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SBIソーシャルレンディングの件への私見|焦点は行政処分

SBIソーシャルレンディング(以下、SBI-SL)が自社の貸付案件について第三者委員会の設置を決定しました。

この件について僕の考えをまとめます。

ポイントは以下の3点です。

  • 損失は補填される
  • 第三者委員会は損失補填を行うため
  • 焦点は行政処分の有無

なお、以下はあくまでも現時点での僕の推測です。

僕は金融や法律のプロでもなんでもないので、居酒屋談義くらいのつもりで読んでください。

また、僕自身は昨年1月にSBI-SLから撤退しており、今回の件の当事者ではありません。

第三者の立場で書いていますので、投資中の方とは感じ方、ものの捉え方に温度差があります。

読んで不快に感じられたらご容赦ください。

タロウさん
タロウさん

悪意はないのでご容赦を!

この記事の著者
投資家・ブロガー
タロウ

ソーシャルレンディング、不動産クラウドファディング専門の投資家です。
2018年にソシャレン・クラファン投資を始め、これまで400件を超える案件に2億円以上を投資し損失ゼロ。
安全性を最重視した投資情報を発信しています。

通常の元本毀損であれば損失補填しない

今回の件が通常の元本毀損であれば、SBI-SLは損失補填は行わないでしょう。

 

今回の件の説明

まず、ご存じない方のために今回の件を説明します。

タロウさん
タロウさん

知っている方は次に飛んでください!

次に飛ぶ

SBI-SLは2021年2月5日に第三者委員会設置に関するお知らせを自社サイトで公開しました。

ポイントは以下の3点です。

  • 貸付先の事業運営に重大な懸案事項が生じている
  • 第三者委員会を設置し調査を実施する
  • SBIグループが協力する

また、この件を伝えた時事通信の記事には次の指摘があります。

  • 貸付金の返済遅延や回収不能などの懸念がある事例が確認された

単に借り手が返済不能になっただけであれば、第三者委員会なんて設置しません。

社外の弁護士らを入れて大事にする以上、恐らくこういういことではないでしょうか?

  • SBI-SL内部で不当な貸付が行われた
  • 当該借り手が返済不能になった
  • それにより投資家の元本が毀損される
右田さん
右田さん

まさかSBIで…

タロウさん
タロウさん

あくまでも僕の推測です!

 

ソシャレンに元本毀損はつきもの

ソーシャルレンディングの本質は金貸しです。

金貸しに貸し倒れ=元本毀損はつきものです。

だからこそ、SBI-SLに限らずソシャレン各社は「元本は保証しない」とサイトや契約書で明記しています。

ソシャレンは元本既存の可能性を前提とした投資です。

左野くん
左野くん

ノーリスクの投資なんてないからね。

通常の元本毀損であればソシャレンのリスクが顕在化しただけのことであり、業者に損失補填する責任はありません。

 

損失補填は違法

それ以前の問題として、損失を補填することは違法です。

金融商品取引法(以下、金商法)は第39条で次のように定めています。

金融商品取引業者等は、次に掲げる行為をしてはならない。
有価証券売買取引等につき、当該有価証券等について生じた顧客の損失の全部若しくは一部を補塡し、又はこれらについて生じた顧客の利益に追加するため、当該顧客又は第三者に対し、財産上の利益を提供し、又は第三者に提供させる行為(金商法第39条第1項第3号

法律で明確に禁じられているのですから、SBI-SLは借り手のデフォルトで生じた投資家の損失を補填することはできません

右田さん
右田さん

補填したらSBI-SLが違法になるんだ…

 

過去の元本毀損でも補填しなかった

そして実際に、SBI-SLは過去の元本毀損でも補填していません

SBI-SLでは2018年に不動産バイヤーズローンファンド16号~22号でデフォルトが発生しました。

これにより最大で17.9%の元本毀損が発生しましたが、SBI-SLは投資家の損失を一銭も補填していません

SBIソーシャルレンディングは実力以上に高く評価されているのでは?
SBIソーシャルレンディングが最近あちこちで評価されています。しかし、高く評価され過ぎではないでしょうか?みんクレやラキバンなどの対応がひどすぎたから、その対比でSBISLの評価が良くなりすぎている。SBISLを過信しすぎるのは危険です。
左野くん
左野くん

それだとSBIグループの評判が落ちるんじゃない?

