当ブログは広告を含みます

FUELオンラインファンド保育園案件に投資するか?【案件分析】

久々に登場のFUELオンラインファンド。

今回のお金の借り手は保育園運営者です。

さて、この保育園屋さん、借りたお金を返してくれるのか?

案件を分析し、投資の是非を判断します!

タロウさん
タロウさん

上場企業案件です!

この記事の著者
投資家・ブロガー
タロウ

ソーシャルレンディング、不動産クラウドファディング専門の投資家です。
2018年にソシャレン・クラファン投資を始め、これまで400件を超える案件に2億円以上を投資し損失ゼロ。
安全性を最重視した投資情報を発信しています。

FUEL保育園案件の概要

まず最初に今回の案件(以下、FUEL保育園案件)の概要です。

 

FUELオンラインファンドとは?

FUELはソーシャルレンディングのシステム開発や運営代行を行う会社です。

サービス名  FUELオンラインファンド
運営会社 FUEL株式会社
運営開始 2020年12月
最低投資額 1万円
利回り 2~5%
運用期間 6~24カ月

2020年2月の立ち上げ時からCRE Fundingの運営を代行してきました。

そして同年12月からは、自社でもソーシャルレンディングの運営を行っています。

これまでに募集した案件は、いずれも借り手が上場企業です。

●公式サイト:FUELオンラインファンド

FUELオンラインファンドについては、こちらの記事で詳しく解説しています。

FUELオンラインファンドで投資して大丈夫?|現役投資家が解説
「FUELオンラインファンドで投資して大丈夫か心配」という方へ、累計投資額4000万円の現役投資家が、FUELの概要、運営会社と経営者、メリット、デメリットとリスク、評判と口コミ、投資判断、注意点と対策などを分かりやすく解説します!

 

FUEL保育園案件の基本情報

次にFUEL保育園案件の基本情報です。

  • 案件名:保育園みらいオンラインファンド横浜磯子
  • 利回り:3.0%
  • 運用期間:23カ月
  • LTV:87.9%
  • 募集総額:2億4,000万円
  • 最低投資額:1万円
  • 投資単位:1万円
  • 投資上限:なし
  • 分配:四半期ごと
  • 募集開始:2021年5月10日12時30分
  • 募集方式:先着方式

利回り3%は若干さみしいですね。

保育園の土地建物に第一順位の抵当権を設定しており、LTVは87.9%です。

2億円を超える大型案件なのはうれしいです。

右田さん
右田さん

確実に投資できるね。

タロウさん
タロウさん

クリック合戦なしでしょう!

 

FUEL保育園案件のポイント

今回のFUEL保育園案件のポイントを説明します。

案件の構図

案件の構図はこんな感じです。

  • 貸し手:FUEL
    • 実質的には投資家
  • 借り手:あかるいみらいアセット
    • さくらさくプラスの持分法適用の関連会社
    • マザーズ上場企業
    • 資金用途:不動産取得(保育園施設)

実際にはFUELとみらいアセットとの間に「さくらさくパワーズ」というさくらさくプラスの100%子会社が入ります。

また、FUEL→パワーズ間は融資ではなく出資です。

これはグループ会社間貸付の形を取ることで貸金業法の対象外とするためです。(FUELは貸金業の登録を受けていない)

ですので実質的には、

  1. 我々投資家が
  2. FUEL経由で
  3. マザーズ関連会社にお金を貸す

ということです。

左野くん
左野くん

上場系の会社にお金を貸しますよと。

さくらさくプラス

借り手グループの中核企業であるさくらさくプラスについて見ておきます。

会社名 さくらさくプラス
設立 2017年8月
所在地 千代田区有楽町1丁目2-2
資本金 5,000万円
従業員数 1,105人(連結、2020年8月末)
事業内容 保育所の運営
保育所向け不動産の仲介
関連会社 さくらさくみらい
さくらさくパワーズ
あかるいみらいアセット
Hana TED(ベトナム)

