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金融庁がソーシャルレンディングの規制強化へ

金融庁がソーシャルレンディングの規制強化へのタイトル画像

金融庁がソーシャルレンディングの規制を強化します。

新規制を盛り込んだ金融商品取引法の改正案を今国会に提出するようです。

この件について僕の考えを述べます。

なお、僕は金融庁が大っきらいです!笑

かなりバイアスがかかった内容ですのでご了承ください。

タロウさん
タロウさん

憎っくき金融庁!

この記事の著者
投資家・ブロガー
タロウ

ソーシャルレンディング、不動産クラウドファディング専門の投資家です。
2018年にソシャレン・クラファン投資を始め、これまで400件を超える案件に2億円以上を投資し損失ゼロ。
安全性を最重視した投資情報を発信しています。

ソシャレン規制強化の概要

ソシャレン規制強化の概要のタイトル画像

まず最初に、どのように規制が強化されるかです。

 

日経新聞が報道

今回の規制強化は2023年3月8日付の日本経済新聞で報じられました。

本記事はその内容をもとに書いています。

ネット融資仲介、ずさん運用にメス 金融庁が新規制 - 日本経済新聞
...

 

ソシャレン規制強化の内容

上掲日経記事によると以下のような規制強化が実施されるようです。

  • 運用成績などを示した「運用報告書」の交付を業者に義務付け

報じられた内容はこれだけです。

現時点では概要であり、詳しい内容はこれから出てくるのでしょう。

左野くん
左野くん

期待できそうなの?

規制強化には期待できない

規制強化には期待できないのタイトル画像

金融庁嫌いのバイアスかかりまくりですが、今回の規制強化案は期待できるものとは思えません。

 

何を今さら!

まず、期待以前に「何を今さら!」が、この報に接したソシャレン投資家の一致した感想ではないでしょうか?

 

5年もかかったのか?

読者諸兄姉はご存知の通り、グリーンインフラレンディングに端を発するmaneoファミリーでの大破綻劇が起きたのは2018年です。

グリーンインフラレンディングのサイト画像

それから5年もかかってようやく規制強化かい!

時間かかり過ぎるにもほどがあると思いきや、実はそうではありません。

 

検討開始は2021年秋

2022年6月7日付の時事通信によると、金融庁がソーシャルレンディングの規制強化の検討を始めたのは2021年秋のようなのです。

ソーシャルレンディングをめぐり金融庁は昨年6月、投資先の資金流用を見逃していたとして、ネット金融大手SBIホールディングスの子会社に1カ月間の業務停止命令を出した。この問題を受け、同庁は昨年秋から金融審議会の作業部会で規制強化に向けた議論を始めていた

2021年3月に起きたSBI-SL事件を受けて、同年秋から規制強化の議論を始めたとのこと。

事実、金融審議会の市場制度ワーキング・グループの議事録に「ソーシャルレンディング」の文字が初めて登場するのは2021年12月です。

 

グリフラ事件では規制強化は出なかった

つまり、2018年のグリフラ事件では規制強化はしなかった。

だが、2021年にSBI-SL事件が起こったので、ようやく規制強化に乗り出したということではないでしょうか?

だったら、グリフラのあとでさっさと規制強化に動いとけよ。

そうしておけばSBI-SL事件も防げたかもしれないじゃん。

規制強化まで踏み込まなかった当時の金融庁の判断の誤りじゃないの?

そういう指摘はあって然るべきかと思います。

右田さん
右田さん

金融庁が甘かった!

 

一定の理解はするが

ただ、これについては金融庁にも言い分があると思います。

ワーキング・グループの議事録では、金融庁職員による次のような発言が散見されます。

規制強化をするとしても、イノベーションを過度に阻害することにならないように慎重に検討していただきたい。

ソーシャルレンディングだけでなく仮想通貨もですが、金融庁は新しい技術の導入に比較的積極的だと感じます。

過度に規制することでソシャレンの発展を妨げたくないという考えがあった。

それゆえ、2018年段階では規制強化は行わなかったということであれば、それには一定の理解が示されて良いと思います。

タロウさん
タロウさん

仮想通貨に積極的なのは支持します!

 

運用報告書の導入で被害防止はできない

ただ、それは別として今回の規制強化案でソシャレンでの事故発生を防ぐのは難しいと考えます。

 

運用報告書とは?

今回の日経記事では「運用報告書」の交付を義務付けるとしています。

ファンド業者に運用成績などを示した「運用報告書」を交付するよう義務付ける。ウソの資金使途をうたい、出資者をだますずさんな業者が出ておりメスを入れる。

この運用報告書とはどのようなものなのでしょうか?

