FUELオンラインファンドの第2弾「ADワークス米国不動産案件」の募集が行われます。
この案件に投資して大丈夫か?
大丈夫だよ。
連帯保証があるから!
と、お気楽度120%になっているあなた。
チコちゃんに叱られますよ。
ボ~っと投資してんじゃねぇよ!
今回の案件、細かい注意点がチコチコあります。
ガッツリ解説していきましょう!
タップできる目次
ADワークス米国不動産案件の概要
まず、ADワークス米国不動産案件の概要です。
FUELオンラインファンドとは?
FUELオンラインファンドは2020年12月に運営を開始したソーシャルレンディングです。
基本情報は以下の通りです。(2021年1月現在)
サービス名 | FUELオンラインファンド |
---|---|
運営会社 | FUEL株式会社 |
運営開始 | 2020年12月 |
最低投資額 | 1万円 |
利回り | 2~5% |
運用期間 | 6~24カ月 |
これまではCRE Fundingのシステム開発や運営代行などをしていました。
2020年12月から自社でもソーシャルレンディングの運営を開始し、今回が2回目の募集です。
●公式サイト:FUELオンラインファンド
FUELオンラインファンドについて詳しくはこちらの記事で解説しています。
ADワークス米国不動産案件の基本情報
ADワークス米国不動産案件の基本情報は以下の通りです。
- 案件名:ADワークス米国不動産案件第1~4号
- 利回り:2~5%
- 運用期間:7カ月
- 募集総額:5,000万円
- 最低投資額:1万円
- 投資単位:1万円
- 分配:満期一括
- 募集開始:2021年1月20日19時
- 募集方式:先着方式
1~4号の違いはのちほど!
ADワークス米国不動産案件の構図
今回の案件ですが、東証一部上場企業グループへの投資です。
案件に関係するのは4者
今回、関係するのは4者です。
- FUEL
- エー・ディー・ワークス(ADW)
- ADW Lending LLC(ADW-LLC)
- 1034W BALBOA, LLC(BALBOA社)
この内、ADWとADW-LLCは東証一部上場の株式会社ADワークスグループ(ADW-G)のグループ会社です。
ADW-Gは富裕層などに投資用不動産の販売などを行っています。
そして、ADWは日本の事業会社、ADW-LLCはADW-Gアメリカ法人の子会社です。
また、BALBOA社はアメリカの不動産会社です。
東証一部なら安心だね。
案件の構図
ADW-LLCは2020年8月にBALBOA社に約250万ドルを融資しました。
今回、我々投資家はFUEL経由でADWに5千万円(約48万ドル)を出資します。
ADWはその48万ドルをADW-LLCに貸し付けます。
そして、ADW-LLCがBALBOA社に融資した250万ドルの一部に充当されます。
つまり、ADW-LLC → BALBOA社の250万ドルの内の48万ドルが、我々投資家のお金に置き換えられる形です。
その代わりに、BALBOA社が支払う利息の一部を我々投資家が受け取るということです。
利息をもらう権利の5分の1を譲ってもらう感じね。
ADW-LLCへの貸付はノンリコースローン
ADWからADW-LLCへの貸付はノンリコースローンです。
すなわち、こういうことです。
- ADW-LLCは利息と元本を
- BALBOA社への融資金と利息からのみ
- ADWに支払う
それはつまり、
- BALBOA社が利払いや返済をできなくなった場合
- ADW-LLCに資産が1千兆円あっても
- ADWにはビタ一文たりとも返済しねぇぜ、ざま~www
ということです。
出ました、恐怖のノンリコ…
2つの安全装置
その代わり、今回の案件には2つの安全装置が用意されています
ADW-Gの連帯保証
まず、ADW-Gが元本に対して連帯保証を行います。
ですので、
- ADW-G(とFUEL)が倒産しない限り
- 元本は必ず戻ってくる
ということです。
やっぱり大丈夫じゃん。
スイ~ト!
