X-Crowdの第1号案件だった珠数屋町案件。
予定通り無事に終了し、12
コロナの影響を心配した投資家も多かったと思いますが。
実はこの珠数屋町案件、最初から無事に終了することが計画されていた案件です。
そこから見えるのは上場企業の非主流事業クラファンの安全性です。
ただし、僕の推測です!笑
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珠数屋町案件の概要
まず最初に珠数屋町案件の概要を説明します。
X-Crowdとは?
X-Crowdは2019年10月に運営を開始した不動産投資型クラウドファンディングです。
運営会社は東証一部上場の不動産会社「インテリックス」です。
TATERU Funding、ジョイントアルファに続く、3つ目の東証一部上場企業が運営する不動産クラファンとして注目を集めました。
珠数屋町案件
そして、X-Crowdが第1号案件として組成したのが珠数屋町案件です。
投資対象 | 数珠庵(宿泊施設) |
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募集期間 | 2019年11月29日~12月6日 |
募集額 | 6,300万円 |
利回り | 3.0% |
運用期間 | 12ヶ月 |
投資単位 | 10万円 |
劣後出資比率 | 30% |
投資対象の数珠庵は京町家を改修したインバウンド狙いの宿泊施設です。
西本願寺の向かいにあり、京町家を1泊3万円ほどで1棟貸しします。
外国人観光客がグループで泊まる感じです!
僕は100万円を投資
東証1部だし京都のインバウンドは絶好調だしってことで、僕は100万円を投資しました。
僕が当時、この案件を分析して書いた記事の中にはこうあります。
- 京都のインバウンド需要は硬いので、少なくともこの先1年は大丈夫では?
- 火事や台風の可能性はあるが、それを言い出したらきりがない
「きりがない」ってwww
コロナの可能性は分からないよね。
自分で穴を掘って入りたい…
元本償還は計画通りだった
コロナが起こり数珠庵案件がどうなるか心配した投資家が多かったと思います。
ですが、実は心配する必要はなかったのです。
以下、多分に僕の推測です!
「コロナで売却ピンチ」は杞憂
上述の通り数珠庵はインバウンド狙いの宿泊施設です。
そこを襲ったコロナ禍。
- インバウンド客が激減
- 京都の宿泊需要が崩壊
- 数珠庵に買い手が付かない
- 売却できない
- 元本毀損or運用期間延長
となることを心配した投資家が多かったと思います。
ですがその心配は、そもそも杞憂だったのです。
どういうこと?
外部への売却は予定していなかった
インテリックスは数珠庵を売却する予定はないと僕は思っていました。
詳しくはこちらの記事の第3章で解説していますが。
1.イグジットに関する記載がない
インテリックスの決算説明資料などを見ると、同社のリースバック事業など売却を前提とする事業にはイグジットが売却であることが明記されています。
しかしX-Crowdについては、有価証券報告書やプレスリリースなども含めて最終的に売却するという記載は一切ありません。
数珠庵案件の説明ページにも明示的には書かれていません。
2.成立前書面に延長規定がない
また、不動産クラファンの成立前書面には、
- 運用期間中に売却できなかった場合は
- 期間終了の●カ月前に予告した上で
- 運用期間を最長●年延長する
といった規定が必ずあります。
ところが、数珠庵案件の成立前書面には延長規定がないのです。
つまり、運用期間の延長は想定していないということです。
運用期間中に赤字で売却する可能性は?
それ以前の問題があります!
