高利回りで人気の不動産クラウドファンディング「ヤマワケエステート」。
ここまで順調に来ていましたが、7月に応募が急減。
人気業者で何が起きているのか?
運営開始以来の99案件を分析し、その原因を探りました。
ガクッと落ちてます!
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タップできる目次
ヤマワケ応募急減とその原因
ヤマワケの応募額が急減
7月に急減
ヤマワケエステートの応募額、つまり、案件の募集に対して投資家が応募した額が7月に急減しました。
期間 | 応募額 |
---|---|
2023年10月 | 9億6,644万円 |
2023年11月 | 12億5,508万円 |
2023年12月 | 66億7,358万円 |
2024年1月 | 48億4,456万円 |
2024年2月 | 62億7,589万円 |
2024年3月 | 74億6,559万円 |
2024年4月 | 78億9,144万円 |
2024年5月 | 98億1,769万円 |
2024年6月 | 73億2,009万円 |
2024年7月 | 32億1,443万円 |
ピークの5月に比べると7月は3分の1です。
7月に一気に落ちた…
減少は6月から始まっていた
7月に一気にというより、6月から減少が始まっていたと見るべきかもしれません。
6月には大型の韓国案件と京都案件がありました。
プチ解説 案件とは?
韓国案件は募集期間を延長、京都案件は利回りを上げて、半ば強引に満了させています。
この2案件の応募額を除くと、6月も5月に比べて半減しているのです。
期間 | 応募額 |
---|---|
2024年5月 | 98億1,769万円 |
2024年6月 | 42億3,352万円 |
2024年7月 | 32億1,443万円 |
兆候は6月からあった。
プチ解説 利回りとは?
プチ解説 満了とは?
では、なぜヤマワケの応募額は下がっているのか?
原因をいくつか考えてみました。
あくまでも推測ですが!
募集件数の大幅減
1つ目は募集件数の大幅な減少です。
5月を境に募集された案件数が大幅に減っています。(6月は韓国、京都案件を含む)
期間 | 案件数 |
---|---|
2023年10月 | 3件 |
2023年11月 | 6件 |
2023年12月 | 10件 |
2024年1月 | 8件 |
2024年2月 | 10件 |
2024年3月 | 18件 |
2024年4月 | 12件 |
2024年5月 | 22件 |
2024年6月 | 12件 |
2024年7月 | 9件 |
1人の投資家が1回に応募できる額には限界があります。
募集の回数が減れば応募総額も自ずと減るということです。
これが最大の原因っぽいかな。
1案件あたり応募額の減少
1案件あたりの応募額の減少も影響しているでしょう。
下表は月間の応募総額をその月の募集案件数で割ったものです。
以前は1回の募集に6億円程度の応募がありました。
期間 | 1案件あたり応募額 |
---|---|
2023年10月 | 3億2,215万円 |
2023年11月 | 2億918万円 |
2023年12月 | 6億6,736万円 |
2024年1月 | 6億557万円 |
2024年2月 | 6億2,759万円 |
2024年3月 | 4億1,476万円 |
2024年4月 | 6億5,762万円 |
2024年5月 | 4億4,626万円 |
2024年6月 | 6億1,001万円 |
2024年7月 | 3億5,716万円 |
それが7月は3億円台まで下がっています。
6月も韓国、京都案件を除くと4億円台です。
ヤマワケの集金力が落ちてる?
なんでだろう?
そこで、利回りとの関係を見てみます。
高利回り案件の減少
利回り別の1案件あたり応募額の推移
下表は1案件あたりの応募額を利回り別に見たものです。
スマホ画面の横幅をなるべく超えないように略して書いていますが。
左端の期間は上から2023年10月、横軸は8~9%”台”を表し、単位は万円です。
左上の「46,479」ですと、2023年10月は8~9%台の案件に合計4億6,479万円の応募があったことを表します。
期間 | 8-9 | 10-11 | 12-13 | 14-15 | 16-17 | 18-19 | 20- |
---|---|---|---|---|---|---|---|
10 | 46,479 | 3,686 | |||||
11 | 5,476 | 16,774 | 23,103 | 33,949 | |||
12 | 18,189 | 50,936 | 157,703 | 59,543 | 73,219 | 73,282 | |
1 | 45,523 | 39,097 | 57,964 | 75,314 | |||
2 | 41,678 | 83,840 | |||||
3 | 4,030 | 33,703 | 53,529 | 53,665 | 158,220 | 187,663 | |
4 | 40,132 | 44,233 | 46,153 | 59,012 | 256,617 | 126,193 | |
5 | 32,466 | 54,374 | 110,022 | ||||
6 | 30,328 | 36,248 | 51,665 | 108,132 | |||
7 | 31,048 | 52,052 |
案件数や募集額の影響もあるので断定はできませんが。
どの月も右にいくほど数字が大きくなる傾向にあります。
おおむね、利回りが高いほど1案件あたりの応募額が増えるようです。
当たり前っちゃ、当たり前か。
16%以上の案件の減少が影響か?
