大家どっとこむの運営会社が上場廃止を決定しました。
昨年6月の上場からわずか1年での廃止です。
廃止に至った背景と投資家への影響を考察します。

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タップできる目次
大家どっとこむ1年で上場廃止
グローベルスが上場廃止へ
グローベルスとは?
グローベルスは不動産クラファンの大家どっとこむの運営会社です。
1996年創業の不動産会社で、首都圏を中心に分譲マンションの開発や賃貸管理などを行っています。
親会社は東証スタンダード上場のJトラストです。
プチ解説 賃貸管理とは?
2024年にTPM上場
グローベルスは2024年6月20日にTOKYO PRO Market(以下、TPM)に上場しました。
TPMは東京証券取引所の市場の一つです。
いわゆるプロ投資家向けの市場で、一般投資家は売買に参加できません。
プロ向けであることから上場基準がゆるく、上場しやすい市場です。
上場廃止を発表
グローベルスはTPMでの上場廃止を申請すると5月29日に発表しました(PDF)。
今後、株主総会の決議を経て6月26日に上場廃止を申請し、7月25日に上場廃止となる予定です。
昨年6月の上場からわずか1年での上場廃止となります。

なぜに?
上場廃止の理由と背景
グローベルスの発表
今回の上場廃止の理由について、グローベルスは次のように説明しています。
TPM上場により、当社の認知度や信頼性が向上したと思われ、優秀な人材の確保や事業の発展に寄与できたと考えております。
しかしながら、不動産業界を取り巻く環境の変化や、当社が目指すさらなる成長に対応するためには、迅速かつ柔軟な意思決定が求められます。
まとめるとこういうことです。
- 成果が得られた
- 認知度、信頼性が向上
- 人材確保、事業発展に寄与
- 今後のために非上場化が必要
- 迅速柔軟な意思決定のため
グローベルスの発表に違和感
僕はこの発表内容に違和感を感じます。
まず、日本人のほとんどが知らないTPMへの上場で、認知度、信頼性がどの程度上がるのかです。
もちろん、金融業界とか経済人は知っているでしょうから、そこでの信頼性は上がるかもしれません。
しかし、一般庶民の大半は知らないわけで、人材確保や事業発展にどの程度の効果があったのか?
仮にあるならばプラスなわけで、ならばなぜ上場を廃止するのか疑問です。

言われてみれば。
それと、非上場化で迅速な意思決定とのことですが。
現在、グローベルスはJトラストのほぼ100%子会社です。
非上場化しても状況は変わりませんよね?

じゃぁ、なんで上場廃止に?
本当の理由は費用対効果?
そこで引っかかるのが、昨年3月にグローベルスの上場準備を発表したJトラストのプレスリリースです。
この中でグローベルスの上場について次のように書かれています。
今後の成長に向けた投資資金の調達力を高めるべく、TPMへの上場申請に向けて準備を進めております。
グローベルス上場の目的は資金調達の強化だったということです。
しかし、上場廃止を発表した上掲のグローベルスのプレスリリースでは、この目的が達成されたかについて触れられていません。
上場したものの資金調達にはつながらなかったのではないでしょうか?

効果がなかった。
その一方でTPMでの上場維持には年間で数百万円から1千万円以上かかるそうです。
コストがかかる割りに得られる成果が乏しい。
費用対効果が見合わないことが、上場廃止の本当の理由なのかもしれません。
投資家への影響
大家どっとこむの投資家にグローベルスの上場廃止は影響を与えるでしょうか?
現在は決算短信を四半期開示
上場企業といえばIR情報の開示ですがTPMは例外で、四半期開示は義務ではなく任意です。
しかし、グローベルスは四半期ごとに決算短信を公開しています。
それを見ることで我々投資家は経営状態を把握することが可能です。

すばらしい!
今後も開示を期待
では、上場廃止後はどうなるでしょうか?
同様の事例としてTSON FUNDINGを運営するTSONが2023年12月にTPMでの上場を廃止しました。
しかし、TSONは上場廃止後も従来通りに決算報告書と決算説明資料を公開しています。
グローベルスにもこれまで通りに、四半期ごとの決算短信の公開を続けていただければと。
信用面の影響はない
なお、非上場化による信用面への影響ですが。
グローベルスが非上場になっても、東証スタンダード上場のJトラストの子会社であることは変わりません。
大家どっとこむは今後も上場企業系の業者であり、信用面への影響はないと考えて良いでしょう。

これからも投資します!
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