ピーチ航空の安全性と過去に起こった事故などについて説明します。
ピーチ航空は格安航空会社(LCC)であるため、どうしても「安かろう悪かろう」のイメージで見られてしまいます。しかし必ずしもそうではありません。
まず、航空機の品質や整備の内容などは、国や航空機メーカーが定めており、定期的に検査やチェックが行われます。LCCだからと言って、安全面で手を抜いてコストカットすることはできません。
また、LCCは大手航空会社に比べて資金に余裕がありません。一昔前までは、LCCは一度でも事故を起こすとその賠償で倒産すると言われていたほどです。このため、逆にLCCであるからこそ安全面を重視しなければならない側面もあります。
そして最大のポイントは、LCCはサービスカットや経営の効率化で安さを実現させている点です。機内食や受託手荷物を有料にしたり、機内の清掃を客室乗務員に担当させたり、一つの機材の運用時間を長くすることなどでコストを削減し、そうすることで運賃の安さを実現させているのです。
ピーチ航空も同様で、決して安さのために安全面を犠牲にしているのではありません。
ピーチ航空は運賃を安くするために中古のオンボロ機材ばかり使っている、と言われることがあります。これも誤りです。ピーチ航空は2017年9月時点で19機の機材を保有していますが、中古ではなくすべて新造機です。
そして、機材が製造されてから何年経つか、つまり機材の年齢を機齢と言いますが、ピーチ航空で最も古い機材の機齢は5.8年で、19機の平均機齢は3.52年です。決して古いオンボロ機材を使っているのではありません。
ピーチ航空で過去に発生した事故と重大インシデント(事故につながりかねない深刻な事態)は以下の通りです。
運行開始以来、一度も起きていません。
過去に2回起きています。
石垣発那覇行きMM252便が那覇空港着陸時に通常よりも早い段階から降下を始めたため、那覇空港の北約7kmの地点で水面に衝突直前の状態となりました。これを回避するため機長が緊急操作を行ったため、墜落には至りませんでした。
同機には乗員、乗客合わせて59名が搭乗していましたが負傷者はなく、機体の損傷もありませんでした。
台北桃園発東京羽田行きMM1028便が羽田空港着陸時に、管制官の指示とは異なる閉鎖中の滑走路に向かって降下しました。高度140mに至ったところで降下を止めて再上昇し、その後同空港に着陸しました。
同機には乗員、乗客合わせて164名が搭乗していましたが負傷者はなく、機体の損傷もありませんでした。