ソーシャルレンディングの借り手企業の匿名化が解除されてから間もなく1ヶ月です。
しかし、最大手のSBIソーシャルレンディングはいまだに匿名化のままです。
もしかしたら、SBIはこのまま情報開示を一切進めないのではないでしょうか?
SBIソーシャルレンディングが匿名化を解除しないと思う理由を説明します。
SBIソシャレンは匿名化を解除しないと思ってます!
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匿名化解除へのSBIソーシャルレンディングの動き
匿名化の解除は2018年3月18日に金融庁から発表されました。
3月18日当日にFunds、よく19日にはSAMURAI FUNDが、いち早く匿名化解除の具体的な方針を発表しました。
また、OwnersBookとクラウドバンクも3月18・19日に今後の方針などを発表しています。
しかし、SBIソーシャルレンディングは現在に至るまで何ら発表していません。
匿名化を解除する以前に、対外的には一切動いていないのが現状です。
ソシャレン最大手なのに、この対応は残念だね。
SBIソーシャルレンディングは情報開示に消極的
残念っちゃ残念なのですが。
そもそも、SBIソーシャルレンディングは情報公開に消極的な業者です。
SBIソーシャルレンディングは情報を出さない
例えば、他の業者では普通に行っているA社、BD社といった、借り手のアルファベット表記すらしていません。
LTVも担保余力評価総額という意味不明な独自基準を長らく使っていました。
経営陣のインタビュー記事などもほとんど目にすることがありませんし。
最たるものがこちらです。
会社概要ですが、株主って普通は企業名や個人名を書きますよね。
SBIグループっていつから企業になったのでしょうか?苦笑
情報を出さずに隠す社風
とにかく情報を出したくない。
可能な限り表に出さず、顧客の目の届かないところにこっそり隠しておきたい。
情報公開に積極的なFundsやCREALとは正反対の業者だと僕は思っています。
ハッキリ言って、SBIソシャレンは情報公開に極めて消極的です!
匿名化を解除するデメリット
ただ、ソシャレン投資家としての僕の個人的な感情などどうでも良くて。
SBIソーシャルレンディングが匿名化を解除にしないことには合理性があります。
匿名化の解除はデメリットが大きいからです。
ソーシャルレンディングの匿名化解除には大きなデメリットもあるよ!
借り手企業が減る
まず、借り手企業(SBIソーシャルレンディングから見ると貸付先)が減ります。
今まで「匿名化できる」というメリットがあるから、借り手企業は銀行より金利が高いソーシャルレンディングで資金調達していたわけです。
それが企業名や財務状況を開示しなければならないとなると、「だったら銀行から借りるよ!」ってなるのは当然ですよね。
企業名を出さずにお金を借りられるってメリットが無くなると、金利が安い銀行で借りようってなるよね。
利回りが低下する
そうやって、ソーシャルレンディングで資金調達する借り手企業が減ると、ソシャレン業者間で借り手企業の争奪戦が始まります。
借り手企業を獲得するために貸出金利を下げる業者も出てくるでしょう。
その動きが大きくなると、ソシャレン業界全体で貸出金利が低下します。
その結果、SBIソーシャルレンディングの魅力の一つである、6~8%という高い利回りを維持できなくなるかもしれません。
作業量の増大
開示情報が増えれば作業量も増えます。
サイトデザインの変更が必要になるかもしれません。
また、開示する情報が本当に正しいのかソシャレン業者側での確認作業が発生します。
これを厳格に行うとなると、実はけっこうな作業量になるのではないでしょうか。
投資家にとってはうれしい情報開示だけど、ソシャレン業者にとってはデメリットも大きいのね。
SBIソーシャルレンディングの信用は落ちていない
匿名化を解除しなければ信用が低下するという意見があります。
本当にそうでしょうか?
匿名化継続では信用低下との意見
こういったデメリットに対して、次のような意見があると思います。
- 情報開示を進めることで業者としての信用度が上がる
- 匿名化を解除しないと逆に信用度が下がる
- SBIが匿名化を続けると投資家は他の業者に流出する
要は情報開示を嫌がる隠蔽体質な業者だと思われる。
イメージ悪化、信用低下でSBIソーシャルレンディングに投資する投資家が減る、という理屈です。
本当にそうでしょうか?
僕は違うと思います。
相変わらず満了している
SBIソーシャルレンディングが4月に募集を行ったのは下記の3案件です。(カッコ内は募集額)
- メガソーラーブリリアントローンファンド2号(7億5千万円)
- 不動産担保ローン事業者ファンドPlus 27号(8億円)
- 不動産バイヤーズローンファンド32号(3億5百万円)
3案件とも応募満額で完了しています。
特に不動産Plusと不動産バイヤーズは10分もかからずに満了したようです。
匿名化のままでもSBIは相変わらずの大人気なんだね。
匿名化継続は大きなデメリットにはならない
3月下旬に匿名化が解除されたのに、SBIソーシャルレンディングは解除するどころかコメントすら出さなかった。
なのに、4月の募集案件は従来どおりの瞬殺ぶりです。
いったい、どこが信用が落ちたというのでしょうか?
一部上場の金看板は匿名化を継続した程度で信用を失うことはない。
少なくとも、投資家の投資判断に影響を与えるほど深刻なものではない。
SBIソーシャルレンディングにとって、匿名化継続はそれほど大きなデメリットにはならないと僕は思います。
匿名化のマイナスを東証一部のプラスがはるかに上回るってことね。
SBIソーシャルレンディングは匿名化を解除しない
結論として僕はSBIソーシャルレンディングは匿名化を解除しないと思います。
少なくとも今すぐ解除する可能性は低いのではないでしょうか?
匿名化を解除する理由がない
SBIソーシャルレンディングにとって匿名化解除にメリットはない。
むしろデメリットの方がはるかに大きい。
そして現実として、匿名化継続でも案件の募集に影響していない。
この状況下でSBIソーシャルレンディングの経営者として、匿名化解除を選択する理由があるでしょうか?
僕が社長だったら絶対に解除しません。
メリットがなくてデメリットが多ければ、そういう判断になるよね。
SBIへの投資を止めてみては?
逆に言うと、影響を及ぼす兆しが出れば匿名化を解除するかもしれません。
僕は情報開示の義務化には反対で、各投資家が自分の判断と責任で業者と案件を選べば良いという考えですが。
SBIソーシャルレンディングに匿名化を解除して欲しいという方は、影響を及ぼす兆しを実際に出す。
つまり、SBIソーシャルレンディングへの投資を止めてみてはいかがでしょうか?
SBIに情報開示させるには、それくらいしか手がないように思います。
投資家がSBIに投資を続ける限り、SBIは匿名化を続けるよ!
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