ソシャレンと不動産クラファンのムダな拘束期間。
償還が遅いと実質利回りが低下します。
複数の業者で短縮が進んでいるものの、依然として長い業者も。
そこで、拘束期間の長さが利回りに与える影響を具体的に示してみました。
長い拘束期間には隠れたリスクもあります。
想定外の利回り低下が!
ソシャレン、不動産クラファン、すべての業者のリストです!
タップできる目次
拘束期間が利回りに与える影響
ムダな拘束期間で利回りが下がる
拘束期間は分配なし
業者にお金を振り込んでから戻ってくるまで、すべての期間で分配金が付くのではありません。
入金から運用開始までと、運用終了から償還までは分配なしです。
プチ解説 分配金とは?
プチ解説 入金とは?
プチ解説 運用とは?
プチ解説 償還とは?
上の図の紫色の部分は、分配金がつかないムダな拘束期間となります。
投資家にメリットなし。
実質利回りが下がる
それだけではありません。
ムダな拘束期間も含めた実質利回りが下がるのです。
どれくらい?
プチ解説 利回りとは?
利回り8%、運用期間12カ月の案件に100万円を投資したとします。
「入金から運用開始まで」と「運用終了から償還まで」、前後の拘束期間がそれぞれ1カ月の場合で見てみると、
利回り | 8% |
---|---|
運用期間 | 12カ月 |
運用前 | 1カ月 |
運用後 | 1カ月 |
拘束期間 | 14カ月 |
分配金 | 8万円 |
実質利回り | 6.9% |
プチ解説 案件とは?
拘束期間14カ月で分配金8万円ですので、実質利回りは6.9%になります。
- 8万円÷14カ月×12カ月÷100万円=6.9%
8%のつもりが7%足らずに…
拘束期間が長いとさらに下がる
拘束期間が長いと実質利回りはさらに下がります。
さきほどと同じ例で、うしろの拘束期間が2カ月、3カ月の場合を見てみましょう。
利回り | 8% | 8% | 8% |
---|---|---|---|
運用期間 | 12カ月 | 12カ月 | 12カ月 |
運用前 | 1カ月 | 1カ月 | 1カ月 |
運用後 | 1カ月 | 2カ月 | 3カ月 |
拘束期間 | 14カ月 | 15カ月 | 16カ月 |
分配金 | 8万円 | 8万円 | 8万円 |
実質利回り | 6.9% | 6.4% | 6.0% |
運用後が3カ月の場合の実質利回りは6.0%。
募集時に示された利回りに比べて2%も低いです。
2%ダウンはデカいです!
利回りが高いほど影響大
募集時の利回りが高いほど、実質利回りの低下も大きくなります。
前1カ月、うしろ3カ月、投資額100万円で比べてみると、
利回り | 4% | 8% | 12% |
---|---|---|---|
運用期間 | 12カ月 | 12カ月 | 12カ月 |
運用前 | 1カ月 | 1カ月 | 1カ月 |
運用後 | 3カ月 | 3カ月 | 3カ月 |
拘束期間 | 16カ月 | 16カ月 | 16カ月 |
分配金 | 4万円 | 8万円 | 12万円 |
実質利回り | 3.0% | 6.0% | 9.0% |
利回り4%では1%のダウンですが、利回り12%では3%もダウン。
元の利回りからの下落率はいずれも25%ですが、元の数字が大きい分、下げ幅も大きくなるわけです。
3%ダウンはシャレにならないよ…
運用期間が短いほど影響大
また、運用期間が短いほど、拘束期間が実質利回りに与える影響は大きくなります。
前後それぞれ1カ月拘束、運用期間12カ月、6カ月、3カ月で比べてみると、
利回り | 8% | 8% | 8% |
---|---|---|---|
運用期間 | 12カ月 | 6カ月 | 3カ月 |
運用前 | 1カ月 | 1カ月 | 1カ月 |
運用後 | 1カ月 | 1カ月 | 1カ月 |
拘束期間 | 14カ月 | 8カ月 | 5カ月 |
分配金 | 8万円 | 4万円 | 2万円 |
実質利回り | 6.9% | 6.0% | 4.8% |
運用期間12カ月では8%から6.9%へと1.1%のダウンですが、3カ月では8%から4.8%へと3%以上のダウンです。
ここまでをまとめると、
- ムダな拘束期間が長いほど
- 元の利回りが高いほど
- 運用期間が短いほど
実質利回りへの影響が大きくなります。
実際にどうなのか、次の2つを比べてみましょう。
- A:うしろの拘束1カ月、利回り4%、運用12カ月
- B:うしろの拘束3カ月、利回り12%、運用3カ月
Aが0.6%のダウンで済んだのに対し、Bは元の利回りの半分以下です。
案件 | A | B |
---|---|---|
利回り | 4% | 12% |
運用期間 | 12カ月 | 3カ月 |
運用前 | 1カ月 | 1カ月 |
運用後 | 1カ月 | 3カ月 |
拘束期間 | 14カ月 | 7カ月 |
分配金 | 4万円 | 3万円 |
実質利回り | 3.4% | 5.1% |
ムダな拘束期間がいかに利回りに影響するか分かったと思います。
迷惑この上ない!
