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上場各社の決算資料に見るクラファン事業の位置付けと重要度

上場各社の決算資料に見るクラファン事業の位置付けと重要性のタイトル画像

上場各社から3月決算が続々と出てきております。

その中にはソシャレン、クラファン事業を持つ企業も。

そこで、上場企業の決算短信や決算説明資料でソシャレン、クラファン事業についてどのように言及されているかを調べてみました。

各社においてソシャレン、クラファン事業はどのような位置付けで、重要度はどの程度なのか?

そこから、各ソシャレン、クラファン業者の安全性や今後の期待値などがうかがえるかもしれません。

タロウさん
タロウさん

さっそく見ていきましょう!

この記事の著者
投資家・ブロガー
タロウ

ソーシャルレンディング、不動産クラウドファディング専門の投資家です。
2018年にソシャレン・クラファン投資を始め、これまで400件を超える案件に2億円以上を投資し損失ゼロ。
安全性を最重視した投資情報を発信しています。

決算説明資料での各業者の扱い

決算説明資料での各業者の扱いのタイトル画像

ソシャレン、クラファン、まとめて50音順に紹介します。

 

アイフル

AGクラウドファンディングの運営会社の親会社です。

AGクラウドファンディングのサイトの画像

こちらはほぼノータッチ。

決算説明資料の最後の方でグループ会社として紹介されているだけです。

アイフルの決算説明資料

ま、巨大企業アイフルですからね。

これはしょうがないでしょ。

 

飯田グループホールディングス

property+の運営会社の親会社の親会社です。

property+のサイトの画像

売上高1兆4千億円の超大手不動産会社で、2023年3月期は増収減益でした。

property+への言及は一切なし

こちらもスーパー巨大企業の孫会社の事業だからしょうがないっしょ。

 

FJネクスト

GALA FUNDINGの運営会社です。

GALA FUNDING

決算説明資料の最後の方でGALA FUNDINGが紹介されています。

FJネクスト決算

特に力を入れているとか、FJネクストの業績に大きく関わっているという印象は受けません。

かと言って、やめる雰囲気もなさそう。

会社の業績は良い感じなので、クラファンもこのまま淡々と続けていただければ幸いです。

 

クリアル

ごぞんじCREALの運営会社です。

CREALのサイトの画像

こちらはなにせCREALあるが本業ですし、決算も絶好調でしたので、CREALがそこら中に出てきます。

CREAL決算1

CREAL関係のところを挙げると全ページ挙げることになりますので。

ピックアップして紹介しますと、まずCREALの成長が会社を成長に導いたようです。

CREAL決算2

売上、利益ともに倍増!

 

会員数は前年から1.2万人増えて4万人を突破。

来期は6万人を目指します。

CREAL決算3

累計の募集額は275億円を達成。現在では300億円を超えています。

CREAL決算4

 

スゴイと思うのが、投資家のリピート率が90%に達していること。

CREAL決算5

これはクリアルの社員の人たち、うれしいでしょうね。

客商売やっててリピート率は勲章やもんね。

何よりも自慢できる数字だと思います。

 

投資対象が1棟レジばかりのような印象を受けていたのですが、意外に他のものもあるようです。

CREAL決算6

来期はCREALを今の1.5倍以上に増やす模様。

CREAL決算7

 

注目はこちら。

来期以降の成長戦略として不特法3号、4号商品が登場。

ヘルスケア施設は横田社長の得意分野です。

CREAL決算8

 

他にもいろいろあるのですがキリがないので。

ぜひ、クリアルの決算説明資料を読んでください。

 

JALCOホールディングス

J.LENDINGの実質的な運営会社です。

J.LENDINGのサイトの画像

決算説明資料はまだ出ていませんが、決算短信で同社の貸金事業について以下の記載がありました。

当連結会計年度において営業貸付金は、新規貸付34億44百万円、回収及び振替44億96百万円により48億59百万円(前期末比17.8%減)となりました。当事業部門における売上高は、4億2百万円(前年同期比22.3%減)、セグメント利益は1億39百万円(前年同期比66.6%減)という結果となりました。
ソーシャルレンディング事業における口座開設数は順調に増加しており、J.LENDING LF64号~LF77号までの募集で、実行額合計は23億91百万円となり営業貸付金の増加に寄与しております。
今後も引き続き、収益性及び担保価値等が十二分に見込める複数の貸付先において、資金需要が旺盛にあるため、ソーシャルレンディング事業も絡めて、当事業部門の収益及び利益の増加に努めてまいります。

ジャルコ全体で貸付金は48億円。

J.LENDINGで集めたのが24億円。

ってことは、融資する資金の半分をJ.LENDINGで調達しているということでしょうか?

