業務の許可も申請しました。
許可が下りればLIFULLは不動産クラファンができるようになります。
そこで、あわせて申請したのが募集代行の許可です。
募集代行?
不特事業の許可は持っているけれど、不動産クラファンはできない。
そんな不動産業者が作った案件の募集をLIFULLが代行するということです。
- 不特事業の許可を持つ不動産業者が案件を作る
- LIFULLに募集を委託
- LIFULLが不動産クラファンサイトで募集
つまり、
ということです。
もちろん、募集代行は誰でも勝手にはできません。
そこでLIFULLが募集代行の許可を申請したということです。
LIFULLは集客できるの?
LIFULLは集客力は十分にある
LIFULLは1997年から不動産情報サイトを運営しています。
LIFULL HOME'SはSUUMO、at homeなどと並ぶ日本最大級の不動産情報サイトです。
アプリのダウンロードは100万回以上。
集客力は十分あるでしょう。
LIFULLが不動産クラファンの楽天市場に
不特事業の案件は作れるが不動産クラファンはできない。
そんな業者は多数あります。
LIFULLが彼らの集客、販売を代行する。
たとえるならば楽天市場と同じです。
美味しい漬物を作れるけれど、ECサイトを作るのは大変だし、集客ノウハウはゼロ。
そんな漬物屋が楽天市場に出店し、集客、販売してもらうのと同じですよね。
LIFULLが不動産クラファンの楽天市場になるイメージです。
クラファン市場だね。
LIFULLの狙い
LIFULLが取った2つの許可。
- 不特事業をやる許可
- 募集代行をやる許可
LIFULLのメインの狙いは募集代行の許可だと思います。
手数料収入を得られる
まず、募集を代行することで手数料収入を得られます。
これが大きな狙いでしょう。
案件を増やせる
隠れたもう一つの狙いは案件を増やせることにあります。
投資家にメリットありです!
不動産クラファンで月に何件も案件を出している業者って少ないですよね?
で、案件が少ないと投資家から不満が出ます。
募集が全然ないじゃん!
会員登録して損したよ…
LIFULLだけでは案件を増やせない。
そこで、他社の募集を代行する。
そうすれば、LIFULLサイトで募集する案件を増やせるでしょ?
その手があったか!
最近、これをやっているのが大家どっとこむです。
今年1~3月に募集された9案件の内、4案件が募集代行のものでした。
案件を倍増です!
代行で手数料ゲット。
さらに、募集も増やせる。
LIFULLは募集代行で一挙両得を狙っているのではないでしょうか?
一粒で二度美味しい!
LIFULL不動産クラファン参入の投資家への影響
以上を踏まえ、LIFULLの不動産クラファン参入が私たち投資家に与える影響を考えます。
投資家が不動産市場から利益を得る
まず、投資家がこれまで手にすることができなかった利益を不動産市場から得ることができます。
投資家の資金が不動産市場へ
不動産事業はザックリ次の3つのステップで行われます。
- 不動産業者が資金を調達する
- 調達した資金で不動産を取得する
- 不動産を運用し利益を出す
どこから調達するの?
現在、この資金の調達先は金融機関や機関投資家、富裕層などです。
LIFULLが不動産クラファンに参入することで、不動産業者は私たち一般投資家に資金の調達先を広げることができます。
これは私たちの側から見ると、LIFULL経由で投資家が不動産市場に参加できるということです。
するとどうなるの?
不動産事業の利益が投資家に
現状では不動産事業で得られた利益は、資金の調達先である金融機関や機関投資家、富裕層などに独占されています。
LIFULL経由で投資家が資金の調達先になることで、今後は不動産事業の利益を投資家もゲットできるようになるのです。
富裕層と同じポジションに!
東証プライム系業者が誕生
上述の通りLIFULLは東証プライム上場企業です。
LIFULLの参入で東証プライム上場系の不動産クラファン業者が新たに誕生することになります。
上場系、特に東証プライム上場系は信頼性が高いですよね?
東証プライム上場系の不動産クラファン業者は72CROWD.やGALA FUNDINGに続いて6社目です。
他社にはない案件の登場
LIFULL不動産クラファンが自社で出す案件について、LIFULLのプレスリリースには次のように書かれています。
当社自身が不動産ファンドの運用を行い、主にLIFULLグループが目指す地方創生等の社会課題の解決をテーマとした事業を推進してまいります。
地方創生など社会課題の解決につながる案件を出すようです。
どんな案件だろう?
地方の古民家とか空き家再生の案件でしょうか?
であれば、他社にはない案件に投資できるチャンスになるかもしれません。
懸念点
一方でLIFULLの不動産クラファンには懸念点もあります。
代行案件の信用力に注意
LIFULL不動産クラファンで募集される案件には次の2種類があります。
- LIFULLが自社で組成する案件(自社案件)
- LIFULLが募集を代行する案件(代行案件)
自社案件はLIFULLが組成した案件なので、東証プライム上場の信頼性が期待できます。
一方の代行案件はLIFULLが組成したものではありません。
その案件に東証プライムの信頼性は期待できるでしょうか?
楽天市場に出店している漬物屋さんに、楽天グループの信頼性は期待できないのと同じです。
代行案件については、LIFULLだから大丈夫!ではなく、案件を組成したのはどんな不動産業者なのかチェックが必要でしょう。
LIFULLは募集を代行するだけです!
事前入金方式
前掲の日経記事によるとLIFULLの不動産クラファンは事前入金方式になるようです。
投資家から預かった資金を預託金口座で管理する機能がある。投資先を決める前に入金を受け付け、投資が確定したときに資金を引き落とす。投資のたびに資金を振り込む手間を省く。
え~っ!
プチ解説 事前入金方式とは?
事前入金方式では次のような問題が起こります。
- 投資するためにデポジット口座(預託金口座)に振り込んだ
- クリック合戦や抽選で投資できなかった
- 資金がデポジット口座で寝る
- 引き出すには手数料が必要
事前入金イヤだなぁ…
日経記事は「投資のたびに資金を振り込む手間を省く」とポジティブに書いていますが。
あと入金の方が良い投資家の方が圧倒的ですよね?
最低でも出金手数料無料はお願いしたいところです。
プチ解説 デポジット口座とは?
プチ解説 クリック合戦とは?
プチ解説 抽選とは?
LIFULL不動産クラファンに期待!
以上、LIFULLの不動産クラファン参入について解説しました。
信頼性の高い東証プライム上場系の業者の新登場。
募集代行で案件数も多くなりそうです。
運営開始は7月。
期待して待ちましょう。
デビュー記念利回りに期待!
ドーンと10%!
20%でもOKっす!
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