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maneoに行政処分、記事を誤解してる人が多いので詳しく説明

グリーンインフラレンディングを巡る一連の疑惑について、maneoマーケットに行政処分が下される見込みとなりました。

予想されていたことではありましたが、投資家の間では騒ぎとなっています。

ただ、報道内容を少し誤解している方がいるようなので、詳しく説明します。

この記事の著者
投資家・ブロガー
タロウ

ソーシャルレンディング、不動産クラウドファディング専門の投資家です。
2018年にソシャレン・クラファン投資を始め、これまで400件を超える案件に1億9千万円以上を投資し損失ゼロ。
安全性を最重視した投資情報を発信しています。

これまでの経緯

最初にザクッと簡単に説明します。(ご存知の方は次の項目へどうぞ。)

資金の流れ

再エネ事業を行うJCサービスは子会社のグリーンインフラレンディングを通して、投資家から資金を集めていました。

実際の募集業務はmaneoの親会社であるmaneoマーケットが、グリフラに代わって行っていました。

つまり、投資家 → maneoマーケット → グリフラ → JCサービスというお金の流れです。

問題が発覚

グリフラは「太陽光発電所の建設に使う」などと、集めた資金の使いみちをmaneoマーケットに説明し、maneoマーケットもその通りに投資家に説明していました。

ところが、説明したのとは違う用途でJCサービスが資金を使っていた疑いが浮かび、証券取引等監視委員会が調査を進めていました。

またこれと並行し、JCサービス子会社のJC証券が細野豪志議員に5千万円を貸し付け、その過程で不適切な行為があった疑いも出ています。

さらに一部報道では、細野氏に貸し付けられた5千万円はJCサービスから渡ったもので、グリフラが集めた資金との関連を指摘する声も出ています。

日経新聞の報道内容

行政処分を伝えたのは日経新聞の次の記事です。

「maneo」、集めた融資資金を流用 100億円規模か 投資家に虚偽説明、監視委処分勧告へ(7月6日1時30分)

有料記事で引用はマズイですので要点だけまとめます。

事件の概略

  • 証券取引等監視委員会は金融庁に対し、maneoマーケットを行政処分するよう勧告する方針を固めた。
  • 理由は事実と異なる説明をして投資家から資金を集めたという、金融商品取引法に違反する行為が見つかったため。
  • 勧告を受けて金融庁は、業務改善命令などの処分を検討する。

ここまでが概略です。上で説明した目的外使用が問題となり、maneoマーケットに行政処分が下る、ということです。

概略の詳細説明

記事では概略のあとに詳細説明が続きます。

  • maneoマーケットはグリーンインフラレンディングに代わって「再エネ発電の開発資金」の名目で、投資家から資金を募集した。
  • しかし監視委の調査の結果、投資家から集めた資金がその名目とは異なる目的に流用されていた
  • 監視委は虚偽説明での資金募集を重大な問題と見なした。

この詳細説明の中で、赤字の部分が非常に大切です。

監視委がmaneoマーケットについて重大な問題と見なしているのは、虚偽説明での資金募集です。流用ではありません。

補足内容

記事では次の点にも触れています。

  • maneoマーケットは第二種金融商品取引業者なので、監視委の検査権限が及ぶ。
  • しかし、グリフラは第二種業者ではなく監視委の検査権限が及ばない
  • このため、事件の全容解明は難航している模様。
  • ソーシャルレンディングは借り手情報の匿名化により、企業が悪用する例も出ていた。
  • 金融庁は借り手情報を開示する方針を決定済み。
  • グリフラを巡っては兄弟会社の証券会社と細野氏との間で、5千万円の貸付で不備があったことが判明している。

記事のまとめ

最も重要な点をまとめると次のようになります。

  • JCサービスがグリフラ、maneoマーケット経由で資金を集めた
  • その際に、グリフラはmaneoマーケットに対して、資金の使い道は発電所建設などと説明した
  • それを受けてmaneoマーケットも使い道は発電所建設などと投資家に説明した
  • ところが、JCサービスは集めた資金をそれとは違う目的に流用した
  • 結果として、投資家への説明が虚偽となった
  • 虚偽の説明をしたmaneoマーケットが行政処分を受けることになった
  • JCサービスやグリフラへの処分は現時点では不明

