京阪電鉄子会社の京阪電鉄不動産が不動産投資型クラウドファンディングに参入するかもしれません。
しかも、日本保証の不動産クラウドファンディングシステムを導入して。
新たな大物プレーヤーの登場か?
詳しく解説します。
おけいはんキタ~!
タップできる目次
京阪不動産が日本保証のシステムを導入か?
まず、京阪電鉄不動産(以下、京阪不動産)が不動産クラファンに参入するのでは?と考える理由を説明します。
日本保証とは?
日本保証はJトラスト(東証2部)の子会社です。
地方銀行などを相手に機関保証業務を行っています。
また、アパートを購入する投資家が銀行から融資を受ける際に保証を付ける、アパートローン保証でも業績を拡大しています。
クラファン投資家には日本保証案件でおなじみの会社です。
人気の案件だよね。
日本保証が大手電鉄系不動産会社と提携予定
さて、日本保証の親会社であるJトラストが決算発表(PDF)を行いました。
その中でクラウドファンディングについて触れられた内容がこちらです。
- 昨年、日本保証の子会社が不動産クラウドファンディング専用のシステムを開発
- 2022年は100社、5億円の売上を目指す
- 1月末で43社から申し込みあり
- 今後は大手電鉄系不動産会社と提携する予定
注目は4つ目です。
これはつまり、
- 大手電鉄系不動産会社が
- 日本保証のシステムを導入して
- 不動産投資型クラウドファンディングに参入する
ということです。
手堅い新規業者が誕生!
どこ?
日本保証は京阪不動産と業務提携済み
その大手電鉄系不動産会社は京阪不動産だと僕は思います。
というのも、2021年12月に日本保証と京阪不動産は業務提携しているからです。
この時の提携内容は、
- 京阪不動産が販売するマンションを
- 不動産投資家が購入する際に
- 日本保証の提携金融機関が融資し
- その融資に日本保証が保証を付ける
つまり、投資家が京阪不動産のマンションを買いやすくするものでした。
この提携をさらに進化させるのではないでしょうか?
他社との可能性はないの?
京阪不動産が不動産クラファンに参入では?
日本保証と他の電鉄系不動産会社との提携話は聞こえてきません。
また、京阪グループは購入型クラウドファンディングは導入事例があります。(京阪エージェンシーのKeihan Crowd Network)
しかし、不動産クラファンで他社との話は聞きません。
すでに提携関係にある日本保証と京阪不動産。
提携をさらに進化させて日本保証のクラファンシステムを導入し、京阪不動産が不動産投資型クラウドファンディングに参入する可能性はあると思います。
仮にそうだとすると、両社の狙いは何でしょうか?
日本保証の狙いは複合的収益アップ
日本保証の狙いは不動産クラファンシステムを起点とした複合的な収益向上です。
日本保証はJトラストの屋台骨
Jトラストは日本、韓国、東南アジアなどで金融事業を展開しており、主力は日本金融事業です。
2021年度連結決算 | ||
項目 | 日本金融事業 | グループ連結 |
---|---|---|
営業収益 | 97億円 | 423億円 |
営業利益 | 45億円 | 52億円 |
そして、日本金融事業の中の主力が保証事業です。
つまり、日本保証はJトラストの屋台骨です。
日本保証が中核会社ってことか。
日本保証は複合的な収益アップを狙っている
今回のJトラストの決算発表を読む中で、日本保証が不動産分野で複合的な収益アップを狙っていることが分かりました。
1つの商売の流れの中で複数のキャッシュポイントを作るということです。
3つ紹介します。
1.投資用アパート開発
日本保証の子会社である日本ファンディングがROBOT HOUSEのブランドで投資用アパートの開発を行っています。
アパートを作って売る商売です。
不動産クラファン、ソーシャルレンディングでROBOT HOUSEを投資対象、融資対象とする案件は、大家どっとこむ、CAMPFIRE Owners、COOLで募集実績があります。
僕も投資しました!
2.日本保証の保証付与
不動産クラファンやソーシャルレンディングにおいて投資家の不安は元本毀損リスクです。
- 不動産クラファン:物件が売却できないと元本毀損
- ソーシャルレンディング:借り手が返済できないと元本毀損
そこで、日本保証が不動産クラファンでは買取保証、ソーシャルレンディングでは連帯保証を付けることで投資家のリスクを下げる。
そうすることで投資家がより投資しやすくしています。
日本保証はさきほどの3社の他に下記の業者とも保証業務で提携しています。
保証する代わりに業者から手数料を取るわけか。
3.不動産クラウドファンディングシステムの販売
Jトラストグループはミライノベート(東証2部、旧プロスペクト)の子会社グローベルスが運営する大家どっとこむで不動産投資型クラウドファンディングのノウハウがあります。
これを活用して日本保証の子会社であるロボットシステムが不動産クラウドファンディング専用のシステムの販売を行っています。
Jトラストの決算発表で出てきた100社5億円がこれです。
これらがつながります!