もしそうであるならば、J.LENDINGをやめることは考えにくい。

最近ご無沙汰ですが、そろそろ新規案件が出てくるかもしれないですね。

 

Jトラスト

大家どっとこむの運営会社の親会社です。

大家どっとこむのサイトの画像

大家の「お」の字も出てきません。笑

Jトラストは金融事業がほぼすべてなので、子会社の不動産事業のそのまたおまけの大家さんが出てくるわけないですよね。

Jトラスト自体は増収増益なので特に問題はないかと。

 

ZUU

COOLの運営会社の親会社です。

COOLのサイトの画像

こちらはCOOLてんこ盛りでした!

 

まず決算短信です。

当連結会計年度は、融資型クラウド・ファンディングは順調に成立案件が続いたものの、株式投資型クラウド・ファンディングにおいて案件数が伸び悩んだことから引き続きコストが先行する状況となり、売上高は96,595千円(前連結会計年度比24.0%増)、営業損失は112,138千円(前連結会計年度は営業損失196,421千円)となりました。

ZUUは株式投資型クラファンのUnicornも運営しています。

そちらはイマイチだったけど、COOLは好調だったようです。

 

次に決算説明資料から。

画像は上から売上高、売上総利益、営業利益です。

依然として赤字ながら、売上、利益ともに前期比2桁増でした。

ZUU決算1

「2024年3月期はクラウドファンディング子会社の利益改善に注力」するとのことです。

 

ZUUグループにおけるCOOLの位置付けについてです。

ZUUが企業に提供する各種サービスの一つとして「融資型クラウドファンディングサービス『COOL』を用いた資金調達支援」の役割を持たせているようです。

ZUU決算2

課題解決ツールを提供するように、資金調達ツールも提供する。

そのうちの中堅企業向けがCOOLということです。

COOLの借り手はZUUと取引がある中堅企業ということになりますね。

 

COOLの累計案件数は40件、累計調達額は19億5,700万円とのことです。

ZUU決算3

案件数・案件規模ともに急増し、順調に成長中。」との記述がありました。

 

COOLの仕組みを説明した画像が出ていましたが、その下にCOOLの収益率が。

ZUU決算4

う~ん、つくづくソシャレンは規模が大きくならないと儲からん商売ですね。

 

ZUUの決算説明資料では他社に比べてソシャレン事業への言及が非常に多かったです。

それだけグループ内で重要性が高いということでしょう。

 

大東建託

72CROWD.の運営会社の親会社です。

72CROWD.

こちらはまったく言及なしです。

上場系だから安心して投資しているので、一言くらいあってくれた方がありがたいのですが。

大東のチェックが入っているのか不安になります。

ま、大東もインヴァランスも増収増益なので大丈夫とは思いますが。

 

トーセイ

TREC FUNDINGの運営会社です。

TREC FUNDING

来期計画の中で「クラウドファンディング拡大(小型物件、区分マンション)」と書かれていました。

トーセイ決算

トーセイは不動産クラファンで何をしたいのか、よく分からないですね。

システムを導入しちゃったので止められず続けているだけのような気が。

 

ビーロット

B-Denの運営会社です。

B-Den

超マイナーですが僕の主力中の主力投資先であります。

決算説明資料でB-Denへの言及は一言もなしです。

本業が好調ですので、今まで通り忘れた頃にガチ堅案件を出していただければ文句はございません!

 

ファンドクリエーショングループ

FC FUNDINGの運営会社です。

FC FUNDINGのサイト画像

FC FUNDINGへの言及はまったくありませんでした。

決算短信を出したのが今年1月で、運営開始(2月)の直前だったからでしょうか?

逆に目玉として書いても良かった気もするのですが。

メインの客層が富裕層だからかな?

