不動産クラウドファンディングの投活のブログが秀逸だったので紹介します。
何が秀逸なの?
キャピタルゲイン型の案件に不安を感じ、手を出せずにいる投資家は少なくないでしょう。
そんなキャピタル型への不安をいかにして解消するか?
投活のブログ記事がその答えになるかもしれません。
詳しく解説します。
ブロガーから見て良い記事です!
タップできる目次
キャピタル型案件に投資家が不安を抱く理由
まず最初に、投資家がキャピタルゲイン型の案件に不安を抱く理由を説明します。
プチ解説 案件とは?
キャピタルゲイン型案件とは?
安く仕入れて高く売る
キャピタルゲイン型案件とは、物件を安く仕入れて高く売り、その売却益を投資家に分配するタイプの案件です。
- 投資家から資金を集める
- 1,000万円で物件を取得する
- 1,200万円で売却する
- 売却益を投資家に分配する
要は転売です。
不動産の転売ヤーだね。
プチ解説 分配とは?
インカムゲイン型案件
不動産クラファンにはキャピタルゲイン型の他にインカムゲイン型の案件があります。
インカムゲイン型は取得した物件に入居者を付け、賃料収益を投資家に分配するタイプです。
- 投資家から資金を集める
- 物件を取得する
- 入居者から賃料を取る
- 賃料収益を投資家に分配する
こっちは大家さん業だね。
キャピタル型はハイリスク・ハイリターン
キャピタルゲイン型は安く仕入れて高く売るため、高い利益を狙えます。
月々のわずかな賃料を得るインカムゲイン型とは対象的です。
その一方で、キャピタルゲイン型は物件が売れなければアウト。
利益を得られないどころか、売れるまで元本が戻ってこない可能性さえあります。
インカムゲイン型に比べてキャピタルゲイン型はハイリスク・ハイリターンです。
リスクテイクして高利を狙います!
高値で売れることへの不安
もちろん、多くのキャピタルゲイン型案件は予定通りに運用を終えています。
しかし、投資家の多くは不動産についてはド素人です。
中には業者が言う通りに高値で売れるのか確信できない人もいるでしょう。
本当に売れるのか?
もしかしたら、売れないのではないか?
ド素人ゆえにキャピタルゲイン型案件に不安を抱くのです。
僕もそんなド素人の一人で、基本的にキャピタルゲイン型には投資しません。
売れないと元本毀損だもんね…
プチ解説 運用とは?
プチ解説 元本毀損とは?
リノベ型案件は特に不安
リノベ型案件とは?
キャピタルゲイン型案件の中でも、投資家が特に不安を抱くのがリノベ型の案件です。
リノベ型案件とは、リフォームやリノベーションで取得した物件の価値を高めて売却する案件のことをいいます。
- 投資家から資金を集める
- 物件を取得する
- リノベで価値を高める
- 取得価格より高値で売却する
- 売却益を投資家に分配する
なんで不安なの?
プチ解説 リフォームとリノベーションとは?
高く売れる確信が持てない
業者はもちろんリノベで価値を向上できると確信を持って案件を組成、募集しています。
しかし、多くの投資家は不動産素人です。
リノベーションと言われても何をするのか分からない。
具体的なリノベ施策を書いている業者は少数ですから。
プチ解説 組成とは?
仮に書かれていたとしても、それで価値が上がるのか分からない。
壁紙を貼り替えただけで上がるのか?
外壁を塗り替えることで物件が高く売れるのか?
案件紹介ページに文字だけで書かれてもイメージが沸かず、高く売れると確信できないのです。
知識がないのだから当然ですよね?
知らないものは分からないよ。
業者と投資家の間に大きなギャップ
投資家はなぜリノベ型の案件に不安を感じるのか?
最大の原因は業者と投資家で知識や常識のレベルが違いすぎることにあります。
業者がこれで納得っしょ!と思っても、投資家からすると納得の「な」の字もできない。
東大生が偏差値75の知識前提で、偏差値45の中学生に数学を教えるようなものです。
リノベ型案件に納得して投資させるには、このギャップを埋めるワンステップが必要なのではないか?