ここで大切なのは、maneoマーケットが意識的に虚偽の説明をしたのではないことと、資金を流用したのはmaneoマーケットではないことです。

グリフラの説明をそのまま信じて投資家に伝えたら、実はそれがウソっぱちだった、ということです。

投資家の反応

日経報道を受けて投資家の間で動揺が広がっています。ツイッターから一部を紹介します。

ここまでの説明でお分かりと思いますが、これらはすべて誤解です。

流用したのはmaneoマーケットではなく、グリフラとJCサービスです。

maneoマーケットが悪者みたいな受け止め方になっていますが、主犯はグリフラとJCサービスです。

誤解されている

何が誤解されているのか?街頭募金を例に説明しましょう。

街頭募金に例えると

熊本地震の被災者を支援しようと思った3人の福岡市民が、街頭募金を行いたいと福岡県警博多署に道路使用許可を申請しました。

博多署は申請した3人に使用を許可しました。

3人の内、クラウドリー子さんとエルシーレン子さんは、集めたお金を熊本の被災者に届けました。

ところが、グリフ乱太郎くんは熊本には届けず、福岡ボートで使い果たしました。

で、道路使用許可を出した博多署が非難されている、みたいな構図です。

maneoマーケットに管理責任はある

確かに、グリフ乱太郎の申請内容を真に受けた博多署にも責任はあるでしょう。

それと同じで、グリフラをきっちり管理しなかったことは明らかにmaneoマーケットの落ち度です。

maneoマーケットは流用していない

しかし、募金を福岡ボートで使い果たしたのはグリフ乱太郎であり、博多署の警察官ではありません。

同様に、集めた資金を流用したのはグリフラとJCサービスであり、maneoマーケットではありません

maneoファミリー全体の問題ではない

さらに、福岡ボートに行ったのはグリフ乱太郎だけであり、クラウドリー子とエルシーレン子は募金をちゃんと熊本に届けています。

これと同じで、問題を起こしたのはグリフラだけであり、同じmaneoファミリーのLCレンディングやクラウドリースなども問題のある業者ということでもありません

日経記事のタイトルだけ読んで誤解している方がいらっしゃるような気がします。

全容解明を期待

誤解のないように申し上げますと、僕はmaneoマーケットを擁護しているわけではありません。

システムを貸し出しテラ銭を稼ぎながら、ずさんな管理しかできていなかった点は非難されて当然です。

業界最大手のmaneoグループですら、この程度の管理レベルだったとは。

僕はこの一件で大きな危機感をいだき、上場企業系など安全性が期待できる業者に、投資先をすべて切り替えました。

詳しくは下記の記事をご覧ください。

それはともかく、maneoマーケットが投資家に意図的にウソの説明をし、集めた資金を他の目的に流用したというのは明らかに間違いです。

事実を見誤ると間違った投資判断につながります。

本当の事実を知るために、一日も早い全容解明を期待します。

コメント

  1. たたた より:

    質問です。
    自分はmaneo本体しか利用していないのですが、今回のJCサービスの案件はmaneo本体でも募集が行われてたのでしょうか?

    • タロウ タロウ より:

      どうなんでしょうね?僕はmaneoでは不動産案件しかやらないので、再エネ系の案件はよく見てないです。なのでJCサービスの案件が入ってるかは分かんないです。

  2. たかたかし より:

    お役に立てば。

    「未投資口座残高」について、本日「払戻依頼」をしたのですが(←遅いですよね)
    本日先ほど、出金をした旨メールがありました。

    少額ではありますが、ご参考まで。

    • タロウ タロウ より:

      グリフラに払い戻しをされたのですか。良かったですね、戻ってきて。
      OwnersBookとかSBIみたいな堅いところに投資して、ガッチリ稼いでください。
      こんなときほどポジティブにアグレッシブに攻めましょう!

