毎週いろんな不動産クラファン業者が案件を募集していますが。
募集された案件、元本はどれくらい戻ってきているかご存じですか?
実は各社によって元本を返した割合(償還率)がけっこう違います。
主要数社について調べてみました。
データ公開です!
タップできる目次
不動産クラファン各社の元本の償還率
今回は主要10社について調べています。
調査の概要
まず、調査の概要と用語の定義です。
調査の概要
調査対象は各社の運営開始から2022年11月25日(以下、基準日)までに募集が終了し成立した全案件です。
今日の時点で募集中のものは含まず、今日の時点で募集終了だが運用開始前のものを含みます。
用語の定義
用語の定義は以下の通りです。
- 調達額:基準日までに募集が終了した全案件の調達額の総額
- 償還額:基準日までに償還された全案件の調達額の総額
- 償還済の判断基準:基準日までに各社サイトで各案件に「運用終了」またはそれに相当する表示がされたことをもって償還済とみなす
- 償還率:償還額を調達額で除して100を乗じたもの
各社の元本の償還率
それでは不動産クラファン各社の元本の償還率を見てみましょう。
業者名 | 調達額 | 償還額 | 償還率 |
---|---|---|---|
ASSECLI | 16億9,572万円 | 12億4,708万円 | 73.5% |
えんfunding | 2億3,992万円 | 9,480万円 | 39.5% |
大家どっとこむ | 20億5,107万円 | 13億2,478万円 | 64.6% |
CREAL | 234億4,097万円 | 140億457万円 | 59.7% |
ジョイントアルファ | 10億1,990万円 | 9億7,090万円 | 95.2% |
TSON FUNDING | 37億8,604万円 | 6億5,480万円 | 17.3% |
FANTAS funding | 31億8,481万円 | 29億7,737万円 | 93.5% |
プレファン | 2億1,134万円 | 9,725万円 | 46.0% |
property+ | 18億4,370万円 | 5億7,665万円 | 31.3% |
Rimple | 39億9,533万円 | 22億916万円 | 73.8% |
全社平均 | 59.4% |
最高はジョイントアルファの95.2%、最低はTSONの17.3%、10社の平均は59.4%でした。
平均すると投資家から集めたお金の6割を返金済ということですね。
けっこう差があるね。
各社の償還状況等について
良し悪しを数字だけで一概に判断することはできません。
「償還率が低い、ヤバい!」は単純おバカ反応です。
一部業者の状況について若干コメントします。
ASSECLI
償還済み案件の8割が早期償還です。
ただ、僕はソシャレン地獄の2018、2019年を見てきましたので。
元本が1円も欠けずに戻ってきたなら上出来、早期償還で予定が崩れるだの四の五の抜かすなボケ!ってのが本音です。
口が悪い~
えんfunding
今年4月と7月の募集額がやや大きかったこともあり、償還率は若干低めです。
ただ、これまですべての案件で予定日までに償還しており、特に問題はないと感じています。
CREAL
特に問題を感じていません。
懸案の上野オフィス案件が残っていますが、年が明けてからの償還予定です。
現時点で延長の話は出てきていないようなので大丈夫では?
コロナ直撃で運が悪かった。
ジョイントアルファ
償還率が高いのではなく募集が少ないだけです!
のんびりやってたら、うどんが伸びまっせ~笑
TSON
森林13号が11月14日償還予定なのに、まだ表示が運用終了に変わっていません。
単に表示を変えるのを忘れているだけかもしれませんが。
それ以外はすべて予定日までに償還が済んでいます。
TSONが募集を急拡大させたのは2021年下期からであり、現時点で調達額の8割以上が過去1年以内に募集した案件のものです。
このため、償還率が極端に低くなっているという事情があります。
ただ、直近の決算で経常利益が前期の3分の1、自己資本比率は4年連続で低下、負債比率も上がり続けています。
案件の対象物件を売りさばけている間は良いでしょうが、止まったらちょっと怖いなといささかの不安を感じるところです。
杞憂で済むことを祈ります!
プレファン
運営開始から1年経ったばかりで、まだ累計の募集額が多くありません。
それで償還額の比率が低く出ているだけです。
全案件、予定通りに償還されています。
property+
property+も運営開始から日が浅い上、初期の案件が平均3千万円前後と規模が小さかった影響で償還率が低くなっています。
償還自体は予定通り進んでいます。
気になる業者は調べてみよう
以上、各社の償還状況を見てきました。
ソシャレン、クラファン投資の成否は業者によるところが大きく、各業者が大丈夫なのか定期的なチェックは必須です。
償還状況もその判断材料の一つだと僕は思っています。
投資しっぱなしにするのではなく、預けた業者はどういう状況なのか?
気になる業者がある方は調べてみてはいかがでしょうか。
以上です!
コメント