大家どっとこむの第1号案件の募集が始まりました。
大家どっとこむはどんな不動産クラファンなのか?
第1号案件に投資すべきか?
案件を分析し解説します。
先にポイントをあげると以下の通りです。
- STOスキームは現状では微妙
- 劣後出資比率17.7%
- 投資対象は借地権付きのビル(土地を含まず)
- 借地権付きビル全体ではなく3分の1
- 日本保証の買取価格は6億円
- ファンドへの配分は2億円
僕は投資しました!
タップできる目次
大家どっとこむ第1号案件の概要
それでは、大家どっとこむ第1号案件の概要を説明します。
大家どっとこむとは?
大家どっとこむはJトラストグループの不動産クラファンです。(※1:第1号案件のもの)
サービス名 | 大家どっとこむ |
---|---|
運営会社 | 株式会社グローベルス |
運営開始 | 2020年10月 |
最低投資額 | 1万円 |
利回り | 4% ※1 |
運用期間 | 12カ月 ※1 |
●公式サイト:大家どっとこむ
大家どっとこむについて詳しくはこちらの記事で解説しています。
運営会社はグローベルス
大家どっとこむを運営するのはグローベルスです。
不動産の分譲開発や中古住宅の売買、リノベーションなどを行っている不動産会社です。
社名 | 株式会社グローベルス |
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本社所在地 | 港区虎ノ門1丁目 |
設立 | 1996年7月 |
資本金 | 1億円 |
代表者 | 代表取締役社長 藤田賢一 |
上場 | 非上場 |
グローベルスの親会社は上場企業
グローベルスの親会社のプロスペクトは東証2部上場企業です。
再エネ事業と不動産事業を営んでいます。
大家どっとこむは上場企業系列の不動産クラファンです。
社名 | 株式会社プロスペクト |
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本社所在地 | 渋谷区千駄ヶ谷1丁目 |
設立 | 1937年12月 |
資本金 | 120億8,600万円 |
代表者 | 代表取締役社長 泉信彦 |
上場 | 東証2部 |
上場企業だと安心だね。
Jトラストのグループ会社
また、グローベルスはJトラスト(東証2部)のグループ会社です。
Jトラストグループ内には3つのソーシャルレンディングがあります。
- Jトラストグループ
- Nexus Bank(ジャスダック)
- SAMURAI証券
- SAMURAI FUND
- SAMURAI証券
- NLHD(資産管理会社)
- maneo
- Jトラスト(東証2部)
- PEM
- LCレンディング
- PEM
- プロスペクト(東証2部)
- グローベルス
- 大家どっとこむ
- グローベルス
- Nexus Bank(ジャスダック)
今回、グループ初の不動産クラファンとして大家どっとこむが運営されることになりました。
上場企業ばかりだね。
特長はSTOスキーム
大家どっとこむの特長の一つはSTOスキームです。
これは次のような仕組みです。
- ブロックチェーンの技術を使って
- 投資家同士で
- 投資持ち分を
- 簡単に譲渡できるようにする
例えば、
- 大家どっとこむ会員の山田さんが
- 自分が10万円投資した第1号案件の権利を
- 大家どっとこむ会員の佐藤さんに譲渡する
これがブロックチェーンの技術を使って簡単にできるということです。
それって良いの?
微妙…
STOスキームの効果は限定的
STOスキームにはいくつかの問題があります。
- 利用の際に手数料がかかる
- 需要と供給が一致するか?
- 問題がない時は誰も譲らない
- 問題があるときはみんな譲りたい
みなさん、今までに譲渡したいと思ったことありますか?
期失になりかけた時くらいですよね?
その時はみんな譲りたい!
そしてみんな譲られたくないw
もちろん大家どっとこむもそれは承知で、需給バランス対策は用意していまして。
譲渡相手が見つからない場合はグローベルスが買い取ることができます。
ただし、
- 買取手数料(譲渡価格の5%)が必要
- 買取の上限は劣後出資額の30%
仮に劣後出資比率が20%ならば、買取の上限は出資総額の6%だけです。
問題が起きて投資した案件からみんなが逃げようとする時には全然足りないでしょう。
ブロックチェーンの利用などアイデアはおもしろいと思いますが。
売買市場でも創設しない限り効果は限定的だと思います。
基本、新しいものは支持ですが…
第1号案件の基本情報
大家どっとこむ第1号案件の基本情報は以下の通りです。
- 案件名:大家どっとこむ第1号
- 利回り:4%
- 運用期間:1年
- 劣後出資比率:17.7%
- 分配:満期一括
- 募集総額:2億円
- 最低投資額:10万円
- 出資単位:1万円(最低10万円)
- 出資上限:なし
- 募集方式:先着方式
- 募集期間:12月14日12時~12月22日18時
劣後出資比率は17.7%
いくつかポイントを見ていきます。
まず、本案件へのグローベルスの出資は4,300万円です。
したがって、劣後出資比率は17.7%です。
- 優先出資:2億円
- 劣後出資:4,300万円
- → 劣後出資比率:4,300÷24,300=17.7%
20%を割ったのは意外!