1案件あたりの応募額が3億円台に落ちた7月は、利回り16%以上の案件がゼロでした。
6月も利回り17%台で大型募集の韓国、京都案件を除くと、1案件あたりの応募額は4億円台です。
期間 | 1案件あたり応募額 |
---|---|
2023年10月 | 3億2,215万円 |
2023年11月 | 2億918万円 |
2023年12月 | 6億6,736万円 |
2024年1月 | 6億557万円 |
2024年2月 | 6億2,759万円 |
2024年3月 | 4億1,476万円 |
2024年4月 | 6億5,762万円 |
2024年5月 | 4億4,626万円 |
2024年6月 | 6億1,001万円 |
韓国京都除く | 4億2,335万円 |
2024年7月 | 3億5,716万円 |
高利回り案件が減ったことが、ヤマワケ急落の原因の一つかもしれません。
高利回り業者だけに。
利回り16%以上の投資家の流出
それと、これは結論ありきのこじつけかもしれませんが、投資家の動きが変わった可能性があります。
15%台を境に各月の応募総額を集計したのが下の表です。
3、4月は16%台以上で40億円の応募が集まりました。
翌5月は16%台以上の案件がゼロでしたが、15%台以下で応募が98億円と、3、4月比64億円増えています。
3、4月の16%台以上40億円を吸収してお釣りが来た形です。
期間 | 15%台以下 | 16%台以上 |
---|---|---|
2024年3月 | 34億7,011万円 | 39億9,548万円 |
2024年4月 | 34億7,322万円 | 44億1,822万円 |
2024年5月 | 98億1,769万円 | 0円 |
2024年6月 | 29億9,482万円 | 43億2,527万円 |
2024年7月 | 32億1,443万円 | 0円 |
6月は再度16%台以上で40億円を集めました。
ところが、7月は16%台以上の案件がゼロでしたが、5月のように15%台以下が増えなかったのです。
で、ここからが結論ありきのこじつけですが。
16%以上狙いの投資家が5月は付き合ってくれたが、7月になってついに離れた。
高利回り狙いの投資家がヤマワケから撤収したのかもしれません。
かなり論理性に欠ける解釈なのは認めます!
投資家の利回り感覚の麻痺
13%台以下では投資家が反応しなくなった
さきほどの利回り別1案件あたり応募額の表を再掲しますが。
特に13%台以下で1案件あたりの応募額が減少傾向にあります。
期間 | 8-9 | 10-11 | 12-13 | 14-15 | 16-17 | 18-19 | 20- |
---|---|---|---|---|---|---|---|
10 | 46,479 | 3,686 | |||||
11 | 5,476 | 16,774 | 23,103 | 33,949 | |||
12 | 18,189 | 50,936 | 157,703 | 59,543 | 73,219 | 73,282 | |
1 | 45,523 | 39,097 | 57,964 | 75,314 | |||
2 | 41,678 | 83,840 | |||||
3 | 4,030 | 33,703 | 53,529 | 53,665 | 158,220 | 187,663 | |
4 | 40,132 | 44,233 | 46,153 | 59,012 | 256,617 | 126,193 | |
5 | 32,466 | 54,374 | 110,022 | ||||
6 | 30,328 | 36,248 | 51,665 | 108,132 | |||
7 | 31,048 | 52,052 |
6月の京都案件も募集開始時は利回り13.1%でしたが、応募が集まらず途中で17.8%に上げました。
これらの状況から、利回り13%台以下では投資家が反応しなくなってきている可能性があります。
高利回りのイメージが付きすぎた
ヤマワケの利回りは異常に高いです。
13%台でも十二分に高い。
たしかに。
ただ、運営開始3案件目で利回り84.6%。
リセールファンドで20%台を連発。
ヤマワケは高利回りのイメージが付きすぎたのではないでしょうか。
投資家の感覚が麻痺している?
そのため、13%や15%では投資家が以前ほど反応しなくなってきた。
繰り返しますが、13%とか15%とか異常に高いです。
なのに、それを低いと感じてしまう。
投資家の利回り感覚が麻痺してきているのかもしれません。
それはあるかも。
ヤマワケの8月に注目
以上、ヤマワケの応募額急減の原因を考えてみました。
- 募集件数の大幅減
- 1案件あたり応募額の減少
- 高利回り案件の減少
- 利回り16%以上の投資家の流出
- 投資家の利回り感覚の麻痺
これだという明確な原因は分かりませんでしたが。
利回りが大きな要素であることは間違いなさそうです。
8月に入ってヤマワケでは11~13%台の案件が6つ出ています。
これらに1案件平均どれくらいの応募が集まるか?
そして、3、4月並みの月間応募額70億円台を回復できるか?
ヤマワケの8月に注目しましょう。
復活なるか?!
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