元本保証は米ドル建て
ただし、ADW-Gが保証するのは、
- ADWから
- ADW-LLCへの貸付
です。
そして、ADWからADW-LLCへの貸付は米ドルで行われます。
つまり、ADW-Gが保証するのは米ドル建ての元本です。
へ?
為替の影響を受ける
どういうことかと言うと、山本さんが50万円を投資したとします。
で、その時のレートで50万円=4,800ドルだとしましょう。
- 投資額:50万円
- 米ドル建て:4,800ドル
ADW-Gが保証するのは50万円ではなく4,800ドルです。
BALBOA社がデフォルトした場合、ADW-Gが払ってくれるのは50万円ではなく4,800ドルです。
なので、仮に運用終了時の為替が1ドル=100円だったら、
- 投資額:50万円
- 償還額:4,800ドル✕100円=48万円
48万円しか戻ってきません。
2万円損する!
元本保証があっても為替の影響で元本割れする可能性があるのです。
僕も最初、見落としていました!
為替予約
そこで、2つ目の安全装置が為替予約です。
さきほどの例では、
- 投資額:50万円
- 米ドル建て:4,800ドル
- 為替レート:1ドル=104.2円
でした。
そこで、1ドル=104.2円で為替予約すると、償還時も1ドル=104.2円で換算されます。
- 投資額:50万円
- 償還額:4,800ドル✕104.2円=50万円
その時のレートに関係なく50万円戻ってきます!
今回の案件は元本保証と為替予約の2つの安全装置で、投資の安全性を高めています。
戻ってくる時に超円安になれば大儲けだね。
安全装置の有無で4種類の案件
今回の案件は安全装置の有無で4つの案件に分かれています。
案件 | 連帯保証 | 為替予約 | 利回り | 募集額 |
---|---|---|---|---|
1号 | 有 | 有 | 2% | 1,500万円 |
2号 | なし | 2.5% | 1,500万円 | |
3号 | なし | 有 | 4.5% | 1,000万円 |
4号 | なし | 5% | 1,000万円 |
安全装置フル装備で利回り最低なのが1号。
なんにもなしのスッポンポンだけど利回り最高なのが4号です。
自分に合った案件を選べます!
ADワークス米国不動産案件の分析
それでは、ADワークス米国不動産案件で元本を回収できるか見ていきましょう。
担保はカリフォルニアの住宅
今回の担保はカリフォルニア州の新築住宅2戸です。
- 所在地:カリフォルニア州ニューポートビーチ
- 延床面積:A-161平米、B-180平米
- 担保評価額:390万ドル
2階建てなので2つ合わせて敷地面積60坪くらいじゃないかと思うのですが。
それで4億円ですか。
平米200万円くらいです!
LTV12.3%なので安全?
今回の案件で注目したいのは、FUELサイトの表に書かれているLTV12.3%の意味です。
融資全体のLTVは65%
上述の通り、ADW-LLCはBALBOA社に253万5千ドルを融資しました。
その担保がカリフォルニアの新築2戸です。
つまり、
- 融資額:253万5千ドル
- 担保評価額:390万ドル
- → LTV:253.5万÷390万=65%
ADW-LLCのBALBOA社に対する融資のLTVは65%です。
投資家分が12.3%
そして今回の案件で、ADW-LLCが融資した253万5千ドルのうち、48万ドルを投資家から集めたお金に差し替えます。
- 投資家分:48万ドル
- 担保評価額:390万ドル
- → LTV:48万÷390万=12.3%
ですので、投資家分が担保評価額全体に占める割合(LTV)は12.3%です。
超安全じゃん。
担保順位は第1順位
FUELの説明ページに書かれてある通り、ADW-LLCからBALBOA社への融資253万5千ドルの担保順位は第1順位です。
そして、投資家分の48万ドルは253万5千ドルの一部を差し替えたものです。
であれば、投資家分は253万5千ドルの一部であり、全体と同等に担保順位は第1位である。
つまり、投資家分の返済が最優先されるわけではない、と解釈するのが自然なんじゃないかなと?
