ソーシャルレンディング、不動産クラウドファンディング業者でポイ活を販促に使う動きが広がっています。
投資したらポイントもらえるみたいな。
モッピーとかハピタスとかでよく見ますよね?
今回はこのポイ活利用の是非を考えます。
本稿では2月に募集が行われたみらファン9号案件を例に取ります。
ただし、これはあくまでも一例として取り上げるだけです。
同案件が悪いということではなく、僕自身この案件には投資しています。
取り立ててみらファンをやり玉に挙げているのではないことにご留意ください。
案件自体は良かったです!
ソシャレン、クラファンのキャンペーンの一覧です。
タップできる目次
みらファン9号案件にポイ活民が殺到
2月に募集が行われたみらファン9号案件を例にソシャレン、クラファン業者によるポイ活利用の実情を解説します。
みらファン9号案件がポイ活の対象に
みらファン9号案件の概要
みらファン9号案件は2月2日から先着方式で募集が行われました。
概要は以下の通りです。
- 利回り:5.5%
- 運用期間:8カ月
- 劣後比率:20.2%
- 募集総額:3億2,700万円
- 最低投資額:1万円
- 募集方式:先着
- 募集開始:2024年2月2日18時
なかなか堅い案件で条件も悪くなく、僕は30万円で投資しています。
投資できて良かったね。
プチ解説 案件とは?
プチ解説 先着方式とは?
プチ解説 劣後出資比率とは?
みらファン9号案件のポイ活条件
みらファン9号案件はモッピー、ポイントインカムなど多くのポイントサイトでポイ活の対象となりました。
その条件はおおむね次のようなものでした。
- 以下2条件クリアでポイント1万6千円分付与
- みらファンで新規会員登録
- 9号案件に10万円以上を投資
会員登録して10万円投資で1万6千円ゲットです。
むっちゃ美味しい!
ポイ活民が殺到しサーバーダウン
投資できないと個人情報の取られ損
今回のポイ活のポイントは実投資必須で、なおかつ募集が先着方式であったこと。
つまり、クリック合戦で負けて投資できなければ1万6千円はもらえず、会員登録で個人情報だけ取られて終わりです。
個人情報だけ取られ損…
プチ解説 クリック合戦とは?
登録の遅れで過熱感
とは言え、1万6千円の高額ポイ活であり、Xを中心に情報が事前にかなり拡散していました。
そのため、会員登録の申請が殺到したのでしょう。
申請の急増に登録処理が追いつかず、募集開始の2月2日が近づくにつれ、Xには焦るポイ活民の声が広がっていきました。
みらファン、本会員登録間に合うかな🥹⁉️そわそわそわ…
— いちごパフェ (@C6Xky39D1ckBgo3) February 1, 2024
僕はXでずっと様子を見ていたのですが、なかなかのカオスでした。笑
開始と同時にサーバーダウン
そして、運命の2月2日18時。
募集開始と同時に1万6千円ゲットを狙うポイ活民が殺到。
みらファンは瞬時にサーバーダウンに陥ったのです。
このままでは投資できないとポイ活民の嘆き。
みらファン本人確認連絡なくてアウト&案件のサイト自体もサーバー繋がらないじゃないですか😫無駄に登録してしまった。
— パルク 2y 9m boy+14w🥚 (@GDejdUI7BF2dudI) February 2, 2024
サイトを開けない状態がずっと続き、まともに動くようになったのは募集開始から2時間後でした。
その後、会員登録が徐々に進み、最終的には希望者の多くが投資できた模様です。
阿鼻叫喚の2時間でした!
ポイ活民がソシャクラに流れ込んでいる
ここ1~2年ほどでソシャレン、クラファンにポイ活民が大挙することが増えています。
今回ほどの混乱は多くありませんが、昨年もTSON FUNDINGで実投資条件+先着方式で似たような騒ぎがありました。
それほどソシャレン、クラファン業者のポイ活利用が広がっているのです。
ポイ活やってる人多いからね。
販促でのポイ活利用の問題点
ソシャレン、クラファン業者による販促のためのポイ活利用にはいくつかの問題があると考えます。
投資としてあるべき形なのか?
最大の問題がポイントを餌に投資させるのは投資としてあるべき形なのかです。
ポイ活民の多くが理解せず投資
Xを見ていて感じますが、多くのポイ活民がソシャレン、クラファンをろくに理解していないです。
恐らく案件もろくすっぽ見ていない。
2月にLSEEDがデビュー案件を募集した際、応募がなかなか集まらず、急遽ポイ活を始めましたが。
運用期間3年の長期案件にも関わらず、それなりに応募が集まっています。
どんなリスクがあるか分かっていない。
投資の仕組みそのものも理解できていない。
いや、理解しようとすらしていない。
「1万6千円ゲットでラッキー♪」と、ポイ活のノリで投資しています。
投資って感覚がなさそう。
消費者保護になっていない
投資は本来、リスクも含めてしっかり理解した上で行うものです。
もちろん、第一義的に投資家自らが進んで理解すべきであり、それを放棄する一部のポイ活民に弁解の余地はないでしょう。
しかし同時に、業者にはリスク等を十分に説明することが義務付けられています。
その一例が不動産特定共同事業法24条が定める成立前書面の交付義務です。
不動産特定共同事業者は、不動産特定共同事業契約が成立するまでの間に、その申込者に対し、不動産特定共同事業契約の内容及びその履行に関する事項であって主務省令で定めるものについて、書面を交付して説明しなければならない。(不特法24条)
金商法にも同様の規定がありますが、その趣旨が消費者保護にあることは言うまでもありません。
リスクもろくに理解していない消費者に軽いノリで投資させる。
消費者保護の観点から見て、正しい行為と言えるでしょうか?
