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TSON FUNDINGにおける案件再組成の実態調査報告

TSON FUNDINGにおける案件再組成の実態調査報告のタイトル画像

以前、TSON FUNDINGで案件が再組成されているとツイートしました。

 

その後、調査を進めたところ、TSON FUNDINGで再組成が多数発生していることが判明しました。

左野くん
左野くん

大丈夫なの?

この記事では第1章で再組成の状況を示し、第2章で再組成の実態を分析、第3章で投資家が取るべき対策を提案します。

かなり長いので、第1章は自分が投資した案件がないかサッと読み流し、第2章、第3章を中心に読んでください。

タロウさん
タロウさん

ガッツリ調べました!

 

 

この記事の著者
投資家・ブロガー
タロウ

ソーシャルレンディング、不動産クラウドファディング専門の投資家です。
2018年にソシャレン・クラファン投資を始め、これまで400件を超える案件に2億3千万円以上を投資し損失ゼロ。
安全性を最重視した投資情報を発信しています。

TSON FUNDINGの再組成の状況

TSON FUNDINGの再組成の状況のタイトル画像

まず最初に再組成となった投資対象物件、及び、案件をリストアップします。

自分が投資した案件が含まれていないかチェックしてください。

 

調査の概要と用語の定義他

その前に概要と定義などを。

 

調査の概要

今回の調査対象は株式会社TSON(以下、TSON社)が2020年3月から2023年11月9日までに募集を行った不動産小口化商品の全案件です。

この中にはTSON FUNDINGサイトの案件一覧には表示されない書面契約の案件を含みます。

ただし、SONAE7とSONAE14は募集中止になった可能性があるため調査対象外とします。

 

再組成

再組成を以下の通り定義します。

  1. 案件の運用が終了し
  2. その直後、または、一定期間経過後に
  3. 旧案件の投資対象物件を投資対象とする
  4. 別の案件を新たに組成すること

TSON FUNDINGでは投資対象物件を外部に売却して運用を終了することを前提としています。

SMART30募集時の説明図

したがって、再組成した=売却できなかったと一般的には考えられるでしょう。

しかしながら、それ以外の理由で再組成した可能性もあります。

よって、本記事は再組成した=売却できなかったと断定するものではありません

本記事中の「売却できず」の表現は未売却以外の可能性を含むものであり、売却できなかったことを断定しません。

 

オンライン契約

TSON FUNDINGサイトで匿名組合契約または任意組合契約を締結することを指します。

 

書面契約

TSON社はTSON FUNDING以外でも不動産小口化商品を販売しています。

これらはオンラインベースではなく郵便などを使った書面ベースで契約を結んでおり、これを書面契約と定義します。

なお、本記事の表中において書面契約の案件には下線を付しています。

表示 契約方法
SMART21 オンライン契約
SMART21 書面契約

 

後継案件と旧案件

再組成の対象となった案件を旧案件、再組成によって新たに生まれた案件を後継案件と定義します。

例として以下の場合、

  1. 物件甲を投資対象とする案件Aが運用終了
  2. 物件甲を投資対象とする案件Bを再組成

案件Aが旧案件、案件Bが後継案件です。

 

案件タイプの表記法

TSON社の案件には3つのタイプがあります。

タイプ 契約 投資対象
SMART FUND 匿名組合 集合住宅
森林再生 匿名組合 戸建
SONAE 任意組合 両方あり
本記事ではそれぞれ、SMART、森林、SONAEと表記します。
タロウさん
タロウさん

それではリストアップです!

 

物件別の再組成状況

旧案件から後継案件に引き継がれた物件ベースのリストです。

物件は所在地で指定していますが、住所表記の一部(番地)は省略しています。

まず、愛三岐(愛知、三重、岐阜)、次に関東(東京、埼玉)、それぞれの都県内で五十音順です。

 

愛知県あま市中萱津燈明先

案件 募集日 入金期限 償還予定日
SMART14 2021年5月頃 6月頃 2022年8月29日
SMART34 2022年8月18日 8月25日 2023年10月27日
SMART51 2023年10月7日 10月19日 2024年5月17日

本物件は最初に書面契約のSMART14の投資対象となりました。

しかし売却できずSMART34、さらにSMART51と2回再組成されています。

 

