明豊エンタープライズがソーシャルレンディングでの資金調達を急激に増やしています。
なぜ募集額が急増しているのか?
明豊案件に投資して大丈夫なのか?
投資家が取るべき対応と合わせて考察します。
明豊、激増中です!
明豊案件を出した4つの業者、全部わかりますか?
タップできる目次
明豊案件急増の背景と対策
明豊案件の募集が急増
明豊エンタープライズとは?
明豊エンタープライズ(以下、明豊)は東証スタンダード上場の不動産業者です。
東京の城南・城西地区を地盤に投資用不動産の開発と販売を主力事業としています。
プチ解説 案件とは?
2024年から募集額が急増
明豊は2019年からソーシャルレンディングでの資金調達を行っています。
ところが、今年に入って募集額が急増しているのです。
2024年の募集額は上半期だけで過去最高の5億7千万円に達しています。(2021年は募集なし)
年度 | 業者 | 案件数 | 募集額 |
---|---|---|---|
2019年 | Funds | 1件 | 7,920万円 |
2020年 | Funds | 3件 | 3億円 |
2022年 | COOL | 2件 | 9,000万円 |
2023年 | COOL | 4件 | 1億4,000万円 |
2024年 | COOL | 3件 | 1億1,000万円 |
COMMOSUS | 1件 | 1億6,000万円 | |
AGクラファン | 1件 | 3億円 |
一気に増えてるね!
プチ解説 業者とは?
利回りも急上昇
多額の募集を満了させるためでしょう。
募集される案件の平均利回りも上昇しています。
プチ解説 利回りとは?
プチ解説 満了とは?
5月に募集されたCOMMOSUSとAGクラウドファンディングの明豊案件の利回りは、それぞれ6%と5%でした。
これらに引きずられる形で、従来4.2%だったCOOLの利回りも過去最高の4.8%となっています。
投資家としてはうれしい反面…
ここまで募集が急増、利回りも急上昇となると、何があったのか不安になりますよね?
販売好調で仕入れ資金調達か?
明豊の業績が絶好調
募集額急増の背景には明豊の業績が絶好調であることがあるようです。
明豊の2024年7月期第3四半期は売上高が前期比73.5%増となるなど絶好調です。
売上高 | 16,876百万円 | 73.5%増 |
---|---|---|
営業利益 | 2,319百万円 | 169.5%増 |
経常利益 | 2,031百万円 | 209.5%増 |
これを受けて株価も1年前に比べて75%上昇しています。
なんで絶好調なの?
販売が好調
2024年7月期第3四半期の決算短信によると、主力の不動産分譲事業が好調のようです。
同期間に自社開発の賃貸マンションEL FAROシリーズ8棟を販売し、売上高は前期比倍増でした。
利益に至っては2.6倍と大幅増です。
借り入れを増やしている
明豊の不動産分譲事業は次のようなものです。
- 土地を仕入れる
- アパート、マンションを建てる
- 投資家に売る
- 売却益ゲット!
明豊の作ったアパート、マンションが好調に売れている。
なので、もっと土地を仕入れてアパート、マンションを建てたい。
そのため明豊は土地の取得を進めており、決算短信によると第3四半期は2023年7月期末に比べて棚卸資産が12億8,400万円増加しています。
これに伴い、長短期の借入金が12億2,600万円増加しているのです。
借りて土地を買ってアパート建てて売ると。
ソシャレンでも仕入れ資金調達か?
土地を仕入れる資金が銀行からの借入だけでは足りない。
そこで、ソーシャルレンディングでの調達を増やしているのではないでしょうか?
それだけ売れているのでしょう!
明豊案件の懸念点
売れなくなったら終わり
業績好調とのことですが、明豊案件に懸念点がないわけではありません。
まず、現在の業績好調は開発したアパート、マンションが売れているからです。
明豊はグループ売上高の8割をアパート、マンション販売に依存しています。
不動産不況で物件が売れなくなったら一気に苦しくなるでしょう。
矢吹体制は盤石か?
次に経営体制の問題です。
かつて明豊の筆頭株主は不動産業者のハウスセゾンでした。
しかし、同社は2020年に資金繰りが悪化し、保有株の32.4%を矢吹満氏に売却しました。
矢吹氏は東京ガールズコレクションやK-1の実行委員長を務めた実業家です。
当初は会長でしたが、2022年10月から社長も兼務するようになりました。
そして、明豊の売上が急増したのは社長交代後の2023年7月期からなのです。
もし矢吹体制に変わったことで業績が好調になったとして、それは一時的な大当たりなのか?
それとも今後も維持できるのかは何とも言えないでしょう。
Fundsが貸していない
ソシャレン投資家的に気になるのは、Fundsで明豊案件の募集が止まっていることです。
ソーシャルレンディングで明豊が初めて登場したのは、Fundsで2019年4月に募集されたMIJAS案件でした。
以降、Fundsでは2020年5月までに4つの明豊案件の募集が行われ、募集総額は3億7,920万円に上っています。
時期 | 案件 | 募集額 |
---|---|---|
2019年4月 | MIJAS 1 | 7,920万円 |
2020年1月 | EL FARO 1 | 1億円 |
2020年3月 | EL FARO 2 | 1億円 |
2020年5月 | EL FARO 3 | 1億円 |
しかしそれ以降、Fundsで明豊案件の募集は行われていません。
なぜ明豊はFundsで資金調達しないのか気になります。
実績があるのに不自然だよね。
不自然といえばもう1つ。
卵からパチンコまで何にでも食いつくソシャレン業界のダボハゼ、バンカーズが明豊案件を出していないのです。
ダボハゼってw
失礼!
あっちこっちの業者の借り手に手を出しているのに、なぜ明豊に手を出さないのか気になります。
投資家が取るべき対応
現時点では問題なし
最後に明豊案件に対して我々投資家が取るべき対応を考えます。
まず、現時点で明豊案件に投資することは基本的に問題ないはずです。
仮にも上場企業ですので、1年やそこらで倒産することは考えられません。
長期運用は慎重に
とは言え、不動産市況の変化など不安要素がないわけではないです。
運用期間が長い案件への投資には慎重な判断が求められるのではないでしょうか。
もちろん、明豊の経営状況に常にチェックが必要であることは言うまでもありません。
投資する人は定期的にチェックを!
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