maneoファミリーにおける分配金の延滞、元本毀損の連発。
そして、トラストレンディングの二種金登録の取り消し。
この2つの事件を見て、金融庁にソーシャルレンディング投資家を救済する意思はないと僕は確信しました。
ソシャレン投資家には早急な対応が求められます。
タップできる目次
maneoファミリーで起こったこと
リファイナンスの厳格化
maneoファミリーで起こっている問題の原因は、リファイナンス審査の厳格化です。
これにより、リファイナンスできなくなる案件が続出しました。
今まで、リファイナンスを前提に運用していたのにできなくなった。
リファイナンスで調達できるはずだったお金が入ってこなくなったのですから、そりゃ行き詰まりますよね。
金融庁の意向
では、なぜそうなったのか?恐らく金融庁の意向でしょう。
無秩序なリファイナンスを放置すると、新たな問題が続出する。
リファイナンスの審査を厳格化すべきだ、という判断なのだと思います。
どこかでせざるを得ない
なので、クラウドリースやガイアファンディングなどで被害に遭っている投資家たちは、金融庁の犠牲者であると言えます。
ただ、無秩序なリファイナンスに問題があることは事実です。
そして、問題がある以上はどこかでストップをかけるしかない。
それが運悪く、今このタイミングだったということです。
金融庁はリファイナンス規制を優先した
もちろん、リファイナンスに手を付ければ投資家に被害が出ることを、金融庁は分かっていたはずです。
でも、いつかは手を出さなければならない。
そして、早く手を出さなければ新たな被害の芽が生まれる。
投資家の被害が最小になるタイミングまで待つことよりも、早期のリファイナンス規制を優先した。
要はそういうことなのだと思います。
トラストレンディングで起こったこと
二種金登録取り消しは悪手
トラストレンディングの第二種金融商品取引業の登録が取り消されました。
やったことからすれば登録取り消しは当然でしょう。
しかし、トラレンに投資している人にとって、登録取り消しは最悪でしょう。
なぜならば、取り消しによって元本が返済される可能性が減ったからです。
返済するメリットがない
二種金が取り消された。
それはつまり、トラレンは二度とソシャレンはできないということです。
先がないのが見えているトラレンに、頑張って元本を返すメリットがありますか?
良し悪しとか、あるべき論とか、そんなフワッとしたファンタジーではなく、厳然たる現実としてです。
もはやトラレンには必死に頑張って元本を返すメリットはありません。
適当なところでお茶を濁す可能性が少なからずあると僕は思っています。
金融庁はレッドカードを切った
また、金融庁はすでに登録取り消しというレッドカードを切ってしまいました。
今回の行政処分の中で、金融庁は投資家の保護に万全を期すようにと命じています。
しかし、万全を期さなかったとしても、金融庁がトラレンに対して次に取れる処分はありません。
つまり、万全を期さなくてもトラレンがこれ以上痛い思いをすることはないということです。
なので、トラレンが投資家の保護に万全を期さない可能性はあります。
二段階式もできたはず
そこで思うのですが、なぜ金融庁は二段階式の処分をしなかったのでしょうか?
つまり、今回の処分を次のような内容にすることもできたということです。
- 追加で一定期間の業務停止命令
- 投資家保護に万全を期すことを命令
- 実際に万全を期したら処分解除
- 期さなかったら二種金登録取り消し
トラレンがソシャレン業務を再開したところで、誰も投資しない可能性は確かに高いです。
しかし、こういう二段階にしておけば、トラレンにとって投資家保護に万全を期すメリットが生まれます。
投資家の元本が戻ってくる可能性は高まったはずです。
金融庁は見せしめを優先した
ではなぜ金融庁はいきなりレッドカードを切ったのか?
既存業者と新規参入希望者に対する、見せしめを優先したのだと思います。
小手先処分でお茶を濁すつもりは一切ないよ。覚悟しろよ。
そういう強い姿勢を示すことで、さらなる問題の発生を防ごうとした。
トラレン投資家を犠牲にしてでも、これ以上の問題発生を防ごうとしたのでしょう。
金融庁にとっての優先事項
最優先は金融システムの維持
これら2つの事件から僕は思ったのですが。
金融庁にとって守るべき最優先は、この国の金融システムなのです。
金融システムの秩序と健全性を守ること。
これこそが彼らにとって最優先であり、そのためならば投資家が犠牲になることもいとわない。
恐らくそういうことなのだと思います。
中央省庁としては当然の判断
そして、僕はこの金融庁の姿勢を支持します。
金融システムが崩壊したら国が崩壊します。
国が崩壊したら1億2千万すべての国民が被害を受けます。
それを避けるために、たかが数千人のソシャレン投資家を犠牲にする。
中央省庁の国家官僚として当然の判断だと思います。
僕が彼らの立場ならば、まず間違いなく同じことをします。
でも、やらかしたことは忘れないよ
ただ、一言言っておきたいのですが。
無秩序なリファイナンスを放置したのは金融庁です。
借り手企業の匿名化を推し進めたのも金融庁です。
みんクレやラキバン、グリフラその他の二種金登録を認めたのも金融庁です。
貸金業法に代わるソシャレン法を立法府に提案しなかったのも金融庁です。
そして何よりも、ソシャレンが抱える数々の問題に、この10年間ろくに手を付けなかったのも金融庁です。
金融システムを守るためだからしょうがないのだ!と、自己を正当化する資格はミジンコの爪の先ほどもない。
金融庁がやらかしたことをNHKは伝えなくとも、僕たちソシャレン投資家は絶対に忘れません。
投資家が取るべき対策
金融庁はソシャレン投資家を救済しない。
この不愉快な現実に、僕たちはどう対処すべきでしょうか?
壮絶な梯子外しが始まる
金融庁が金融システムを守ることを優先する。
であるならば、金融庁が次に手を付けるのは、問題を起こしそうな業者の排除です。
例えば、匿名化解除にあたって、問題業者が絶対にクリアできないような基準を新たに設ける。
様々な手を使って良からぬ業者をソシャレンから一気に退場させるでしょう。
つまり、壮絶な梯子外しです。
もしそうなれば、maneoファミリー、トラストレンディングで起きたような被害が、さらに発生する可能性があります。
梯子の選別が急務
そこで、僕たちソシャレン投資家に求められるのが梯子の選別です。
今、自分が登っている梯子は大丈夫なのか?
早急に見直しを行い、問題があるならば金融庁が梯子を外す前に急いで降りなければなりません。
これから登る梯子は外されない梯子なのか?
新規の投資先の選別も、よりシビアに行う必要があります。
安全な梯子とは?
では、安全な梯子とはどんな梯子なのか?
梯子の選別基準はソーシャルレンディング事業者としての信頼性です。
事業者の信頼性と個別案件の安全性は別の問題ですが、梯子の安全度だけならば事業者の信頼性で判断して大丈夫です。
金融庁は僕たちを守ってはくれません。そして、金融庁は動き出しました。
一刻の猶予も許されません。
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