 

業者の過去実績の報告書

可能性の一つは業者の通算実績の報告書です。

例えば、Fundsの運営開始から現在までの全案件累計での運用成績の報告書。

仮にそうであるならば、報告書の義務付けで投資家の被害を防ぐことは100%不可能です。

なぜならば、これまで無事故であることは、これからも無事故であることの保証にはならないからです。

左野くん
左野くん

確かに!

グリフラもクラリもトラレンも事故を起こすまでは無事故だったじゃないですか?

無事故実績で投資家を安心させて、資金を集めるだけ集めたところで事件を起こす。

悪意ある業者に無事故実績が悪用されるので、むしろ害があります。

そういう運用報告書であるならば義務付けないでほしいです。

タロウさん
タロウさん

悪夢がまた繰り返される…

 

個別案件ごとの報告書

もう一つの可能性として個別案件ごとの運用報告書が考えられます。

現在運用中の案件について、定期的に運用成績を投資家に報告する。

または、案件の運用が終わるたびに運用成績を報告する。

これであっても問題解決にはなりません。

なぜならば、これまで起きた事件の大半で、業者、または借り手による虚偽があったからです。

運用報告書を義務付けたところで、その正確性が担保されないならば、なんら実効性はありません。

「役所としては義務付けてましたよ~」というエクスキューズのネタができるだけです。

右田さん
右田さん

悪意ある見方w

 

金商法の改正で対応できるのか?

今回の規制強化で最大の問題は金融商品取引法の改正で対応しようとしていることです。

 

借り手の匿名化

日経記事は今回の記事を以下のように締めています。

投資家は高利回りの情報だけで判断せず、貸付先の名称や所在地、資金使途などを確認する必要がある。

これは100%正しいです。

しかし、金融庁が規制強化を金商法の改正で対応しようとしている限り、これを実現するのは不可能です。

なぜならば、「借り手の匿名化」が残るからです。

借り手の匿名化とはソーシャルレンディングにおいて借り手が誰であるかを明示しないことです。

いまでも、複数の業者で匿名化が行われています。

左野くん
左野くん

悪名高き匿名化…

 

借り手匿名化の経緯

2012年に日本でソーシャルレンディングが誕生した当初、借り手は匿名化されていませんでした。

例えばOwnersBookの初期の案件は債権者名だけでなく担保物件の名称や所在地も公開されていました。

それが変わったのが2014年です。

ソシャレンでは投資家が間接的に借り手にお金を貸す形になっています。

これが貸金業務に当たるとなると、我々個々の投資家が貸金業者の登録をしなければならなくなります。

タロウさん
タロウさん

無理っす!

そこで、金融庁は「投資家に借り手が誰か分からないようにする」など3条件を満たす場合、ソシャレンでの投資家の行為は貸金業に当たらないとの見解を示しました。

匿名化していればソシャレンOKということです。

これがいわゆる2014年に行われた匿名化の指導です。

 

匿名化を悪用した不正が発生

しかし、この匿名化によって業者は借り手を隠すことが可能になりました。

その結果、みんなのクレジットやラッキーバンク、そしてグリフラなどで、自社の関連企業などへの不透明な融資が行われた。

匿名化を悪用した不正が多発し、多くの投資家が被害を受けたことは周知の通りです。

 

匿名化解除へ

グリフラ事件発生以前から匿名化は問題視されていました。

そして、2018年2月の内閣府規制改革推進会議を経て、同年6月に決定された規制改革実施計画に匿名化解除が盛り込まれました。

そして翌2019年3月、ついに匿名化解除が実現されたのです。

 

匿名化は残る

ただしその際、匿名化自体は残りました。

「投資家と借り手の接触を禁止するなど」の3条件を満たせば借り手を明示しても良いと、条件付きで匿名化解除が認められた一方、従来の匿名化も残ったのです。

つまり、現在のソシャレン案件は次の2つが併存しています。

  • 条件を満たさず匿名化
  • 条件を満たして匿名化解除

 

匿名化禁止はできない

上述の通り、匿名化はソシャレンの大きなリスクです。

では匿名化を全面禁止できるのか?