さくらさくプラスはグループ全体で保育所の運営、保育所施設の開発などを行っています。

現在、60カ所の保育所を運営中で、2021年は7月までに14カ所を新たに開設予定です。

業績も好調なようです。(百万円、2021年は予想)

年度 売上高 純利益
2017年 1,867 31
2018年 3,244 366
2019年 5,154 697
2020年 7,629 933
2021年 9,613 1,069
右田さん
右田さん

順調に成長中ね。

運営中の保育所不動産を取得する

今回、投資家から集めた資金で取得する「太陽の子 磯子第二保育園」はHITOWAキッズライフが運営する保育園です。

2017年4月の開園で定員は48人、現在も運営中です。

左野くん
左野くん

新規に建てるんじゃないんだ。

HITOWAグループは子育て支援事業の他に介護、ヘルスケア事業などを行っています。

2020年度のグループ売上高は565億円、保育所と学童施設は合わせて102カ所あります。

保育所のリースバック

今回、さくらさくグループはこの保育所の物件を取得し、HITOWAグループが賃料を払って入居、保育所を運営します。

つまり、

  1. さくらさくが磯子保育所をHITOWAから買い取る
    • HITOWAが資金を得る
  2. HITOWAが磯子保育所を借りる
    • さくらさくに賃料が入る
  3. HITOWAが磯子保育所を運営する

HITOWAは保育所売却で得た資金で、新しい保育所の開設などを行うのでしょう。

ということでHITOWAが、

  1. 磯子保育所の不動産を売却し
  2. 今後は店子として磯子保育所に入居し
  3. 今まで通り磯子保育所の運営を続ける

不動産の所有者が変わった以外は今まで通り。

リースバックの保育所バージョンですね。

タロウさん
タロウさん

Fundsのあんばい案件と同じです!

HITOWAは以前からテナントで、さくらさくが現在の所有者から保育所を買い取るのかもしれません。

 

FUEL保育園案件の疑問点

今回の案件、疑問点が2つあります。

なぜソシャレンで借りるのか?

利回りが3%ですので、さくらさくグループへの貸付金利は3%以上になります。

マザーズ上場企業ならば銀行からもっと低い金利で借りられるはずです。

それをあえてソシャレンで借りるのにはどんな事情があるのか?

そこがちょっと気になる&不安材料です。

右田さん
右田さん

確かに理由が知りたい。

さくらさくは何をしたいのか?

投資家の利回り3%+FUELの手数料で、さくらさくは3%台後半でお金を借ります

そのお金で保育所の土地建物を仕入れて賃貸で運用して利益を出します。

後述しますが保育所の実質利回りは良くても4%台後半だと思います。

ってことは、差し引きの利益は1%前後です。

あんまり儲かりませんよね?

左野くん
左野くん

売却益狙いなんじゃない?

その可能性もあるでしょうけど。

さくらさくが3%台でお金を借りてまで保育所を取得する狙いがイマイチ分からない。

そこが気になっています。

タロウさん
タロウさん

細かいところが気になるもので…

FUEL保育園案件の分析

ここからはFUEL保育園案件の分配金と元本回収について考えていきます。

 

分配金を受け取れるか?

まず、分配金を受け取れるかです。

必要な分配金は1,380万円

この案件で支払いが必要な分配金は1,380万円です。

  • 募集総額:2億4,000万円
  • 利回り:3%
  • 運用期間:23カ月
  • → 必要な分配金:2億4,000万円×3%÷12✕23=1,380万円
右田さん
右田さん

受け取れるの?

