ソーシャルレンディング大手、バンカーズの応募率の低下が顕著です。
応募率だけでなく調達額も下がっています。
不動産クラウドファンディングも交えた競合激化の影響でしょうか?
状況を探ってみました。
どの業者も大変です!
見逃している優良業者がきっとあります!
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バンカーズ応募率低下の背景
バンカーズの応募率が低下
月単位の応募率が低下
まず、月間の募集総額に対する応募総額の比率が低下しています。
ここで言う比率とは、例えば10月に募集がトータル10億円で、応募が7億円だったら70%です。
今年上半期の月間応募率を表にまとめました。
月 | 月間応募率 |
---|---|
1月 | 85% |
2月 | 75% |
3月 | 67% |
4月 | 62% |
5月 | 68% |
6月 | 63% |
3月以降は60%台が続いています。
つまり、集めたい額の6掛けしか集められていないということです。
あらま。
応募率の平均も低下
また、応募率の平均も低下しています。
ここで言う平均とは、仮に10月に3案件が募集され、それぞれの応募率が100%、90%、80%ならば、平均90%という意味です。
こちらも上半期分をまとめました。
月 | 平均応募率 |
---|---|
1月 | 88% |
2月 | 75% |
3月 | 86% |
4月 | 82% |
5月 | 70% |
6月 | 67% |
3月をピークに低下が続いています。
なんでここまで下がったの?
プチ解説 案件とは?
資金調達力が落ちている?
実はバンカーズでは今年の3月以降、投資家が投資した額、つまり月間の応募額がずっと下がり続けています。
月 | 募集額 | 応募額 |
---|---|---|
1月 | 19億1,286万円 | 16億2,060万円 |
2月 | 15億5,811万円 | 11億7,606万円 |
3月 | 27億8,178万円 | 18億6,343万円 |
4月 | 24億9,995万円 | 15億6,149万円 |
5月 | 20億9,000万円 | 14億1,378万円 |
6月 | 13億4,170万円 | 8億4,756万円 |
募集額も減っているので、応募額が一定ならば応募率は上がるのですが。
募集額の減少に合わせて応募額も減っている。
バンカーズが投資家からお金を集める資金調達力が落ちているのでしょうか?
応募率が低い案件の傾向
それを明らかにするため、応募率が低い案件を調べてみました。
応募率が低いのは以下の案件です。
低利回り案件
アスコット案件や髙島屋案件など利回りが2%台の案件が、ことごとく満了していません。
案件 | 募集額 | 応募額 | 応募率 |
---|---|---|---|
髙島屋 アスコット1-2 | 2億6,000万円 | 9,960万円 | 38% |
アスコット1-10 | 3,000万円 | 761万円 | 25% |
アスコット1-11 | 3,000万円 | 679万円 | 23% |
髙島屋 LeTech1 | 1億円 | 8,131万円 | 81% |
髙島屋 シーラ1 | 1億円 | 2,247万円 | 22% |
アスコット1-12 | 3,000万円 | 1,454万円 | 48% |
どちらも上場企業系の案件ですが、さすがに利回り2%台では厳しいようです。
プチ解説 利回りとは?
プチ解説 満了とは?
プチ解説 上場企業系とは?
2%はちょっとね…
インドネシア案件
インドネシアの貸金業者に融資する案件です。
案件 | 募集額 | 応募額 | 応募率 |
---|---|---|---|
円建て2-1 | 2億5,000万円 | 1億2,477万円 | 50% |
円建て2-2 | 1億5,000万円 | 7,018万円 | 47% |
円建て2-3 | 1億円 | 5,170万円 | 52% |
米ドル建て1 | 1億5,000万円 | 4,978万円 | 33% |
円建て2-4 | 1億円 | 5,332万円 | 53% |
円建て2-5 | 1億円 | 2,096万円 | 21% |
海外案件、特に途上国ということで投資家が不安に感じているのかもしれません。
プチ解説 海外案件とは?
ビューティー案件
クレカ決済の立替サービスを提供する企業に融資する案件です。
5月から6月中旬にかけて募集額未達が続きました。
案件 | 募集額 | 応募額 | 応募率 |
---|---|---|---|
ビューティー1-23 | 1億5,000万円 | 8,982万円 | 60% |
ビューティー1-24 | 1億円 | 7,209万円 | 72% |
ビューティー1-25 | 7,500万円 | 3,372万円 | 45% |
ビューティー1-26 | 7,500万円 | 1,393万円 | 19% |
ビューティー1-27 | 5,000万円 | 4,356万円 | 87% |
ビューティー1-28 | 5,000万円 | 1,794万円 | 36% |
ただ、4月までと6月下旬以降はすべて満了しています。
もしかしたら、他社案件との兼ね合いが原因かもしれません。
他社で高利回りが連発したとか。
バンカーズ全体の傾向ではない
それ以外で満了しなかったのは、マイカーローン案件や東欧案件、モンゴル案件の一部だけです。
それ以外の案件はすべて募集額満額を集めています。
未達は一部の案件に集中しており、バンカーズの案件全体が競争力を失ったわけではないようです。
一部の案件の問題です!
7月に入り改善傾向
利回りアップ
そんなバンカーズですが、7月に入り利回りを上げています。(以下、2024年7月18日現在)
月 | 平均利回り |
---|---|
1月 | 4.6% |
2月 | 5.0% |
3月 | 5.7% |
4月 | 5.5% |
5月 | 5.8% |
6月 | 5.3% |
7月 | 5.8% |
2%台だった髙島屋案件も3%になりました。
その効果か応募額が増え、応募率も大幅に改善されています。
月 | 応募額 | 月間応募率 |
---|---|---|
1月 | 16億2,060万円 | 85% |
2月 | 11億7,606万円 | 75% |
3月 | 18億6,343万円 | 67% |
4月 | 15億6,149万円 | 62% |
5月 | 14億1,378万円 | 68% |
6月 | 8億4,756万円 | 63% |
7月 | 7億3,027万円 | 100% |
とは言え、7月の平均利回りは3月、5月と同水準です。
なのに、7月はここまで応募率100%に対し、3月、5月は60%台。
単純に利回りの影響だけではないのかもしれません。
今後に注目
新規の業者、特に高利回り系の業者が次々に誕生しています。
不動産クラファン業者も交えた競合が激化する中、今後の各社の動きに注目です。
目が離せません!
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