海外の不動産に投資できる不動産投資型クラウドファンディングが登場しました。
その名は「TECROWD(テクラウド)」。
すでに会員登録の受付が始まっており、第1号案件はモンゴルのオフィスビルです。
新たな投資の選択肢になるのか?
可能性を探ってみました。
不動産クラファンが海を越えた!
タップできる目次
TECROWDは海外不動産クラファン
TECROWDがどのような不動産クラファンなのか紹介します。
TECROWDの概要
TECROWDは海外案件専門の不動産クラファンです。
CREALで都内のマンションに投資する代わりに、TECROWDでベトナムのオフィスビルに投資する、みたいなイメージです。
サービス名 | TECROWD |
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運営会社 | TECRA株式会社 |
運営開始 | 2021年1月 |
最低投資額 | 10万円 |
利回り | 6~8% |
運用期間 | 24カ月 |
投資対象は新興国に特化しており、特に中央アジアをターゲットとしています。
新興国に特化しているのは主に次のような理由からだそうです。
- 経済が成長している
- インフレで賃料も上昇傾向
- 不動産の供給不足
成長市場に不動産クラファンで投資できるんだ。
●公式サイト:TECROWD
運営会社はTECRA
TECROWDを運営するのはTECRA株式会社です。
不動産の設計、建築、管理などを行っています。
社名 | TECRA株式会社 |
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本社所在地 | 横浜市西区みなとみらい2-3-1 |
設立 | 2001年5月 |
資本金 | 1億5,660万円 |
代表者 | 代表取締役社長 今井豊和 |
上場 | 非上場 |
海外事業は2014年から行っており、モンゴル、ラオス、キルギス、ウクライナに進出済みです。
2018年にはモンゴルに子会社を設立しています。
TECROWDで募集を行う物件はTECRAが工程や品質を管理しており、日本品質の不動産に投資できるとしています。
サッカーのベルギー1部リーグに所属するシント=トロイデンVVのスポンサーをしており、変な会社ではなさそうな感じです。
このあたりはまだ調査不足です!
第1号案件はモンゴルのオフィスビル
TECROWDでは第1号案件の募集が決定しています。
投資対象はモンゴルの首都ウランバートルのオフィスビルです。
- 案件名:TECROWD 1号ファンド Hoimor office
- 利回り:8%
- 運用期間:24カ月
- 劣後出資比率:11%
- 分配:四半期ごと
- 募集総額:2,850万円
- 最低投資額:10万円
- 出資単位:不明
- 出資上限:なし
- 募集方式:先着方式
- 募集開始:2021年4月1日
TECRAが工事を監修して品質や工程を管理し、2017年11月に竣工しました。
ウランバートル中心部の新興ビジネスエリアにあり、2020年の賃貸稼働率は95.3%と高水準でした。
分配原資は家賃収入ですが、家賃を円建てにしているため為替の影響を受けない点がメリットです。
それはステキ。
会員は先行予約できる
すでに昨日1月29日から会員登録の受付が始まっています。
→ TECROWD
また、第1号案件の募集開始は4月1日からですが、会員登録を済ませておけば2月22日から先行予約できるそうです。
運用開始は5月1日です!
TECROWDへの期待と課題
TECROWDには大きな期待を抱くと同時に、いくつかの課題もあります。
成長市場が投資の選択肢に
まず期待面ですが、新興国という成長市場が投資の選択肢になることです。
日本の不動産市場で成長が見込めるのは、首都圏など一部に限られます。
人口減少の衰退先進国ですから、不動産に限らず成長は期待できません。
それに対してモンゴルなど新興国は、これから成長していく国です。
かつての日本がそうであったように、これから新興国で不動産の値上がりが起こるでしょう。
その成長市場に投資でアクセスできるのは大きなチャンスです。
投資の選択肢が増えるのはうれしい。
利回りが魅力に欠ける
一方で課題ですが、まず1つ目は利回りです。
標準利回りは6.5%
第1号案件の利回りは8%ですが、これはデビュー記念の1.5%を上乗せしたものです。
つまり、標準は利回り6.5%ということです。
みなさん、どう思います?
キャピタルゲインが得られない
また、キャピタルゲインが得られない点も課題の一つでしょう。
TECROWDは「新興国はインフレ基調なので賃料も上がる」としています。
それは確かに事実でしょう。
しかし、インフレで上がるのは賃料だけではなく、不動産価格も相当上がるのではないでしょうか?
ところが、TECROWDで分配されるのは家賃収益だけで、売却益は投資家に分配されないです。
例えば、優先劣後付きの案件とは別に、優先劣後なしの代わりに売却益も分配される案件を作るとか。
せっかくの新興国なのですから、投資家がキャピタルゲインを得られる商品があっても良いと思います。
積極的にリスクテイクする商品です!
情報収集が困難
これはTECROWDに限らず海外案件に共通の課題です。
普通の日本人はモンゴルと言われてもジンギスカンと白鵬、鶴竜、朝青龍くらいしか思いつかないのではないでしょうか?
大草原に青空みたいな。
ベースとなる知識が限りなくゼロに近いですよね。
さらに、投資対象物件や関連企業を調べるにも、情報源となるサイトはモンゴル語か英語の表記です。
投資判断の材料となる情報を収集しにくいのは大きな課題でしょう。
グーグル翻訳も限界があるし…
新規参入が出ることを期待
課題の指摘が多くなって恐縮ですが。
今回のTECROWDの誕生、僕は非常にポジティブに受け止めています。
投資の選択肢が増え、幅が広がることにはメリットしかありません。
海外案件を扱う新規業者がさらに参入してくることを期待します。
そして、既存の不動産クラファン業者の中にも、海外にアクセスがある業者、海外展開を視野に入れている業者は少なからずあります。
新規参入だけでなく既存業者からも海外案件が出ることを期待したいです。
期待してます!
●公式サイト:TECROWD
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