  3. あさびらき より:

    maneoで600万円ほど運用しています。今回の件、日経の見出しと記事内容にずれがあり、編集の方でミスリードを誘っているように見えます。また上記ツイッターも、内容(事実関係)を知りながら、故意に「maneoが資金流用」と書き、ソーシャルレンディングの脆弱性・限界を大きく見せようとの意図が感じられます。

    • タロウ タロウ より:

      別の記事で書きましたが、日経だけでなくNHKもです。むしろNHKのほうがひどかった。日テレは正確に事実を伝えていましたが。
      上のツイッター、僕は故意にではなく本気でmaneoが資金流用と誤解していると思います。最近、ろくに中身を読まずにタイトルだけ見て早とちりする人が多いですから。
      maneoの600万円、無事だといいですね。無事に戻ってきたらまたソシャレンで稼いでください。ゴーゴー!

  4. モナ より:

    400万円ほどmaneoで運用しています。日経新聞ニュースサイトを見て参ったなと思い、このページを見つけました。わかりやすい説明ありがとうございます。マネオがモナ男と業者のとばっちりを受けてマスコミ報道の餌食になっているのですね。飛び火していろいろ焦げ付かないか心配です。

    • タロウ タロウ より:

      400万円は大きいですね。
      焦点は金融庁がどのような処分を行うかだと思います。
      業務改善命令で済めばmaneo投資家が損失を被る可能性は限りなくゼロではないか?
      営業停止命令だと、maneoでリファイナンスできない借り手が生まれる。
      その中で他から借り換えられないところや、財務が弱いところで遅延が出る可能性はありますよね。

      ただ、みんクレやラキバンのようにmaneoが廃業状態になることはないでしょうから、営業再開と同時にそれら借り手がリファイナンス再開、返済再開となるのでは?
      要は、遅延の可能性はあるけど債務不履行になる可能性は低いような気がします。
      分かんないですけどね。僕も投資始めたばかりの素人ですから。
      まぁ、それよりも、SBIとかOwnersBookとか安全なところを探して、引き続き投資しましょう!

  5. neko より:

    分かりやすい説明でとても助かりました。
    投資を始めようかと思って登録はしていたのですが、こんなことになってちょっと不安でした。

    とりあえず、処分の発表を待ってみて、しかも他の案件はほぼほぼ無事に回っているようなので、様子見でよさそうですね。
    またいろいろわかりやすい、的確な情報をよろしくお願いいたします。

    • タロウ タロウ より:

      そうですね。僕も今週末の金融庁の発表を待って、それからmaneoとファミリーへの投資を考えます。
      ま、maneoがすべてじゃないですからね。
      良さげな業者を探してアグレッシブに攻めましょう!