今回の投活のブログ記事はその一つの答えになりえます。
以下、詳しく紹介します!
投活のブログが秀逸な点
今回取り上げる投活のブログ記事は、麻布十番案件に関するものです。
以下、詳しく紹介します。
麻布十番案件の解説記事
麻布十番案件の概要
投活は今年1月26日に麻布十番案件の募集を行いました。
- 案件名:投活プロジェクト12号
- 利回り:6.9%
- 運用期間:6カ月
- 募集総額:2,000万円
- 劣後比率:20%
- 募集方式:抽選
- 募集開始:2024年1月26日
麻布十番の区分マンションを取得し、リノベーションで価値を高めて売却するという内容です。
利回り6.9%は美味しい!
プチ解説 劣後出資比率とは?
プチ解説 募集方式の「抽選」とは?
プチ解説 区分マンションとは?
リノベの内容が分からない
確かに利回りは美味しいです。
しかし、投活サイトの案件紹介でリノベーションについて書かれているのは次の一文だけ。
本プロジェクトは、対象物件の取得後リノベーション工事を行い、バリューアップの後に売却をするリノベーションプロジェクトです。
他には下の画像が1枚あるのみです。
一文と画像1枚だけでは「なるほど、高く売れるぞ!」と確信できませんよね?
情報が少なすぎ…
それを補うのが今回のブログ記事です。
ガッツリ解説している
麻布十番案件を解説
今回紹介するのは投活の運営会社であるTRUSTが運営する資産形成AtoZというサイトに掲載された以下の記事です。
【事例】築43年≪ラフィネ麻布十番≫リノベーションプロジェクト
麻布十番案件でリノベーションをどのようにするのか具体的に紹介しています。
文字数4千文字
この記事の文字数は約4千文字です。(注:更新前)
ソシャレン、クラファン系の一般的なブログの記事は2千文字前後です。(僕の記事は長めで平均3~6千文字)
それらと比較してこの記事はかなりガッツリ書き込んでいます。
そんなに長いの読むかな?
確かにその通りで、4千文字も読めない人のほうが多いでしょう。
しかし、一般に長文を読める層はリテラシーが高く、所得や資産が多い傾向にあると言われます。
ゆえに、長文であることで業者にとって優良な会員になり得る層にリーチできるとも言えるのです。
深く踏み込んでいる
そして記事の内容ですが、単に文字数を稼ぐだけなら、ブログなんていくらでも水増しできます。
でも、この投活の記事はそうではなくて、麻布十番の地名の由来から歴史、地域の現状から将来予想まで深く踏み込んで書いているのです。
麻布十番というエリアが投資対象になり得るのだと納得できる内容になっています。
特にリノベの説明が秀逸
そして今回の記事が秀逸なのが、麻布十番案件のリノベーションの内容を非常に分かりやすく説明している点です。
以下、麻布十番案件でどのようなリノベーションが行われるのか、記事を参考に解説します。
間取りの変更
麻布十番案件で取得するのは昭和55年竣工の築古物件です。
ガラーンとしたワンルームで魅力を感じませんよね。
これをどう変えるのか?
間取り図のBefore/Afterを見てください。
- 可動式の仕切り(赤)を設置
- キッチン(緑)を部屋の右に移動
- 洗濯機置場(青)を部屋の右に配置
こうすることで、仕切り(赤)を境に生活における動の空間(右)と静の空間(左)に分けます。
なんやかんやするのが右、ゆったりくつろぐのが左ってことです。
中扉を設置
次に現況では玄関のドアを開けたらすぐ室内です。
玄関と室内を隔てるものがありません。
これって、冬場は外の冷気がそのまま室内に伝わって寒いですよね?
また、荷物を届けに来た宅配業者の人から室内が丸見えみたいな。
それはイヤだな~
そこで、リノベーションで中扉(赤枠)を設置します。
その扉がこちらです。
木目調で良い感じですよね。
水回りの段差を解消
現況で一番ガッカリするのはこれではないでしょうか?