隠れたリスクは早期償還
事前に確認しない投資家が悪い
たしかに迷惑この上ないですが。
ここまでは投資する前に確認すれば良いだけの話です。
条件が気に入らないなら、投資しなければ良いのですから。
事前に確認せずに投資し、あとから遅いだのなんだの文句を言うのは筋違い。
確認を怠った投資家が100%悪く、業者に否は一切ありません。
ごもっとも…
プチ解説 業者とは?
ただし、事前に確認していても、あとから状況が変わることがあります。
それが早期償還です。
プチ解説 早期償還とは?
早期償還で想定外の利回り低下
運用期間12カ月の予定が早期償還で6カ月になったとします。
事前の想定は元の利回り8%に対して、実質利回り6.9%。
それが早期償還の結果、6.0%にまで下がるのです。
想定 | 実際 | |
利回り | 8% | 8% |
運用期間 | 12カ月 | 6カ月 |
運用前 | 1カ月 | 1カ月 |
運用後 | 1カ月 | 1カ月 |
拘束期間 | 14カ月 | 8カ月 |
分配金 | 8万円 | 4万円 |
実質利回り | 6.9% | 6.0% |
1.1%のダウンは想定していたが、まさか2%ダウンになるとは。
2%はさすがに…
拘束期間が長いと想定外も大きい
さきほどはうしろの拘束期間が1カ月なので2%で済みましたが。
もし3カ月だったら、2%ダウンの想定が3.2%のダウンになります。
想定 | 実際 | |
利回り | 8% | 8% |
運用期間 | 12カ月 | 6カ月 |
運用前 | 1カ月 | 1カ月 |
運用後 | 3カ月 | 3カ月 |
拘束期間 | 16カ月 | 10カ月 |
分配金 | 8万円 | 4万円 |
実質利回り | 6.0% | 4.8% |
ムダな拘束期間が長いと、早期償還によるダメージも大きいのです。
長くて良いことゼロだね。
拘束期間が短いとダメージも小さい
ちなみに、拘束期間が前後とも1週間だとしましょう。
この場合、元の利回りからのダウンは早期償還でも0.6%にとどまります。
想定 | 実際 | |
利回り | 8% | 8% |
運用期間 | 12カ月 | 6カ月 |
運用前 | 0.25カ月 | 0.25カ月 |
運用後 | 0.25カ月 | 0.25カ月 |
拘束期間 | 12.5カ月 | 6.5カ月 |
分配金 | 8万円 | 4万円 |
実質利回り | 7.7% | 7.4% |
ムダな拘束期間で業者を選ぼう
進むムダな拘束期間の短縮
ここまで見てきたように、実質利回りに影響を与えるムダな拘束期間は短いほうが良いです。
そして現在、らくたまの翌日償還が契機となり、ムダな拘束期間を短くする動きが複数の業者で進んでいます。
LSEEDは以前はうしろの拘束期間が2カ月でしたが、最新の9号案件では1週間にまで短縮しました。
案件 | うしろの拘束期間 |
---|---|
6号まで | 2カ月 |
7号 | 1カ月 |
8号 | 2週間 |
9号 | 1週間 |
みらファンは最長3カ月でしたが、最新の15号では翌日償還を実現させています。
案件 | うしろの拘束期間 |
---|---|
13号まで | 最長3カ月 |
14号 | 最長1カ月 |
15号 | 1営業日 |
一気に短くなった。
業者にもメリットあり
我々投資家が拘束期間の短縮を求めるのは、手元に資金を置きたいからではありません。
資金をムダに寝かしたくない、早く再投資したいからです。
つまり、より多くの業者が拘束期間を短くすることで、業者に再投資される資金が増える。
業者にもメリットがあるのです。
拘束期間が短い業者を選ぼう
とは言え、みなさん、拘束期間を短くした業者から戻ってきた資金が、拘束期間が長い業者に再投資されたらどうでしょう?
それは理不尽ですよね。
短縮に協力してくれた業者にこそ、資金が集まり報われるべきではないでしょうか?
頑張ってくれたんだから。
頑張って短縮してくれた業者、2カ月、3カ月のまま放置している業者。
我々投資家の対応が違って然るべき。
それでこそ公平でフェアです。
ということでみなさん、拘束期間が短い業者を選びましょう!
支持を示しましょう!
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