不動産クラファンのKORYO Fundingを運営する香陵住販が決算説明資料を公開しました。
その中でKORYO Fundingの知名度向上を図るとしています。
これははたして必要なのか?
問題点などを考えます。
重点が違うのでは?
ソシャレン、クラファン、全業者のリストです!
タップできる目次
現状のままでの知名度向上は効果なし
KORYO Fundingとは?
KORYO Fundingは東証スタンダード上場の香陵住販が運営する不動産クラファンです。
運営会社 | 香陵住販 |
---|---|
運営開始 | 2022年3月 |
上場 | スタンダード |
利回り | 4.5% |
運用期間 | 12カ月 |
プチ解説 利回りとは?
プチ解説 運用期間とは?
募集する案件は安全性が高いグルグルインカム型が中心。
プチ解説 案件とは?
しかも上場企業系としては高めの利回り4.5%。
知名度は高くないものの、高い安全性で根強い人気がある業者です。
僕の主力投資先の一つで、これまでに800万円を投資しています。
プチ解説 上場企業系とは?
知名度向上を目指す
香陵住販は12月2日に決算説明資料(PDF)を公開しました。
この中で「KORYO Fundingの知名度向上に取り組む」としています。
収益化できていない
決算説明資料の中でKORYO Fundingについて収益化できていないことを課題としました。
「KORYO Funding」の収益事業としての確立は、現状オフバランスができていないため、引き続き取り組んでいく
現状では儲かっていないので、黒字化しなければならないということです。
損してまっせと。
月間170人の応募を目指す
そのための取り組みとして挙げたのが知名度向上です。
具体的には2027年9月期までに総応募者数を9千人にするとしています。
これは恐らく累計の応募者数のことでしょう。
2024年9月期までが3千人ですので、今後3年間で6千人増やす。
年間2千人、月間170人の投資家に応募してもらおうということです。
また、さきほどのグラフを見ると累計の案件数を17本から53本に引き上げるとしています。
3年間で36本なので、月間1本の募集ですね。
以上より、1回の募集で170人の投資家が応募することを目標と定めたということです。
それが知名度向上のゴールだと。
疑問点がある
以上をまとめるとこうなります。
- 収益が上がっていない
- 対策として知名度を上げる
- 具体的には月間応募者170人
月に1回募集し、それに170人の投資家が応募する。
その状態になれば知名度向上達成で収益も上がる。
決算説明資料を読むとこういう解釈になるのですが。
いくつか疑問点があるので、以下説明します。
すでに目標クリアでは?
さきほどのグラフをもう一度見ますが。
累計の応募者数から、各会計年度の応募者は下表のようになります。
年度 | 応募者 |
---|---|
2022年度 | 316人 |
2023年度 | 1,256人 |
2024年度 | 1,458人 |
これと各会計年度に募集された案件に対する応募総額から、投資家1人あたりの応募額を出します。
年度 | 応募者 | 応募総額 | 1人あたり |
---|---|---|---|
2022年度 | 316人 | 21,330万円 | 67.5万円 |
2023年度 | 1,256人 | 63,950万円 | 50.9万円 |
2024年度 | 1,458人 | 82,840万円 | 56.8万円 |
1人あたりの応募額は直近の2024年9月期で56.8万円です。
同期に募集された案件は7件で、その7件に集まった応募額は1案件平均11,834万円でした。
1案件11,834万円の応募が集まり、1人あたりの応募額は56.8万円。
よって、1案件への応募者は208人です。
- 11,834万円÷56.8万円/人=208.3人
すでに目標の170人をクリアしています。
僕がなにか勘違いしているのかもしれませんが。
そうだったらゴメンナサイ!
知名度向上が収益化につながるのか?