法の趣旨に反しています!
プチ解説 成立前書面とは?
会員登録だけにすべきでは
投資とは本来、投資商品そのものの魅力でさせるべきものです。
それなのに、ポイントを餌にリスクもろくに理解していない消費者に投資させる。
どれだけ理屈を並べようと、投資の正しい姿だとは思えません。
さすがに実投資をポイント付与の条件にするのは行き過ぎです。
会員登録でポイント1千円分がギリギリ許容されるラインではないでしょうか?
ただこれについては、ポイントだけタダ取りされて終わりになることへの業者の拒否感ももちろん理解します。
業者の言い分も分かる…
既存投資家は置き去り
2つ目の問題と言うか、これはぶっちゃけ既存投資家のグチです。笑
2千万円以上の販促コスト
みらファン9号では付与されるポイントは1万6千円分でした。
ポイ活業者の手数料も含めると、投資家1人あたり2万円以上のコストになっているでしょう。
9号で新規登録した投資家は1千人を超えているので、2千万円以上の販促コストが発生している計算です。
けっこうかかってる!
分配金に回してよ
その2千万円を分配に回して利回りを上げることも可能ですよね?
いや、もちろんコストを何に使おうと業者様の勝手です。
はい、それについては異論は一切ございません。
ただ、新規会員の獲得にはお金を使うのに、既存会員には使わない。
元ソフトバンクの杉内投手がジャイアンツに移籍する際、古巣への不満から皮肉を込めて次のように発言しましたが。
携帯電話会社と同じですよ。新規加入の人には優しくて既存の人はそのまま。
どこも釣った魚には冷たいなぁ~と。
はい、そうです、既存会員のグチです。笑
どーせ、どーせwww
プチ解説 分配とは?
ポイ活利用はコストに見合うのか?
3つ目の問題は業者にとってポイ活利用はコストに見合うのかです。
ポイントごっちゃんで終わり
僕がXで見た限り、今回のみらファンの新規会員の多くが投資額は最低条件の10万円でした。
上述のLSEEDは途中解約ができるため、ポイントが付与されたら解約するとの声も確認しています。
つまり、新規会員の多くはポイントが目当てなだけで、継続的な投資家になるつもりはない。
費用対効果は怪しいのでは?
どの業者も実投資条件のポイ活では1人頭数千円から1万円以上かけて新規会員を獲得しています。
しかし、ポイ活で集めた新規会員が継続的な投資家になる確率は低いはずです。
ポイ活は販促ツールとして費用対効果は合っているのでしょうか?
業者の担当者は必ずしもネットマーケティングに詳しいわけではない。
それで、ポイ活業者に「ポイ活は効果ありまっせ~!」と上手く言いくるめられ、ポイ活民とポイ活業者に貢がされて終わり。
それが実態なのではないでしょうか?
搾取されて終わり。
ポイ活を使わず毎回満了の業者も
そしてもう一つ申し上げたいのが、ポイ活を使わずに毎回満了させている業者もあることです。
例えば、KORYO Fundingはポイ活を一切使わず、これまで全案件満了しています。
FANTAS fundingも2018年の運営開始から全案件満了ですが、ポイ活は一度も使っていません。
他にもポイ活なしで毎回満了の業者は少なからずあります。
ポイ活は本当に必要なのか、検討の余地があるのではないでしょうか?
割に合っていないのでは?
我々も注意すべき
なお、既存投資家である我々も「ろくすっぽ理解せずに投資して」とポイ活民を笑ってられません。
正しい投資ができているか?
ポイントに釣られてよく分からない投資に手を出すポイ活民。
でも、我々も似たようなことをしていませんか?
焼肉に釣られて投資したり、アマギフに釣られて予定より投資額を増やしたり。
ぎくっ!
応募がなかなか集まらず業者から届いたメールに「利回り1%アップ」の文字。
なら入れるか?で投資してみたり。
てへっ!
もちろん、アマギフ分を入れたら実質利回り何%なのでリスクに見合うといった判断にもとづくなら、それもありでしょう。
でも、オマケに釣られてついつい投資って、ぶっちゃけありますよね?
案件自体の内容、条件で判断するのが本来の形。
自分は果たして正しい投資ができているだろうか?
注意したいと思います。
心がけましょう!
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