ソーシャルレンディングと不動産クラウドファンディングで投資の安全度を高めるとされる信託保全。
でも、実はその効果は限定的です。
それを知らずに
信託保全だから安全!
と過信すると、あとから
そんなはずじゃ…
となることに。
今回は勘違いされがちな信託保全について解説します。
ぜひ知ってください!
ソシャレン、クラファン、すべての業者の一覧リストです!
タップできる目次
信託保全で安全度が上がる理由
まず最初に信託保全で投資の安全度が上がる理由を説明します。
逆に言うと、信託保全がない業者が安全でない理由です。
プチ解説 業者とは?
分別管理は安全ではない
分別管理とは?
多くの業者のサイトに「分別管理をしているから安全」と書かれています。
分別管理とは業者の資産と投資家のお金を分けて管理することです。
別々の銀行口座で管理するので両者のお金がごっちゃにならず、不正流用の心配がないとしています。
別々の口座で管理するから安全だと!
しかし、「分別管理だから安全」は正しくありません。
普通の銀行の口座を使って分別管理する場合、安全ではない理由が2つあります。
自由に引き出せる
まず、分別管理では業者分の口座と投資家分の口座、2つの銀行口座を作って分けて管理します。
しかし、投資家分の口座の通帳と印鑑を持っているのは業者です。
なので、悪意があればいつでも自由に引き出せるのです。
どこが安全やねん!
5~6年前の話ですが、とある業者の社長さんがTwitterで
と、通帳の束の写真を付けてツイートされまして。
僕はそれを見るまで業者が通帳を持っているとは思ってなかったので衝撃を受けました。笑
ぜんぜん安全ちゃうやん!
差し押さえの対象になる
安全ではないもう1つの理由は、分別管理の口座は業者の資産扱いであることです。
このため、業者が倒産すると口座の中のお金は破産管財人に差し押さえされます。
ソシャレン、クラファンに限らず、差し押さえされると1円も戻ってこないことのほうが多いです。
ぜんぜん安全じゃないじゃん。
悪意があれば業者が自由に引き出せる。
業者が倒産したらまず戻ってこない。
普通の銀行を使った分別管理は安全ではないのです。
信託保全で安全度アップ
そこで登場するのが信託保全です。
信託保全とは?
ソシャレン、クラファンで言われる信託保全とは、信託銀行を使った分別管理のことです。
みずほやGMOあおぞらとかではなく、日証金信託銀行など信託銀行の口座を使って分別管理をします。
何が変わるの?
自由に引き出せない
信託銀行にお金を預けると、口座ごとに受益者代理人が設定されます。
受益者、つまり我々投資家の代理人で、弁護士などが担当することが多いです。
受益者代理人は口座の動きに異常がないか常にチェックします。
ですので、業者が好き勝手にお金を引き出すことはできません。
差し押さえされない
また、信託口座内のお金は差し押さえの対象外です。
業者が倒産しても差し押さえされません。
しかも、業者が倒産した場合、口座内のお金は受益者代理人によって投資家に返還されます。
お金が戻ってくる。
自由に引き出されないし、倒産しても大丈夫。
これが信託保全が安全とされる理由です。
信託保全の仕組みがある業者
ソシャレン、クラファンで信託保全の仕組みを持っているのは次の4社です。
オルタナバンクは以前は信託銀行で分別管理していましたが、今はどうか僕は把握していません。
くじらファンディングとみんなの年金はサイトには信託保全と書かれていますが、成立前書面にその旨の記載が見当たらないです。
どなたか確実な情報をお持ちでしたら、ぜひ教えて下さい。
おなしゃす!
プチ解説 成立前書面とは?
信託保全の落とし穴
ないよりあったほうが絶対に良い信託保全。
ですが、1つだけ注意点があります。
信託保全の効果は限定的
信託保全される期間が短い
それは、信託保全される期間が短いことです。
信託保全の効果が効くのは、投資家のお金が信託口座にある間だけ。
それって、いつですか?
- 投資家が業者の口座に振り込む
- 業者に着金する
- お金を信託口座に移す
- 融資を実行/物件を取得
- 融資を回収/物件を売却
- 投資家の口座に振り込む
3~4と5~6の間だけ。
つまり、
- 振り込んでから運用が始まるまで
- 運用が終わってから償還されるまで
信託保全されるのは運用前後だけです。
短いじゃん…
プチ解説 運用とは?
プチ解説 償還とは?
プチ解説 デポジット口座とは?
運用中は信託保全の対象外
そして、ソシャレンでお金を貸している間、不動産クラファンで物件を運用している間は信託保全の対象外。
最も長い期間は信託保全されていないのです。
知らなかった…
勘違いは禁物
もちろん、信託保全があったほうが安全度は上がります。
ないよりあったほうが絶対に良いです。
でも、信託保全が機能する期間は限定的で、最も長い運用期間中は対象外。
ここを誤解していると、物件が安値売却で元本毀損になった時に、
と、わけの分からないイチャモンクレームをわめくことになります。
プチ解説 元本毀損とは?
仕組みをしっかり理解しよう
信託保全が機能する期間は限定的。
これって、ソシャレン、クラファンのお金の動きを理解していたら分かることですよね?
逆に「業者の口座に振り込んだら増えて戻って来る♪」レベルで投資している人だと絶対に分かりません。
投資の安全度を高めるために、ソシャレン、クラファンの仕組みをしっかり理解しましょう。
理解なくして安全なしです!
コメント
安全で無いとしきりに言っておいて、仕組みを理解しようと言われても・・・。
ん?
仕組みを理解しないと安全でない部分に気づかないよ、ってことなのですが。
分かりにくかったようなら失礼!