愛知県安城市桜井町阿原

案件名 募集日 入金期限 償還予定日
森林33 2023年1月27日 2月8日 2023年9月8日
森林53 2023年9月頃 10月18日 2024年4月19日

森林33の投資対象4物件の内、安城市物件が森林53として再組成されました。

償還から再組成までの間が空いているパターンです。

 

愛知県一宮市八幡2丁目

案件名 募集日 入金期限 償還予定日
森林32 2023年1月12日 1月27日 2023年8月25日
森林53 2023年9月頃 10月18日 2024年4月19日

森林32は5物件をまとめた案件でしたが、そのうちの一宮市物件が森林53として再組成されました。

 

愛知県稲沢市石橋2丁目

案件名 募集日 入金期限 償還予定日
SMART13 2021年4月2日 4月29日 2022年6月29日
SMART30 2022年8月5日 8月17日 2023年10月17日
SMART51 2023年10月7日 10月19日 2024年5月17日

こちらも再組成を繰り返している物件です。

 

愛知県稲沢市駅前2丁目

案件名 募集日 入金期限 償還予定日
SMART10 2021年1月20日 2月17日 2022年2月18日
SMART26 2022年7月16日 7月27日 2023年7月26日
SMART45 2023年7月8日 7月21日 2024年9月20日

SMART10を自社買取で運用終了させ、しばらくしてSMART26で再組成。

さらにSMART26償還前にSMART45として再組成しています。

 

愛知県稲沢市小池1丁目

案件名 募集日 入金期限 償還予定日
森林33 2023年1月27日 2月8日 2023年9月8日
森林53 2023年9月頃 10月18日 2024年4月19日

森林33の投資対象4物件の内、稲沢市物件が森林53として再組成されました。

さきほどの森林33安城市物件と同様です。

 

愛知県岡崎市井田町字宮ノ腰

案件名 募集日 入金期限 償還予定日
SMART11 2021年2月10日 3月9日 2022年3月11日
SONAE9 2022年2月頃 2月28日 2025年2月28日

再組成の際にオンライン契約の匿名組合型から書面契約の任意組合型に変わった事例です。

 

愛知県刈谷市今岡町宮丘12番

案件名 募集日 入金期限 償還予定日
SMART7 2020年12月頃 1月頃 2022年3月11日
SMART24 2022年5月2日 5月17日 2023年5月17日
SMART42 2023年5月2日 5月16日 2024年7月16日

書面契約のSMART7が償還され、少ししてからオンライン契約のSMART24で再組成、さらにSMART42で再々組成しています。

 

愛知県清須市清洲4丁目

案件名 募集日 入金期限 償還予定日
SMART6 2020年11月頃 12月頃 2022年2月15日
SONAE9 2022年2月頃 2月28日 2025年2月28日

SONAE9として再組成する際、任意組合型に変わり運用期間が3年になりました。

 

愛知県清須市清洲弁天124番

案件名 募集日 入金期限 償還予定日
SMART19 2021年11月19日 12月6日 2023年2月6日
SMART38 2023年1月24日 2月3日 2024年4月5日

メゾネットタイプ1棟5戸の集合住宅です。

募集額は旧案件が4,500万円、後継案件が4,720万円でした。

 

愛知県江南市田代町郷中130番

案件名 募集日 入金期限 償還予定日
SMART3 2020年7月頃 8月頃 2021年10月30日
SMART24 2022年5月2日 5月17日 2023年5月17日
SMART41 2023年5月2日 5月17日 2024年7月16日

 

愛知県津島市今市場町3丁目

案件名 募集日 入金期限 償還予定日
SMART5 2020年10月頃 11月頃 2022年1月31日
SONAE31 2023年1月13日 1月26日 2024年7月26日

SMART5の運用終了から1年後にSONAE31として再組成されています。

こういった事例があることからも、「再組成=売却できなかった」とは断定できないと考えます。

 

愛知県津島市西愛宕町2丁目

案件名 募集日 入金期限 償還予定日
SMART1 2020年5月頃 6月頃 2021年8月31日
SONAE9 2022年2月頃 2月28日 2025年2月28日

こちらも旧案件の運用終了から再組成まで半年以上空いています。

 

