KORYO Fundingのデビュー案件に投資しました。
今回の案件、普通に考えれば僕が絶対に手を出さないものです。
なのになぜ投資したのか?
僕が考える香陵住販の戦略とあわせて説明します。

今回は堅いはず!
タップできる目次
KORYO Fundingに投資した理由
今回投資したのは、KORYO Fundingが香陵住販のストックビジネス戦略の一環だと考えたからです。
KORYO Fundingとは?
KORYO Fundingは東証スタンダード上場の香陵住販が運営する不動産クラファンです。
サービス名 | KORYO Funding |
---|---|
運営会社 | 香陵住販株式会社 |
運営開始 | 2022年3月 |
最低投資額 | 10万円 |
利回り | 4.8% |
運用期間 | 12カ月 |
香陵住販は水戸市に本社を置く地場大手の不動産会社です。
茨城県が地盤の不動産クラファンは初となります。

納豆ファンディング!
●公式サイト:KORYO Funding
どう考えてもリスキーな案件
さて、今回僕が投資したKORYO Fundingのデビュー案件はこちらです。
KORYO Funding第1号案件の概要
- 案件名:KORYO Funding MC #1
- 利回り:4.8%
- 運用期間:12カ月
- 劣後出資比率:30%
- 分配:満期一括
- 募集総額:5,390万円
- 最低投資額:10万円
- 出資単位:10万円
- 出資上限:500万円
- 募集方式:先着方式
- 募集開始:2022年4月21日10時
投資対象は築5年の木造アパート「レーガベーネ久慈」3棟です。
利回りはデビュー案件としてはちょっと寂しい4.8%でした。

7%とか欲しかったかも。
ド田舎立地
投資対象が所在するのは茨城県日立市久慈町です。
グーグルマップで見れば分かる通り、中心地を離れると田畑が広がるエリア。
そうです、ド田舎です。
That’s exactly Do-Inaka !

あんた基準ではな。
明らかにリスキー
投資において僕の最重点は元本回収です。
不動産クラファンでは物件を売却できなければ元本を回収できません。
ゆえに僕は投資対象を(恐らく売却しやすいであろう)都市部の区分マンション中心にしてきました。
今回の物件は1棟アパート。
しかも、立地が鹿かイノシシかハクビシンしか住まないようなド田舎!

失礼ね。

日立市のみなさん、すいません~
本来ならば僕が絶対に手を出さない案件です。
なのになぜ今回は投資したのか?
香陵住販のストックビジネス戦略
その理由は香陵住販のストックビジネス戦略です。
不動産のストックビジネス
投資用不動産にはいくつかの収益の取り方があります。
一つは売却益であり、これは一時的収益という意味でのフロービジネスにあたります。
もう一つは、オーナーに代わって賃貸仲介や賃貸管理を行うことで手数料を得るもので、こちらは継続的収益という意味でのストックビジネスです。
フロービジネスは1回で大きな収益を上げられる一方、商売の波が大きくなりがちです。
これに対してストックビジネスは1件あたりの収益は小さいですが、長期に渡って安定的に収益を得られます。
香陵住販はストックビジネスも重視
香陵住販はフロービジネスだけでなくストックビジネスも重視しています。
どういうことかというと、
- 山田さんに投資用不動産を売って終わりではなく
- 山田さんから賃貸管理などを請け負うことで
- 山田さんから継続的に収益を得る
売って終わりの一発限りではなく、その後も長いお付き合いで商いをさせていただく。
そんな山田さんや田中さんをたくさん作る。
そうすれば、販売した不動産が継続的に収益を生み出す香陵住販にとっての資産になるということです。

まさにstockね。
以前からストックビジネスを重視
香陵住販がストックビジネスを重視と言い出したのは、昨日今日の話ではありません。
遅くともジャスダックに上場した2018年のインタビューで社長さんがストック重視と明言しています。
こちらのインタビュー記事でも分かりやすく解説されていますし、
香陵住販の決算説明資料の中でも触れられています。

それが不動産クラファンとどうつながるの?
KORYO Fundingはストックビジネスの一環では?
僕はKORYO Fundingは香陵住販のストックビジネスの一環であると考えました。
匿名組合との長いおつきあい
さきほど山田さんの例を挙げましたが。
- 山田さんに投資用不動産を売って終わりではなく
- 山田さんから賃貸管理などを請け負うことで
- 山田さんから継続的に収益を得る
この山田さんがKORYO Fundingの匿名組合に置き換わります。
- 匿名組合に投資用不動産を売って終わりではなく
- 匿名組合から賃貸管理を請け負うことで
- 匿名組合から継続的に収益を得る
1棟アパートの買い手が山田さんではなくKORYO Fundingの匿名組合ということです。