 

SBIの看板にキズは付かない

通常の元本毀損であれば、それはありえません

ソシャレンという金貸しのリスクが現実になっただけです。

それで騒いだところで、世間は「欲を出したアホが損をした」としか見ないでしょう。

なにせ日本って「金儲け=汚い」意識が未だに強く、さらに新しいものには徹底して否定から入る国民性ですから。

我々ソシャレン民が損をしたところで、国民は同情なんてしませんよ。ふぅ…

実際、2018年のデフォルトでSBIの株価は下がっていません

それどころか、その後もSBI証券は順調に口座数を増やし、ついに野村證券を超えました。

「看板にキズを付けないために補填してくれるはず」という期待は幻想です。

右田さん
右田さん

損するしかないんだ…

タロウさん
タロウさん

ちょっと待った!

ただしそれは、通常の元本毀損であればです。

不当な元本毀損であれば損失補填する

今回の件が不当、不正な元本毀損であれば、SBI-SLは損失を補填すると僕は思います。

 

不正による損失は補填できる

金商法第39号は次のように定めています。

第一項の規定(※筆者注、損失補填の禁止)は、同項各号の申込み、約束又は提供が事故による損失の全部又は一部を補塡するために行うものである場合には、適用しない。(金商法第39条第3項

この「事故」には広く法令に違反する行為が含まれます。(金融商品取引業等に関する内閣府令(以下、内閣府令)第118条

つまり、不当な元本毀損で投資家が損失を負った場合は補填できるということです。

左野くん
左野くん

不正が原因だったらOKなんだ。

 

不正だとSBIの看板にキズが付く

そして、不正によって投資家に損害を負わせたとなると、SBIの看板にキズが付くでしょう。

株価に影響したり、SBI証券からの顧客流出もあるかもしれません。

さらに、SBIが進めている地方銀行との提携にも影響が出かねません。

タロウさん
タロウさん

さすがに不正だとヤバい!

第三者委員会はキズを最小限にするため?

ところで、SBI-SLはなぜ第三者委員会を設置するのでしょうか?

僕はキズを最小限にするためだと思います。

 

SBIグループは損失補填したいはず

あくまでも仮にですがSBI-SLで不正が行われた場合、SBIグループとしては、

  • 早急に公正な調査を実施した
  • 関係者の処分を適切に行った
  • 投資家の損失を補填した

などの事実を作ることで信頼回復を図り、SBIグループのキズを最小限にとどめようとするでしょう。

ですので僕は、SBIグループとしては損失補填を行いたいのだと思います。

しかし、損失補填は企業の一存で勝手にできるものではないのです。

タロウさん
タロウさん

以下、素人法解釈です!

 

損失補填には事前の確認が必要

金商法第39条は次のように定めています。

第一項(中略)第三号の提供にあつては、その補塡に係る損失が事故に起因するものであることにつき、当該金融商品取引業者等があらかじめ内閣総理大臣の確認を受けている場合その他内閣府令で定める場合に限る。(金商法第39条第3項

つまり、

  1. 損失を補填する場合は
  2. その損失が事故によることについて
  3. 行政による事前確認が必要

ということです。

右田さん
右田さん

業者が勝手に事故が原因と決められないのね。

そして、確認を受ける必要がある項目は内閣府令第121条で次のように定められています。

  1. 金融商品取引業者等の商号、名称又は氏名及び登録番号
  2. 事故の発生した本店その他の営業所又は事務所の名称及び所在地
  3. 確認を受けようとする事実に関する次に掲げる事項
    イ 事故となる行為に関係した代表者等の氏名又は部署の名称
    ロ 顧客の氏名及び住所(法人にあっては、商号又は名称、主たる営業所又は事務所の所在地並びに代表者の氏名)
    事故の概要
    補塡に係る顧客の損失が事故に起因するものである理由
    ホ 申込み若しくは約束又は提供をしようとする財産上の利益の額
  4. その他参考となるべき事項

 

第三者委員会は報告内容の正当性を確保するため?

注目したいのは次の2つです。

事故の概要
補塡に係る顧客の損失が事故に起因するものである理由

あくまでもSBI-SLで不正があった場合の話ですが。

不正の当事者が事故の概要や原因を報告しても、それを受ける行政側としては「本当なの?」ってなりますよね?

なので、行政への報告内容の正当性を確保するために、外部の第三者委員会に調査させるのではないでしょうか?