愛知県豊田市小坂町7丁目

案件名 募集日 入金期限 償還予定日
SMART9 2021年2月頃 2月頃 2022年5月14日
SMART26 2022年7月16日 7月27日 2023年7月26日
SMART45 2023年7月8日 7月21日 2024年9月20日

メゾネットタイプ1棟8戸、敷地面積964平米の物件です。

書面契約からオンラインに変わり再組成を繰り返しています。

 

愛知県名古屋市南区宝生町3丁目

案件名 募集日 入金期限 償還予定日
森林21 2022年7月16日 7月27日 2023年3月24日
森林53 2023年9月頃 10月18日 2024年4月19日

名古屋市内で再組成となった唯一の物件です。

 

愛知県碧南市霞浦町3丁目

案件名 募集日 入金期限 償還予定日
SMART21 2022年2月4日 2月22日 2023年4月21日
SONAE34 2023年4月26日 5月20日 2026年5月19日

 

愛知県碧南市天王町5丁目

案件名 募集日 入金期限 償還予定日
SMART18 2021年10月22日 11月13日 2023年1月13日
SMART37 2022年12月30日 1月13日 2024年3月12日

メゾネットタイプ1棟5戸が隣接して2棟ある物件です。

2棟とも売却できなかったということでしょうか。

 

三重県鈴鹿市岸岡町字北山越

案件名 募集日 入金期限 償還予定日
SMART31 2022年8月10日 8月23日 2023年10月23日
SMART55 2023年11月2日 11月16日 2024年7月19日

こちらもメゾネットタイプ3棟の大型物件です。

 

三重県三重郡川越町大字亀須新田

案件名 募集日 入金期限 償還予定日
SMART29 2022年8月2日 8月11日 2023年1月11日
SONAE25 2023年1月頃 2月15日 2026年2月16日

こちらもメゾネットタイプ2棟8戸の物件です。

 

三重県三重郡川越町亀崎新田

案件名 募集日 入金期限 償還予定日
SMART33 2022年8月18日 8月25日 2023年2月24日
SONAE32 2023年3月頃 4月25日 2026年4月27日

 

岐阜県岐阜市瑞雲町3丁目

案件名 募集日 入金期限 償還予定日
SMART15 2021年5月頃 6月頃 2022年8月29日
SMART34 2022年8月18日 8月25日 2023年10月27日
SMART51 2023年10月7日 10月19日 2024年5月17日

岐阜県で再組成となった唯一の物件です。

 

東京都足立区江北2丁目254番

案件名 募集日 入金期限 償還予定日
SMART35 2022年8月29日 9月8日 2023年4月21日
SONAE30 2022年11月頃 12月22日 2025年12月26日

物件の完成予定日2022年12月に合わせてSMART35を早期終了させ、SONAE30に再組成させたようです。

 

東京都板橋区小茂根4丁目

案件名 募集日 入金期限 償還予定日
SMART4 2020年10月頃 11月頃 2022年1月9日
SONAE6 2022年1月頃 1月28日 2025年1月31日

書面契約同士ですが、匿名組合型から任意組合型に変わっています。

 

東京都江戸川区篠崎町1丁目

案件名 募集日 入金期限 償還予定日
SMART17 2021年9月頃 10月25日 2022年8月29日
SONAE21 2022年7月頃 8月26日 2025年8月30日

こちらも書面契約から書面契約で再組成され、任意組合型に変わった案件です。

 

東京都葛飾区四つ木2丁目

案件名 募集日 入金期限 償還予定日
SMART12 2021年4月頃 5月頃 2022年7月14日
SONAE21 2022年7月頃 8月26日 2025年8月30日

さきほどの江戸川区物件とワンセットにして1つの案件に再組成されました。

 

東京都八王子市元横山町1丁目

案件名 募集日 入金期限 償還予定日
SMART20 2022年1月7日 1月24日 2022年9月25日
SONAE18 2022年6月20日 6月30日 2023年12月29日

 

東京都日野市神明4丁目

案件名 募集日 入金期限 償還予定日
SMART2 2020年6月頃 7月頃 2021年9月30日
SONAE3 2021年11月頃 12月27日 2024年12月29日

再組成の際に任意組合型に変わり、運用期間が3年になりました。

 

埼玉県久喜市栗橋東3丁目

案件名 募集日 入金期限 償還予定日
SMART28 2022年7月25日 8月4日 2023年3月3日
SONAE27 2022年11月10日 12月30日 2025年12月29日

