身の回り品と免税品

ピーチ航空における身の回り品の定義と、免税品などの扱いについて説明します。

ピーチ航空の決まり

ピーチ航空では1人の乗客が機内に持ち込むことができる手荷物について次のように定めています。

ここで問題となるのが「身の回り品」の定義です。重さや大きさ、内容などについて、個人のブログやサイト、知恵袋などで諸説入り乱れていますが、どれも明確ではありません。そこで、このサイトで身の回り品についての明確な定義を示します。

まず、日本の航空会社では機内持ち込み手荷物について、どのような決まりになっているかを見ます。

見ての通り、ほとんどの航空会社が手荷物1個＋身の回り品1個で横並びです。エアドゥ、ソラシドエア、スターフライヤーは身の回り品は複数可としていますが、この3社は規制緩和を受けて誕生した新規航空会社です。スカイマークを除く新規航空3社で横並びと見ることができます。

航空各社の運送約款を読めば分かりますが、こういった決まりはどこも横並びで先行他社の前例踏襲です。ピーチ航空が主体的に手荷物1個＋身の回り品1個と決めたのではなく、他の航空会社の運送約款を見て、同じように決めたと考えるのが妥当です。

次に身の回り品の内容について、航空各社で挙げられている例を見てみます。

大半の航空会社がハンドバッグ、カメラ、傘です。ジェットスターだけ文庫本、財布などが含まれていますが、これはジェットスターの親会社がカンタス航空であり、欧米の航空会社では身の回り品（personal items）の例として、これらを挙げることが多いからです。

いずれにしても、身の回り品の内容もピーチ航空が自ら考えて決めたのではなく、他の航空会社の前例に合わせただけと考えるのが妥当です。

ですので、ピーチ航空がハンドバッグ、カメラ、傘であることを重視しているとは考えられません。ましてや、身の回り品の大きさの定義がハンドバッグサイズであるなどあり得ません。そもそも、ハンドバッグの大きさなんてまちまちなのですから。

では、身の回り品の定義は何なのでしょうか？実はピーチ航空の運送約款第11条D項1号で、次のようにちゃんと定められています。（一部略）

旅客が客室内に持ち込むことができる手荷物は、身の回りの物品（三辺の和の総計が115cm以内）1個の他、客室内の収納棚又は旅客の前の座席の下に収納可能なもの（三辺の和の総計が115cm以内）1個とし、かつそれらの重さの総計が10キログラム以内とします。

ピーチ航空の運送約款の中で、身の回り品について定められているのはこの部分だけです。ですので、身の回り品の定義はこれだけとなります。

そして、赤の太字が身の回り品、黒の太字が手荷物の定義です。見ての通りまったく同じです。つまり、両者の間に違いは一切なく、大きさの扱いもまったく同じだということです。

したがって、身の回り品はハンドバッグなど小さなものに限られるというのは間違いです。115cm以内であれば機内に持ち込むことができます。

実際にピーチ航空を利用した人の体験談などで、ハンドバッグより明らかに大きいトートバッグやリュックなどを持ち込めていることが、これを裏付けています。

ただし、機内持ち込み手荷物については、3辺が25cm×40cm×50cm以内であるとピーチ航空のサイト内で書かれています。もちろんこれは運送約款では定められておらず、サイト内でも「ご協力をお願いいたします」という弱い表現にとどまっています。

ただ、実際はこれが決まりとして運用されていますし、運送約款以外の規約などで定められている可能性もあります。ですので、この3辺の規定もクリアしておくのが無難です。

ということで長くなりましたが、ピーチ航空における身の回り品の定義は以下の通りです。

チェックイン後に空港の売店や免税品店で購入したものも、手荷物、身の回り品に含まれます。

例えば、キャリーケースとハンドバッグを持って空港内に入り、免税品店で購入したものが入った買い物袋を持つと、合わせて3個で個数オーバーとなります。しかし、購入したものをキャリーケースの中に入れると、合わせて2個で個数オーバーとはなりません。

また、キャリーケースとハンドバッグの2個で10kg以内であっても、購入したものと合わせて10kgを超えると、重量オーバーとなります。

オーバーすると機内には持ち込めず、受託手荷物料金を払って機内に預ける必要があります。（参考：機内持ち込み手荷物の超過料金）