タロウさん
タロウさん

報告に外部のお墨付きを得たい!

 

損失は補填されると推測

もしそうであれば、SBI-SLは損失補填を行うために第三者委員会を設置した。

つまり、SBI-SLは損失を補填するつもりであると僕は推測します。

タロウさん
タロウさん

あくまでも推測です!

左野くん
左野くん

でも、ホッと一安心!

う~ん、安心して良いのかなぁ…

今後の焦点は行政処分が出るか

過去3年のソシャレンを見てきた僕としては、金融庁の行政処分が出る可能性を考えざるを得ない気がします。

 

報告先は財務局

さきほどの確認を受けるための報告を提出する先は財務局(=金融庁)です。

法第三十九条第三項ただし書の確認を受けようとする者は、同条第七項の規定による申請書及びその添付書類の正本一通並びにこれらの写し一通を、当該確認に係る事故の発生した本店その他の営業所又は事務所の所在地を管轄する財務局長に提出しなければならない。(内閣府令第120条

SBI-SLの場合は本店が東京ですので関東財務局に提出です。

で問題は、報告の提出を受けた関東財務局です。

「ソシャレン業務で不正がありましたっ!」って報告を受けて、何もしないってわけにはいかんでしょ?

右田さん
右田さん

報告お疲れさまでしたっ!

タロウさん
タロウさん

で、終われるわけねーだろ!

 

新規募集が停止される可能性

やはり、金融庁として調査を行うことになるのではないでしょうか?

そして、その結果いかんでは一定期間の業務停止命令が出る可能性があります。

業務停止の内容ですが、過去のクラウドバンクなどの事例ではメインは次の2つでした。

  • 新規会員募集の停止
  • 新規案件募集の停止

新しい案件の募集ができなくなるということです。

左野くん
左野くん

そうなるとどうなるの?

 

リファイナンス前提の借り手に影響が出る

新規案件の募集ができなくなった場合、影響が出るのがリファイナンスを前提としている借り手です。

  1. 借りているお金を返す
  2. 同じタイミングで新規案件を募集して資金調達

こうやって資金を回そうとしていた。

それが新規案件で資金調達できなくなると資金ショートを起こします。

これでデフォルト乱発となったのがmaneoマーケットに対する行政処分でした。

右田さん
右田さん

グリフラにクラリ…

 

被害が広がる可能性

SBI-SLでリファイナンス前提の借り手がいるのかは分かりません。

ですが仮にいるならば、新規募集が停止になると困ったことになるでしょう。

いま投資家の間では、問題の案件は宮古島?熱海?などと推測がなされています。

でも、リファ前提の借り手がいて新規募集停止となると、今回の問題案件以外の案件にも影響が拡大する可能性があるわけです。

行政処分 → 新規募集停止 → リファ借り手の破綻 → 被害拡大

これを僕は最も恐れています。

 

まさか金融庁は繰り返さないよね?

そこで先に言っておきたいのですが。

金融庁さん、まさか同じことは繰り返さないですよね?

maneoファミリーの業者に問題があったことは事実でしょう。

しかし、リファイナンス案件をすべて止めたがために、無事に終われるはずだった案件までデフォルトした。

その結果、多くの投資家が期失をくらい、今でも苦しんでいる投資家が山のようにいます

まさかとは思いますが、同じ愚は繰り返さないですよね?

僕みたいな弱小ブロガーが何を言ったところで、無謬性を誇る金融庁様に影響ゼロなのは分かっていますが。

無力は承知の上で釘を100本くらい刺しておく次第です。

タロウさん
タロウさん

ムダは承知の上で書くだけ書いておきます!

 

SBI-SLは早急に発表を

なお、以上はあくまでも僕の勝手な推測によるものです。

なおかつ、根がネガティブなので最悪の最悪のパターンを想定しています。

行政処分が必ず出る!とか言っているわけではないので、そこのところはご了解を。

それと、漠然とした発表を金曜の夕方に出して終わりって、SBI-SLの対応はいかがなものでしょうか?

SBI-SLの投資家がどんな気持ちで週末を過ごすかとか考えないのですかね?

もちろん事情はあるのでしょうが、もう少し具体的なことを早急に発表することを期待します。

タロウさん
タロウさん

以上です!