分配金を受け取れる可能性は高い

保育所の建物を借りるHITOWAが賃料を毎月支払う前提ですが。

分配金を受け取れるかは、さくらさくがこの賃貸事業で必要な利益を出せるか次第です。

必要な利益=分配金は12カ月換算で720万円です。

1,380万円÷23カ月✕12カ月=720万円

そして、細かい数字が分からないので推測になりますが、物件の取得費が2億4,000万円だとしましょう。

仮にこの物件の年間純利益が720万円ジャストならば、

720万円÷2億4,000万円=3%

この物件の実質利回りは3%ということになります。

都心3区の駅チカ築浅の区分マンションでも3%は超えますよね?

横浜の幼稚園で実質利回り3%はありえない、もっと高いはずです。

例えば4%ならば、年間の利益は

2億4,000万円×4%=960万円

960万円です。

ということで、年間純利益は720万円を超え、分配金を受け取れる可能性は高いと思います。

タロウさん
タロウさん

HITOWAが賃料を払う前提です!

 

元本を回収できるか?

次に最重点の元本回収です。

必要な売却価格は2億4,000万円

今回の案件で投資家の出資額は2億4,000万円です。

したがって、保育所が2億4,000万円以上で売却できれば元本は全額回収できます。

左野くん
左野くん

さて、いくらで売れる?

収益物件として評価額を出すべき

同じ町内の公示地価は平米19.5万円でした。

仮に実勢価格が1.2倍の23.4万円とすると、物件の敷地面積は263平米なので、

263平米✕23.4万円=6,154万円

土地だけでは6千万円にしかなりません。

上モノがどれだけ高くても2億4千万円は無理ですよね?

やはり、収益物件として評価額を出すべきなようです。

右田さん
右田さん

がんばれ~

タロウさん
タロウさん

修行中ですが…

実質利回りが4.9%以下ならばOK

今回の物件の鑑定評価では、

  • 評価額(直接還元法):2億7,400万円
  • 還元利回り:4.3%

とのことですので、

2億7,400万円✕4.3%=1,178万円

年間純利益は1,178万円となります。

仮に物件の評価額が投資元本と同額の2億4千万円だとしたら、

1,178万円÷2億4千万円=4.9%

物件の実質利回りは4.9%です。

したがって、物件の実質利回りが4.9%よりも低ければ、評価額は2億4千万円以上となり、元本は回収できることになります。

左野くん
左野くん

利回りが小さいほど評価額は大きくなるよ。

年間純利益÷実質利回り=評価額」なので、年間純利益が一定ならば実質利回りが小さいほど、評価額は大きくなります。
このあたり難しいですよね。僕もまだ全然分かっていません。勉強してレベルアップします!
タロウさん
タロウさん

千里の道も一歩から!

実質利回りは4.9%以下

調べてみると、隣の町内の1棟マンションの実質利回りが5.0%でした。

  • 1棟マンション
  • 築10年
  • 実質利回り:5.0%

僕の推測ですが、今回の保育園は以下の点で、

  • 空室リスクがない
    • HITOWAとの賃貸借契約が10年以上残っている
  • 滞納リスクが低い
    • 認可保育園なので保育料を払うのは自治体
    • なのでHITOWAには毎月確実に現金が入る

収益不動産としての価値は1棟マンションよりも高いと思います。

であるならば、実質利回りは1棟マンションの5.0%より低くなる。

つまり、4.9%以下になるので評価額は2億4千万円以上になるのではないでしょうか?

右田さん
右田さん

元本は回収できそうね。

タロウさん
タロウさん

不動産の価値が上がると実質利回りは下がります!

 

売却しないのでは?

ところで、一つ気になったことがありまして。

根抵当権になっている

FUELサイトの案件説明ページで、担保の説明で抵当権ではなく根抵当権になっているのです。

根抵当権にしているってことは、この物件を担保に再度お金を貸す可能性があるということです。

リファイナンス前提では?

ってことは、

  1. 今回の案件の運用期間終了時に
  2. 借りた元本をすべて返し
  3. 再度FUELでお金を集めて
  4. また借りる

つまりリファイナンスを前提にしている。

前提にはしていないまでも、その可能性を織り込んでいるのではないでしょうか?