そうなるとどうなるの?
元本が毀損される可能性
もしそうであれば、元本の返済は出資額に比例して行われます。
融資者 | 融資額 | 出資比率 |
---|---|---|
投資家分 | 48万ドル | 19% |
ADW-LLC | 205.5万ドル | 81% |
合計 | 253.5万ドル |
このため、担保物件の売却額が評価額390万ドルの65%を割り込み、例えば200万ドルでしか売れなかった場合、
融資者 | 融資額 | 出資比率 | 返済額 |
---|---|---|---|
投資家分 | 48万ドル | 19% | 38万ドル |
ADW-LLC | 205.5万ドル | 81% | 162万ドル |
合計 | 253.5万ドル | 100% | 200万ドル |
投資家分は19%の38万ドルしか戻ってこず、元本割れになります。
LTV12.3%なのに~
投資家分が優先されるそうです
で、気になったのでFUELに問い合わせたところ、土曜日にも関わらずご回答いただきました。
いわく、
ADWがADW-LLCに貸す際の契約で、物件が売却できた場合は投資家分を優先的に返済することとなっております。
253万5千ドルの中で投資家分の48万ドルが最優先で返済されることになっているそうです。
したがって、我々がいつも使っているLTV12.3%の意味でOK。
物件の価格が87.7%を超えて値下がりしない限り、(米ドル建ての)元本は戻ってきます。
一安心です!
ADワークスの目的は投資商品の販売ではない
ところで、今回の案件、不自然だと思いませんか?
なにが?
ADワークスの儲けが少なすぎる
数字を一つ一つ拾っていて気付いたのですが。
今回の案件は運用期間が7カ月なので、ADWが投資家に支払う分配金は、
案件 | 募集額 | 利回り | 分配金 |
---|---|---|---|
1号 | 1,500万円 | 2% | 175,000円 |
2号 | 1,500万円 | 2.5% | 218,750円 |
3号 | 1,000万円 | 4.5% | 262,500円 |
4号 | 1,000万円 | 5% | 291,667円 |
合計 | 5,000万円 | 947,917円 |
約95万円です。
間に入るFUELの手数料が仮に2%だとすると、5千万円✕2%=100万円。
ADWはコスト195万円で5千万円を調達したことになります。
そして、ADWは5千万円をADW-LLCに7カ月間貸します。
案件ごとに貸付金利が異なり、利息は以下の通りです。
案件 | 貸付額 | 貸付金利 | 利息 |
---|---|---|---|
1号 | 1,500万円 | 6.5% | 568,750円 |
2号 | 1,500万円 | 5.5% | 481,250円 |
3号 | 1,000万円 | 9.5% | 554,167円 |
4号 | 1,000万円 | 8.5% | 495,833円 |
合計 | 2,100,000円 |
したがって、今回の案件でADWは、
- コスト195万円で5千万円を調達し
- それを貸して利息210万円を得て
- 差し引き15万円儲かった
ことになります。
15万円か…
一方、コスト210万円で5千万円を借りたADW-LLCは、これを金利9%でBALBOA社に貸します。
融資期間を同じ7カ月とすると、利息は260万円ちょいです。
案件 | 貸付額 | 貸付金利 | 利息 |
---|---|---|---|
融資 | 5,000万円 | 9% | 2,625,000円 |
したがってADW-LLCは、
- コスト210万円で5千万円を調達し
- それを貸して利息260万円を得て
- 差し引き50万円儲かった
そういう計算になるね。
つまりですよ、今回の案件でADWグループ全体で見ると、
- ADW → ADW-LLC:15万円
- ADW-LLC → BALBOA社:50万円
トータルで65万円しか儲かっていないのです。
しょぼい気が…
ADワークスがそんな商売をするか?