 

プロパティエージェント

Rimpleを運営するプロパティエージェントは20期連続の増収増益でした。

Rimpleのサイト画像 新

決算説明資料の最初の方でいきなりRimpleちゃん登場です。

DX技術を活用した不動産投資の小口化による投資家の活性化と資産の有効活用
• クラウドファンディングシステムの運用
• 他社のポイントをリンプル内で投資可能にするリアルエステートコインの運用

プロパティエージェント決算1

プロパティエージェント決算2

プロパティエージェントは不動産に続く収益の柱としてDX事業を成長させようとしています。

それでDX事業についてはいろいろ語るネタがあるのですが、不動産についてはRimpleくらいしかないのかもしれません。笑

 

Rimpleの実績については次のように。

クラウドファンディング「Rimple」の応募は好調に推移、累計ファンド組成額は34億円

プロパティエージェント決算3

 

決算説明資料ではRimpleの扱いが多めでした。

社内でそこそこの位置付けなのかもしれません。

 

ロードスターキャピタル

OwnersBookの運営会社です。

OwnersBookのサイトの画像

決算説明資料の一番最初に事業内容としてオナブが出てきます!

OwnersBook決算1

 

ロードスターはオナブで投資家から集めたお金を企業に貸し付ける貸金業をしています。

その貸しているお金が過去最高の84億円になったようです。

OwnersBook決算2

 

オナブの売上は前期比マイナスとなり、ロードスター全体の売上に占める割合は1.7%。

OwnersBook決算3

一方で会員数は2.7万人を突破しました。

OwnersBook決算4

↑ここに「投資家会員に過度なリスクを負担させないことを優先し、マーケットを見定めながら事業拡大を図っていく。」とあります。

これ、オナブの運営開始時から社長の岩野さんがずっとおっしゃってることです。

6年経ってもブレないですね。

 

中期経営計画として「クラウドファンディング事業の規模拡大による企業価値向上」「OwnersBook案件の多様化および積み上げ」とあります。

今後もオナブを強化していくようです。

OwnersBook決算5

具体的には「案件の大型化や多様化」を図るとしています。

2022年実績の75億円を2024年には200億円にまで引き上げるようです。

OwnersBook決算6

ただ、「ノンリコース型や金利入札案件などの商品の多様化」とあるのですが。

ノンリコはやめましょうよ。

maneoファミリーの悪夢にうなされそうです。笑

 

これまでに1度しか組成されたことがないエクイティ型も捨てていないようですね。

OwnersBook決算7

ロードスターが取得した物件を投資対象にするとしています。

いっそのこと、不動産クラファンになっちゃえば?

STOについても書かれていますが。

これまでにもSTOに言及する業者は多々ありましたが、どこも実現できていません。

 

貸付型を含む不動産クラファン市場は将来的に数兆円規模まで拡大するとの見方を示しています。

OwnersBook決算8

 

あと、なにげに良いなと思ったのがこちら。

OwnersBook決算9

平均給与1,166万円だそうです!

売上、利益ともに前期比3割増、創業以来10期連続の増収増益ですからね。

うらやましい限りです!

 

何よりも安全優先で!

以上、上場企業の決算説明資料でのソシャレン、クラファンの扱いについて見てきました。

 

投資家が期待を持てる内容を

社内でのソシャクラの重要度が高いことが一概に良いとは思いません。

ソシャクラにおんぶに抱っこの会社とか逆に怖いですし。笑

ただ、我々の立場としては投資の機会が増える可能性が見えるとうれしいですよね。

 

決算説明資料はチェックしよう

それと、ソシャクラ投資家が上場系の業者を重視するのは、安全であると思うからです。

しかし、上場系が安全なのは経営状態が良いことが大前提。

なので、せめて年に一度の決算期くらいは、決算説明資料を読んで本当に投資して大丈夫なのか確認することをおすすめします。

僕も今回は時間がなくて流し読みだったので、また時間を取って読み込むつもりです。

 

安全な投資環境を!

そして、上場系の業者さんにはぜひ投資家が何を期待しているのかをご理解いただければ。

利回りや投資のしやすさもありますが、上場系に求めるのは何よりも安全性です。

安全だからこそ2%や3%台の利回りでも(盛大にブーブー文句を言いつつw)投資しています。

ぜひ、安心して投資できる安全な投資環境を今後とも期待する次第です。

タロウさん
タロウさん

よろしくお願いします!

