不動産クラウドファンディングのTSON FUNDINGでちょっと気になる動きが。
すぐにどうこうなる話ではないでしょうが、情報として知っておいたほうが良いかもしれません。

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タップできる目次
TSON FUNDINGの投資対象物件に注意
既存物件の比率が急上昇
TSON FUNDINGの投資対象物件は2種類
TSON FUNDINGの案件では、投資対象となる物件が2種類あります。
- 新築物件
- 投資家の出資金で新たに物件を開発
- 売却して売却益を得る
- 既存物件
- 投資家の出資金で既存の物件を取得
- 運用期間中に賃貸収益を得る
- 売却して売却益を得る
プチ解説 案件とは?
プチ解説 出資とは?
プチ解説 運用期間とは?
更地から新たに家やアパートを建てる案件と、すでにある家やアパートを投資対象とする案件。
この2種類があります。
既存物件の比率が増えている。
これまでTSON FUNDINGでは新築と既存が半々くらいでした。
しかし、2025年上期に既存物件の比率が7割に急上昇しています。
下表は既存物件を投資対象とする案件の比率です。(2025年上期は3月14日募集分まで)
時期 | 全案件数 | 既存物件 | 比率 |
---|---|---|---|
2021年上期 | 5件 | 0件 | 0% |
2021年下期 | 8件 | 3件 | 38% |
2022年上期 | 15件 | 3件 | 20% |
2022年下期 | 26件 | 15件 | 58% |
2023年上期 | 25件 | 14件 | 56% |
2023年下期 | 23件 | 12件 | 52% |
2024年上期 | 31件 | 19件 | 61% |
2024年下期 | 32件 | 17件 | 53% |
2025年上期 | 14件 | 10件 | 71% |

あらま!
新築するのではなく、すでにある物件を投資対象とする案件が急に増えている。
そこで、既存物件を投資対象とする案件の内容を調べてみました。
半分の案件で売れ残り物件
既存物件は10案件
2025年3月14日までに募集された既存物件を投資対象とする案件は以下の10件です。
募集日 | 案件名 |
---|---|
1月6日 | 勝率一番12号 |
1月10日 | 森林再生87号 |
1月15日 | 森林再生88号 |
1月21日 | 勝率一番13号 |
1月27日 | 森林再生89号 |
1月31日 | SONAE56号 |
2月10日 | 森林再生90号 |
2月14日 | 森林再生91号 |
2月26日 | SONAE58号 |
3月14日 | 森林再生95号 |
5案件で投資対象が売れ残り物件
調べてみたところ、10案件のうちの5案件で、投資対象が過去に別の案件で投資対象となった物件だったのです。

どういうこと?
例としてSONAE56号を挙げます。
投資対象は岐阜県羽島市上中町の集合住宅「Maisonette land 上中」でした。
実はこの物件、2021年12月に募集されたSONAE3号の投資対象だったのです。
SONAE3号の運用期間は2021年12月30日から2024年12月29日までの3年間でした。
物件は2022年4月に完成し、賃料を原資に年2回の分配を実施。
予定通り3年間で運用を終了しています。
プチ解説 分配とは?

それはよかった。
問題はそのあとです。
僕が知る限り、TSON FUNDINGは運用期間の最後に物件を売却することを前提とします。
ところが、SONAE3号の運用が終わった翌月の1月31日に、同じ物件を投資対象とするSONAE56号の募集が行われた。
それはつまり、この物件が売却できなかったということです。
言い方は悪いですが、売れ残った物件で案件が組成されています。

売れ残りか…
プチ解説 組成とは?
今回の調査では既存物件を投資対象とする10案件の内、5案件で投資対象の一部またはすべてが、過去に別の案件で投資対象となった物件でした。
概要は以下の通りです。
森林再生87号
物件の所在地 | 元の案件 | 完成時期 |
---|---|---|
みよし市三好町 | 勝率一番7号 | 2023年11月 |
森林再生88号
物件の所在地 | 元の案件 | 完成時期 |
---|---|---|
知多市朝倉町 | 勝率一番8号 | 2023年12月 |
名古屋市緑区鳴海町 | 勝率一番9号 | 2023年12月 |
SONAE56号
物件の所在地 | 元の案件 | 完成時期 |
---|---|---|
羽島市上中町 | SONAE3号 | 2022年4月 |
SONAE58号
物件の所在地 | 元の案件 | 完成時期 |
---|---|---|
岡崎市井田町 | SMART11号 | 2021年5月 |
森林再生95号
物件の所在地 | 元の案件 | 完成時期 |
---|---|---|
岡崎市百々町 | 森林再生63号 | 2024年8月 |
豊田市広久手町 | 森林再生64号 | 2023年9月 |