大口の個人ではなく小口の集団!
そして、匿名組合に参加する小口の投資家が毎年クルクル入れ替わる。
つまり、
- KORYO Fundingで案件を募集する
- 杉下アパート1期
- 運用期間1年
- 亀山さん他100名が投資
- 1年後に運用期間が終了
- KORYO Fundingで案件を再募集する
- 杉下アパート2期
- 運用期間1年
- 神戸さん他100名が投資
匿名組合に参加する投資家は、3期目以降も甲斐さん、冠城さんと入れ替わっていく。
でも、杉下アパートを所有するのは一貫してKORYO Fundingの匿名組合で、香陵住販は匿名組合から末永く管理費などの収益を上げる。
こういう絵を描いてるんじゃないかな?と。

KORYO Fundingを使って管理物件数を増やすわけか!
香陵住販の地盤は茨城なので、今のままではアパートの買い手は茨城近隣の投資家が中心になるでしょう。
でも、KORYO Fundingを使えば茨城に縁もゆかりもない全国の投資家が匿名組合を通したアパートの買い手になる。

僕がまさにそうです!
KORYO Fundingを使うことで、アパートの数=香陵住販が収益を上げるストックを増やせるということです。
1年前から寝かしていた
KORYO Fundingが香陵住販のストックビジネスの一環だと思う理由がもう一つあります。
KORYO Fundingの情報を追っかけていた人はご存知でしょうが。
もともと第1号案件は昨年の夏に募集される予定でした。
そして、当初から投資対象物件は今回のレーガベーネ久慈だったのです。

昨年6月の決算説明資料にもそのように書かれています。

1年前から決まっていたんだ。
最初からKORYO Funding用だったのでは?
これ、おかしいと思いませんか?
1年間も寝かさずに伊丹さんなり芹沢さんなり、アパート経営をしたい投資家に売ることもできたわけです。
なのになぜ1年間も寝かせたのか?
もとからレーガベーネ久慈はKORYO Fundingでクルクル回す予定だったのではないでしょうか。
それに適した何らかの理由があるんじゃないかな?
元本は必ず戻ってくる
いや、もしかしたら、米沢さんにも大河内さんにも買ってもらえなかったクソ物件なのかもしれません。
でも僕の推測が正しければ、今回の案件の運用が終わったら今回と同じレーガベーネ久慈の案件が再度募集されるはずです。
それはつまり、元本が1年後に確実に戻ってくるということです。
以上が僕がKORYO Fundingのド田舎案件に100万円を投資した理由です。

元本は回収できると確信したわけだ。
ハズレても納得です
ちょっと長くなったのでまとめます。
- 不動産ビジネスの2類型
- フロービジネス:一発限り
- ストックビジネス:継続的
- 香陵住販はストックビジネスも重視
- KORYO Fundingはストックビジネスの一環では?
- 匿名組合が物件を所有
- 匿名組合から収益を得る
- 同じ物件で募集を繰り返す
- 組合の参加者がクルクル入れ替わる
投資用不動産を山田さんに売って、管理などで山田さんと末永く取引をする。
それと同じように、投資用不動産をKORYO Fundingの匿名組合に売って、管理などで匿名組合と末永く取引をする。
これが僕の見立てです。
ただ僕はつい先日、大家どっとこむ37号で終盤に応募が殺到すると予想して大ハズレしましたからね。笑

今回の推測もハズレているかもしれませんけど。
ま、ハズレたらハズレたでしゃあないです。
自分の判断ミスで損をするなら他人のせいにせずに済みますから。

でも、当たっててくれ!
KORYO Fundingの今後に期待
最後にKORYO Fundingにちょっと要望です。
今回の応募状況
KORYO Fundingのデビュー案件は1分もたたずに満了という悲惨な結果となりました。
報道によると投資できたのは60人だけで、80人がキャンセル待ちになったようです。

キャンセル待ちをしなかった人もいるでしょうから、香陵住販は投資したかった100人以上の投資家の期待を裏切ったことになります。
もちろん初回だからしょうがないです。
香陵住販としてもまったくの想定外だったろうと思いますし。
でも、同じことを繰り返すとアウトですよね。

どうすれば良いの?
募集額を増やすのは難しい
募集額を増やすのは難しいと思います。
まず、地方なので物件の単価が高くない。
また、1棟アパートでクルクル回転作戦であるとしたら、Rimpleのように複数物件をあわせてドン!も難しいですよね?
かといって、劣後出資比率を減らして募集額を増やすのは安全面からご勘弁いただきたいし。

なかなか難しいね…
1人あたりの上限を下げるべき
となるとやはり、1人あたりの出資上限を下げるのが良いのではないでしょうか?
上限30万円ならば全員投資できた
今回の出資上限は1人500万円でした。
それで投資できたのが60人だったのですが。
仮に今回の上限が30万円であれば、
- 募集額:5,390万円
- 出資上限:30万円
- → 投資できる人:5,390万円÷30万円=180人
3倍の180人が投資できていました。
今回投資したかった人全員が投資できていた計算です。

それはうれしい。
次回は今回よりも応募者が増えるでしょうから。
出資上限をグッと下げるのが最も効果的でしょう。
見込み客増にもつながる
みなさん、一度投資できたらその業者で繰り返し投資しすよね?
少額でも良いので投資経験者を増やすことは、KORYO Fundingの次回以降の案件の見込み客を増やすことにつながります。
もちろん、大口で投資したい投資家の不評は買うでしょうが。
今のKORYO Fundingが目指すべきはファンの数を増やすことだと思います。
先着でお願い!
なお、これだけは声をスーパー大にして。
抽選だけはやめてえええええええ!!!!!!
抽選になった瞬間に僕がKORYO Fundingで投資できる可能性はゼロになります。
くじ運ゼロの投資家に愛の手を!