匿名化解除によるデメリットは別の議論として、現在の枠組みでは不可能です。

なぜならば、ソシャレンは貸金業法を根拠法としているからです。

これは2018年に新経連が出したクラウドファンディングに係る規制改革要望で明確に指摘されていますが、ソシャレンを想定して制定されていない貸金業法にソシャレンを当てはめたことに無理がありました。

不動産クラファンにおける不特法のように、専用の法令を制定すべきでした。

そんなことは野良ブロガーの僕ごときに言われるまでもなく、金融庁の役人が一番よく分かっているはずです。

金商法をいくら改正したところで、貸金業法を根拠法としている以上、投資家が貸金業を業として行っていない形にする必要がある。

そしてその必要性を2018年に匿名化の指導で認めてしまった以上、金融庁は今さら「必要なしでOKっすよ~」とは口が裂けても言えない。

貸金業法ベースでOKとこれまでしてきた以上、専用の法令を制定するわけにもいかない。

これからも金商法の改正でしのぐしかなく、匿名化は永遠に残り続ける

それゆえ、日経記事が指摘する「貸付先の名称や所在地、資金使途などを確認」は、匿名化された案件では不可能な状態が続くでしょう。

右田さん
右田さん

ウィズ匿名化が続く…

 

初期対応の誤りが永遠の禍根として残る

ということで、後半ダラダラになってしまいましたが、ソシャレン規制強化について解説しました。

日本でのソシャレン誕生から10年以上が経ちましたが、匿名化がいまだにソシャレンのアキレス腱として残っています。

金融庁がどういう理由でソシャレンを貸金業法に当てはめようとしたのか、もちろん僕には分かりません。

もし最初の段階で誰かがその無理を指摘し、別途法律を制定する、または将来制定できる余地を残しておけば。

そうすればユウノシンさんをはじめ多くの犠牲者を出さずに済んだし、今回の規制強化もより有効なものにできたでしょう。

最初のミスがいまだに響いている。

残念で仕方ありません。

タロウさん
タロウさん

犠牲者の無念は活かされず…

コメント

繰り上げ当選

抽選方式の案件で業者が当選者に連絡し、入金をお願いした。

ところが、3人の当選者が気が変わって入金しなかったため、合計400万円が浮いてしまった。

この場合、多くの業者では再抽選を実施し、400万円分の投資家を新たに当選とします。

これが繰り上げ当選です。

なお、繰り上げ当選では応募額の一部だけが当選の部分当選になる場合があります。

当選者 応募額 当選額
山田さん 150万円 150万円
田中さん 200万円 200万円
中山さん 100万円 50万円
合計 400万円

 

会員登録(口座開設)

ソーシャルレンディングと不動産クラウドファンディングでは、各業者で会員登録をすることで、投資できるようになります。

Amazonでアカウント登録をすると、Amazonで買い物ができるようになりますよね?

それと同じだと考えてください。

口座開設」という表現を使っている業者もありますが、意味は会員登録と同じです。

繰り上げ当選

抽選方式の案件で業者が当選者に連絡し、入金をお願いした。

ところが、3人の当選者が気が変わって入金しなかったため、合計400万円が浮いてしまった。

この場合、多くの業者では再抽選を実施し、400万円分の投資家を新たに当選とします。

これが繰り上げ当選です。

なお、繰り上げ当選では応募額の一部だけが当選の部分当選になる場合があります。

当選者 応募額 当選額
山田さん 150万円 150万円
田中さん 200万円 200万円
中山さん 100万円 50万円
合計 400万円

 

途中解約

ソーシャルレンディングや不動産クラウドファンディングでは投資を行う期間、言い換えると、業者にお金を渡して戻ってくるまでの期間が事前に決まっています。

その期間の途中で契約を破棄し、お金を返してもらうのが途中解約です。

ソシャレン、クラファンともにほとんどの業者で途中解約は認められていません。

途中解約ができるのは大家どっとこむなどごく一部です。

基本的に運用期間が終わるまでお金は戻ってこないと考えてください。

キャンペーン

ソーシャルレンディングと不動産クラウドファンディングでは、投資額などに応じてプレゼントなどがもらえるキャンペーンを業者が開催することがあります。

例えば次のようなものです。

  • 会員登録でアマゾンギフト券1,000円分プレゼント
  • 10万円以上の投資で投資額の1%分のアマゾンギフト券を贈呈
  • 投資した人の中から抽選で50名に高級焼肉セットをプレゼント