完成から4年近い物件も。
案件をよく見よう
不正な案件ではない
こういう話をすると、すぐに詐欺だ!ポンジだ!自転車だ!と騒ぎ出す困った人が湧いて出ますが。
既存案件の投資対象物件を新規案件で引き継ぐことは、不動産特定共同事業で認められていることであり合法です。
他社でも行われており、不正でも違法でもありません。
プチ解説 不動産特定共同事業とは?
案件をよく見よう
ただ、当初の想定通りに売却できなかった物件であることは事実です。
そして、売れなかった物件での案件組成はTSON FUNDINGではこれまでにも行われており、2度3度と再組成の対象となった物件もあります。
売れずに再組成をいつまで繰り返すのか、いつまで繰り返せるのか。
自分が投資した案件の投資対象が売れ残り物件だと投資したあとで分かったら、不安に感じる投資家もいるのではないでしょうか?
そういうことにならないように、投資対象はどのような物件なのか、案件をよく見た上で投資判断をしましょう。

利回り以外も見ましょう!
コメント
おはようございます。
毎日拝読しております。
最も慎重派な投資家様として大変参考にさせていただいています。
Xもフォローさせていただいております。
ありがとうございます。
ところで、この記事の「売れ残り物件の再組成」と「ぐるぐるインカム」はどう違うのでしょうか?
ぐるぐるインカムの案件でも良い購入条件であれば売却すると契約書面に書かれていますよね?
売却されずにぐるぐるされてるということは売れ残り物件ということにならないのでしょうか?
タロウさんに倣って私もなるべくぐるぐるインカム案件に投資するようにしていますので、こちらの記事で混乱しています。
お忙しいところ大変申し訳ございません。
お時間のあるときで結構ですのでご教示ください。
どうぞよろしくお願いいたします。
こんにちは~
以下、あくまでも僕個人の考えであり、正確性を一切保証しないという前提でお願いします。
ぐるぐるとは根本的に異なります。
例としてジョイントアルファのエリア分散シリーズで説明しますと。
穴吹興産は分譲マンションの開発、販売の他に、区分マンション投資事業を行っています。
穴吹が既存のマンションを購入し、入居者から得る賃料で儲ける。
サラリーマンのワンルームマンション投資を、法人が大規模にやるイメージです。
取得するマンションには穴吹以外の例えば三菱地所とか大和ハウスとか、他のマンションデベロッパーが開発した物件もあります。
だから、穴吹自社での分譲マンション開発事業とはまったく別の商売です。
マンション開発とは関係なく、穴吹が大家さん、オーナー業をします。
入居者が退去したあと、新たな入居者を見つける場合もありますが。
退去後にリフォーム、リノベーションをして売却し、売却益を出す場合もあります。
この点もサラリーマンのワンルームマンション投資と同じですよね。
いずれにしても最初から賃貸や転売で不動産投資をする前提で、既存の物件を取得しています。
で、この区分マンション投資事業で保有している物件の一部を切り出して、不動産クラファン案件としているのがエリア分散シリーズです。
一時的にジョイントアルファの案件に物件を移し、賃料収入の一部を投資家に分配する。
上述のように途中で売却することもあるけれど、基本的に運用期間が終わったら穴吹に戻す。
その前提なので安全性が高いよ、というのがグルグルです。
これに対してTSONのは、投資目的で既存物件を取得したわけではないですよね?
不動産会社として物件を新築し、それを販売して利益を出す。
不動産開発事業がベースです。
で、思惑通り売れなかった物件をTSONで案件にしています。
こうやって見ると、穴吹とTSONで案件の成り立ちとか、ベースにある商売がぜんぜん違うでしょ?
穴吹の物件は最初から投資目的で取得している。一定期間保有してインカムゲインを出すつもりでやってる。
良い条件で売れる話が来たら売るけれど、基本は保有してインカムゲット。
対してTSONは新築で住宅を作って売ってキャピタルゲイン狙い。
それが売れなかったので、ある意味しかたなく保有している。
案件の性格というか背景というか成り立ちと言うか、まるっきり違うんです。
お分かりいただけますでしょうか?
辛口で言わせてもらうと、TSONの案件とぐるぐるの違いで混乱って、ぐるぐるを理解できてないですよ。
再募集繰り返しでぐるぐるだから安全!みたいな浅い理解だと、変な案件に手を出しちゃいます。