 

コメント

上場企業系

ソーシャルレンディング、不動産クラウドファンディングで「上場企業系」とは、運営会社やその親会社が上場企業であることを指します。

上場企業は信用力が高いことから、上場企業系の業者が運営するソシャレン、不動産クラファンは信頼性、安全性が高いと考える投資家が多いです。

ただし、「上場企業系=100%安全」とは限らないので注意が必要です。

貸付金利

ソーシャルレンディングでは投資家から集めたお金を企業などに貸し、得られた利益を投資家に分配します。

例えば、企業に7%で貸し、ソシャレン業者が利益を2%取り、5%を投資家に分配します。

ソーシャルレンディングの貸付金利の説明図

企業に貸す際の金利(上図の7%)が貸付金利です。

上場企業系

ソーシャルレンディング、不動産クラウドファンディングで「上場企業系」とは、運営会社やその親会社が上場企業であることを指します。

上場企業は信用力が高いことから、上場企業系の業者が運営するソシャレン、不動産クラファンは信頼性、安全性が高いと考える投資家が多いです。

ただし、「上場企業系=100%安全」とは限らないので注意が必要です。

運用と運用期間

不動産クラウドファンディングにおいて運用とは、投資家から集めた資金で取得した不動産を、賃貸したり売却したりすることで利益を生み出すことをいいます。

運用を行う期間は案件ごとにあらかじめ決められており、これを運用期間といいます。

マスターリース契約

不動産クラウドファンディングでは投資家の資金で不動産クラファン業者が物件を取得し、入居者から家賃を得ます。

しかし、入居者が見つからなければ家賃が入らず、投資家が分配金を得られなくなります。

そこで、不動産クラファン業者が不動産業者と次のような契約を結びます。

  1. 不動産クラファン業者が不動産業者に部屋を貸す
  2. 不動産業者が入居者に部屋を貸す
  3. 入居者が見つからなくても不動産業者は毎月の家賃を不動産クラファン業者に払う

マスターリース

これがマスターリース契約です。

マスターリース契約により投資家は入居者が見つからないリスクから隔離され、投資の安全性が向上します。

部分当選

ソーシャルレンディングと不動産クラウドファンディングの募集には、早い者勝ちの先着方式の他に、応募した人の中から投資できる人を抽選で決める抽選方式があります。

抽選方式では、50万円で応募して当選したら50万円投資できるのが基本です。

しかし、50万円の内、30万円分だけ当選する(=30万円だけ投資できる)こともあります。

これが部分当選です。

当選者の最後の1人が残額を割り当てられて部分当選になる場合の他、多くの人を当選にするために業者が全員を部分当選にする場合などがあります。

借り手企業

ソーシャルレンディングでは投資家から集めたお金を、ソシャレン業者が企業に貸します。

ソーシャルレンディングの仕組み

案件の募集で集められた投資家のお金を借りるのが借り手企業です。

借り手企業が倒産したり返済不能になると、投資家のお金が戻ってこない場合があります。

ソーシャルレンディングのリスク

ですので、ちゃんと返済できるのか?ソーシャルレンディングでは借り手企業の見極めが非常に重要です。

満室賃料

満室賃料とは、その物件が満室の場合に得られる想定賃料のことです。

全4室の1棟アパートで、各部屋の賃料が以下の場合、

  • 101号室:4.5万円
  • 102号室:4.5万円
  • 201号室:5.5万円
  • 202号室:5.5万円

満室賃料は月間20万円、年間240万円です。

空室リスク

空室リスクとは投資対象物件に入居者がつかず、空室で家賃収入を得られなくなるリスクです。

匿名組合型と任意組合型

不動産クラウドファンディングを含む不動産特定共同事業は、主に匿名組合型と任意組合型に分かれます。

主な違いは一般に下表の通りです。

匿名組合型 タイプ 任意組合型
匿名組合契約 契約 任意組合契約
なし 物件の所有権 あり
少なめ 最低出資額 多め
短め 運用期間 長め
有限責任 責任 無限責任
雑所得 所得区分 不動産所得