最新のキャンペーン情報は下記記事にまとめています。

最新のキャンペーン情報

デビュー案件

業者が運営を開始後、初めて募集する第1号案件のことを、このブログではデビュー案件と呼んでいます。

このブログが独自に使っている用語であり、一般用語ではありません。

デビュー案件は一般に安全性、利回りともに高いことが多いです。

また、運営開始直後で会員がまだ少ないため、競争率が低く投資しやすいです。

デビュー案件はおすすめだと僕は思っています。

軍用地案件

軍用地案件はソーシャルレンディングのPocket Fundingが扱っている案件です。

担保が投資用不動産として人気が高い軍用地であるため、元本をほぼ確実に回収できることから、安全性が非常に高い人気の案件です。

なぜ、軍用地案件で元本をほぼ確実に回収できるのかは、この狭いスペースでは説明できません。

3分で読めますので、こちらの記事を参照してください。

軍用地案件の安全性が高い理由

1棟アパート、1棟マンション

不動産クラウドファンディングで「1棟アパート、1棟マンション」という表現を使う場合、アパートやマンション丸々1棟が投資対象であることを表します。

逆に投資対象が部屋単位である場合は「区分マンション」という表現を使います。

(区分アパートというのは聞いたことがありません)

海外案件

ソーシャルレンディングでは投資家のお金を借りるのが海外の企業であったり、借り手が日本企業であっても資金使途が海外企業への出資であるなど、投資家のお金の最終的な行先が海外である案件を海外案件といいます。

不動産クラファンでは投資家のお金で取得するのが海外の不動産である案件を海外案件といいます。

一般に海外案件は利回りが高い一方、海外ゆえにリスクが高くなることが多いです。

投資においてリターンとリスクはワンセットであり、ハイリターン・ローリスクはありえません。

初心者は海外案件には手を出さないことを強くおすすめします。

分散投資

ソーシャルレンディングや不動産クラウドファンディングで分散投資とは、利用する業者や投資する案件、案件のタイプなどを集中させず、複数に分ける投資手法のことです。

例えば、ソシャレンで1つの業者だけを使っている場合、その業者が倒産するとすべての資産を失うことになります。

また、不動産クラファンで東京の物件だけに投資していると、東京の地価の下落が全投資額に影響を及ぼしますよね?

分散投資をすることで大きな被害を防ぎ、万が一の場合でも被害を小さく済ませることができます。

事故

ソーシャルレンディングや不動産クラウドファンディングで分配金の支払いや元本の償還が遅れたり、元本が戻ってこなくなるなどのトラブルを、このブログでは「事故」と表現しています。

