トラストレンディングに対する行政処分が出ました。
また、今後の対応について、トラストレンディングが発表を行っています。
重要な部分について説明します。
タップできる目次
行政処分の対象となった問題
今回の行政処分の対象となった問題は、大きく下記の3点です。
1.虚偽の表示
トラストレンディングが募集を行った下記の案件が、実際には事業が行われていませんでした。
- 高速道路事業(新東名、外環道)
- コンサルティング事業
これらの事業を行う企業に貸すという名目で、トラレンが投資家から資金を集めました。
ところが、この企業が実際には高速道路、コンサルティングの事業を行っていませんでした。
結果として、トラレンがウソをついて投資家からお金を集めたことになりました。
これが「虚偽の表示」にあたります。
2.誤解を生じさせる表示
下記の事業における問題です。
- 燃料事業
募集にあたってトラストレンディングは投資家に対し、「初年度売上高が最低でも30億円はいく」と説明していました。
しかし、実際にはその根拠は何らありませんでした。
つまり、30億円いくかどうかは分からない。
なのに、30億円はいくと説明したことが「誤解を生じさせる表示」にあたります。
3.管理面の不備
トラストレンディングが投資家から集めたお金の一部(15億8千万円)が、同社元取締役の山本幸雄氏が関係する企業に流出していました。
投資家のお金が私的な企業に流出。これは大問題です。
これがトラストレンディングの管理不備にあたります。
++++++++
なお、以上の詳細については、下記の記事で図を使って詳しく説明しています。
行政処分の内容
二種金登録の取消
トラストレンディングを運営するエーアイトラスト社の第二種金融商品取引業の登録が取り消されました。
ソーシャルレンディングで投資家からお金を集めるには、二種金の登録が必要です。
登録を取り消されたことで、今後トラストレンディングはソーシャルレンディング事業を実質的に行えなくなりました。
トラレン、オワタ、です。
業務改善命令
こちらは、もはやどうでも良い内容です。
- 処分内容について投資家にちゃんと説明せよ
- 投資家のお金がどうなるか説明せよ
- 投資家保護に万全を期せ
- 以上をちゃんとやってるか金融庁に適宜報告せよ
トラストレンディングの対応
今回の行政処分に対するトラストレンディングの対応です。
二種金の表示を削除
エーアイトラスト社のサイト上で、第二種金融商品取引業の表示がすでに削除されています。
今後の対応を発表
今後の対応について文書を発表しました。
以下に全文掲載し、その後で要点をまとめます。
各 位
平成31年3月8日
エーアイトラスト株式会社
当社に対する行政処分の内容と今後の対応について
平成31年2月22日、証券取引等監視委員会から内閣総理大臣及び金融庁長官に対して、当社に行政処分を行うよう勧告がなされ、本日、当社は第二種金融商品取引業者の登録取消および業務改善命令の行政処分を受けました。これに伴って、今後の当社の運営方針は下記のとおりとなりますのでご案内申し上げます。
なお、当社では、この度の行政処分の内容を厳粛に受け止め、命令内容を着実に履行するべく全社をあげて取り組んで参ります。
記
今後の運営方針
この度の行政処分を受け、今後、当社はソーシャルレンディングサイト「Trust Lending(トラストレンディング)」における新規会員および新規ファンドの募集は行わず、既存ファンドの運用業務や資金回収のための業務に注力することとなります。
各ファンドの運用状況、資金回収を目的とした訴訟や協議の進捗等につきましては、引き続きTrust Lending(トラストレンディング)のホームページへの掲載や、対象となる出資者の皆様に対するメール配信等を通じてご報告致します。
この度は投資家の皆様をはじめ、関係者の皆様に多大なるご心配とご迷惑をお掛けしており ますことを心よりお詫び申し上げます。
以 上
要点は以下の通りです。
- 今後、トラストレンディングで新規会員の募集を行わない
- 同じく、新規案件の募集を行わない
- 運用中の案件の運用業務に注力する
- 運用中の案件の資金回収に注力する
- 各案件の運用、資金回収、訴訟などの状況は適宜、投資家に報告する
- 報告手段は同社サイトへの掲載、及び、メール配信とする
以上です。
++++++++
トラストレンディングで投資中の方のお金が、少しでも多く戻ってきますように。
コメント