真顔でお願いします!!
第2号案件に期待します
ということで、いろいろと書いてきましたが。
なにはともあれ香陵住販さん、デビューおめでとうございます!
僕はKORYO Fundingはストックビジネスのクルクル回転案件だと考えているので、次回以降も投資したいと思っています。
前掲の日経新聞の記事では、

同社は「早期に第2号、3号を募りたい」としている。
と書かれています。
ぜひぜひお願いしたいのですが、別の日経の記事には、

同社の不動産ファンド事業部は「2、3カ月内に別の物件でも投資を募りたい」としている。
とあります。
いやいや、香陵住販さん、2、3カ月は早期じゃないです。笑
来月にでも第2号案件が出ることを期待しています!

待ってます!
コメント
いつも参考になる記事をありがとうございます。
「利回り8%投資できた」みたいなことだけを書く人が多い中、小心さんの記事・姿勢は大変共感できるため、いつも参考にさせていただき、自分も自分なりに安全性を評価して投資しようと心掛けております。
今回の案件について、小心さんの投資額から固い案件と判断されたのだろうなあと思っており、その安全性をどのように考えられたのか、非常に気になっておりましたので、今回の記事は大変参考になりました。
私自身も「田舎だが、初回で変な案件は出さないだろうし、評価額もべらぼうに高く見積もってなさそうだし、そもそも売却せず賃貸収入前提っぽいし、これまで稼働状況も良いし」ぐらいの適当さで、総合的に固そうだと判断して投資しました。
が、その前提で少し気になったのは、「賃料収入前提っぽいが、もし退去者が出たら(田舎だけど)新しい入居者は見つかるのか?見つからず賃料収入が減り、売却しようとしても(田舎だけど)見積もり通り売れるのか?」というところです。これについても、築浅で運用期間1年なのでまあ入居者が激減することはないだろう、ぐらいの考えで投資しましたが、もしも運用期間が2年とか長い場合だったり、再組成のタイミングではそのリスクは少し多くなるから、投資するしないの判断や投資金額減らすなど必要かも?とか、いやいや地元不動産会社が需要があると判断してアパートを建てたのだろうから、(自分基準で田舎だから)入居者見つからないとかそもそも考えなくてよいのかも?とか、ぐるぐる回っております。
このあたりの考え方について、小心さんのお考えを聞かせていただけると大変うれしく思います。何卒よろしくお願いいたします。
こんにちは~
大前提として売却はないと思っています。
記事に書いた通り
1.1年後に香陵が匿名組合持ち分を買い戻し
2.直後に第2期として再募集
するだろうと。
仮に売却するとしても、この物件もともと香陵の持ち物ですから。
損を出して売却するくらいならば、買い戻して自社所有での賃貸運用に戻すと思います。
もちろん、香陵の資金繰りが悪くなって買い戻しができず売却って可能性もあります。
これについて(どこで調べたか忘れたけど)満室賃料が年間690万円です。
で、最悪のシナリオとして、空室率15%、経費率25%、還元利回り8%と僕は仮定しました。
これで評価額を出すと5,498万円なので、ギリギリ元本はカバーできるかなと。
でも劣後30で運用1年ですからね。
日立市が海にでも沈まない限り、1年で30%ダウンはないと思いますよ。
知らんけど。笑
すみません、長く書きすぎました。失礼しました。
長いのは大丈夫ですよ。
内容がある長文はまったく問題ないです。
なお、
・一文を短めに
・適宜に改行、改段落
・必要に応じて箇条書き
を心がけると読みやすくなります。
試してみてください。
それと、タロウさんでOKです。
小心さんって間が抜けてるから。笑
ありがとうございます。
常々、田舎の駅遠戸建てのキャピタルゲイン物件は売れる(住みたい人いる)のか?
とか、インカムゲイン前提の田舎アパートは、退去者続出、入居者ゼロにならないのか?
などと漠然とした不安があり、都会駅近マンションに比べ、リスクが大きいように感じて投資を抑えがちになっています。
が、そんな根拠のない極端なケースをぼんやり想定するのではなく、何かしら自分なりに根拠を持って現実的なケースを想定することが重要だと理解しました。
精進します。ありがとうございました。
僕も精進します。
お互い頑張りましょう!