そう考えると、そこまで心配はいらないのかもしれません。

タロウさん
タロウさん

僕の推測です!

FUEL保育園案件の投資判断

それでは最後にFUEL保育園案件に投資するかの判断です。

 

パスします

理由は読者諸兄姉ご推察の通りです。

  • 運用期間:23カ月

運用期間が12カ月を超えたら、僕はオートマチックスルーです。

物件の内容を見る前に、運用期間を見た時点でパスが決定しました。笑

右田さん
右田さん

頑固だねぇw

 

さくらさくをどう見るか次第

運用期間は気にならない人はどうすべきか?

HITOWAから保育料は入り続ける

まず、HITOWAは賃貸契約が10年以上残っているので、恐らく保育所の運営を継続するでしょう。

横浜で激烈少子化でも進まない限り、保育料が入ってくるので家賃も払うはず

となると、さくらさく次第です。

問題なしの可能性が高い

保育所不動産を所有して大家さん商売を続けるならば、2年後にリファイナンスなので問題なし

売却する場合はLTVが90%近いので、売却損が出る可能性はあります。

その場合もマザーズ上場企業で足元の経営状態も悪くないので、元本は全額返済すると思います。

左野くん
左野くん

さすが上場企業。

さくらさくの2年後次第

ただし、さくらさくが2年後に経営が傾いていないことが前提です。

傾いていたら、無い袖は振れないで元本割れの可能性が出てきます。

さくらさくの2年後を満開と見るならば投資OK、五分咲きならば躊躇、葉桜になっていそうならばパスってところかと。

さくらさくの2年後はどうなのか?

みなさん、考えてみてください。

タロウさん
タロウさん

桜は咲くか?

 

FUELの案件増を期待

さて、これでFUELオンラインファンドの案件募集は3回となりました。

時期 利回り 運用期間 募集総額 借り手
2020年12月 2.5% 24カ月 3,000万円 東証一部
2021年1月 2~5% 6カ月 5,000万円 東証一部
2021年5月 3% 23カ月 2億4,000万円 マザーズ

借り手がすべて上場企業系というのが安心できるポイントですよね。

今回は2億円を超える大型案件。

ついにFUELが本格稼働するようです。

次回の案件にも期待しましょう。

タロウさん
タロウさん

上場系は安心です!

●公式サイト:FUELオンラインファンド

コメント

上場企業系

ソーシャルレンディング、不動産クラウドファンディングで「上場企業系」とは、運営会社やその親会社が上場企業であることを指します。

上場企業は信用力が高いことから、上場企業系の業者が運営するソシャレン、不動産クラファンは信頼性、安全性が高いと考える投資家が多いです。

ただし、「上場企業系=100%安全」とは限らないので注意が必要です。

貸付金利

ソーシャルレンディングでは投資家から集めたお金を企業などに貸し、得られた利益を投資家に分配します。

例えば、企業に7%で貸し、ソシャレン業者が利益を2%取り、5%を投資家に分配します。

ソーシャルレンディングの貸付金利の説明図

企業に貸す際の金利(上図の7%)が貸付金利です。

上場企業系

ソーシャルレンディング、不動産クラウドファンディングで「上場企業系」とは、運営会社やその親会社が上場企業であることを指します。

上場企業は信用力が高いことから、上場企業系の業者が運営するソシャレン、不動産クラファンは信頼性、安全性が高いと考える投資家が多いです。

ただし、「上場企業系=100%安全」とは限らないので注意が必要です。

運用と運用期間

不動産クラウドファンディングにおいて運用とは、投資家から集めた資金で取得した不動産を、賃貸したり売却したりすることで利益を生み出すことをいいます。

運用を行う期間は案件ごとにあらかじめ決められており、これを運用期間といいます。

マスターリース契約

不動産クラウドファンディングでは投資家の資金で不動産クラファン業者が物件を取得し、入居者から家賃を得ます。

しかし、入居者が見つからなければ家賃が入らず、投資家が分配金を得られなくなります。

そこで、不動産クラファン業者が不動産業者と次のような契約を結びます。

  1. 不動産クラファン業者が不動産業者に部屋を貸す
  2. 不動産業者が入居者に部屋を貸す
  3. 入居者が見つからなくても不動産業者は毎月の家賃を不動産クラファン業者に払う

