不動産クラウドファンディング協会が不動産クラウドファンディングデータベースを公開しています。
これが良い意味でトンデモナイ内容です。
このデータベース、もしかすると投資家にとって強い武器になるかもしれません。
詳しく解説します。
ムッチャ期待です!
各社のキャンペーン情報をまとめました。
タップできる目次
データベースが予想以上の情報公開
クラファンデータベースがトンデモなのは情報公開のレベルの高さです。
不動産クラウドファンディング協会とは?
協会の概要
不動産クラウドファンディングデータベース(以下、データベース)を公開したのは不動産クラウドファンディング協会(以下、協会)です。
不動産クラファン業界の信頼性などの向上を目的に、2023年8月30日に設立されました。
CREALの横田社長が代表理事を務めています。
加盟業者は18社
2024年4月18日時点で協会に加盟しているクラファン運営業者は以下の18社です。
この18社がデータベースの収録対象となっています。
けっこうあるね。
協会がデータベースを公開
90案件を公開中
協会は発足時から加盟業者の案件情報をまとめたデータベースを公開するとしていました。
その目的は透明性の向上です。
そして、2023年12月21日にデータベースの公開を開始。
これまでに90案件を公開済みです。
これからも増えるよね?
プチ解説 案件とは?
データベースは月次で更新
データベースは月次で更新されており、これまでの更新履歴は以下の通りです。
2023年12月21日 | データベース公開 |
---|---|
2024年1月24日 | 更新 |
2024年2月26日 | 更新 |
2024年3月19日 | 更新 |
今後も月イチペースで案件が追加されていくでしょう。
定期的に更新されています!
データベースのトンデモな内容
リファイナンス情報を掲載すると
僕は協会がデータベースを作る予定であることは知っていました。
ですが、データベースに掲載される情報項目を知ったのはつい最近です。
こちらのYoutube動画で横田社長が解説しているのを見て初めて知りました。
掲載できるはずがないと思ったが
驚愕したのが公開する情報項目にリファイナンス情報が入っていたことです。
のちほど詳しく説明しますが、リファイナンス情報は業者によっては非常に都合が悪い場合があります。
それだけに、さすがにリファイナンス情報は公開できないだろうと思ったのです。
業者にとってマイナスになる。
まさか本当に掲載するとは
ところが、データベースを見てみると、なんとリファイナンス情報が掲載されているのです!
まさか本当に掲載するとは。
リファイナンス情報はデータベースのトンデモナイ目玉項目になり得ます。
ビックリしました!
データベースの現在の問題点
ここで僕が感じた現時点でのデータベースの問題点を指摘します。
情報の正確性に課題
まず一点目は情報の正確性に不備があることです。
不正確な記入
例えば、ジョイントアルファのエリア分散型第6弾は物件の多くが第2弾からの引き継ぎ、つまりリファイナンス物件なのに、リファイナンスなしと表示されています。
他にも運用期間が終わった案件で当初契約期間の延長の有無欄が未記入のままであったり。
延長なしをアピールするチャンスが。
いずれ解決するので問題ない
ただ、こういった事例はごく少数にとどまります。
また、新しい試みの初期段階で不備や不徹底が出るのは当然のことです。
いずれ解決するので大きな問題ではありません。
2つのリファイナンスの区別がない
問題として大きいのは、データベースのリファイナンスには2つの種類があるが、現状では区別がつかない点です。
どんな2種類?
予定通りリファイナンス
1つ目は予定通りのリファイナンスです。
次のような案件で行われるリファイナンスを指します。
- 業者が案件を組成、募集する
- 業者が所有する物件で
- 案件の運用が始まる
- 投資家が物件を所有
- 賃料は投資家に
- 案件の運用が終わる
- 業者所有に戻る
- 投資家に元本償還
- 同じ物件で再度案件を組成、募集する
- 1に戻る
例えば、青空ハイツを投資対象とする運用期間1年の案件を募集し、山田さんや田中さんが投資する。
1年経ったら山田さんたちに元本を返し、また青空ハイツで案件を募集。
今度は鈴木さんや近藤さんが投資し、1年後に~を繰り返すってことです。
投資家がグルグル入れ替わります!