また、運用期間内に売却できなかった場合、運用期間が最長で2年間延長されます。
日本保証の買取保証付き
ただし、今回の案件には日本保証の買取保証が付いています。
日本保証はJトラストグループの機関保証会社です。
今回の案件では、
- 物件を売却できなかった場合
- 日本保証が物件を買い取る
ことになっています。
だったら安心だね。
それは早計です。
買取保証は元本保証ではないなど、注意点があります。
のちほど詳しく説明します!
第1号案件の投資対象物件
大家どっとこむ第1号案件の投資対象物件は目黒区の1棟ビルです。
- 物件名:Foresight南麻布
- 所在地:港区南麻布4丁目5-48
- 築年:1992年3月
- 構造:SRC5階建て
- 土地面積:1,167.66平米
- 最寄り:日比谷線広尾駅5分
この1棟ビルを取得して運用→売却します。
ただし、通常の不動産クラファンとは少し異なります。
投資対象は借地権+建物
今回の投資対象は借地権とビルの建物です。
土地は含まれません。
このビルの借地権と建物は2012年にグローベルスが取得しました。
土地の持ち主は別にいて、グローベルスが毎月地代を払っています。
このグローベルスが保有する借地権+建物を取得します。
そんな取得ができるんだ!
借地権+建物の一部をファンド化
そして、投資対象は借地権+建物の一部です。
- 「借地権+建物」全体の評価額:7億2,900万円
- ファンド化する投資対象:2億4,300万円
今回の案件では借地権+建物の3分の1を投資対象とします。
借地権の3分の1と建物の3分の1を取得します!
大家どっとこむ第1号案件の分析
それでは、案件の内容を分析していきます。
分配金は受け取れるか?
まず、分配金を全額受け取ることができるかです。
必要な分配金は800万円
今回の案件で必要となる分配金は800万円です。
- 募集総額:2億円
- 利回り:4%
- 運用期間:1年
- → 必要な分配金:2億円×4%=800万円
運用で800万円生み出せれば大丈夫。
分配金は問題なさそう
これに対して、把握できている年間収支は以下の通りです。
- 収入:7,042万円
- 月額賃料586.9万円
- 支出:3,020万円
- 地代:1,935万円
- 公租公課:221万円
- 建物管理費用:348万円
- 火災保険料:11万円
- 共用部光熱費:5万円
- 管理手数料:500万円
ここまでで収支の差し引きはプラス4,022万円です。
分配金の800万円は恐らく問題ないでしょう。
空室率などによって変わります!
元本を回収できるか?
次はみなさんも気になるでしょう。
最重点の元本回収です。
ポイントは日本保証の買取
今回の案件には日本保証の買取保証が付いています。
物件が売却できない場合、安値でしか売れない場合は日本保証が買い取ります。
ですので、日本保証の買取が有効に機能するかがポイントです。
日本保証の買取価格は6億円
今回の案件では日本保証の買取価格は6億円です。
つまり、
- 物件が売却できない場合、または
- 安値でしか売却できない場合
- 日本保証が6億円で買い取る
ということです。
そして、日本保証が買い取るのは借地権+建物の全体です。
その6億円はどうなるの?
元本回収も恐らく問題ない
上述の通り、投資対象は全体の3分の1です。
ですので、売却で入ってきた6億円の3分の1がファンドに入ります。
- 対象物件
- 全体:7億2,900万円
- 投資対象:2億4,300万円(3分の1)
- 売却代金
- 全体:6億円
- ファンド分:2億円(3分の1)
そして、ファンドへの出資は、
- 投資家分(優先出資):2億円
- グローベルス(劣後出資):4,300万円
投資家のお金も同じく2億円で優先出資です。
したがって、他にマイナスとなる要素がなければ投資家の元本は全額回収されます。
すばらしい!