物件が倒壊して隣接する建物に被害が及んだ場合、任意組合型では出資額を超えて賠償責任が発生します。

匿名組合型の場合は責任範囲は出資額が上限であり、最悪でも全損で済みます。

任意組合型は所得区分が不動産所得で有利なため、相続など節税対策に使われることが多いです。

不動産クラファンではほとんどの案件が匿名組合型です。

不動産特定共同事業

不動産特定共同事業は次のような事業です。

  1. 複数の投資家から出資を受け
  2. 集まった資金で不動産を取得、運用し
  3. 得られた利益を投資家に分配する

多くの場合、1億円の1棟マンションを100口の持ち分に分割し、1口100万円で販売するといった、不動産小口化商品の形を取ります。

不動産特定共同事業のうち、募集などをインターネットを使って行うのが不動産クラウドファンディングです。

不動産小口化商品

不動産小口化商品は不動産を小口の持分に分割して販売する不動産投資商品です。

例えば、1億円の1棟マンションを1口100万円の持分100口に分割し、1口単位で販売します。

仮にこのマンションで1,000万円の利益が出た場合、1口投資した人は10万円、5口投資した人は50万円を得るイメージです。

不動産クラファンの場合、持分には利益の分配を受ける権利が含まれますが、物件の所有権は含まれません。

 

デポジット口座

デポジット口座とは業者内で投資家ごとに設置されるお財布のようなものです。

デポジット口座方式の業者では、投資家は事前に銀行から業者にお金を振り込み、そのお金は業者内のデポジット口座で保管されます。

デポジット口座

そして、デポジット口座のお金で案件に投資します。

また、分配金や償還された元本はデポジット口座で保管され、投資家が必要なときに出金申請し、自分の銀行口座に引き出します。

デポジット口座

 

売却リスク

不動産において、物件が予定通りの価格で売却できない、もしくは、売却そのものができない可能性を売却リスクといいます。

売却リスクが現実化すると、投資家には次のような不利益が生じる場合があります。

  • 分配金が予定額を下回る
  • 分配を受けられない
  • 元本の一部が戻ってこない
  • 元本のすべてが戻ってこない

流動性

不動産において、売買のしやすさや、現金化のしやすさを流動性といいます。

都心の一等地など需要が高く売りやすい物件は「流動性が高い」、逆に農村の空き家など需要が低く売りにくい物件は「流動性が低い」です。

譲渡

ソーシャルレンディング、不動産クラウドファンディングで自分の出資持分(利益の分配や元本の償還を受ける権利)を、第三者に譲り渡すことを譲渡といいます。

例えば、〇〇FUNDINGで10万円投資し、それを第三者(〇〇FUNDINGを含む)に10万円(もしくはそれ以外の金額)で買い取ってもらうイメージです。

入金と出金

投資するお金をソシャレン、クラファン業者の銀行口座に振り込むことを入金といいます。

運用が終わったお金が業者から投資家の銀行口座に振り込まれることを出金といいます。

元本

ソーシャルレンディングや不動産クラウドファンディングで、投資家が出資(投資)したお金のことを元本といいます。

リフォームとリノベーション

リフォーム、リノベーションともに、住宅の改修や改築を指します。

両者の違いはリフォームは「元の状態に戻す」ことであり、例えば壁の張替えや外壁の塗替えはリフォームです。

対して、リノベーションはリフォームよりも大がかりな改修、改築を行うことで「住宅の機能や価値を高める」ことを指します。

例えば、床暖房の新設や、壁を撤去して広々としたLDKへの間取りの変更はリノベーションです。

リフォームが老朽化で800万円に下がった物件の価値を元の1,000万円に戻すのに対し、リノベーションでは機能を付加して1,200万円に高めるイメージです。

分配と分配金

ソーシャルレンディングや不動産クラウドファンディングで、運用で得られた利益を投資家に支払うことを分配といいます。

また、支払われる利益を分配金と呼びます。

案件

ソーシャルレンディングや不動産クラウドファンディングで、募集される1つ1つの投資商品のことを案件と呼びます。

この用語は次のように使われます。

  • 〇〇業者から新しい案件が出た
  • 今度の案件は利回りが高い
  • 先週は△△案件に10万円投資した
  • □□業者は先月は3案件募集があった
  • ◇◇案件に応募したが抽選で落選した