業者

ソーシャルレンディングや不動産クラウドファンディングの運営会社のことを、このブログでは「業者」と呼んでいます。

FundsやCREAL、バンカーズ、いずれも業者です。

Fundsのサイトの画像

「事業者」という表現を使っているメディアもあります。

満了

ソーシャルレンディングや不動産クラウドファンディングで募集額満額の応募が集まることを、このブログでは「満了」と表現しています。

募集額1億2千万円の案件で、応募が1億2千万円集まった状態が満了です。

満了のイメージ画像

「完売」という表現を使っているメディアもあります。

担保順位

1つの担保に複数の貸し手がいる場合の、貸したお金を回収する優先順位のことです。

例えば、評価額1億円の土地を担保に3者が下のように融資したとします。

担保順位 貸し手 融資額
第一順位 悪徳銀行 6千万円
第二順位 腹黒信金 2千万円
第三順位 山田さん 1千万円

借り手が返済できなくなり担保を処分するも、8千万円でしか売れなかった。

この場合、まず悪徳銀行が6千万円を回収、次に腹黒信金が2千万円を回収します。

第三順位の山田さんは1円も回収できません。

ソシャレン業者の担保順位が低い場合は注意が必要です。

源泉徴収税

ソーシャルレンディングや不動産クラウドファンディングでは、業者が20.42%の所得税を引いてから投資家に分配金を支払います。

この20.42%の所得税のことを源泉徴収税といいます。

引かれた源泉徴収税は業者が税務署に納めます。

壁芯面積

マンションの部屋の面積を測る際に、壁の中心線を基準に出した面積を壁芯面積といいます。

一方、我々が普通に使う壁の内側の線を基準に出した面積は内法面積です。

壁芯面積と内法面積の説明図

1口単位と最低口数

1口単位とは投資できる金額の単位です。

例えば1口=10万円の案件では、20万円、70万円と10万円単位で投資できます。

ですが、13万円や99万円では投資できません。

最低口数とは投資する際に最低限必要な口数です。

例えば以下の案件の場合、

  • 1口単位:1万円
  • 最低口数:2口

最低2万円から1万円単位で投資できます。

右田さん
右田さん

2万円の次は3万円だよ。

こんな感じに別ウィンドウが開き、ここで用語の解説などをします。

右下の「close」か別ウィンドウの外の部分をタップすると、別ウィンドウが閉まり記事に戻ります。

不成立

不成立とは案件の募集を行ったが、事情により案件を実行できなくなることです。

例えば、応募が最低成立金額に達しない場合、案件を実行できず不成立となります。

また、不動産クラファンで応募は順調に集まっていたものの、取得予定だった不動産に不備が見つかったため取得が中止になり、案件が不成立となることもありえます。

逆に成立は応募が集まり案件を実行できるようになることです。

最低成立金額

例えば、ソーシャルレンディングで「投資家から5千万円集めて企業に貸す」という案件があるとします。

この案件を募集して10万円しか集まらなかったら、ぜんぜん足りないので貸せませんよね?

でも、不足が数百万円ならば、その分は業者が自社で資金を出して合計5千万円とし、企業への融資を実行できるかもしれません。

そこで、業者が募集の際に「4千万円以上集まれば、満額集まらなくても不足分は自社で負担して融資を実行します」と約束します。

この場合の4千万円が最低成立金額です。

つまり、最低これだけ集まれば案件を実行しますよというラインのことです。

貸付金利

ソーシャルレンディングでは投資家から集めたお金を企業などに貸し、得られた利益を投資家に分配します。

例えば、企業に7%で貸し、ソシャレン業者が利益を2%取り、5%を投資家に分配します。

ソーシャルレンディングの貸付金利の説明図

企業に貸す際の金利(上図の7%)が貸付金利です。

上場企業系

ソーシャルレンディング、不動産クラウドファンディングで「上場企業系の業者」とは、業者自身やその親会社などが上場企業である業者を指します。

上場企業は信用力が高いことから、上場企業系の業者が運営するソシャレン、不動産クラファンは信頼性、安全性が高いと多くの投資家に認識されています。

ただし、「上場企業系=100%安全」とは限らないので注意が必要です。

運用と運用期間

不動産クラウドファンディングにおいて運用とは、投資家から集めた資金で取得した不動産を、賃貸したり売却したりすることで利益を生み出すことをいいます。

運用を行う期間は案件ごとにあらかじめ決められており、これを運用期間といいます。

マスターリース契約

不動産クラウドファンディングでは投資家の資金で不動産クラファン業者が物件を取得し、入居者から家賃を得ます。

しかし、入居者が見つからなければ家賃が入らず、投資家が分配金を得られなくなります。

そこで、不動産クラファン業者が不動産業者と次のような契約を結びます。

  1. 不動産クラファン業者が不動産業者に部屋を貸す
  2. 不動産業者が入居者に部屋を貸す
  3. 入居者が見つからなくても不動産業者は毎月の家賃を不動産クラファン業者に払う

マスターリース

これがマスターリース契約です。

マスターリース契約により投資家は入居者が見つからないリスクから隔離され、投資の安全性が向上します。

部分当選

ソーシャルレンディングと不動産クラウドファンディングの募集には、早い者勝ちの先着方式の他に、応募した人の中から投資できる人を抽選で決める抽選方式があります。

抽選方式では、50万円で応募して当選したら50万円投資できるのが基本です。

しかし、50万円の内、30万円分だけ当選する(=30万円だけ投資できる)こともあります。

これが部分当選です。

当選者の最後の1人が残額を割り当てられて部分当選になる場合の他、多くの人を当選にするために業者が全員を部分当選にする場合などがあります。

借り手企業

ソーシャルレンディングでは投資家から集めたお金を、ソシャレン業者が企業に貸します。

投資家のお金を借りるのが借り手企業です。

ソーシャルレンディングの仕組み

そして、借り手企業が支払う利息が、投資家が受け取る分配金となります。

一方で、借り手企業が倒産したり返済不能になると、投資家のお金が戻ってこないことも。

ソーシャルレンディングのリスク

ですので、ちゃんと返済できるのか?ソーシャルレンディングでは借り手企業の見極めが非常に重要です。

満室賃料

満室賃料とは、その物件が満室の場合に得られる想定賃料のことです。

全4室の1棟アパートで、各部屋の賃料が以下の場合、

  • 101号室:4.5万円
  • 102号室:4.5万円
  • 201号室:5.5万円
  • 202号室:5.5万円

満室賃料は月間20万円、年間240万円です。

空室リスク

空室リスクとは投資対象物件に入居者がつかず、空室で家賃収入を得られなくなるリスクです。

匿名組合型と任意組合型

不動産クラウドファンディングを含む不動産特定共同事業は、主に匿名組合型と任意組合型に分かれます。

主な違いは一般に下表の通りです。

匿名組合型 タイプ 任意組合型
匿名組合契約 契約 任意組合契約
なし 物件の所有権 あり
少なめ 最低出資額 多め
短め 運用期間 長め
有限責任 責任 無限責任
雑所得 所得区分 不動産所得