ちょっと待った!
元本を回収できないケース
ただし、次のような場合は日本保証が買取できない、又は、買取価格が下がります。
- 日本保証が倒産した
- 天災による損害で物件の価値が大きく下がった
例えば、大地震でビルにヒビが入ったので、買取価格が4億円に下がるといったケースです。
その結果、投資家の元本の全部または一部が戻ってこなくなる可能性はあります。
元本保証ではない
ここは超重要ポイントですが、日本保証が保証するのは、
- 買い取ることだけであり
- 必ず6億円で買い取ることではなく
- ましてや元本を保証することではない
ことです。
日本保証案件は元本保証じゃないの?
「買い取る」という行為を保証するだけです。
元本が必ず戻ってくることを保証するのではありません。
状況によっては元本の一部が戻ってこない場合があります。
10万円投資したら10万円が必ず戻ってくるのではありません。
日本保証の4文字だけを見て「元本保証だ!」と誤解しないようにしましょう。
誤解してた。
元本保証は出資法違反
そもそも元本保証は法律で禁じられています。
何人も、不特定且つ多数の者に対し、後日出資の払いもどしとして出資金の全額若しくはこれをこえる金額に相当する金銭を支払うべき旨を明示し、又は暗黙のうちに示して、出資金の受入をしてはならない。(出資法第1条)
元本を保証したら法律違反なのです。
ですので、元本が割れる可能性は必ずあります。
くどいですが、元本保証ではありません!
自社買い取りの可能性も
なお、大家どっとこむのFAQには次のように書かれています。
Q:期間満了までに、投資対象不動産を売却できない場合はどうなりますか?
A:期間満了日より早い段階で売却活動を行いますが、市況環境によって運用期間を延長するケースと、弊社で買い取らせていただくケースがございます。
もともと、今回の物件の所有者はグローベルスです。
ですので、グローベルスが投資家の出資分2億円を買い取って自社物件に戻す可能性はあります。
この場合はもちろん投資家の元本は全額戻ってきます。
ただし、あくまでも可能性です!
大家どっとこむ第1号案件の投資判断
以上を踏まえて、大家どっとこむ第1号案件で投資するかの判断です。
20万円で投資
上で見てきた通り、分配金、元本ともに絶対ではありませんが問題なさそうに感じます。
唯一の心配は日本保証に問題が起こる可能性です。
上場企業の子会社なので、急にどうこうなることはないでしょうが、可能性はゼロではありません。
そして、僕はCAMPFIRE Ownersで日本保証案件に投資中です。
日本保証案件に投資が偏るとリスキーなので、今回は少し控えめに20万円の投資としました。
大家どっとこむに期待
大家どっとこむのメリットは日本保証による買取保証です。
そして、日本保証案件を扱うのはこれで4社になりました。
日本保証による保証が有効に機能することが実証されれば、僕たち投資家も安心して投資できます。
大家どっとこむも含めて日本保証案件の償還実績が増えることを期待します。
日本保証にも期待だね。
提供される情報が足りなすぎる
ところで今回の案件、みなさん、感じませんでしたか?
案件紹介ページの情報量が全然足りないって。
以下のような重要な情報が案件紹介ページに書かれていません。
- 劣後出資比率
- 日本保証の買取保証額
- 投資対象が全体の3分の1
- 家賃収入など運用収支
- 買取保証代金のファンドへの配分額
劣後出資比率が不明とか…
成立前書面には書かれていますが、案件紹介ページにも記載されるべきですよね?
もちろん、初めての募集なので大家どっとこむも手探りなのでしょう。
今後の案件ではもう少し情報が出るようになるのかもしれません。
応募満了まで時間がかかる
ただ、今回の案件では案件紹介ページだけでは案件の内容がよく分からなかった。
それで、不安に感じて投資を見合わせた人が多いような気がします。
それゆえ、募集開始から丸一日経っても募集額の2割足らずしか集まっていないのではないでしょうか?
満額が集まるまでかなり時間がかかる気がします。
募集期限は12月22日18時なので、今から会員登録しても間に合うかも?
この記事を読んで投資しようかなと思った方は、チャレンジしてみてください。
●公式サイト:大家どっとこむ
以上、大家どっとこむ第1号案件についてでした!
寒さに負けず投資しましょう!
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