3階建て18戸のアパートです。

SMART28の運用終了が2023年1月4日、SONAE27の運用開始が2022年12月30日なので、SMART28を早期終了したのでしょう。

 

埼玉県越谷市西大袋-1

案件名 募集日 入金期限 償還予定日
SMART22 2022年4月14日 4月28日 2023年1月27日
SONAE24 2022年9月頃 10月頃 2025年10月25日

恐らくSMART22を早期償還してSONAE24にしたのだと思います。

 

埼玉県越谷市西大袋-2

案件名 募集日 入金期限 償還予定日
SMART27 2022年7月21日 7月27日 2023年4月26日
SONAE33 2022年4月頃 6月10日 2026年6月29日

さきほどと同じ土地区画整理事業地の別の区画です。

SMART27終了後、SONAE33として再組成しました。

 

埼玉県越谷市西大袋-3

案件名 募集日 入金期限 償還予定日
SMART32 2022年8月16日 8月24日 2023年6月23日
SONAE36 2023年5月頃 6月23日 2026年6月28日

同じく土地区画整理事業地の別の区画です。

同地では3つの案件が組成されましたが、いずれも売却に至らず再組成になったようです。

 

埼玉県さいたま市緑区松木1丁目

案件名 募集日 入金期限 償還予定日
SMART8 2020年12月10日 1月15日 2022年3月14日
SMART30 2022年8月5日 8月17日 2023年10月17日
SMART50 2023年9月29日 10月13日 2024年5月10日

SMART8はオンライン契約のTSON FUNDINGとして初めて組成した案件です。

 

埼玉県さいたま市緑区美園1丁目

案件名 募集日 入金期限 償還予定日
SMART23 2022年4月19日 5月8日 2023年2月8日
SONAE26 2022年11月頃 12月22日 2025年12月26日
SONAE28 2023年1月頃 2月24日 2026年2月27日
SONAE29 2022年12月2日 12月30日 2025年12月29日

SMART23では集合住宅3棟を建設しましたが、いずれも売却できませんでした。

そこで、SMART23を1棟ずつに3分割し、SONAE26、28、29として再組成しています。

 

案件別の再組成状況

旧案件ベースのリストです。

大元となった旧案件のタイプ別に並べています。

 

SMART1 + SMART6 + SMART11 → SONAE9

旧案件 後継案件 物件
SMART1 SONAE9 愛知県津島市西愛宕町1丁目
SMART6 SONAE9 愛知県清須市清洲4丁目
SMART11 SONAE9 愛知県岡崎市井田町字宮ノ腰

匿名組合型の3案件を一つにまとめ、任意組合型で運用期間3年の案件に再組成しました。

SMARTは1号から再組成になったようです。

 

SMART2  → SONAE3

旧案件 後継案件 物件
SMART2 SONAE3 東京都日野市神明4丁目
SONAE3 岐阜県羽島市上中町長間字中井町

SMART2が再組成となり、その際に新規の羽島市物件を加えた2物件の任意組合型案件になりました。

 

SMART3 + SMART7 → SMART24 → SMART41 + SMART42

旧案件 後継案件 再後継案件 物件
SMART3 SMART24 SMART41 愛知県江南市田代町郷中130番
SMART7 SMART24 SMART42 愛知県刈谷市今岡町宮丘12番

SMART3とSMART7を統合再組成してSMART24に。

2物件どちらも売却できず再々組成の際に2つの案件に分割されました。

 

SMART4  → SONAE6

旧案件 後継案件 物件
SMART4 SONAE6 東京都板橋区小茂根4丁目

書面契約のままでの再組成ですが、匿名組合型から任意組合型に変わっています。

 

SMART5 → SONAE31

旧案件 後継案件 物件
SMART5 SONAE31 愛知県津島市今市場町3丁目

SMART5の運用終了から1年以上たって再組成されています。

他の再組成案件とは事情が異なるのかもしれません。

 

SMART8 + SMART13 + SMART14 + SMART15 → SMART30 + SMART34 → SMART50 + SMART51

旧案件 後継案件 再後継案件 物件
SMART8 SMART30 SMART50 さいたま市緑区松木1丁目
SMART13 SMART30 SMART51 愛知県稲沢市石橋2丁目
SMART14 SMART34 SMART51 愛知県あま市中萱津燈明先
SMART15 SMART34 SMART51 岐阜県岐阜市瑞雲町3丁目