マスターリース

これがマスターリース契約です。

マスターリース契約により投資家は入居者が見つからないリスクから隔離され、投資の安全性が向上します。

部分当選

ソーシャルレンディングと不動産クラウドファンディングの募集には、早い者勝ちの先着方式の他に、応募した人の中から投資できる人を抽選で決める抽選方式があります。

抽選方式では、50万円で応募して当選したら50万円投資できるのが基本です。

しかし、50万円の内、30万円分だけ当選する(=30万円だけ投資できる)こともあります。

これが部分当選です。

当選者の最後の1人が残額を割り当てられて部分当選になる場合の他、多くの人を当選にするために業者が全員を部分当選にする場合などがあります。

借り手企業

ソーシャルレンディングでは投資家から集めたお金を、ソシャレン業者が企業に貸します。

ソーシャルレンディングの仕組み

案件の募集で集められた投資家のお金を借りるのが借り手企業です。

借り手企業が倒産したり返済不能になると、投資家のお金が戻ってこない場合があります。

ソーシャルレンディングのリスク

ですので、ちゃんと返済できるのか?ソーシャルレンディングでは借り手企業の見極めが非常に重要です。

満室賃料

満室賃料とは、その物件が満室の場合に得られる想定賃料のことです。

全4室の1棟アパートで、各部屋の賃料が以下の場合、

  • 101号室:4.5万円
  • 102号室:4.5万円
  • 201号室:5.5万円
  • 202号室:5.5万円

満室賃料は月間20万円、年間240万円です。

空室リスク

空室リスクとは投資対象物件に入居者がつかず、空室で家賃収入を得られなくなるリスクです。

匿名組合型と任意組合型

不動産クラウドファンディングを含む不動産特定共同事業は、主に匿名組合型と任意組合型に分かれます。

主な違いは一般に下表の通りです。

匿名組合型 タイプ 任意組合型
匿名組合契約 契約 任意組合契約
なし 物件の所有権 あり
少なめ 最低出資額 多め
短め 運用期間 長め
有限責任 責任 無限責任
雑所得 所得区分 不動産所得

物件が倒壊して隣接する建物に被害が及んだ場合、任意組合型では出資額を超えて賠償責任が発生します。

匿名組合型の場合は責任範囲は出資額が上限であり、最悪でも全損で済みます。

任意組合型は所得区分が不動産所得で有利なため、相続など節税対策に使われることが多いです。

不動産クラファンではほとんどの案件が匿名組合型です。

不動産特定共同事業

不動産特定共同事業は次のような事業です。

  1. 複数の投資家から出資を受け
  2. 集まった資金で不動産を取得、運用し
  3. 得られた利益を投資家に分配する

多くの場合、1億円の1棟マンションを100口の持ち分に分割し、1口100万円で販売するといった、不動産小口化商品の形を取ります。

不動産特定共同事業のうち、募集などをインターネットを使って行うのが不動産クラウドファンディングです。

不動産小口化商品

不動産小口化商品は不動産を小口の持分に分割して販売する不動産投資商品です。

例えば、1億円の1棟マンションを1口100万円の持分100口に分割し、1口単位で販売します。

仮にこのマンションで1,000万円の利益が出た場合、1口投資した人は10万円、5口投資した人は50万円を得るイメージです。

不動産クラファンの場合、持分には利益の分配を受ける権利が含まれますが、物件の所有権は含まれません。

 