配管の関係で水回りが1段高くなっているのです。
不便!ダサい!古臭い!
若い女性のみならず、いい年したオッサンでもイヤです。
リノベーションでは配管を床下に新設し、段差を解消します。
キッチンのイメージ一新
現況ではキッチンは部屋の一番奥にありタイル張りです。
ザ☆昭和!って感じですよね。笑
会社の給湯室みたい。
それをリノベーションで中扉を開けたすぐのところ(赤枠)に移動します。
そして、上の図の青で示した壁の部分が下の写真です。
玄関側から見た写真で、赤線が中扉の付け根にあたります。
赤線の右側、つまり、中扉の外の室外になりますが。
キッチンのコンロの上の部分、ここは壁でふさぎます。
ですが、赤線の左、つまり室内のシンクの上の部分は壁でふさがず、対面キッチンのようにします。
反対側から見たほうが分かりやすいかも?
開放的に見せると同時にキッチンに光が入るようにする狙いです。
昭和の給湯室から大変身だね。
給湯器を外部に
それと、さきほどの昭和の給湯室ですが、左の壁面にあるのが実は給湯器です。
こんなものがあると換気不良で一酸化炭素中毒になりかねませんし、ニオイが臭いし、ゴーッってうるさいですよね。
ですので、給湯器はベランダに移設します。
全体的にガラッと変わるね。
ここまで説明されて初めて納得できる
リノベの内容を詳しく説明
おそらくどの業者も同じようなリノベーションをしているのだと思います。
でも、ここまでの説明をしている業者ってありますか?
ここまで詳しく説明していることに価値があるのです。
どうして?
価値向上を納得できる
それは詳しい説明によって、リノベーションで物件の価値が向上し高く売れると投資家が納得できるからです。
投資家のみなさん、思いませんか?
これ↓だけだと、ナンノコッチャまったく分からん。
本プロジェクトは、対象物件の取得後リノベーション工事を行い、バリューアップの後に売却をするリノベーションプロジェクトです。
リノベでバリューアップと言われても納得のしようがなく、1ミリたりとも投資する気になれない。
でも、現況の写真を見せられて、確かにクソだ、このままだと安値でしか売れないよなと。
で、クソの部分をリノベで排除、改善しますよとビジュアルで見せられる。
一つ一つ具体的に、画像を使って分かりやすく説明してもらえば、なるほどリノベで価値向上、高く売れるよなと納得できますよね?
投資家はド素人のクルクルパー
業者からすれば、「リノベでバリューアップと書けば分かるだろう」と思うかもしれません。
でも、我々投資家は不動産については何も知らないパッパラパーのド素人です。
一から百まで説明されて、ようやく27くらい理解する。
この絶望的なレベルの低さを業者の人には知ってほしい。
投資家はアホ、無知、出来損ないのクルクルパー。
幼稚園児を相手にするつもりで、専門用語は使わず、分かりやすくビジュアル豊富にやさしく説明。
そこまでやって初めて「リノベでバリューアップして高く売れる!」と納得し、応募ボタンをクリックするのです。
我ながら面倒な客だよね。
もう一歩の説明はほしいが
ぜいたくを言わせてもらうと、投活のブログ記事で不足が一つだけありまして。
- 現況だと◯◯万円でしか売れない
- リノベをやれば◯◯万円で売れる
- 根拠は近隣の同レベルの物件の相場が◯◯万円で
- そこから築年の古さなどを考慮すると◯◯万円になるから
- リノベ費用◯◯万円を引いても分配は可能
この説明があれば、売却予定価格に対する説得力、納得感がさらにアップしたと思います。
とはいえ、今回のブログ記事のリノベ解説は他社とは一線を画するレベルでした。
リノベ工事は完了済み
なお、麻布十番物件のリノベーション工事はすでに完了しています。
住みたくなる要素が一つもないクソ物件が、今すぐ引っ越したくなるベリーナイスな物件に変わりました。
その様子が今回取り上げた投活のブログ記事に、豊富な写真付きで追加掲載されています。
リノベーションで不動産の価値が上がるのだと納得できる内容です。
ぜひ読んでみてください。
→ 投活のブログ記事
オススメです!