SMART8とSMART13を統合再組成してSMART30に。

それとは別にSMART14とSMART15を統合再組成してSMART34に。

さらにSMART30とSMART34を統合してSMART51に再組成しました。

その際に旧SMART8だけは分離してSMART50になっています。

 

SMART9 + SMART10 → SMART26 → SMART45

旧案件 後継案件 再後継案件 物件
SMART9 SMART26 SMART45 愛知県豊田市小坂町7丁目
SMART10 SMART26 SMART45 愛知県稲沢市駅前2丁目

SMART9とSMART10を統合しSMART26として再組成。

2物件とも売却に至らずSMART45として再々組成しています。

 

SMART12 + SMART17 → SONAE21

旧案件 後継案件 物件
SMART12 SONAE21 東京都葛飾区四つ木1丁目
SMART17 SONAE21 東京都江戸川区篠崎町1丁目

匿名組合型2案件を統合し、任意組合型の1案件として再組成しました。

 

SMART18 → SMART37

旧案件 後継案件 物件
SMART18 SMART37 愛知県碧南市天王町5丁目

 

SMART19 → SMART38

旧案件 後継案件 物件
SMART19 SMART38 愛知県清須市清洲弁天124番

 

SMART20 → SONAE18

旧案件 後継案件 物件
SMART20 SONAE18 東京都八王子市元横山町1丁目

SMART20を早期終了させて任意組合型のSONAE18に再組成した案件です。

 

SMART21 → SONAE34

旧案件 後継案件 物件
SMART21 SONAE34 愛知県碧南市霞浦町3丁目

最初は匿名組合型のSMART21(優先6,660万円、劣後740万円、総額7,400万円)として組成されました。

それが再組成時に任意組合型のSONAE34(総額8,210万円)に変わっています。

匿名組合型から任意組合型に変わる際に、出資総額が増えるケースが多いです。

 

SMART22 → SONAE24

旧案件 後継案件 物件
SMART22 SONAE24 埼玉県越谷市西大袋-1

 

SMART23 → SONAE26 + SONAE28 + SONAE29

旧案件 後継案件 物件
SMART23 SONAE26 さいたま市緑区美園1丁目
SMART23 SONAE28 さいたま市緑区美園1丁目
SMART23 SONAE29 さいたま市緑区美園1丁目

SMART23はメゾネットタイプ3棟の案件でした。

これを1棟ずつ3つの案件に分けて再組成しています。

SMART23では3棟合わせて出資総額1億3,550万円、それが再組成後は5,600万円×3案件で1億6,800万円です。

出資総額が2割以上高くなっています。

 

SMART27 → SONAE33

旧案件 後継案件 物件
SMART27 SONAE33 埼玉県越谷市西大袋-2

 

SMART28 → SONAE27

旧案件 後継案件 物件
SMART28 SONAE27 埼玉県久喜市栗橋東3丁目

旧案件の出資総額1億3,500万円に対し、後継案件は1億4,360万円です。

 

SMART29 → SONAE25

旧案件 後継案件 物件
SMART29 SONAE25 三重県三重郡川越町大字亀須新田

 

SMART31 → SMART55

旧案件 後継案件 物件
SMART31 SMART55 三重県鈴鹿市岸岡町字北山越

メゾネットタイプ3棟で旧案件の出資総額(優先+劣後)は1億9,500万円でした。

再組成後は1億7,600万円に下がっています。

こちらは匿名から匿名ですが、再組成によって出資総額が必ずしも上がるわけではないようです。

 

SMART32 → SONAE36

旧案件 後継案件 物件
SMART32 SONAE36 埼玉県越谷市西大袋-3

 

SMART33 → SONAE32

旧案件 後継案件 物件
SMART33 SONAE32 三重県三重郡川越町亀崎新田

 

SMART35 → SONAE30

旧案件 後継案件 物件
SMART35 SONAE30 東京都足立区江北2丁目254番

 

森林21 + 森林32 + 森林33 → 森林53

旧案件 後継案件 物件
森林21 森林53 愛知県名古屋市南区宝生町3丁目
森林32 森林53 愛知県一宮市八幡2丁目
森林33 森林53 愛知県安城市桜井町阿原
森林33 森林53 愛知県稲沢市小池1丁目

森林シリーズ3案件4物件をまとめて森林53として再組成しました。

森林53は運用期間が6カ月と短いことから、早期の売却を見込んでいるものと思われます。

タロウさん
タロウさん

ここまでリストアップでした!

