税金のことを調べていて、一つ気になったことがありました。
1つの企業から給与所得を得るサラリーマンが、給与所得以外の所得が20万円以下の場合、確定申告は必要ありません。
では、この分は納税しなくて良いのでしょうか?
気になったので調べてみました!
タップできる目次
ネット上の意見
納税しなくて良さげ
まずいろんなサイトやブログを見てみました。どれも次の2つのいずれかの主張でした。
- 納税しなくて良い
- 確定申告しなくて良い
後者はちょっと歯切れが悪くて、確定申告しなくて良いので結果的に納税しなくてOK?みたいな書き方でした。
ただ、納税しなければならないと明言しているサイトは見当たりませんでした。
プロも納税不要と言っている
また、不要と言っているのは投資系やノマド系のブロガーだけではありません。
税理士やファイナンシャル・プランナーといったプロの方々も、ご自身のブログなどで20万以下ならば納税不要と書いてらっしゃいます。
ネット上の情報を見る限り、どうやら納税しなくて良さそうです。
納税不要っておかしくない?
不公平でしょ?
でも、ちょっとおかしいと思うんです。
例えば安倍さんと麻生さんの2人のサラリーマンがいて、給与以外で20万円以下の次のような所得があったとします。
- 安倍さん:ブログのアフィリエイト
- 麻生さん:株の売買所得(主にセメント株w)
この場合、安倍さんのアフィリエイト収入は雑所得なので、源泉徴収されていません。20万以下納税不要説が正しければ、安倍さんはこのまま納税せずでOKです。
でも麻生さんの収入は譲渡所得ですので源泉徴収されています。つまり、20万円の所得に対して納税しています。
同じサラリーマンで、同じ副業所得で、同じ20万円以下で、同じ確定申告不要なのに、安倍さんは納税無し、麻生さんは納税有り。
これって不公平ではないでしょうか?
納税不要とは定められていない
法律的にも今ひとつ納得できません。
給与以外の所得が20万円以下であれば確定申告が不要と定めているのは、所得税法第121条第1項第1号です。長いので要約して書きます。
所得税法第百二十一条その年の給与が二千万円以下である者は、次の各号のいずれかに該当する場合には、申告書を提出することを要しない。1.一つの勤務先から給与の支払を受け、かつ、源泉徴収又は年末調整で所得税の徴収をされる場合において、その年分の
- 利子所得の金額
- 配当所得の金額
- 不動産所得の金額
- 事業所得の金額
- 山林所得の金額
- 譲渡所得の金額
- 一時所得の金額
- 雑所得の金額
の合計が二十万円以下であるとき。
確かに、給与以外の所得が20万円以下であれば、確定申告が不要と定められています。ですが、その分の税金を収めなくても良いとは、法律には一言も書かれていないのです。
国税庁に聞いてみた!
国税庁の答え
どうにも納得がいかなかったので、国税庁の相談センターに電話をして聞いてみました。
僕の質問「1社勤務のサラリーマンで給与所得以外の所得が20万円以下であれば、確定申告は必要ないと所得税法121条に書かれていますが、この分について納税は免除されるのでしょうか?」
職員の方の答えはこうでした。
「申告する必要がありませんので、結果的に納税しなくても良いことになります。」
グレーゾーンっぽい
職員氏の歯切れ、めっちゃ悪かったです。笑
最初の内は「確定申告は不要です。」の繰り返しで、「払うか払わんか、結局どっちやねん!」と迫って、ようやく上の回答が出てきました。
僕の推測ですが、法律に納税免除と明記されていないけれど、でも確定申告は求めてなくて、法の矛盾というかグレーゾーンと言うか、クリアではない部分なのかも知れません。
20万円は控除なのか?
気になっていたことをさらに聞いてみました。
僕の質問「給与以外の所得が例えば30万円だった場合、課税所得は30万円?それとも10万円?」
職員氏の回答
「課税所得は30万円です。20万円が所得控除されるわけではないので、そのまま30万円に対して課税されます。」
20万円以下だったら確定申告が免除されるだけであって、20万円が課税所得から差し引かれるわけではありません。
確定申告したらどうなる?
僕の質問「副業の所得が10万円で、もし確定申告したらどうなる?」
職員氏の回答
「10万円に対して課税されます。」
上述の通り本来は20万円以下ですので、副業所得の10万円には課税されません。
ですが、例えば損益通算や繰越控除などの必要があって確定申告すると、この10万円の存在を申告書に書かなければならなくなります。この結果、10万円に対して税金を収める必要が生じます。
しっくりこないなぁ
結論
以上をまとめますと、
- 給与以外の所得が20万円以下であれば、
- 所得税法121条の定めにより確定申告をしなくて良いので、
- 結果としてこの分に対する税金は納めなくて良い
また、
- ただし、この20万円は控除ではないので、
- 20万円を超えると丸々全額に対して課税される。
そして、
- さらに、必要が生じて確定申告をすると、
- 隠れていた20万円以下の所得が表に出るため、
- この分に対する税金を納めなければならない。
ということです。
源泉徴収なしにすれば?
今ひとつスッキリしませんよね。申告しなくて良いから納税しなくて良いって。
しかも、株や投資信託は源泉徴収なので、20万円以下であっても徴税される。不公平だよね?
ん?待てよ?ならば証券会社で特定口座の源泉徴収なしか一般口座で契約すれば?
121条の給与以外所得には配当所得と譲渡所得も含まれるから、20万円以下に収まれば株、投信でも税金払わなくてOK?
がんばって稼ごう!
と、ここまで考えて気付きました。
20万円以下のことを考えるヒマがあったら、20万円以上稼ぐ方法を考えるべきだよね。笑
これを読んでいるあなた。一緒にがんばりましょう!
投資初心者の方は次の記事も参考にしてください!
コメント