同じ物件で何度も募集を繰り返す。
ジョイントアルファやKORYO Fundingの案件がこのパターンです。
定期的に募集するので、その物件でリファイナンスをするのは予定通り。
元本が確実に戻ってくる安全性が高い案件です。
プチ解説 組成とは?
プチ解説 運用とは?
売れ残りリファイナンス
もう一つは売れ残りのリファイナンスです。
売れ残り?
こういう流れで案件が組成されます。
- キャピタル型で案件を組成、募集した
- 運用終了までに物件を売却予定
- 物件が売れなかった
- 一旦、物件を業者の所有に戻す
- 投資家に元本を償還
- 同じ物件で案件を再募集する
駅前パレスの1室を1,000万円で取得して案件を募集した。
1,200万円で売却して利益を出すつもりだったが、売れなかった。
そこで、投資家に元本をいったん返して、駅前パレス案件を再度募集するというパターンです。
売れ残りで再募集です!
運用期間中に売れなければ、運用期間を延長するのが基本です。
でも延長すると投資家に迷惑がかかるし、業者のイメージ、信用力が低下する。
そこで、いったん投資家に元本を償還し、運用が無事に終わった形にする。
そして、同じ物件で別の案件を組成し募集するということです。
それってどうなの?
言ってみれば、売れ残った商品をパッケージを変えて売り場に並べるようなものです。
売れ残り不動産が投資対象の案件なので、売却できずに元本毀損になる可能性があります。
プチ解説 キャピタル型とは?
プチ解説 償還とは?
プチ解説 元本毀損とは?
現状は区別がつかない
我々投資家が知りたいのは、その物件が売れ残りリファイナンスであるかです。
それが分かれば、リスク回避でその物件が投資対象の案件は避けるとか、リスクに見合う利回りであれば投資するとか、判断材料になります。
しかし、現在のデータベースではリファイナンスが予定通りリファか売れ残りリファであるかの区別がつかないのです。
ただ、これはさすがに公開できないでしょうね。
この物件、売れ残りです~♪って業者に自ら手を挙げろって、ちょっと酷な気もしますから。
応募しない人が増えるだろうね。
もしくは高利回りにする必要が。
データベースが投資家の強い武器に
このデータベースですが、投資家の強い武器になる可能性を秘めていると思います。
業者に都合の悪い情報を公開
都合の悪い情報が項目に
データベースはリファイナンス情報の他にも、業者にとって都合の悪い項目を含んでいます。
運用が終わった案件に関して、元本毀損や運用期間の延長の有無を記載するようになっているのです。
過去に元本毀損を出した事実が永久に掲載され続きます。
業者の黒歴史です!
出したくない情報も項目に
また、案件ごとに出資した投資家の人数や、法人投資家の人数、耐震基準や工事費などの項目もあります。
業者によってはあまり積極的には出したくない情報でしょう。
1人あたり投資額とか分かるし。
データベース参加が信頼性判断の指標に
データベースには業者にとって都合の悪い情報、出したくない情報が含まれています。
そのため、こういった情報を隠したい業者はデータベースに参加しないでしょう。
それはつまり、データベースに参加していることがその業者の信頼性の証になる。
投資家にとってデータベースへの参加が業者を選ぶ際の判断基準になるということです。
参加業者は信頼できる。
データベースの今後に期待
正直、まさかここまで情報を出すとは思っておらず、良い意味で裏切られました。
2つのリファイナンスの区別にまで踏み切れるかは分かりませんが、業者選びの材料には確実になるでしょう。
投資家にとってプラスの動きであることは間違いありません。
協会とデータベースの今後に期待しましょう。
期待ビッグです!
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