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ヤマワケショックは本当か?各社の利回りが上がったかを検証

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高利回りの案件を連発し、不動産クラウドファンディング業界のみならず、ソーシャルレンディング業界にも衝撃を与えたヤマワケエステート

ヤマワケエステートのサイト画像

左野くん
左野くん

利回り高いよね。

 

一部の投資家の間では次のような声もあがっています。

ヤマワケに対抗して他社が利回りを上げている!
ヤマワケが出てきてから、全体の利回り水準があがった!

僕もそう感じていました。

右田さん
右田さん

ヤマワケのおかげだね!

 

しかし、本当にそうなのか?

ヤマワケエステートの登場で、ソシャレン、クラファン業界の利回り水準は上がったのでしょうか?

各社の利回りを調査し検証してみました。

タロウさん
タロウさん

意外な結果です!

 

Xやってます!
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この記事の著者
投資家・ブロガー
タロウ

ソーシャルレンディング、不動産クラウドファディング専門の投資家です。
2018年にソシャレン・クラファン投資を始め、これまで400件を超える案件に2億3千万円以上を投資し損失ゼロ。
安全性を最重視した投資情報を発信しています。

ヤマワケショックは虚像だった?

ヤマワケショックは虚像だった?のタイトル画像

ヤマワケエステートの影響で業界の利回り水準が上昇。

実はそうではないようです。

左野くん
左野くん

なんと!

 

業界全体では上がっていない

ソシャレン、クラファン40社を調査

今回の調査対象です。

  • ソシャレン、クラファン40社
  • 2023年1月~2024年4月に募集された案件

ヤマワケエステートが募集を始めた2023年10月に、いきなり対策を打った業者はいないでしょう。

そこで、調査対象期間を以下の5期に分け、平均利回りの推移を比較しました。

  • 2023年1~5月
  • 2023年6~10月
  • 2023年11~12月
  • 2024年1~2月
  • 2024年3~4月

プチ解説 案件とは?

プチ解説 業者とは?

 

利回りに変化なし

まず、40社の平均利回りの推移を表したのが下のグラフです。

40社の平均利回りの推移のグラフ

平均利回りは5.1~5.2%で推移。

変化なしです!

右田さん
右田さん

なんと!

ヤマワケエステートの登場は、少なくとも業界全体に影響を与えるほどではなかったようです。

 

大半の業者は利回りを変えず

個別で見ていくと大半の業者はヤマワケ登場の前後で利回りを変えていません。

 

変化なしの業者

まず、Funvestは平均3.1%でほぼ変化なしです。

Funvestの利回りの推移のグラフ

 

Rimpleも正月などに高利回りが出た影響を除くと、ほぼ2.7%で変化はありません。

Rimpleの利回りの推移のグラフ

 

TECROWDもマイペースで高い利回り水準を保っています。

TECROWDの利回りの推移のグラフ

 

一切変化なしの業者も

また、KORYO Fundingはデビュー案件の4.8%を除くと一貫して4.5%。

KORYO Fundingの利回りの推移のグラフ

プチ解説 デビュー案件とは?

 

不動産BANKみんなの年金も期間を通してずっと同じ利回りです。

不動産BANKの利回りの推移のグラフ

 

利回りが下がった業者も

ヤマワケエステートの影響で利回りが上がるどころか、逆に下がった業者もあります。

GALA FUNDINGは2023年7~8月に3.5%から3.0%に下げたあとは3.0%を維持。

GALA FUNDINGの利回りの推移のグラフ

 

T's Fundingも2023年11~12月に上がりましたが、期間を通して見ると下がっています。

T's Fundingの利回りの推移のグラフ

左野くん
左野くん

ヤマワケの影響なしなんだ。

 

一部の業者で利回り上昇

いえ、上がっている業者もあります。

 

一部の業者で明確に上昇

まず、先日の記事で紹介したOwnersBookは利回りが明らかに上がっています。

OwnersBookの利回りの推移のグラフ

 

Pocket Funding大家どっとこむONIGIRI Fundingもヤマワケ登場後に利回りの上昇が認められます。

大家どっとこむの利回りの推移のグラフ

ONIGIRI Fundingの利回りの推移のグラフ

 