デポジット口座

デポジット口座とは業者内で投資家ごとに設置されるお財布のようなものです。

デポジット口座方式の業者では、投資家は事前に銀行から業者にお金を振り込み、そのお金は業者内のデポジット口座で保管されます。

デポジット口座

そして、デポジット口座のお金で案件に投資します。

また、分配金や償還された元本はデポジット口座で保管され、投資家が必要なときに出金申請し、自分の銀行口座に引き出します。

デポジット口座

 

売却リスク

不動産において、物件が予定通りの価格で売却できない、もしくは、売却そのものができない可能性を売却リスクといいます。

売却リスクが現実化すると、投資家には次のような不利益が生じる場合があります。

  • 分配金が予定額を下回る
  • 分配を受けられない
  • 元本の一部が戻ってこない
  • 元本のすべてが戻ってこない

流動性

不動産において、売買のしやすさや、現金化のしやすさを流動性といいます。

都心の一等地など需要が高く売りやすい物件は「流動性が高い」、逆に農村の空き家など需要が低く売りにくい物件は「流動性が低い」です。

譲渡

ソーシャルレンディング、不動産クラウドファンディングで自分の出資持分(利益の分配や元本の償還を受ける権利)を、第三者に譲り渡すことを譲渡といいます。

例えば、〇〇FUNDINGで10万円投資し、それを第三者(〇〇FUNDINGを含む)に10万円(もしくはそれ以外の金額)で買い取ってもらうイメージです。

入金と出金

投資するお金をソシャレン、クラファン業者の銀行口座に振り込むことを入金といいます。

運用が終わったお金が業者から投資家の銀行口座に振り込まれることを出金といいます。

元本

ソーシャルレンディングや不動産クラウドファンディングで、投資家が出資(投資)したお金のことを元本といいます。

リフォームとリノベーション

リフォーム、リノベーションともに、住宅の改修や改築を指します。

両者の違いはリフォームは「元の状態に戻す」ことであり、例えば壁の張替えや外壁の塗替えはリフォームです。

対して、リノベーションはリフォームよりも大がかりな改修、改築を行うことで「住宅の機能や価値を高める」ことを指します。

例えば、床暖房の新設や、壁を撤去して広々としたLDKへの間取りの変更はリノベーションです。

リフォームが老朽化で800万円に下がった物件の価値を元の1,000万円に戻すのに対し、リノベーションでは機能を付加して1,200万円に高めるイメージです。

分配と分配金

ソーシャルレンディングや不動産クラウドファンディングで、運用で得られた利益を投資家に支払うことを分配といいます。

また、支払われる利益を分配金と呼びます。

案件

ソーシャルレンディングや不動産クラウドファンディングで、募集される1つ1つの投資商品のことを案件と呼びます。

この用語は次のように使われます。

  • 〇〇業者から新しい案件が出た
  • 今度の案件は利回りが高い
  • 先週は△△案件に10万円投資した
  • □□業者は先月は3案件募集があった
  • ◇◇案件に応募したが抽選で落選した