 

コメント

  1. 匿名 より:

    行政が事故と認めた事案は過去にあるのでしょうか?

    • タロウ タロウ より:

      さぁ、どうなんでしょうね?
      僕は知らないです。
      法律が存在を前提としているのだからあるような気がするけど。

      金融庁に問い合わせてみられては?
      電話で問い合わせできますよ。

上場企業系

ソーシャルレンディング、不動産クラウドファンディングで「上場企業系」とは、運営会社やその親会社が上場企業であることを指します。

上場企業は信用力が高いことから、上場企業系の業者が運営するソシャレン、不動産クラファンは信頼性、安全性が高いと考える投資家が多いです。

ただし、「上場企業系=100%安全」とは限らないので注意が必要です。

貸付金利

ソーシャルレンディングでは投資家から集めたお金を企業などに貸し、得られた利益を投資家に分配します。

例えば、企業に7%で貸し、ソシャレン業者が利益を2%取り、5%を投資家に分配します。

ソーシャルレンディングの貸付金利の説明図

企業に貸す際の金利(上図の7%)が貸付金利です。

上場企業系

ソーシャルレンディング、不動産クラウドファンディングで「上場企業系」とは、運営会社やその親会社が上場企業であることを指します。

上場企業は信用力が高いことから、上場企業系の業者が運営するソシャレン、不動産クラファンは信頼性、安全性が高いと考える投資家が多いです。

ただし、「上場企業系=100%安全」とは限らないので注意が必要です。

運用と運用期間

不動産クラウドファンディングにおいて運用とは、投資家から集めた資金で取得した不動産を、賃貸したり売却したりすることで利益を生み出すことをいいます。

運用を行う期間は案件ごとにあらかじめ決められており、これを運用期間といいます。

マスターリース契約

不動産クラウドファンディングでは投資家の資金で不動産クラファン業者が物件を取得し、入居者から家賃を得ます。

しかし、入居者が見つからなければ家賃が入らず、投資家が分配金を得られなくなります。

そこで、不動産クラファン業者が不動産業者と次のような契約を結びます。

  1. 不動産クラファン業者が不動産業者に部屋を貸す
  2. 不動産業者が入居者に部屋を貸す
  3. 入居者が見つからなくても不動産業者は毎月の家賃を不動産クラファン業者に払う

マスターリース

これがマスターリース契約です。

マスターリース契約により投資家は入居者が見つからないリスクから隔離され、投資の安全性が向上します。

部分当選

ソーシャルレンディングと不動産クラウドファンディングの募集には、早い者勝ちの先着方式の他に、応募した人の中から投資できる人を抽選で決める抽選方式があります。

抽選方式では、50万円で応募して当選したら50万円投資できるのが基本です。

しかし、50万円の内、30万円分だけ当選する(=30万円だけ投資できる)こともあります。

これが部分当選です。

当選者の最後の1人が残額を割り当てられて部分当選になる場合の他、多くの人を当選にするために業者が全員を部分当選にする場合などがあります。

借り手企業

ソーシャルレンディングでは投資家から集めたお金を、ソシャレン業者が企業に貸します。

ソーシャルレンディングの仕組み

案件の募集で集められた投資家のお金を借りるのが借り手企業です。

借り手企業が倒産したり返済不能になると、投資家のお金が戻ってこない場合があります。

ソーシャルレンディングのリスク

ですので、ちゃんと返済できるのか?ソーシャルレンディングでは借り手企業の見極めが非常に重要です。

満室賃料

満室賃料とは、その物件が満室の場合に得られる想定賃料のことです。

全4室の1棟アパートで、各部屋の賃料が以下の場合、

  • 101号室:4.5万円
  • 102号室:4.5万円
  • 201号室:5.5万円
  • 202号室:5.5万円

満室賃料は月間20万円、年間240万円です。

空室リスク

空室リスクとは投資対象物件に入居者がつかず、空室で家賃収入を得られなくなるリスクです。

匿名組合型と任意組合型

不動産クラウドファンディングを含む不動産特定共同事業は、主に匿名組合型と任意組合型に分かれます。

主な違いは一般に下表の通りです。

匿名組合型 タイプ 任意組合型
匿名組合契約 契約 任意組合契約
なし 物件の所有権 あり
少なめ 最低出資額 多め
短め 運用期間 長め
有限責任 責任 無限責任
雑所得 所得区分 不動産所得