すいません、上手く説明できなくて。

区分マンション

マンションを部屋単位で購入し投資する場合、「区分マンションに投資する」といった表現をします。

対して、1棟単位で購入、投資する場合は「1棟マンションに投資する」といいます。

独立した部屋1つ1つが区分マンションであり、面積や間取りを問いません。

ワンルームでも4LDKでも区分マンションです。

大島てる

大島てるは全国の事故物件情報を掲載するウェブサイト、及び、そのサイトを運営する会社の名称です。

先着方式と抽選方式

ソーシャルレンディングと不動産クラウドファンディングの募集方式は2つあります。

一つは募集開始と同時によ~いどんで早い者勝ちで投資できる人が決まる先着方式です。

もう一つは募集期間中に応募した人の中から抽選で投資できる人を決める抽選方式です。

成立前書面

成立前書面(契約成立前書面、契約締結前交付書面)は、ソーシャルレンディングや不動産クラウドファンディングで案件に応募する前に確認する書類です。

確認することで応募できるようになります。

成立前書面の確認画面

案件の詳細情報や契約内容などが書かれており、契約書に相当するものだと考えてください。

多くの業者で募集開始前から確認が可能です。

サイトに書かれていない情報も多いので、事前に必ず確認することを強くおすすめします。

モニタリング

ソーシャルレンディングにおいてモニタリングとは、借り手が融資契約を守れるか、ソシャレン業者が監視することをいいます。

業者によって異なりますが具体的な作業としては、定期的な借り手企業の訪問、経営者などへのヒアリング、財務書類のチェックなどがあります。

定期的にモニタリングを行うことで借り手の異常などを早期に察知し、貸し倒れを防ぐことができます。

このため、業者のモニタリングの実施とその精度は投資家にとって重要です。

あと入金と事前入金

投資するお金を業者に入金する方法は2つあります。

一つは先着や抽選の結果、投資できることが決まってから業者の口座に振り込むあと入金方式です。

もう一つは募集開始前に業者のデポジット口座への入金が必要な事前入金方式です。

デポジット口座

デポジット口座のお金は応募した案件への出資に充当されます。

ただし、抽選に落選などで投資できなくなると、入金したお金がデポジット口座で寝ることになります。

さらに、このお金を自分の口座に出金する際の振込手数料が投資家負担の業者もあります。

投資家にとってはあと入金の方が有利です。

 