物件が倒壊して隣接する建物に被害が及んだ場合、任意組合型では出資額を超えて賠償責任が発生します。

匿名組合型の場合は責任範囲は出資額が上限であり、最悪でも全損で済みます。

任意組合型は所得区分が不動産所得で有利なため、相続など節税対策に使われることが多いです。

不動産クラファンではほとんどの案件が匿名組合型です。

不動産特定共同事業

不動産特定共同事業は次のような事業です。

  1. 複数の投資家から出資を受け
  2. 集まった資金で不動産を取得、運用し
  3. 得られた利益を投資家に分配する

多くの場合、1億円の1棟マンションを100口の持ち分に分割し、1口100万円で販売するといった、不動産小口化商品の形を取ります。

不動産特定共同事業のうち、募集などをインターネットを使って行うのが不動産クラウドファンディングです。

不動産小口化商品

不動産小口化商品は不動産を小口の持分に分割して販売する不動産投資商品です。

例えば、1億円の1棟マンションを1口100万円の持分100口に分割し、1口単位で販売します。

仮にこのマンションで1,000万円の利益が出た場合、1口投資した人は10万円、5口投資した人は50万円を得るイメージです。

不動産クラファンの場合、持分には利益の分配を受ける権利が含まれますが、物件の所有権は含まれません。

 

デポジット口座

デポジット口座とは業者内で投資家ごとに設置されるお財布のようなものです。

デポジット口座方式の業者では、投資家は事前に銀行から業者にお金を振り込み、そのお金は業者内のデポジット口座で保管されます。

デポジット口座

そして、デポジット口座のお金で案件に投資します。

また、分配金や償還された元本はデポジット口座で保管され、投資家が必要なときに出金申請し、自分の銀行口座に引き出します。

デポジット口座

 

売却リスク

不動産において、物件が予定通りの価格で売却できない、もしくは、売却そのものができない可能性を売却リスクといいます。

売却リスクが現実化すると、投資家には次のような不利益が生じる場合があります。

  • 分配金が予定額を下回る
  • 分配を受けられない
  • 元本の一部が戻ってこない
  • 元本のすべてが戻ってこない

流動性

不動産において、売買のしやすさや、現金化のしやすさを流動性といいます。

都心の一等地など需要が高く売りやすい物件は「流動性が高い」、逆に農村の空き家など需要が低く売りにくい物件は「流動性が低い」です。

譲渡

ソーシャルレンディング、不動産クラウドファンディングで自分の出資持分(利益の分配や元本の償還を受ける権利)を、第三者に譲り渡すことを譲渡といいます。

例えば、〇〇FUNDINGで10万円投資し、それを第三者(〇〇FUNDINGを含む)に10万円(もしくはそれ以外の金額)で買い取ってもらうイメージです。

入金と出金

投資するお金をソシャレン、クラファン業者の銀行口座に振り込むことを入金といいます。

運用が終わったお金が業者から投資家の銀行口座に振り込まれることを出金といいます。

元本

ソーシャルレンディングや不動産クラウドファンディングで、投資家が出資(投資)したお金のことを元本といいます。

リフォームとリノベーション

リフォーム、リノベーションともに、住宅の改修や改築を指します。

両者の違いはリフォームは「元の状態に戻す」ことであり、例えば壁の張替えや外壁の塗替えはリフォームです。

対して、リノベーションはリフォームよりも大がかりな改修、改築を行うことで「住宅の機能や価値を高める」ことを指します。

例えば、床暖房の新設や、壁を撤去して広々としたLDKへの間取りの変更はリノベーションです。

リフォームが老朽化で800万円に下がった物件の価値を元の1,000万円に戻すのに対し、リノベーションでは機能を付加して1,200万円に高めるイメージです。

分配と分配金

ソーシャルレンディングや不動産クラウドファンディングで、運用で得られた利益を投資家に支払うことを分配といいます。

また、支払われる利益を分配金と呼びます。

案件

ソーシャルレンディングや不動産クラウドファンディングで、募集される1つ1つの投資商品のことを案件と呼びます。

この用語は次のように使われます。

  • 〇〇業者から新しい案件が出た
  • 今度の案件は利回りが高い
  • 先週は△△案件に10万円投資した
  • □□業者は先月は3案件募集があった
  • ◇◇案件に応募したが抽選で落選した