TSON FUNDINGの再組成の分析

TSON FUNDINGの再組成の分析のタイトル画像

ここからが本題です。

TSON FUNDINGの再組成状況を分析して分かったことを解説します。

 

終了した案件の半分が再組成に

TSON FUNDINGでは運用が終了した案件の半分が再組成されています。

 

52.9%の案件が再組成に

これまでにオンライン契約、書面契約合わせて143案件の募集が行われ、68案件がすでに運用を終了しています。

そして、終了した68案件の内、52.9%の36案件が別の案件に再組成されました。

終了案件の再組成率

状態 案件数 構成比
完全に終了 32案件 47.1%
終了後に再組成 36案件 52.9%
合計 68案件 100%

半分が外部への売却という形で終了できず、再募集で別の案件に衣替えしています。

 

旧案件の大半がSMART

再組成となった36件の旧案件をタイプ別に見ると、大半がSMARTです。

後継案件のタイプ

旧案件 案件数 構成比
SMART 33案件 91.7%
森林 3案件 8.3%
SONAE 0案件 0%
合計 36案件 100%

SONAEがゼロなのは運用が終了した案件がまだないためです。

SMARTの再組成が際立ちます。

 

SMARTは大半が再組成に

SMARTの再組成率の高さは他のデータからも読み取れます。

 

SMARTの9割が再組成

上述の通り運用終了済みは68案件ですが、その状況をタイプ別に見てみましょう。

SMARTは終了した36案件の内、9割を超える33案件が再組成されています。

案件タイプ別の再組成率

タイプ 運用終了 再組成 再組成率
SMART 36案件 33案件 91.7%
森林 32案件 3案件 9.4%
SONAE 0案件 0案件 N/A
合計 68案件 36案件

SMARTは外部への売却で終了できた案件が1割もないということでしょうか。

 

投資用集合住宅が苦戦の可能性

一方、森林はSMARTとほぼ同数を終了させていますが、再組成になったのは1割にすぎません。

案件タイプ別の再組成率

タイプ 運用終了 再組成 再組成率
SMART 36案件 33案件 91.7%
森林 32案件 3案件 9.4%

投資対象物件はSMARTが投資用集合住宅であるのに対し、森林は戸建住宅です。

戸建住宅は投資以外の居住用(実需)物件としても販売でき価格も低めなので、比較的販売しやすいことが考えられます。

もしかすると、TSON社で投資用集合住宅の販売が低調なのかもしれません。

 

関東案件は再組成率が高い

地域で見ると投資対象が愛三岐の案件よりも関東の案件の方が再組成率が高いです。

 

関東は大半が再組成

運用終了済みの68案件を物件の所在地に分けて分析します。

なお、1つの案件に愛三岐と関東の物件が混在している場合は、0.5案件として扱います。

地域別の再組成率

地域 運用終了 再組成 再組成率
愛三岐 54.5案件 23.5案件 43.1%
関東 13.5案件 12.5案件 92.6%
合計 68案件 36案件

関東案件は運用が終了した13.5案件の内、92.6%の12.5案件が再組成されています。

完全に終了できたのは1案件だけです。

逆に愛三岐案件は半分以上が売却で終了できています。

地盤とする東海地方におけるTSON社の強さが現れているのでしょう。

 

時期的な傾向は認められない

運用が終了した68案件を募集時期別に見てみます。

募集時期による再組成率の違い

募集時期 運用終了 再組成 再組成率
2020年 16案件 8案件 43.8%
2021年 19案件 10案件 52.6%
2022年 29案件 16案件 55.2%
2023年 4案件 2案件 50.0%
合計 68案件 36案件

2020年に募集された案件は終了した内の43.8%が再組成に。

それが2021年52.6%、2022年55.2%と、再組成率が上昇傾向にはあります。

ただ、顕著な傾向とまでは言えません。

募集時期に関係なく常に50%前後の案件が再組成になっていると見るべきでしょう。

 