早期償還

ソーシャルレンディングで借り手が予定より早く返済したり、不動産クラウドファンディングで物件が予定より早く売れることがあります。

そういった理由で案件の運用が予定より短い期間で終わり、業者が元本を予定より早く投資家に返すことを早期償還といいます。

例えば、運用期間12カ月の予定が6カ月で早期償還になると、受け取る分配金は基本的に半分になります。

ネガティブに捉えられがちですが、業者が確実に返済できる借り手、売れる物件を選んで案件を組成した証でもあります。

分配原資

分配原資とは分配金の出どころのことです。

例えば、入居者から得る家賃から投資家に分配金を払う場合、分配原資は家賃です。

家賃はインカムゲインですので、分配原資はインカムゲインとも表現できます。

組成

案件を作ることを組成といいます。

  • 投資対象は緑町ハイツ102号室で
  • 利回りは4.5%で
  • 運用期間1年
  • 募集総額2,300万円の案件を作る

こうやって案件が出来上がります。

組成 → 募集 → 運用開始 → 運用終了 → 償還

ソーシャルレンディング、不動産クラウドファンディングの案件はこのような流れで運営され、その最初の段階が案件の組成です。

元本毀損

元本毀損(元本割れ)とは投資したお金の一部、または、すべてが戻ってこなくなることです。

例えば、不動産クラウドファンディングで2,000万円で取得した物件が1,500万円でしか売れなかった場合、元本の一部が戻ってこないことがあります。

また、取得した物件が地震で倒壊し売れなくなった、ソーシャルレンディングで借り手企業が倒産したなどで、元本の全額が戻ってこないこともありえます。

クラファン案件の管理手数料

不動産クラファンで区分マンションなどが投資対象になる場合、物件の入居者募集や家賃徴収といった管理業務が行われます。

これらの業務は業者または外部の不動産業者が代行し、そこでは管理手数料が発生します。

案件の利回りはこういった手数料や経費も差し引いた上で計算されたものです。

ですので、投資家が管理手数料を別途支払う必要はありません。

優先出資と劣後出資

不動産クラファンでは一般に投資家と業者が共同で出資し、物件を取得します。

例えば、投資家が2,400万円、業者が600万円出資し、3,000万円の物件を取得するといった感じです。

出資者 出資額
投資家(優先出資) 2,400万円
業者(劣後出資) 600万円
出資総額 3,000万円

この時、投資家分の出資を優先出資業者分の出資を劣後出資といいます。

なぜ、そのような言い方をするのかなど、詳しくは下記記事を参照してください。

優先劣後出資方式と劣後出資比率

キャピタルゲイン型

不動産クラファンの案件は大きくキャピタルゲイン型とインカムゲイン型に分かれます。

投資対象物件を売却した際の売却益を分配原資(分配金の出どころ)とする案件がキャピタルゲイン型です。

一方のインカムゲイン型は運用期間中の家賃収益を分配原資とします。

なお、売却益と家賃収益の両方を分配原資とする併用型の案件もあります。

自社買取

不動産クラファンでは運用期間の最後に物件を不動産投資家など第三者に売却するのが一般的です。

しかし、何らかの事情で売却できなかった場合、自社で物件を買い取ることがあります。

売却できずに元本が戻ってこないところが、業者が買い取ることで元本が戻ってくることになるので、自社買取は投資家にとってメリットです。

インカムゲイン型の案件では、最初から自社買取の予定で案件を組成することもあります。

劣後出資比率

不動産クラファンでは一般に投資家と業者が共同で出資し、物件を取得します。

例えば、投資家が2,400万円、業者が600万円出資し、3,000万円のマンションを取得するといった感じです。

このとき、出資総額に対する業者分の出資額の比率を劣後出資比率といいます。

さきほどの例では20%です。

出資者 出資額 出資比率
投資家 2,400万円 80%
業者 600万円 20%
合計 3,000万円

そして、劣後出資比率が高いほど安全性が高まります。

右田さん
右田さん

数字が大きいほど安全だよ。

なぜ高いほど安全なのか?

詳しくは下記記事を参照してください。

優先劣後出資方式と劣後出資比率

償還

案件の運用が終わり、業者が元本を投資家に返すことを償還といいます。

クリック合戦

募集が先着方式の案件では、投資できる人が決まるのは早い者勝ちです。

このため、人気の案件では募集開始と同時に応募が殺到します。

この状態をクリック合戦といいます。

信託受益権

信託受益権とは信託財産から発生する利益を受け取る権利のことです。

詳しくは↓こちらの記事を参照してください。

信託受益権とは?(別タブで開く)

信託受益権とは?(今開いているタブで開く)

抵当権と根抵当権と極度額

抵当権とは借り手が返済できなくなった時に担保を売却し、その代金から他の債権者に優先して返済を受ける権利です。

抵当権は1つの借り入れに対して設定されるため、返済時点で消滅します。

これに対し根抵当権ではあらかじめ融資の上限額を設定し、その範囲内であれば何度でも融資と返済が可能です。

その都度、抵当権の設定登記を行う必要がないため、企業への融資などでよく利用されます。

極度額は根抵当権の融資上限額のことです。

債務履行

まず、「債務」とは他人に対し何らかの行動を行う義務のことです。

そして、債務を実際に行うことを債務履行といいます。

ソーシャルレンディングの場合、借り手(債務者)が利払いや元本の返済をすることや、連帯保証人が借り手に代わってそれらを行うことが債務履行にあたります。

逆に、借り手が経営悪化などに至り、利払いや元本返済をしない(できなくなる)ことが債務不履行です。

LTV

ソーシャルレンディングで使われる用語で、担保評価額に対する融資額の割合をいいます。

例えば、1億円の土地を担保に8千万円を融資する場合、LTVは80%です。

担保が評価額通りに売れるとは限らないため、LTVの数字が小さいほど安全性が高いとされます。

資金使途

ソーシャルレンディングで業者から借りたお金を借り手が何に使うかを資金使途といいます。

延滞

ソーシャルレンディングで借り手が期限内に返済できなくなることを延滞といいます。

また、ソシャレン、不動産クラファンで分配金の支払いや元本の償還が予定より遅れている状態を延滞と呼ぶことがあります。

業者や投資家によっては「遅延」という表現が使われることもありますが、意味は同じです。