すいません、上手く説明できなくて。

区分マンション

マンションを部屋単位で購入し投資する場合、「区分マンションに投資する」といった表現をします。

対して、1棟単位で購入、投資する場合は「1棟マンションに投資する」といいます。

独立した部屋1つ1つが区分マンションであり、面積や間取りを問いません。

ワンルームでも4LDKでも区分マンションです。

大島てる

大島てるは全国の事故物件情報を掲載するウェブサイト、及び、そのサイトを運営する会社の名称です。

先着方式と抽選方式

ソーシャルレンディングと不動産クラウドファンディングの募集方式は2つあります。

一つは募集開始と同時によ~いどんで早い者勝ちで投資できる人が決まる先着方式です。

もう一つは募集期間中に応募した人の中から抽選で投資できる人を決める抽選方式です。

成立前書面

成立前書面(契約成立前書面、契約締結前交付書面)は、ソーシャルレンディングや不動産クラウドファンディングで案件に応募する前に確認する書類です。

確認することで応募できるようになります。

成立前書面の確認画面

案件の詳細情報や契約内容などが書かれており、契約書に相当するものだと考えてください。

多くの業者で募集開始前から確認が可能です。

サイトに書かれていない情報も多いので、事前に必ず確認することを強くおすすめします。

モニタリング

ソーシャルレンディングにおいてモニタリングとは、借り手が融資契約を守れるか、ソシャレン業者が監視することをいいます。

業者によって異なりますが具体的な作業としては、定期的な借り手企業の訪問、経営者などへのヒアリング、財務書類のチェックなどがあります。

定期的にモニタリングを行うことで借り手の異常などを早期に察知し、貸し倒れを防ぐことができます。

このため、業者のモニタリングの実施とその精度は投資家にとって重要です。

あと入金と事前入金

投資するお金を業者に入金する方法は2つあります。

一つは先着や抽選の結果、投資できることが決まってから業者の口座に振り込むあと入金方式です。

もう一つは募集開始前に業者のデポジット口座への入金が必要な事前入金方式です。

デポジット口座

デポジット口座のお金は応募した案件への出資に充当されます。

ただし、抽選に落選などで投資できなくなると、入金したお金がデポジット口座で寝ることになります。

さらに、このお金を自分の口座に出金する際の振込手数料が投資家負担の業者もあります。

投資家にとってはあと入金の方が有利です。

 

