不動産クラウドファンディングのTAMBOが投資家への情報提供で独自ルールを制定しました。
案件募集の際の誤解を招きかねない表現を排除する素晴らしい取り組みです。
業者が増加し競合が激化したことが良い方向に作用した好例と言えるでしょう。
詳しく解説します。
非常に良い取り組みです!
TAMBO以外にも業者はたくさんあります。
タップできる目次
TAMBOの情報提供がより良くなる
勧誘方針とは?
案件募集の自社ルール
今回、TAMBOは従来からあった「不動産特定共同事業に係る勧誘方針」に新たな内容を追加しました。
この「勧誘方針」は案件を募集する際の自社ルールで、多くの業者が制定しています。
各業者のサイトの一番下のところにあるので、勧誘方針の4文字を見たことはあるかも?
内容は見たことないけど。
ですよね。笑
プチ解説 不動産特定共同事業とは?
プチ解説 案件とは?
プチ解説 業者とは?
勧誘方針の主な内容
業者によって違いはありますが、勧誘方針は主に次の5つの内容からなっています。
- 投資家の知識、経験、財産状況に合った、適切な勧誘、説明
- 商品内容やリスクなどの重要事項を、法令に則り適切に説明
- 投資家に誤解を与えない正確な情報提供
- 投資家に迷惑をかけない勧誘方法(適切な時間帯での電話や訪問)
- 適切な勧誘を行うための、研修体制や管理体制の整備
当社が案件を募集する際は、これらのルールを守ってやりますよ!と。
それが勧誘方針です。
各社のマイルールです!
TAMBOが4つの独自ルールを制定
7月2日に会員に案内
TAMBOは独自ルールの制定を7月2日に会員にメールで案内しました。
メールの冒頭を引用します。
ここ最近、
不動産特定共同事業や不動産クラウドファンディングにおいて、投資リスクについて十分な説明が行われていない事案や不動産の特定が適切に行われていない事案などが問題視されている ことを踏まえ、投資家保護の観点から、 正確にわかりやすく対象不動産や事業のしくみ、投資リスクを会員の皆様にお伝えすることを目指し、「不動産特定共同事業に係る勧誘方針」を改訂いたしました。
う~ん、長くて分かりにくい。
ブロガー的には一文が長すぎる、3つくらいに分けて一文を短くしろと言いたくなります。笑
職業病だね。
独自ルール制定の狙い
内容を簡単にまとめるとこういうことです。
- 不動産クラファンで説明の不十分さが問題視されている
- 投資家保護の観点からリスク等を適切に投資家に伝えたい
- そこで、勧誘方針を改訂することにした
TAMBOが独自ルールを制定した狙いは「案件の内容を投資家に正確に分かりやすく伝える」ことです。
具体的には4つの独自ルールを制定しています。
順番に見ていきましょう。
対象不動産の特定
情報の出し方に留意
まず1つ目に、投資対象の不動産を正確に特定できるような情報の出し方をするとしています。
不動産特定共同事業においては、不動産が特定されていることが事業要件であるため、会員の皆様が正確に対象不動産を認識し投資意思決定を行っていただくことができるよう、以下の点に留意して不動産の特定に関する記載・表示を行います。
そのために以下に示す3つの具体的措置を取ります。
1.所在地等の明記
- 対象不動産の所在地を明記
- 現地写真や外観写真、地図等を掲載
これはTAMBOが現状でやっている内容です。
他社もだいたいやってますよね。
特に目新しいことじゃない。
2.区分マンション等での誤解防止
投資対象が区分マンションなど大きな物件の一部の場合、以下の措置を取ります。
- 投資対象が物件の一部であることを明記
- 投資対象の区画を明記
つまり、「敷地全体やマンション一棟全体が投資対象であると誤解させないようにする」ということです。
プチ解説 区分マンションとは?
3.開発案件を分かりやすく説明
更地を仕入れてマンションを建てて販売するといった、いわゆる開発案件については以下の措置を取ります。
- 完成後パースだけでなく現況写真なども掲載
- 工事内容をわかりやすく説明
この「工事内容をわかりやすく説明」には期待します。
説明ほぼゼロの業者がほとんどですから。
願わくば、完成した物件がその価格で売れる根拠も説明していただければ。
売れないと元本毀損だもんね。
プチ解説 元本とは?
プチ解説 元本毀損とは?
リスクに関する説明
2つ目は案件や投資対象物件のリスクの説明に関するルールです。
次のようにあります。
不動産特定共同事業の収益性や出資金の回収可能性を判断するためには、事業に伴うリスクを適切に把握・評価する必要があります。
不動産は個別性が強いため、不動産価値に大きな影響を与えうる事象がある場合には、特にわかりやすく表示して、会員の皆様の注意を喚起するように説明いたします。
一言でいうと「リスクになりそうな情報を積極的に出す」ということでしょう。
具体例として以下が挙げられています。
- 対象不動産、立地等の特殊性
- 空室状況、滞納状況、テナント・賃貸条件の特殊性
正直、今ひとつイメージがわかないですが。
極力、業界の人しか分からない特殊な用語を使わずにご説明いただければと。
不動産ビギナーが多いので!
利回りの算定根拠の説明
3つ目は収支の根拠の明示です。
会員の皆様への配当金の想定利回りが妥当であるかの判断のため、収支見込みや想定利回りの算定根拠を説明いたします。
これは多くの業者でできていないと感じます。
なぜその賃料で貸せるのか?
なぜその価格で売却できるのか?
これを、我々不動産素人でも理解できるように説明してもらえると、納得して応募できますよね。
プチ解説 利回りとは?
誤認、印象操作の排除
最後の4つ目がスゴイです!
不動産特定共同事業及び不動産投資にはリスクが伴うため、投資家保護のためには、対象不動産や事業について正しく会員の皆様にお伝えすることが事業の大前提となります。したがって、商品や投資リスクに対する誤認や印象操作につながりかねない用語やイメージ画像などを利用することを排除し、投資家保護に配慮した表現を採用します。
応募を集めるために案件を良さげに見せて投資家に誤解させる行為。
どこの業者とは言いませんが、ありますよね?
そういうことをしないということです。
その具体例がとってもナイス。
- これまでに元本毀損がないことの強調
- 「ほったらかし」「出資するだけ」など、過剰に安心感をイメージさせる用語の使用
- 対象不動産の評価とは関係のないイメージ画像の利用
痛烈~!
ありますよね、これまでに元本毀損ゼロであることを過度に強調とか。
やたらといい感じでオシャレな写真とか。
そういったことをしないということです。
すばらしい!
競合激化が良い方向に
競合激化でサービス内容改善
不動産クラファンはこの1~2年で業者が激増しました。
その結果、らくたまの「3日+翌日償還」ルールなど、サービス内容の改善で差別化を図る動きが出てきています。
運用が終わった翌日に元本が戻ってくるよ。
TAMBOは2つ目の差別化
TAMBOはすでに配当保証という制度を導入しています。
早期償還になっても最低何カ月分は分配金を払うという安心できる制度です。
今回の独自ルール制定でTAMBOはさらに差別化を進めたことになります。
TAMBO、良いですね!
プチ解説 早期償還とは?
業者間の切磋琢磨に期待
競合激化で業者さんは大変でしょうが、投資家にとってプラスの効果が出てきているようです。
サービスの改善競争でより良い不動産クラファンになることを期待しましょう。
良い方向での競争を!
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