今回の話だと穴吹がどんな商売をやっている会社かとか、ぜひそこまで突っ込んでみてください。
一緒にクラファン沼にどっぷりのめり込みましょう。笑
お忙しいところ、懇切丁寧なご回答、誠にありがとうございます。
大変わかりやすいご回答でした。
おっしゃるとおり、まだクラファンを初めて半年くらいなので仕組みをよく理解できていません。
タロウさんの知識には敬服してしまいます。
最近では「大家どっとこむ久が原案件2次」の深読みには驚きました。
あれは「7.1%では魅力がない」のではなく、そこまで理解できる人がなかなか居なかったのだと思います。
あんなに好条件であれば私も投資したかったです。。。(;^ω^)
ご回答をいただき、改めてタロウさんの「安全性が高い「グルグルインカム型案件」とは?初心者に最適」の頁を拝読しなおしました。
グルグルインカム型案件の仕組みとして以下の説明がありました。
1.業者が案件を組成する
・業者が所有する物件で
2.案件を募集する
・山田さんや田中さんが応募する
3.運用期間が終わる
・利益を分配する
4.業者の自己資金で元本を償還する
・山田さんや田中さんに返す
5.同じ物件で案件を組成する
6.募集する
・前川さんや杉野さんが応募する
7.以下、繰り返す
ここで再度教えていただきたいことが2つございます。
①もしかしてグルグルインカムの特徴として大事なのは「業者が所有する物件で案件を組成する」ということなのでしょうか?
②私はグルグルインカム案件は、再組成して集めた資金でその前に運用終了した案件の元本を償還するのだと思っていました。上記の説明では業者の自己資金で元本を償還するとなっていますね。
そうすると再組成して集めた資金は業者の自己資金になるのでしょうか?
あつかましいことで大変申し訳ございません
ホントにお暇なときで結構です。
ご回答いただければ幸いです。
どうぞよろしくお願いいたします。
え~、半年だったんですか!それだったらスゴイです。
僕の半年目はこんなのぜんぜん理解できてなかったです、おみそれしました。
①「業者が所有する物件」であるか否かと言うか、上手く言うのが難しいのですが。
業者の事業に賃貸事業があるかとか、最初からインカム型の案件として繰り返し長期で回す意図があるかとか。
う~ん、上手く表現できなくてすいません。
例えば、開発も賃貸もやってる不動産屋が1棟アパートを建てたとしますよね。
しばらくの間は自社で賃貸運用して、その間に良い買い手が見つかったら売ろうと。
で、運用中に新たに資金を作りたくなって、そのアパートで案件を作ってクラファンにした。
運用期間中に売れるかもしれないけれど、基本的には1年後に再組成のつもりだと。
これだったら新築でもグルグルだと思うんですよ。
今回のTSONとは背景とか意図というか戦略というかが違うじゃないですか?
だから、業者所有であるか否かみたいなYES/NO的な目印があるわけではなく、総合的に判断すべきものだと思っています。
②概念的には「再募集→集まったお金で前回分を償還」です。
で、実際にその通りにしている業者もあるかもしれません。
ただ、現実には「業者資金で償還→再募集で資金補充」の流れの業者の方が多いのではないかな?と。
立て替えみたいな感じですよね。
業者の金庫から5千万出して償還して、再募集で入ってきた5千万で金庫を元の状態に戻すみたいな。
このやり方をやってる業者は実際にあります。
どっちが多いかは僕は現場の実務をやったことがないので分かりません。
おはようございます。
早々に誠実なご回答をありがとうございます。
いえいえ、全然すごくないです。
タロウさん始めブリガーさんのおかげです。
今は勉強になるブロガーさんがたくさんいらっしゃいますので(タロウさんが「特に」ですが)
タロウさんはまだクラファンが始まった頃に勉強されたんですよね。しかも半年間じっくりと。それから投資をスタートしたと。
尊敬に値します。
①上記質問をお送りしてから、じっくり考えてみました。
「業者が所有する物件」だけで判断するものではないですよね。
どうしてその案件を組成したのか、その背景を総合的に判断すべきですよね。
私もこれからはそこを重視して(書面を読んだり、業者に質問したりして)投資していこうと思います。
②「概念的には」、「現実的には立て替えみたいな感じ」、なるほど納得いたしました。すっきりいたしました。
何度もご回答くださり、どうもありがとうございました。
もう既にクラファン沼に足を突っ込んでいますが、これから勉強してどっぷりハマリたいと思います(笑)。