他社にも同様の取り組みを期待
こういった取り組み、ぜひ他社にも広がってほしいです。
この説明が募集時に欲しかった
記事が出たのは募集後
惜しむらくは、投活のブログ記事が出たのが麻布十番案件の募集後だったことです。
- 募集期間:2024年1月26日~2月6日
- ブログ掲載:2024年3月30日
募集時点でこの記事があれば。
願わくば投活サイトの案件紹介ページにこの記事があればなと。
たしかに。
募集前でもできたのでは?
ブログ記事を見れば分かる通り、工事が始まった後でないと撮れない画像もあります。
しかし、現況は写真で紹介、リノベ後は予定図、イメージ画像を使うなどすれば、募集前でもできたのではないでしょうか?
「リノベでバリューアップ!」の一文だけより、はるかに説得力がある案件紹介になったはずです。
もったいない!
利回りを下げても集まった可能性
5%でもいけたのでは?
もう一つもったいないと思うのは、麻布十番案件の利回りが6.9%だったことです。
リノベーションの内容を分かりやすく訴求できていれば、6%や5.5%、もしかしたら5%でも満額集まったのではないでしょうか?
5%でも満了できた。
利益はしっかり取ってほしい
これは僕の本心ですが、業者には利益をしっかり取ってほしいと思っています。
だって、投資する側の立場で考えてみてください。
ぜんぜん儲からない、いつつぶれるか分からないような業者になんて、怖くて投資できないですよ。
無理な利回り競争には参加せず、取れる利益はしっかり取ってほしい。
5%で集まるなら5%で募集してほしい。
3%はさみしいけど!笑
他社の同様の取り組みに期待
キャピタル不安層を取り込める
キャピタルゲイン型案件に不安を感じる投資家は一定数います。
僕を含めたキャピタル不安層はキャピタル案件を避けている。
その層を取り込められれば、6.9%ではなく5%でも満了できる。
そして、不安を取り除いてやることで取り込みは可能です。
特にリノベ案件は納得できる材料提示を
キャピタル不安層は特にリノベ案件に不安を感じ、納得できずにいます。
そして、業者が思っている以上に我々投資家は無知でアホです。
無知ゆえに必要以上に不安を感じています。
でも、業者にとっては常識で説明していない内容が、投資家の不安解消につながる。
業者が価値を感じない1枚の画像が、投資家の納得感を高める。
使える訴求点や画像を業者は山のように持っているはずです。
そういった材料を募集時点で丁寧に提示することで、リノベ案件を避けている投資家を取り込めるのではないでしょうか?
今回の投活の記事が良い例よね。
利回り競争を回避してほしい
僕は主だった業者の案件はすべて記録を取っていますが、ここ数カ月で利回りを上げる業者が増えたように感じています。
業者の利益率が上がったわけでもないだろうに、何を原資に上げるのか?
無理な利回り競争に巻き込まれて業者の経営に影響が出るのは、投資家として最も恐れることです。
案件の魅力を訴求することで利回り競争を回避してほしいと本心で思っています。
業者が倒れるのが一番怖い…
他社の同様の取り組みに期待
業者のみなさんに問いたいのですが、5%で売れる内容なのに魅力の訴求が不十分で7%で売っている案件があるのではないでしょうか?
でもよく考えてください。
7%で集めても、8%の業者が出たら投資家はそっちに行きます。
利回りで集めた投資家は、利回りで去っていくのです。
そんな利回りしか見ていない投資家を相手に消耗するのって、バカバカしくないですか?
ですが、すべての投資家が利回りだけ見ているのではありません。
適正な利益を取って安定的にクラファンを運営してもらい、そこで長く投資したい。
そう思っている投資家もいるのです。
安易に7%に上げるのではなく、5%で売れる案件を5%で売るための取り組みをすべきではないでしょうか?
投資家が納得して投資できる案件説明を他社にも期待します。
案件の魅力で売ってください!
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