物件が倒壊して隣接する建物に被害が及んだ場合、任意組合型では出資額を超えて賠償責任が発生します。

匿名組合型の場合は責任範囲は出資額が上限であり、最悪でも全損で済みます。

任意組合型は所得区分が不動産所得で有利なため、相続など節税対策に使われることが多いです。

不動産クラファンではほとんどの案件が匿名組合型です。

不動産特定共同事業

不動産特定共同事業は次のような事業です。

  1. 複数の投資家から出資を受け
  2. 集まった資金で不動産を取得、運用し
  3. 得られた利益を投資家に分配する

多くの場合、1億円の1棟マンションを100口の持ち分に分割し、1口100万円で販売するといった、不動産小口化商品の形を取ります。

不動産特定共同事業のうち、募集などをインターネットを使って行うのが不動産クラウドファンディングです。

不動産小口化商品

不動産小口化商品は不動産を小口の持分に分割して販売する不動産投資商品です。

例えば、1億円の1棟マンションを1口100万円の持分100口に分割し、1口単位で販売します。

仮にこのマンションで1,000万円の利益が出た場合、1口投資した人は10万円、5口投資した人は50万円を得るイメージです。

不動産クラファンの場合、持分には利益の分配を受ける権利が含まれますが、物件の所有権は含まれません。

 

デポジット口座

デポジット口座とは業者内で投資家ごとに設置されるお財布のようなものです。

デポジット口座方式の業者では、投資家は事前に銀行から業者にお金を振り込み、そのお金は業者内のデポジット口座で保管されます。

デポジット口座

そして、デポジット口座のお金で案件に投資します。

また、分配金や償還された元本はデポジット口座で保管され、投資家が必要なときに出金申請し、自分の銀行口座に引き出します。

デポジット口座

 

売却リスク

不動産において、物件が予定通りの価格で売却できない、もしくは、売却そのものができない可能性を売却リスクといいます。

売却リスクが現実化すると、投資家には次のような不利益が生じる場合があります。

  • 分配金が予定額を下回る
  • 分配を受けられない
  • 元本の一部が戻ってこない
  • 元本のすべてが戻ってこない

流動性

不動産において、売買のしやすさや、現金化のしやすさを流動性といいます。

都心の一等地など需要が高く売りやすい物件は「流動性が高い」、逆に農村の空き家など需要が低く売りにくい物件は「流動性が低い」です。

譲渡

ソーシャルレンディング、不動産クラウドファンディングで自分の出資持分(利益の分配や元本の償還を受ける権利)を、第三者に譲り渡すことを譲渡といいます。

例えば、〇〇FUNDINGで10万円投資し、それを第三者(〇〇FUNDINGを含む)に10万円(もしくはそれ以外の金額)で買い取ってもらうイメージです。

入金と出金

投資するお金をソシャレン、クラファン業者の銀行口座に振り込むことを入金といいます。

運用が終わったお金が業者から投資家の銀行口座に振り込まれることを出金といいます。

元本

ソーシャルレンディングや不動産クラウドファンディングで、投資家が出資(投資)したお金のことを元本といいます。

リフォームとリノベーション

リフォーム、リノベーションともに、住宅の改修や改築を指します。

両者の違いはリフォームは「元の状態に戻す」ことであり、例えば壁の張替えや外壁の塗替えはリフォームです。

対して、リノベーションはリフォームよりも大がかりな改修、改築を行うことで「住宅の機能や価値を高める」ことを指します。

例えば、床暖房の新設や、壁を撤去して広々としたLDKへの間取りの変更はリノベーションです。

リフォームが老朽化で800万円に下がった物件の価値を元の1,000万円に戻すのに対し、リノベーションでは機能を付加して1,200万円に高めるイメージです。

分配と分配金

ソーシャルレンディングや不動産クラウドファンディングで、運用で得られた利益を投資家に支払うことを分配といいます。

また、支払われる利益を分配金と呼びます。

案件

ソーシャルレンディングや不動産クラウドファンディングで、募集される1つ1つの投資商品のことを案件と呼びます。

この用語は次のように使われます。

  • 〇〇業者から新しい案件が出た
  • 今度の案件は利回りが高い
  • 先週は△△案件に10万円投資した
  • □□業者は先月は3案件募集があった
  • ◇◇案件に応募したが抽選で落選した

