かつては一世を風靡した「日本保証案件」。
最近すっかり見なくなりましたよね?
日本保証案件はどうなるのか、現状を調査し考察します。
復活してくれ~!
見落としてる業者があるかも?
タップできる目次
日本保証案件の現状
まず、日本保証案件の現状を解説します。
日本保証案件とは?
元本保証で高い安全性
日本保証案件とは機関保証会社の「日本保証」の保証が付いたソシャレン、クラファン案件です。
ソシャレン案件では借り手が返済できなくなった場合に日本保証が代わりに返済します。
クラファン案件では物件を売却できない場合、日本保証がおおむね優先出資額で物件を買い取ります。
- ソシャレン:代わりに返済
- クラファン:優先出資額で買取
日本保証が倒産でもしない限り、ほぼ確実に元本が戻ってくる。
しかも、日本保証は東証スタンダード上場のJトラストの100%子会社。
急に倒産することは考えにくいため、日本保証案件は極めて安全性が高いと言えるのです。
ほぼほぼ元本保証だよね。
累計募集額は50億円超え
日本保証案件が初めて登場したのは2019年5月です。
SAMURAIで募集されたSAF日本保証不動産ローンファンド1号でした。
不動産クラファンでの登場はその2年後の2021年2月です。
こちらは大家どっとこむの2号鶴瀬案件でした。
その後も日本保証案件は拡大を続け、2021年12月には全業者での累計募集額が50億円を突破しています。
日本保証と提携したのは9社
これまでに日本保証と業務提携した業者は全部で9社です。(業者名は当時)
提携時期 | 業者名 |
---|---|
2019年4月 | SAMURAI |
2020年6月 | CAMPFIRE Owners |
2020年12月 | 大家どっとこむ |
2020年12月 | COOL |
2020年12月 | Pocket Funding |
2021年7月 | FUNDROP |
2021年7月 | TOMOTAQU |
2022年1月 | プレファン |
2023年1月 | ライフフィールドファンド |
SAMURAIは現在のAlterna Bank、CAMPFIRE Ownersは現在のCOMMOSUSです。
今はどうなってるの?
1社を除いて休止中
実は1社を除いて案件の新規募集は長らく行われていません。
各社が最後に日本保証案件の募集を行った時期は下表の通りです。
業者名 | 最終募集時期 |
---|---|
SAMURAI | 2022年3月 |
CAMPFIRE Owners | 2022年4月 |
大家どっとこむ | 2021年8月 |
COOL | 2021年11月 |
Pocket Funding | 2021年11月 |
FUNDROP | 2021年8月 |
TOMOTAQU | なし |
プレファン | なし |
ライフフィールドファンド | 継続中 |
Pocket Fundingは業務提携前に募集した1案件を除くと、これが最初で最後でした。
FUNDROPも最初で最後の1回きり。
TOMOTAQUとプレファンに至っては、提携しただけで一度も募集されていません。
現在でも日本保証案件の募集を行っているのはライフフィールドファンドだけです。
復活はないの?
日本保証案件の復活はなさそう
現状を見る限り日本保証案件の復活はなさそうです。
今でもアピールはしているが
Jトラストグループにはシステム開発会社のJSYNCがあります。
同社が販売している不動産クラファンシステムが「fundingtool」です。
fundingtoolにデフォルトで搭載されているのが日本保証による保証機能です。
他社製品にはない強力な訴求点として現在もアピールされています。
力を入れているのね。
そうでもなさ気で…
グループ内での位置付けは低下
日本保証案件が出た当初、ソシャレン、クラファン向け保証事業はJトラストグループ内でそれなりに大きな位置付けでした。
Jトラストグループの2019年度決算説明資料では1ページすべてを使って紹介されています。
翌2020年度も1ページ丸々です。
ところがぎっちょん!
2021年度ではFUNDROP、TOMOTAQUとの提携を紹介しただけ。
2022年度はついに決算説明資料からキレイサッパリ消え去ってしまったのです。
Jトラストグループ内での位置付けはかなり低くなっていると思われます。
何ゆえに…
日本保証案件が激減した原因は?
日本保証案件はなぜ激減したのでしょうか?
日本保証、ソシャレン、クラファン業者、双方の立場から考察します。
日本保証の事情
2020年にはCOOLなど4社と提携したのに、2022年はプレファンだけ。
日本保証側が以前ほど力を入れていないことは明らかです。
その理由は何か?
ある業者の資料を見ると、業者が日本保証に払う保証料は募集額の1%です。
仮に年間100億円分の募集に保証を付けても、日本保証が受け取るのは1億円。
年間売上高80億円の日本保証にとっては、いささか商売の規模が小さいのかもしれません。
でも、増益にはなるよね?
日本保証にとってはそうですが…
業者側の事情
より影響が大きいと思われるのはソシャレン、クラファン業者側の事情です。
身も蓋もナッシングな言い方になりますが、必要なくなったのではないでしょうか?
なんで?
日本保証と提携した9社の顔ぶれを見てください。
現状、日本保証案件がなくても応募が毎回集まっているでしょ?
COOLは若干時間はかかるものの満了まで行き着いていますし。
保証がないと厳しそうなのはライフフィールドファンドくらいじゃないですか?
わざわざ保証料を払って保証を付けなくても応募は集まる。
だったらいらなくね?ってことではないでしょうか。
身も蓋もなさすぎ。
日本保証案件はこのままフェードアウト?
日本保証にとってはそこまで美味しい商売じゃない。
業者にとっては別になくてもなんとかなる。
双方にとってメリットナッシングな日本保証案件はこのままフェードアウトしそうです。
号泣です!
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