再組成でSONAEになる案件が多い

後継案件の3分の2がSONAE

これまでに36案件が再組成になっていますが、2案件をまとめて1案件に再組成といった統合型が多数あります。

このため、再組成によって生まれた後継案件は26案件です。

この26案件をタイプ別に分けると次のようになります。

後継案件のタイプ別構成比

タイプ 案件数 構成比
SMART 8案件 30.8%
森林 1案件 3.8%
SONAE 17案件 65.4%
合計 26案件 100%

再組成で生まれた後継案件の3分の2がSONAEです。

 

運用3年で売却までの時間的猶予?

注目したいのは後継案件となった17案件のSONAEの運用期間です。

その多くが3年で設定されています。

後継案件の運用期間

運用期間 案件数 構成比
1.5年 2案件 11.8%
3年 15案件 88.2%
合計 17案件 100%

売却に至らなかった物件を運用期間3年のSONAEで再組成する。

そうすることで、売却までの時間的猶予を確保しているのかもしれません。

 

時期的な偏りは認められず

なお、この年度だけSONAEでの再組成が多いといった時期的な偏りは認められませんでした。

最近になってSONAE中心になったのではないです。

 

契約タイプを横断して再組成されている

TSON社の不動産小口化商品にはTSON FUNDINGのオンライン契約タイプと、郵便を使った書面契約タイプがあります。

今回の調査から契約タイプを横断して再組成が行われている実態が浮き彫りになりました。

  • オンライン案件を書面案件として再組成
  • 書面案件をオンライン案件として再組成
  • オンラインと書面を統合して書面として再組成etc.

再組成は書面タイプも含めて行われており、TSON FUNDINGだけを見ていれば良いわけではないようです。

 

運用中案件の3分の1が後継案件

現在、運用中の案件はオンライン、書面、合わせて75案件です。

これを完全にゼロから作った新規案件か、再組成で生まれた後継案件かで見てみます。

運用中案件の前身

タイプ 案件数 構成比
新規案件 49案件 65.3%
後継案件 26案件 34.7%
合計 75案件 100%

運用中の案件の内、後継案件が34.7%を占めています。

語弊のある言い方かもしれませんが、3分の1が売却できなかった物件で作った案件です。

 

分析のまとめ

ここまで、TSON FUNDINGの再組成の分析を解説しました。

分析の要点をまとめます。

  • 終了した案件の半分が再組成に
  • SMARTは大半が再組成に
  • 関東案件は再組成率が高い
  • 時期的な傾向は認められない
  • 再組成でSONAEになる案件が多い
  • 契約タイプを横断して再組成されている
  • 運用中案件の3分の1が後継案件
タロウさん
タロウさん

ここまで分析でした!

TSON FUNDINGの再組成への対策

TSON FUNDINGの再組成への対策のタイトル画像

TSON FUNDINGの再組成に投資家として取るべき対策を考えます。

 

TSON社は実態を隠蔽していない

最初に明言しておきたいのは、TSON社は再組成の実態を隠していないということです。

この手の情報が出ると、すぐに詐欺だポンジだと騒ぐ人が出てきます。

しかし、今回の調査でそのような事実は確認できていません。

逆に明らかになったのはTSON社が実態をまったく隠していないことです。

 

過去の案件を現在も公開している

まず、初期の2案件を除き、すべての案件の詳細説明ページが現在も公開されています。

成立前書面についても同様です。

募集終了後に書面を非公開にする業者が少なからずあります。

しかし、TSON社はそういうセコいことはせず、現在も書面はすべて公開です。

物件の所在地から面積その他まで、投資家がすべて調べられる状態を維持しています。

 

最近は再募集と明記している

また、最近になってではありますが、再募集との表現で後継案件であることを明示しています。

後継案件であることの明示例

詐欺、隠蔽の意志があるならば、わざわざこのような記載はしないでしょう。

 

逃げ道が与えられている

それと、これは結果論になりますが、再組成によって投資家に逃げ道が与えられています。

不動産クラファンで物件が売却できなかった場合、普通は再組成ではなく運用期間の延長で対処します。

しかし、再組成=旧案件の運用終了によって、案件から降りられるのです。

本来ならば強制的に延長=資金拘束ですので、投資家にとっては再組成の方が都合が良いと言えます。

タロウさん
タロウさん

次からが対策です!