物件取得のために案件募集したのではない
そもそも、数珠庵案件は一般的な不動産クラファンとは枠組みが違います。
一般的な不動産クラファンは次のような枠組みです。
- 案件を募集する
- 集まったお金で物件を取得する
- 物件を運用する
- 最後に物件を売却する
- 売却代金で元本を返済する
しかし、数珠庵案件では集めたお金で数珠庵を取得していません。
数珠庵はもともとインテリックスが所有する物件で、2019年4月に開業済みです。
案件の募集が行われたのは2019年11月。
集めた6,300万円で数珠庵を取得したのではないのです。
分からなくなってきた…
数珠庵はインテリックスのインカムゲイン事業
インテリックスはホテル宿泊事業を行っています。
同社のリノベーション事業の活用であると同時に、
- インテリックスが宿泊施設を所有し
- ホテル運営業者に賃貸し
- 賃料を得る
というインカムゲイン事業でもあります。
こちらのサイトに一覧がありますが東京、京都、福岡で展開しており、その中の一つが数珠庵です。
つまり、数珠庵はインテリックスが所有するホテル宿泊事業用の施設であり、最初から外部への売却を前提としていないということです。
売却を前提としていたCREALの上野ホテル案件とは枠組みが根本的に違うのです。
じゃぁ、なんで案件を募集したの?
僕もそれが引っかかりました!
案件募集は本業への流入狙い?
売却を予定していないならば売却益が目的ではありません。
もちろん、数珠庵案件ではわずか8万円の事業者報酬のためでもない。
6,300万円の資金調達ならば銀行から借りられるでしょう。
そうなると考えられるのは、インテリックスの本業への流入狙いでしょうか?
X-Crowdをきっかけにインテリックスを知ってもらう。
そして、アセットシェアリングで投資する人や、リースバックの利用者が出てきてほしい。
その広告宣伝費として、数珠庵で得られる利益の一部を投資家に渡す。
数珠庵案件は最初から広告目的だったと。
元本償還は計画通りだった
つまり、数珠庵では次のシナリオが計画通り実行されたのです。
- 数珠庵で6,300万円の案件を組み
- 投資を募集し
- その過程で投資家にインテリックスを知ってもらい
- 運用期間が終わったら6,300万円を投資家に返す
計画通りに返したよと。
ただ、これって僕が投資前に推測したものなんですよね。
状況証拠だけで確証があるわけではない。
しかも、想定外のコロナが発生した。
それで直前でちょっと心配になりまして。
予定通り終了するのかインテリックスに問合せたりバタバタしてました。笑
お恥ずかしい限りっす!
分配金支払いに上場企業の安心感
今回の一件で、やはり上場企業系は安心できると思いました。
特に不動産クラファンが非主流事業だと強いです。
賃料は入らなかったはず
数珠庵案件でインテリックスは270万円の賃料を得る予定でした。
しかし、コロナ禍でインバウンドはゼロに。
京都の宿泊施設は壊滅的な打撃を受けました。
数珠庵の借り手であるSTAY KYOTOは資本金100万円の零細ベンチャーです。
賃料の270万円は払えなかったのではないでしょうか?
宿泊収入がないなら払えないよね。
分配金はインテリックスが自社で払った?
となると、数珠庵案件の分配金189万円は誰が払ったのか?
STAY KYOTOから取れない以上、インテリックスが自社で払った。
そう考えるのが自然でしょう。
なんで自社で払うの?
上場企業の看板と本業を守るため
もちろん、上場企業の看板と本業を守るためです。
インテリックスの主力事業は中古マンションの再生販売事業で、全社売上の8割を占めます。
X-Crowdで投資家に損失を負わせると、会社の信用に傷が付き本業に影響します。
インテリックスは売上高400億円、純利益5億円。
本業を守るためならば189万円くらい安いものでしょう。
189万円で会社の信用を守った!
非主流事業の不動産クラファンは硬い
こんなことができるのは、インテリックスで不動産クラファン事業が小規模の非主流事業だからです。
不動産クラファンの売上が全社の8割を占めていたら、こんなことはできません。
小規模の非主流事業であり、利益を生み出す主流事業があるからできること。
つくづく思いますが、上場企業が非主流事業として行っている不動産クラファンが最も安全です。
ジョイントアルファも然りです!
今後も上場企業系を強化
やっぱり上場企業が運営する不動産クラファンは安心ですね。
数珠庵が体力のない業者の案件だったら、僕の100万円は戻ってこなかったでしょう。
「非上場=ダメ」と決めつけるつもりはもちろんありません。
しかし、上場企業系が強いことも事実です。
今後も不動産クラファンは上場企業系を強化していきます。
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