すいません、上手く説明できなくて。

区分マンション

マンションを部屋単位で購入し投資する場合、「区分マンションに投資する」といった表現をします。

対して、1棟単位で購入、投資する場合は「1棟マンションに投資する」といいます。

独立した部屋1つ1つが区分マンションであり、面積や間取りを問いません。

ワンルームでも4LDKでも区分マンションです。

大島てる

大島てるは全国の事故物件情報を掲載するウェブサイト、及び、そのサイトを運営する会社の名称です。

先着方式と抽選方式

ソーシャルレンディングと不動産クラウドファンディングの募集方式は2つあります。

一つは募集開始と同時によ~いどんで早い者勝ちで投資できる人が決まる先着方式です。

もう一つは募集期間中に応募した人の中から抽選で投資できる人を決める抽選方式です。

成立前書面

成立前書面(契約成立前書面、契約締結前交付書面)は、ソーシャルレンディングや不動産クラウドファンディングで案件に応募する前に確認する書類です。

確認することで応募できるようになります。

成立前書面の確認画面

案件の詳細情報や契約内容などが書かれており、契約書に相当するものだと考えてください。

多くの業者で募集開始前から確認が可能です。

サイトに書かれていない情報も多いので、事前に必ず確認することを強くおすすめします。

モニタリング

ソーシャルレンディングにおいてモニタリングとは、借り手が融資契約を守れるか、ソシャレン業者が監視することをいいます。

業者によって異なりますが具体的な作業としては、定期的な借り手企業の訪問、経営者などへのヒアリング、財務書類のチェックなどがあります。

定期的にモニタリングを行うことで借り手の異常などを早期に察知し、貸し倒れを防ぐことができます。

このため、業者のモニタリングの実施とその精度は投資家にとって重要です。

あと入金と事前入金

投資するお金を業者に入金する方法は2つあります。

一つは先着や抽選の結果、投資できることが決まってから業者の口座に振り込むあと入金方式です。

もう一つは募集開始前に業者のデポジット口座への入金が必要な事前入金方式です。

デポジット口座

デポジット口座のお金は応募した案件への出資に充当されます。

ただし、抽選に落選などで投資できなくなると、入金したお金がデポジット口座で寝ることになります。

さらに、このお金を自分の口座に出金する際の振込手数料が投資家負担の業者もあります。

投資家にとってはあと入金の方が有利です。

 