微上昇の業者も

Fundsもごくわずかですが利回りが上昇しています。

Fundsの利回りの推移のグラフ

ただ、Fundsは利回りの変動が本当に小さい業者です。

そのFundsで0.2%は大きな変化だと感じます。

 

これら以外にも複数の業者で利回りの上昇が認められました。

右田さん
右田さん

ヤマワケの影響はあったんだ。

タロウさん
タロウさん

う~ん、そこが微妙で…

 

ヤマワケエステートの影響かは不明

利回りが上がった業者についても、それが必ずしもヤマワケエステートの影響なわけではありません。

 

自社都合の可能性

例えば、ジョイントアルファは2023年下期に利回りを従来の3%から段階的に2%まで下げました。

これが投資家からは超絶不評で、特に12月の2%の案件では募集期限ギリギリまで満了せず。

それで年明けから3%に戻しただけで、ヤマワケエステートの影響ではないはずです。

プチ解説 満了とは?

 

バンカーズは今年3~4月に高利回りの海外案件を連発したため利回りが上がりました。

バンカーズの利回りの推移のグラフ

しかし、それがヤマワケ対策なのか明確な証拠はありません。

プチ解説 海外案件とは?

 

B-Denは昨年12月から募集を本格化させたので、それで利回りが上がっただけ。

特に4月は株主優待の利回り5%案件の影響です。

B-Denの利回りの推移のグラフ

 

OwnersBookなどさきほど挙げた業者についても、ヤマワケエステートの影響だと断定することは難しいのではないでしょうか。

左野くん
左野くん

なんでヤマワケの影響と思ったのかな?

 

新業者の利回りが印象に影響か?

ヤマワケ影響説が出た要因として、もしかすると新規業者の高利回りが投資家の印象に影響を与えたのかもしれません。

新規業者は運営開始からしばらくの間、高い利回りを出す傾向にあります。

下の表はヤマワケエステートが登場した昨年10月以降に募集された新規業者の案件の利回りです。

業者 利回り 案件数
くじらファンディング 7.5~7.7% 5件
GREEDY 8.0% 4件
ビギナーズクラウド 7.0% 2件
CAMEL 6.0~9.0% 9件
REEZIN 8.0% 2件
Incapi 10.0% 1件
Re:Vest 6.0% 2件
LSEED 3.0% 1件
TAMBO 9.0~10.0% 2件
FCROWD 8.0% 1件
らくたま 6.0% 2件

LSEEDの3%を除いて6~10%がヤマワケ後に30案件です。

これらが投資家にヤマワケの影響と錯覚させた可能性はあるかな?と。

右田さん
右田さん

実はヤマワケとは関係ないと。

 

ヤマワケショックは勘違い?

以上、ヤマワケエステートの登場が他社の利回りを上げたかを検証しました。

 

明確な因果関係は確認できず

今回、明らかになったのは多くの業者でヤマワケ登場後に利回りが変化していない事実です。

一部の業者では明確な上昇が認められました。

しかし、その上昇とヤマワケ登場との明確な因果関係までは確認できません。

 

投資家の勘違いか?

現時点では「ヤマワケの影響で利回りが上昇!」は、投資家の勘違いじゃないかなと。

ヤマワケエステートの高利回り連発の衝撃があまりにも大きかった。

ヤマワケエステートの高利回り案件

それで、他社が対策で利回りを上げたと思い込んだというのが真相ではないでしょうか?

左野くん
左野くん

気のせいだったと。

 

反省します…

で、勘違いした張本人のワタクシでございますが。

はい、反省しきりです。苦笑

今後はしっかりデータに基づいて発信するよう心がけます。とほほ。

タロウさん
タロウさん

反省しております…

 

コメント

  1. K&L Bros. より:

    タロウさん、こんにちは

    今回の利回り調査、ありがとうございました

    私もヤマワケ対策で利回りが…と思っていましたがそんなことはなかったと分かり、思い込みに注意しなくっちゃ!と再認識した次第です

    これからも有益な情報発信、よろしくお願いします

    • タロウ タロウ より:

      こんにちは~

      ほんと、思い込みって怖いですよね。
      失敗投資につながりかねませんから。
      用心していきましょう~!