案件の大型化で収益向上
僕は不動産クラファンの運営をしたことがないので想像ですが。
案件の大小にかかわらず、1つの案件にかかる手間、コストは極端には変わらないと思います。
であれば、1案件あたりの出資額(=募集額)が増えれば、効率化で収益が向上するはずです。
同じ手間でたくさん儲かる。
募集額が増えないと無意味
ここで疑問が出るのですが。
知名度向上で会員が増えると応募額が増えます。
しかし、募集額が増えないと出資額は増えません。
で、過去1年の1案件あたりの募集額は4千万円、応募額は1.1億円です。
知名度向上で応募が2億円になっても、募集額が4千万円のままでは落選が9千万円増えるだけ。
知名度をいくら上げたところで、募集額が増えないと無意味です。
受け皿が大きくならないと、あふれるだけ。
必要なのは案件の大型化
なので、知名度向上を図るならは、セットで案件の大型化が必要です。
募集規模が今のままで知名度を上げても、ムダになる応募が増えるだけ。
むしろ、落選者激増で既存会員の忠誠度が低下します。
ところが、さきほどのグラフには募集額の目標がありません。
このままではムダに知名度を上げるだけ、むしろ逆効果ではないでしょうか?
落選が増えるだけだよね。
案件の大型化と安定供給を
KORYO Fundingには知名度向上よりも他にやるべきことがあると思います。
固定客は付いている
KORYO Fundingはインカムゲイン型なので、高い利回りを出すことはできません。
ヤマワケエステートなど、キャピタルゲイン型の業者は競合ではないです。
利回り勝負はできない。
キャピタル型とは逆に、狙うべき客層は安全重視の投資家でしょう。
そして、安全重視派が好むインカム型の上場企業系の業者は利回りが3%前後です。
業者 | 利回り |
---|---|
Rimple | 2.7% |
GALA FUNDING | 3.0% |
ジョイントアルファ | 3.0~3.5% |
KORYO Fundingは4.5%なので、他の安全系業者に対して競争優位を取れています。
そして実際、過去1年を見ると応募額は先着方式で1億円、抽選方式で1.4億円で、おおむね安定しています。
募集時期 | 方式 | 応募額 |
---|---|---|
2023年12月 | 先着 | 9,240万円 |
2024年2月 | 抽選 | 1億3,080万円 |
2024年3月 | 抽選 | 1億1,580万円 |
2024年4月 | 先着 | 1億420万円 |
2024年7月 | 抽選 | 1億4,240万円 |
2024年8月 | 先着 | 1億230万円 |
プチ解説 先着方式、抽選方式とは?
すでに一定の固定客を確保できており、これをガッチリ囲い込むべきです。
固定客が抱く不満
では、僕を含む固定客がKORYO Fundingに抱いている不満は何か?
それは投資できないことです。
最近は抽選倍率が3~6倍。
しかも8月を最後にずっと募集なし。(12日にようやく出ます)
この状態でさらに知名度を上げて、今以上に投資しにくくするのですか?と。
メリットゼロ…
募集の定期化と案件の大型化を図るべき
KORYO Fundingが本当にやるべきことは、まず毎月の募集です。
これはグラフにある通り、3年間に36案件で実現します。
そして、案件の大型化です。
例えば、アパート2~3棟をまとめて募集額1億円超の案件にする。
大型化が効率化につながれば、収益性も向上するでしょう。
大型案件を毎月募集。
固定客が毎月応募し、2回に1回くらいで当選して満足度アップ。
さらに、償還のタイミングで募集をかければ、戻ってきた資金を再投資する投資家が増えて業者にも好都合です。
業者がお金を囲い込み。
まず、すでに獲得している固定客をガッチリ囲い込む。
知名度向上はその次の段階ではないでしょうか?
既存会員を満足させられていない業者が会員を増やしても、不満を持つ会員が増えるだけです。
毎月募集を!
ということで、今回はKORYO Fundingの知名度向上について考えました。
僕はKORYO Fundingのガッツリ固定客でして、落選した5案件を除くすべての案件に投資しています。
そんなKORYOファンとして望むことは、コンスタントに投資できること。
知名度向上の前に毎月案件を出してください!
おなしゃす!
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