良い子のみなさん、おかしいと思いませんか?
ADW-Gは投資用のビルやマンションを富裕層に販売することを本業としています。
1棟単位でドーンと仕入れて、ガーンと売って、バーンと儲ける商売です。
2020年度の売上高247億円、当期純利益6億円の東証一部上場企業が、ちまちまと(失礼!)65万円ごときを稼ぐでしょうか?
今回は投資商品の販売ではない
確かに、ADW-Gの本業は不動産投資商品の販売です。
その商品に不動産小口化商品などを加えることで、顧客を富裕層から庶民投資家に広げようとしています。
ですので、ADW-GはFUELでのソシャレンを本気でやろうと考えているでしょう。
しかし、今回は投資商品の販売として案件を募集したとは思えない。
だって、65万円ですよ?
純利益6億円なだけに。
本当の目的1.認知度の向上
では、今回の案件の本当の目的は何なのか?
一つは認知度の向上ではないかなと。
今回の案件紹介ページで、事業者(ADW)の説明がやたら長いと思いませんか?
前回のJINUSHI案件では800文字だったのに、今回は3,400文字です。
今回の案件募集を通して我々投資家にADWの存在と、ソシャレンをやりまっせ!ということを認知させる。
本番に向けて顧客開拓をしているのではないかな?
今回は本番ではないと!
本当の目的2.市場調査
もう一つの目的は市場調査です。
連帯保証、為替予約の有無で5千万円を4つの案件に分け、利回りも変えている。
投資家がどのような案件を好むのかを探っているのではないでしょうか?
本番で応募する案件の下調べか。
本番でないならばデフォルトはない
以上はあくまでも僕の推測です。
ですが、今回の案件の目的が本来の投資商品の販売ではないならば。
顧客開拓や市場調査であるならば、デフォルトはありえないですよね。
為替の影響は別として、今回の案件では元本は確実に回収できると僕は思います。
個人的な考えです!
ADワークス米国不動産案件の投資判断
それでは、以上を踏まえて今回の案件に投資するかの判断です。
50万円で投資
僕の推測が正しければですが、今回の案件で元本毀損はありえないです。
しかも、東証一部上場企業の案件ですし、さらに運用期間は7カ月。
どう考えてもガッチガチに硬いでしょう。
50万円で投資します。
強気でいきます!
オトクは3号か?
では、4つの案件の中でどれに投資するか?
案件 | 連帯保証 | 為替予約 | 利回り | 募集額 |
---|---|---|---|---|
1号 | 有 | 有 | 2% | 1,500万円 |
2号 | なし | 2.5% | 1,500万円 | |
3号 | なし | 有 | 4.5% | 1,000万円 |
4号 | なし | 5% | 1,000万円 |
僕の推測が外れていたとしても、LTV12.3%です。
どう考えても元本割れはありえないので、連帯保証は必要ないと思います。
あとは為替予約ですね。
為替が悪い方(円高)に振れるリスクを避けるならば、為替予約付きの3号。
良い方(円安)に振れて為替ボーナスゲットを狙うならば、為替予約なしの4号ではないでしょうか。
なお、細かいことですが3号はADW-LLCが9.5%で借りて9%で貸しています。
損してるんですよね。
案件 | ADW → ADW-LLC | ADW-LLC → BALBOA社 |
---|---|---|
1号 | 6.5% | 9% |
2号 | 5.5% | |
3号 | 9.5% | |
4号 | 8.5% |
その損失分を他の3案件の利益でカバーしている。
他の3案件の投資家のお金も活用していると考えると、3号が一番オトクなのかもしれません。
ちゃっかり者だね。
募集開始は1月20日19時です。
激しいクリック合戦でしょうが、がんばりましょう。
全集中、クリックの型!
●公式サイト:FUELオンラインファンド
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