早期償還

ソーシャルレンディングで借り手が予定より早く返済したり、不動産クラウドファンディングで物件が予定より早く売れることがあります。

そういった理由で案件の運用が予定より短い期間で終わり、業者が元本を予定より早く投資家に返すことを早期償還といいます。

例えば、運用期間12カ月の予定が6カ月で早期償還になると、受け取る分配金は基本的に半分になります。

ネガティブに捉えられがちですが、業者が確実に返済できる借り手、売れる物件を選んで案件を組成した証でもあります。

分配原資

分配原資とは分配金の出どころのことです。

例えば、入居者から得る家賃から投資家に分配金を払う場合、分配原資は家賃です。

家賃はインカムゲインですので、分配原資はインカムゲインとも表現できます。

組成

案件を作ることを組成といいます。

  • 投資対象は緑町ハイツ102号室で
  • 利回りは4.5%で
  • 運用期間1年
  • 募集総額2,300万円の案件を作る

こうやって案件が出来上がります。

組成 → 募集 → 運用開始 → 運用終了 → 償還

ソーシャルレンディング、不動産クラウドファンディングの案件はこのような流れで運営され、その最初の段階が案件の組成です。

元本毀損

元本毀損(元本割れ)とは投資したお金の一部、または、すべてが戻ってこなくなることです。

例えば、不動産クラウドファンディングで2,000万円で取得した物件が1,500万円でしか売れなかった場合、元本の一部が戻ってこないことがあります。

また、取得した物件が地震で倒壊し売れなくなった、ソーシャルレンディングで借り手企業が倒産したなどで、元本の全額が戻ってこないこともありえます。

クラファン案件の管理手数料

不動産クラファンで区分マンションなどが投資対象になる場合、物件の入居者募集や家賃徴収といった管理業務が行われます。

これらの業務は業者または外部の不動産業者が代行し、そこでは管理手数料が発生します。

案件の利回りはこういった手数料や経費も差し引いた上で計算されたものです。

ですので、投資家が管理手数料を別途支払う必要はありません。

優先出資と劣後出資

不動産クラファンでは一般に投資家と業者が共同で出資し、物件を取得します。

例えば、投資家が2,400万円、業者が600万円出資し、3,000万円の物件を取得するといった感じです。

出資者 出資額
投資家(優先出資) 2,400万円
業者(劣後出資) 600万円
出資総額 3,000万円

この時、投資家分の出資を優先出資業者分の出資を劣後出資といいます。

なぜ、そのような言い方をするのかなど、詳しくは下記記事を参照してください。

優先劣後出資方式と劣後出資比率

キャピタルゲイン型

不動産クラファンの案件は大きくキャピタルゲイン型とインカムゲイン型に分かれます。

投資対象物件を売却した際の売却益を分配原資(分配金の出どころ)とする案件がキャピタルゲイン型です。

一方のインカムゲイン型は運用期間中の家賃収益を分配原資とします。

なお、売却益と家賃収益の両方を分配原資とする併用型の案件もあります。

自社買取

不動産クラファンでは運用期間の最後に物件を不動産投資家など第三者に売却するのが一般的です。

しかし、何らかの事情で売却できなかった場合、自社で物件を買い取ることがあります。

売却できずに元本が戻ってこないところが、業者が買い取ることで元本が戻ってくることになるので、自社買取は投資家にとってメリットです。

インカムゲイン型の案件では、最初から自社買取の予定で案件を組成することもあります。

劣後出資比率

不動産クラファンでは一般に投資家と業者が共同で出資し、物件を取得します。

例えば、投資家が2,400万円、業者が600万円出資し、3,000万円のマンションを取得するといった感じです。

このとき、出資総額に対する業者分の出資額の比率を劣後出資比率といいます。

さきほどの例では20%です。

出資者 出資額 出資比率
投資家 2,400万円 80%
業者 600万円 20%
合計 3,000万円

そして、劣後出資比率が高いほど安全性が高まります。

右田さん
右田さん

数字が大きいほど安全だよ。

なぜ高いほど安全なのか?

詳しくは下記記事を参照してください。

優先劣後出資方式と劣後出資比率

償還

案件の運用が終わり、業者が元本を投資家に返すことを償還といいます。

クリック合戦

募集が先着方式の案件では、投資できる人が決まるのは早い者勝ちです。

このため、人気の案件では募集開始と同時に応募が殺到します。

この状態をクリック合戦といいます。

信託受益権

信託受益権とは信託財産から発生する利益を受け取る権利のことです。

詳しくは↓こちらの記事を参照してください。

信託受益権とは?(別タブで開く)

信託受益権とは?(今開いているタブで開く)

抵当権と根抵当権と極度額

抵当権とは借り手が返済できなくなった時に担保を売却し、その代金から他の債権者に優先して返済を受ける権利です。

抵当権は1つの借り入れに対して設定されるため、返済時点で消滅します。

これに対し根抵当権ではあらかじめ融資の上限額を設定し、その範囲内であれば何度でも融資と返済が可能です。

その都度、抵当権の設定登記を行う必要がないため、企業への融資などでよく利用されます。

極度額は根抵当権の融資上限額のことです。

債務履行

まず、「債務」とは他人に対し何らかの行動を行う義務のことです。

そして、債務を実際に行うことを債務履行といいます。

ソーシャルレンディングの場合、借り手(債務者)が利払いや元本の返済をすることや、連帯保証人が借り手に代わってそれらを行うことが債務履行にあたります。

逆に、借り手が経営悪化などに至り、利払いや元本返済をしない(できなくなる)ことが債務不履行です。

LTV

ソーシャルレンディングで使われる用語で、担保評価額に対する融資額の割合をいいます。

例えば、1億円の土地を担保に8千万円を融資する場合、LTVは80%です。

担保が評価額通りに売れるとは限らないため、LTVの数字が小さいほど安全性が高いとされます。

資金使途

ソーシャルレンディングで業者から借りたお金を借り手が何に使うかを資金使途といいます。

延滞

ソーシャルレンディングで借り手が期限内に返済できなくなることを延滞といいます。

また、ソシャレン、不動産クラファンで分配金の支払いや元本の償還が予定より遅れている状態を延滞と呼ぶことがあります。

業者や投資家によっては「遅延」という表現が使われることもありますが、意味は同じです。