クラファンシステム販売で一粒で4度美味しいビジネス
おそらく日本保証はこんな絵を描いているのだと思います。
- 不動産クラファンをやりたい業者にシステムを売る
- 業者が希望すればROBOT HOUSEのアパートを作らせる
- 募集する案件に買取保証を付ける
- アパートの購入者にローン保証を付ける
不動産クラファンをやりたい業者は多数いますが、自社でシステムを作るのは大変。
そこで、日本保証がシステムを売る。
案件を作れないときはROBOT HOUSEのアパートで案件を出す。
でも、なにもなしだと投資家が不安がって投資しないので業者は困る。
そこで、日本保証が買取保証を付けることで投資家が投資しやすくする。
不動産クラファンの最後で物件を売却しますが、その際は購入者の銀行ローンに日本保証が保証を付ける。
クラファンシステムの販売を起点に一粒で4度美味しいビジネスを狙っているのではないでしょうか?
ちなみに、ロボットシステムが3月7日に新しい不動産クラファンシステム「fundingtool」の販売をはじめました。
これには日本保証の買取保証が標準装備されています。
一気通貫で商売するわけだ。
京阪不動産の狙いは客層の拡大
一方、京阪不動産の狙いは客層の拡大だと思います。
京阪不動産とは?
京阪不動産は関西の大手私鉄である京阪電鉄の子会社です。
京阪電鉄の不動産部門を2000年に分離して設立されました。
分譲マンションや戸建て住宅の販売、不動産仲介などを主な事業としています。
2018年にインテリックスと提携
京阪不動産と不動産クラファンとの関わりは(僕が知る限り)4年前にさかのぼります。
コロナ以前、訪日観光客の増大で宿泊需要が高まりました。
そんな中、2018年12月に京阪不動産は京町家のリノベーションに参入し、2019年11月に「宿ルKYOTO 抹茶ノ宿」をオープンします。
その際に業務提携したのがリノベーションで豊富なノウハウを持つインテリックス(東証一部)でした。
インテリックスが運営する不動産クラファンX-Crowdは京町家案件2件を募集しましたが、コロナで現在は休業状態です。
これが京阪不動産と不動産クラファンのファーストコンタクトだったのかもしれません。
X-Crowdで募集してたかもね。
任意型商品はすでに販売済み
それから3年後の2021年10月、京阪不動産は不動産特定共同事業法に基づく不動産小口化商品である「Keihan Investment Team(KIT)」の運営を開始しました。
第1号案件は11月12日に販売が開始され、6億9千万円がすでに完売しています。
ただ、KITは任意組合型の商品です。
クラファンじゃないの?
匿名組合型で客層拡大を狙う
不動産特定共同事業の任意組合型は所有権が付きます。
主に相続対策に活用され、対象顧客は富裕層で出資単位が大きいです。
KITも1口100万円、最低3口からの出資となっています。
このため、どうしても客層が狭くなりがちです。
これに対し、匿名組合型の不動産投資型クラウドファンディングは所有権は付かず少額での投資に使われます。
多くの業者で最低1万円から出資でき、敷居が低い投資です。
京阪不動産は
- 不動産クラファンで客層を拡大し
- 任意組合型のKITでの投資や
- 自社の投資用マンションの販売につなげたい
つまり、客層拡大、新規顧客の開拓、本業への波及効果を狙っているのだと思います。
穴吹興産のジョイントアルファやプロパティエージェントのRimpleと狙いは同じです。
考えることはみんな同じです!
京阪不動産の参入に期待
以上、僕の推測だけでツラツラと綴ってみましたが。
京阪不動産が参入してくれるならば大歓迎です。
京阪電鉄の進取の気性
京阪電鉄は関東の方には馴染みのない鉄道会社でしょう。
大阪-京都間でJR、阪急と競合しており、同じく3社競合の東京-横浜間で例えると京浜急行のイメージです。
大阪-京都 | 東京-横浜 | |
---|---|---|
JR西日本 | ←→ | JR東日本 |
阪急 | ←→ | 東急 |
京阪 | ←→ | 京急 |
京阪沿線の枚方、寝屋川、四條畷が京急沿線の蒲田、川崎、鶴見に通ずるものがあり、下町電鉄的な立ち位置です。(沿線住民のみなさん、ごめん!笑)
その一方で、日本初の連接車である60型、日本で2番目のテレビカーの3000系、日本初の5扉車の5000系などを生み出してきました。
京阪本線天満橋-寝屋川間は東武伊勢崎線北千住-北越谷に次ぐ私鉄で2番目に長い複々線区間です。
関西鉄道界では阪急の影に隠れがちですが、進取の気性を持つ鉄道会社と言えるかもしれません。
鉄道系初の不動産クラファンに期待
その進取の気性のDNAが京阪不動産にも引き継がれているでは?
鉄道系初の不動産投資型クラウドファンディング誕生となるか。
京阪不動産に期待します。
堅い新業者は大歓迎です!
コメント
こんチワッす!
いつも目敏く情報提供していただき感謝っす!
関西圏物件は意外と少なかったんで、投資意欲が漲りまくりっすねー
やはり大震災のリスクが一番怖いので分散しまくりたいっす!!
ちわっす~
今回は完全に推測なので、きっとガセネタで終わると思います。
でも電鉄系は堅い会社が多いので、参入を期待したいです!