すいません、上手く説明できなくて。

区分マンション

マンションを部屋単位で購入し投資する場合、「区分マンションに投資する」といった表現をします。

対して、1棟単位で購入、投資する場合は「1棟マンションに投資する」といいます。

独立した部屋1つ1つが区分マンションであり、面積や間取りを問いません。

ワンルームでも4LDKでも区分マンションです。

大島てる

大島てるは全国の事故物件情報を掲載するウェブサイト、及び、そのサイトを運営する会社の名称です。

先着方式と抽選方式

ソーシャルレンディングと不動産クラウドファンディングの募集方式は2つあります。

一つは募集開始と同時によ~いどんで早い者勝ちで投資できる人が決まる先着方式です。

もう一つは募集期間中に応募した人の中から抽選で投資できる人を決める抽選方式です。

成立前書面

成立前書面(契約成立前書面、契約締結前交付書面)は、ソーシャルレンディングや不動産クラウドファンディングで案件に応募する前に確認する書類です。

確認することで応募できるようになります。

成立前書面の確認画面

案件の詳細情報や契約内容などが書かれており、契約書に相当するものだと考えてください。

多くの業者で募集開始前から確認が可能です。

サイトに書かれていない情報も多いので、事前に必ず確認することを強くおすすめします。

モニタリング

ソーシャルレンディングにおいてモニタリングとは、借り手が融資契約を守れるか、ソシャレン業者が監視することをいいます。

業者によって異なりますが具体的な作業としては、定期的な借り手企業の訪問、経営者などへのヒアリング、財務書類のチェックなどがあります。

定期的にモニタリングを行うことで借り手の異常などを早期に察知し、貸し倒れを防ぐことができます。

このため、業者のモニタリングの実施とその精度は投資家にとって重要です。

あと入金と事前入金

投資するお金を業者に入金する方法は2つあります。

一つは先着や抽選の結果、投資できることが決まってから業者の口座に振り込むあと入金方式です。

もう一つは募集開始前に業者のデポジット口座への入金が必要な事前入金方式です。

デポジット口座

デポジット口座のお金は応募した案件への出資に充当されます。

ただし、抽選に落選などで投資できなくなると、入金したお金がデポジット口座で寝ることになります。

さらに、このお金を自分の口座に出金する際の振込手数料が投資家負担の業者もあります。

投資家にとってはあと入金の方が有利です。

 