早期償還

ソーシャルレンディングで借り手が予定より早く返済したり、不動産クラウドファンディングで物件が予定より早く売れることがあります。

そういった理由で案件の運用が予定より短い期間で終わり、業者が元本を予定より早く投資家に返すことを早期償還といいます。

例えば、運用期間12カ月の予定が6カ月で早期償還になると、受け取る分配金は基本的に半分になります。

ネガティブに捉えられがちですが、業者が確実に返済できる借り手、売れる物件を選んで案件を組成した証でもあります。

分配原資

分配原資とは分配金の出どころのことです。

例えば、入居者から得る家賃から投資家に分配金を払う場合、分配原資は家賃です。

家賃はインカムゲインですので、分配原資はインカムゲインとも表現できます。

組成

案件を作ることを組成といいます。

  • 投資対象は緑町ハイツ102号室で
  • 利回りは4.5%で
  • 運用期間1年
  • 募集総額2,300万円の案件を作る

こうやって案件が出来上がります。

組成 → 募集 → 運用開始 → 運用終了 → 償還

ソーシャルレンディング、不動産クラウドファンディングの案件はこのような流れで運営され、その最初の段階が案件の組成です。

元本毀損

元本毀損(元本割れ)とは投資したお金の一部、または、すべてが戻ってこなくなることです。

例えば、不動産クラウドファンディングで2,000万円で取得した物件が1,500万円でしか売れなかった場合、元本の一部が戻ってこないことがあります。

また、取得した物件が地震で倒壊し売れなくなった、ソーシャルレンディングで借り手企業が倒産したなどで、元本の全額が戻ってこないこともありえます。

クラファン案件の管理手数料

不動産クラファンで区分マンションなどが投資対象になる場合、物件の入居者募集や家賃徴収といった管理業務が行われます。

これらの業務は業者または外部の不動産業者が代行し、そこでは管理手数料が発生します。

案件の利回りはこういった手数料や経費も差し引いた上で計算されたものです。

ですので、投資家が管理手数料を別途支払う必要はありません。

優先出資と劣後出資

不動産クラファンでは一般に投資家と業者が共同で出資し、物件を取得します。

例えば、投資家が2,400万円、業者が600万円出資し、3,000万円の物件を取得するといった感じです。

出資者 出資額
投資家(優先出資) 2,400万円
業者(劣後出資) 600万円
出資総額 3,000万円

この時、投資家分の出資を優先出資業者分の出資を劣後出資といいます。

なぜ、そのような言い方をするのかなど、詳しくは下記記事を参照してください。

優先劣後出資方式と劣後出資比率

キャピタルゲイン型

不動産クラファンの案件は大きくキャピタルゲイン型とインカムゲイン型に分かれます。

投資対象物件を売却した際の売却益を分配原資(分配金の出どころ)とする案件がキャピタルゲイン型です。

一方のインカムゲイン型は運用期間中の家賃収益を分配原資とします。

なお、売却益と家賃収益の両方を分配原資とする併用型の案件もあります。

自社買取

不動産クラファンでは運用期間の最後に物件を不動産投資家など第三者に売却するのが一般的です。

しかし、何らかの事情で売却できなかった場合、自社で物件を買い取ることがあります。

売却できずに元本が戻ってこないところが、業者が買い取ることで元本が戻ってくることになるので、自社買取は投資家にとってメリットです。

インカムゲイン型の案件では、最初から自社買取の予定で案件を組成することもあります。

劣後出資比率

不動産クラファンでは一般に投資家と業者が共同で出資し、物件を取得します。

例えば、投資家が2,400万円、業者が600万円出資し、3,000万円のマンションを取得するといった感じです。

このとき、出資総額に対する業者分の出資額の比率を劣後出資比率といいます。

さきほどの例では20%です。

出資者 出資額 出資比率
投資家 2,400万円 80%
業者 600万円 20%
合計 3,000万円

そして、劣後出資比率が高いほど安全性が高まります。

右田さん
右田さん

数字が大きいほど安全だよ。

なぜ高いほど安全なのか?

詳しくは下記記事を参照してください。

優先劣後出資方式と劣後出資比率

償還

案件の運用が終わり、業者が元本を投資家に返すこと、業者から投資家に元本が戻ってくることを償還といいます。

クリック合戦

募集が先着方式の案件では、投資できる人が決まるのは早い者勝ちです。

このため、人気の案件では募集開始と同時に応募が殺到します。

この状態をクリック合戦といいます。

信託受益権

信託受益権とは信託財産から発生する利益を受け取る権利のことです。

詳しくは↓こちらの記事を参照してください。

信託受益権とは?(別タブで開く)

信託受益権とは?(今開いているタブで開く)

抵当権と根抵当権と極度額

抵当権とは借り手が返済できなくなった時に担保を売却し、その代金から他の債権者に優先して返済を受ける権利です。

抵当権は1つの借り入れに対して設定されるため、返済時点で消滅します。

これに対し根抵当権ではあらかじめ融資の上限額を設定し、その範囲内であれば何度でも融資と返済が可能です。

その都度、抵当権の設定登記を行う必要がないため、企業への融資などでよく利用されます。

極度額は根抵当権の融資上限額のことです。

債務履行

まず、「債務」とは他人に対し何らかの行動を行う義務のことです。

そして、債務を実際に行うことを債務履行といいます。

ソーシャルレンディングの場合、借り手(債務者)が利払いや元本の返済をすることや、連帯保証人が借り手に代わってそれらを行うことが債務履行にあたります。

逆に、借り手が経営悪化などに至り、利払いや元本返済をしない(できなくなる)ことが債務不履行です。

LTV

ソーシャルレンディングで使われる用語で、担保評価額に対する融資額の割合をいいます。

例えば、1億円の土地を担保に8千万円を融資する場合、LTVは80%です。

担保が評価額通りに売れるとは限らないため、LTVの数字が小さいほど安全性が高いとされます。

資金使途

ソーシャルレンディングで業者から借りたお金を借り手が何に使うかを資金使途といいます。

延滞

ソーシャルレンディングで借り手が期限内に返済できなくなることを延滞といいます。

また、ソシャレン、不動産クラファンで分配金の支払いや元本の償還が予定より遅れている状態を延滞と呼ぶことがあります。

業者や投資家によっては「遅延」という表現が使われることもありますが、意味は同じです。