早期償還

案件の運用が予定より短い期間で終わり、業者が元本を予定より早く投資家に返すことを早期償還といいます。

例えば、運用期間12カ月の予定が6カ月で早期償還になると、受け取る分配金は基本的に半分になります。

ネガティブに捉えられがちですが、業者が確実に売れる物件を選んで案件を組成した証でもあります。

分配原資

分配原資とは分配金の出どころのことです。

例えば、入居者から得る家賃から投資家に分配金を払う場合、分配原資は家賃です。

家賃はインカムゲインですので、分配原資はインカムゲインとも表現できます。

組成

案件を作ることを組成といいます。

  • 投資対象は緑町ハイツ102号室で
  • 利回りは4.5%で
  • 運用期間1年
  • 募集総額2,300万円の案件を作る

こうやって案件が出来上がります。

組成 → 募集 → 運用開始 → 運用終了 → 償還

ソーシャルレンディング、不動産クラウドファンディングの案件はこのような流れで運営され、その最初の段階が案件の組成です。

元本毀損

元本毀損とは投資したお金が戻ってこなくなることです。

例えば、2,000万円で取得した物件が1,500万円でしか売れなかった場合、元本の一部が戻ってこないことがあります。

また、取得した物件が地震で倒壊し売れなくなったなどで、元本の全額が戻ってこないこともありえます。

クラファン案件の管理手数料

不動産クラファンで区分マンションなどが投資対象になる場合、物件の入居者募集や家賃徴収といった管理業務が行われます。

これらの業務は業者または外部の不動産業者が代行し、そこでは管理手数料が発生します。

案件の利回りはこういった手数料や経費も差し引いた上で計算されたものです。

ですので、投資家が管理手数料を別途支払う必要はありません。

優先出資と劣後出資

不動産クラファンでは一般に投資家と業者が共同で出資し、物件を取得します。

例えば、投資家が2,400万円、業者が600万円出資し、3,000万円の物件を取得するといった感じです。

出資者 出資額
投資家(優先出資) 2,400万円
業者(劣後出資) 600万円
出資総額 3,000万円

この時、投資家分の出資を優先出資業者分の出資を劣後出資といいます。

なぜ、そのような言い方をするのかなど、詳しくは下記記事を参照してください。

優先劣後出資方式と劣後出資比率

キャピタルゲイン型

不動産クラファンの案件は大きくキャピタルゲイン型とインカムゲイン型に分かれます。

投資対象物件を売却した際の売却益を分配原資(分配金の出どころ)とする案件がキャピタルゲイン型です。

一方のインカムゲイン型は運用期間中の家賃収益を分配原資とします。

なお、売却益と家賃収益の両方を分配原資とする併用型の案件もあります。

自社買取

不動産クラファンでは運用期間の最後に物件を不動産投資家など第三者に売却するのが一般的です。

しかし、何らかの事情で売却できなかった場合、自社で物件を買い取ることがあります。

売却できずに元本が戻ってこないところが、業者が買い取ることで元本が戻ってくることになるので、自社買取は投資家にとってメリットです。

劣後出資比率

不動産クラファンでは一般に投資家と業者が共同で出資し、物件を取得します。

例えば、投資家が2,400万円、業者が600万円出資し、3,000万円の物件を取得するといった感じです。

このとき、出資総額に対する業者分の出資額の比率を劣後出資比率といいます。

さきほどの例では20%です。

出資者 出資額 出資比率
投資家 2,400万円 80%
業者 600万円 20%

劣後出資比率が高いほど安全性が高まります。

詳しくは下記記事を参照してください。

優先劣後出資方式と劣後出資比率

償還

案件の運用が終わり、業者が元本を投資家に返すことを償還といいます。

クリック合戦

募集が先着方式の案件では、投資できる人が決まるのは早い者勝ちです。

このため、人気の案件では募集開始と同時に応募が殺到します。

この状態をクリック合戦といいます。

信託受益権

信託受益権とは信託財産から発生する利益を受け取る権利のことです。

詳しくは↓こちらの記事を参照してください。

信託受益権とは?(別タブで開く)

信託受益権とは?(今開いているタブで開く)

抵当権と根抵当権と極度額

抵当権とは借り手が返済できなくなった時に担保を売却し、その代金から他の債権者に優先して返済を受ける権利です。

抵当権は1つの借り入れに対して設定されるため、返済時点で消滅します。

これに対し根抵当権ではあらかじめ融資の上限額を設定し、その範囲内であれば何度でも融資と返済が可能です。

その都度、抵当権の設定登記を行う必要がないため、企業への融資などでよく利用されます。

極度額は根抵当権の融資上限額のことです。

債務履行

まず、「債務」とは他人に対し何らかの行動を行う義務のことです。

そして、債務を実際に行うことを債務履行といいます。

ソーシャルレンディングの場合、借り手(債務者)が返済することや、連帯保証人が借り手に代わって返済することが債務履行にあたります。

LTV

ソーシャルレンディングで使われる用語で、担保評価額に対する融資額の割合をいいます。

例えば、1億円の土地を担保に8千万円を融資する場合、LTVは80%です。

担保が評価額通りに売れるとは限らないため、LTVの数字が小さいほど安全性が高いとされます。

資金使途

ソーシャルレンディングで業者から借りたお金を借り手が何に使うかを資金使途といいます。

延滞

ソーシャルレンディングで借り手が期限内に返済できなくなることを延滞といいます。

また、ソシャレン、不動産クラファンで元本の償還が予定より遅れている状態を延滞と呼ぶことがあります。

業者や投資家によっては「遅延」という表現が使われることもありますが、意味は同じです。