早期償還

ソーシャルレンディングで借り手が予定より早く返済したり、不動産クラウドファンディングで物件が予定より早く売れることがあります。

そういった理由で案件の運用が予定より短い期間で終わり、業者が元本を予定より早く投資家に返すことを早期償還といいます。

例えば、運用期間12カ月の予定が6カ月で早期償還になると、受け取る分配金は基本的に半分になります。

ネガティブに捉えられがちですが、業者が確実に返済できる借り手、売れる物件を選んで案件を組成した証でもあります。

分配原資

分配原資とは分配金の出どころのことです。

例えば、入居者から得る家賃から投資家に分配金を払う場合、分配原資は家賃です。

家賃はインカムゲインですので、分配原資はインカムゲインとも表現できます。

組成

案件を作ることを組成といいます。

  • 投資対象は緑町ハイツ102号室で
  • 利回りは4.5%で
  • 運用期間1年
  • 募集総額2,300万円の案件を作る

こうやって案件が出来上がります。

組成 → 募集 → 運用開始 → 運用終了 → 償還

ソーシャルレンディング、不動産クラウドファンディングの案件はこのような流れで運営され、その最初の段階が案件の組成です。

元本毀損

元本毀損(元本割れ)とは投資したお金の一部、または、すべてが戻ってこなくなることです。

例えば、不動産クラウドファンディングで2,000万円で取得した物件が1,500万円でしか売れなかった場合、元本の一部が戻ってこないことがあります。

また、取得した物件が地震で倒壊し売れなくなった、ソーシャルレンディングで借り手企業が倒産したなどで、元本の全額が戻ってこないこともありえます。

クラファン案件の管理手数料

不動産クラファンで区分マンションなどが投資対象になる場合、物件の入居者募集や家賃徴収といった管理業務が行われます。

これらの業務は業者または外部の不動産業者が代行し、そこでは管理手数料が発生します。

案件の利回りはこういった手数料や経費も差し引いた上で計算されたものです。

ですので、投資家が管理手数料を別途支払う必要はありません。

優先出資と劣後出資

不動産クラファンでは一般に投資家と業者が共同で出資し、物件を取得します。

例えば、投資家が2,400万円、業者が600万円出資し、3,000万円の物件を取得するといった感じです。

出資者 出資額
投資家(優先出資) 2,400万円
業者(劣後出資) 600万円
出資総額 3,000万円

この時、投資家分の出資を優先出資業者分の出資を劣後出資といいます。

なぜ、そのような言い方をするのかなど、詳しくは下記記事を参照してください。

優先劣後出資方式と劣後出資比率

キャピタルゲイン型

不動産クラファンの案件は大きくキャピタルゲイン型とインカムゲイン型に分かれます。

投資対象物件を売却した際の売却益を分配原資(分配金の出どころ)とする案件がキャピタルゲイン型です。

一方のインカムゲイン型は運用期間中の家賃収益を分配原資とします。

なお、売却益と家賃収益の両方を分配原資とする併用型の案件もあります。

自社買取

不動産クラファンでは運用期間の最後に物件を不動産投資家など第三者に売却するのが一般的です。

しかし、何らかの事情で売却できなかった場合、自社で物件を買い取ることがあります。

売却できずに元本が戻ってこないところが、業者が買い取ることで元本が戻ってくることになるので、自社買取は投資家にとってメリットです。

インカムゲイン型の案件では、最初から自社買取の予定で案件を組成することもあります。

劣後出資比率

不動産クラファンでは一般に投資家と業者が共同で出資し、物件を取得します。

例えば、投資家が2,400万円、業者が600万円出資し、3,000万円のマンションを取得するといった感じです。

このとき、出資総額に対する業者分の出資額の比率を劣後出資比率といいます。

さきほどの例では20%です。

出資者 出資額 出資比率
投資家 2,400万円 80%
業者 600万円 20%
合計 3,000万円

そして、劣後出資比率が高いほど安全性が高まります。

右田さん
右田さん

数字が大きいほど安全だよ。

なぜ高いほど安全なのか?

詳しくは下記記事を参照してください。

優先劣後出資方式と劣後出資比率

償還

案件の運用が終わり、業者が元本を投資家に返すことを償還といいます。

クリック合戦

募集が先着方式の案件では、投資できる人が決まるのは早い者勝ちです。

このため、人気の案件では募集開始と同時に応募が殺到します。

この状態をクリック合戦といいます。

信託受益権

信託受益権とは信託財産から発生する利益を受け取る権利のことです。

詳しくは↓こちらの記事を参照してください。

信託受益権とは?(別タブで開く)

信託受益権とは?(今開いているタブで開く)

抵当権と根抵当権と極度額

抵当権とは借り手が返済できなくなった時に担保を売却し、その代金から他の債権者に優先して返済を受ける権利です。

抵当権は1つの借り入れに対して設定されるため、返済時点で消滅します。

これに対し根抵当権ではあらかじめ融資の上限額を設定し、その範囲内であれば何度でも融資と返済が可能です。

その都度、抵当権の設定登記を行う必要がないため、企業への融資などでよく利用されます。

極度額は根抵当権の融資上限額のことです。

債務履行

まず、「債務」とは他人に対し何らかの行動を行う義務のことです。

そして、債務を実際に行うことを債務履行といいます。

ソーシャルレンディングの場合、借り手(債務者)が利払いや元本の返済をすることや、連帯保証人が借り手に代わってそれらを行うことが債務履行にあたります。

逆に、借り手が経営悪化などに至り、利払いや元本返済をしない(できなくなる)ことが債務不履行です。

LTV

ソーシャルレンディングで使われる用語で、担保評価額に対する融資額の割合をいいます。

例えば、1億円の土地を担保に8千万円を融資する場合、LTVは80%です。

担保が評価額通りに売れるとは限らないため、LTVの数字が小さいほど安全性が高いとされます。

資金使途

ソーシャルレンディングで業者から借りたお金を借り手が何に使うかを資金使途といいます。

延滞

ソーシャルレンディングで借り手が期限内に返済できなくなることを延滞といいます。

また、ソシャレン、不動産クラファンで分配金の支払いや元本の償還が予定より遅れている状態を延滞と呼ぶことがあります。

業者や投資家によっては「遅延」という表現が使われることもありますが、意味は同じです。