 

投資済みは償還を待つのみ

今すぐどうこうはない

まず、再組成が多いからといって、今すぐどうこうなる可能性は低いと考えます。

と言うのも、再組成は3年前の2020年から行われているからです。

3年間どうこうなっていないものが、今すぐどうこうなるでしょうか?

 

解約はできない

次に、投資済みの案件について投資家ができるのは償還を待つことだけです。

TSON FUNDINGのFAQには以下の記載があります。

Q 途中で解約することはできるのですか?
A やむを得ない事由がある場合に限り可能です。

「やむを得ない事由」とは、一般に業者の経営危機などを指します。

そして、「やむを得ない事由」に該当するかを判断するのは業者です。

よって、少なくとも現状において解約するのは不可能と言えます。

投資済みの案件については償還を待つ以外、投資家にできることはありません。

 

キャピタル型案件のリスクを認識する

では、TSON FUNDINGで継続して投資する場合、取るべき対策は何でしょうか?

最重点はキャピタル型案件のリスクを認識することです。

 

キャピタル型案件とは?

キャピタル型案件とは次のような案件です。

開発キャピタル型案件の流れ1

  1. 投資家が出資する
  2. 集まった資金で物件を開発または取得する
  3. 物件を売却する
  4. 売却益を投資家に分配する
  5. 売却代金で投資家に元本を返す

 

売却できなければ元本毀損

キャピタル型案件では売却代金で投資家に元本を償還します。

開発キャピタル型案件の流れ2

したがって物件を売却できなければ元本は戻ってこないです。

 

融資ではなく出資

延滞中の業者に「貸した金を返せ!」と叫ぶ投資家がたまにいますが。

投資家は不動産の開発事業に出資するのであり、業者にお金を貸すのではありません。

投資家のお金は業者の金庫に保管されているのではなく、出来上がった住宅の柱や釘や屋根瓦になっているのです。

それらが売れて初めて投資家にお金が戻ってきます。

売れなければ柱や釘のままなのだから、お金が戻ってくるわけがないのです。

 

売却を保証していない

また、業者は必ず売れる保証などしていません。

サイトの案件説明を読んで売れると判断し、成立前書面に同意したのは投資家自身です。

自分で売れると判断しておきながら、売れなくてお金が戻ってこないと文句を言う。

まったく理屈が通りません。

 

キャピタル型案件のリスクを再認識しよう

キャピタル型案件は不動産事業への出資です。

開発/取得した物件が売却できなければお金は戻ってこない

不動産クラファンの中でもハイリスクな投資です。

この機会に再認識しましょう。

 

案件をしっかり調べる

次にキャピタル型案件を正しく認識した上で、投資家が取るべき対策です。

 

物件が売れるか判断する

不動産クラファンは不動産投資です。

売れなければお金は戻ってきません。

売れる物件なのか、ちゃんと調べて判断しましょう。

 

分からないなら投資しない

調べるのが面倒、調べても分からない、判断できない人は投資すべきではないです。

分不相応な儲け話に手を出しても痛い目に遭うだけ。

知識もなく、知識不足を補う努力もせずに、簡単に儲けようとする姿勢が間違っています。

 

再組成かチェックする

案件が再組成であるかをチェックしましょう。

旧案件時に売却できなかったのですから、後継案件でも売れない可能性があります。

上述の通りTSON社は過去の物件情報を一切隠していません。

物件所在地で検索すれば、当該物件を投資対象とした過去の案件が出てきます。

物件所在地での検索結果

 

SMARTと関東は避ける

分析結果で示した通り、タイプ別ではSMART、所在地では関東の案件は再組成になる確率が高いです。

案件タイプ別の再組成率

地域別の再組成率

逆に森林の愛三岐立地であれば、再組成になる確率は低いでしょう。

 

お願い

以上、再組成状況の調査結果の報告でした。

最後にお願いを一つ。

こういった記事を書くとツイッターや掲示板に悲観的な書き込みをして「良く分かってる俺カッケー」とドヤる勘違いさんが現れます。

正直なところ、下手に騒がれると記事を書きにくくなるので迷惑です。

自制してください。

タロウさん
タロウさん

以上です!

 

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