【質問】ピーチ航空を初めて使います。他の航空会社ではeチケットというのがあるみたいですが、ピーチ航空ではあるのでしょうか?予約をした後にメールが送られてきたのですが、どれがeチケットなのか分かりません。また、印刷して空港に持っていく必要はあるのでしょうか?
【回答】eチケットって分かりにくいんですよね。下手にチケットって名前がついているから誤解を生みやすいのですが。まずはeチケットって何なのか?の説明から始めましょう。
昔は飛行機の予約をしたら、航空会社や旅行会社から下の画像ような紙の航空券が発行されました。何枚か綴られた冊子になっていて、最初の空港でチェックインして1枚ペリッと切り取られ、次の空港でまた1枚ペリッとされていました。
ちなみにチェックインをすると、今でも大手の航空会社では下のような厚紙が渡されますが、これは航空券ではありません。搭乗券です。飛行機に乗る時に提示するものです。
ですので若い人は知らないでしょうが、以前は航空券関係は次のような流れになっていたんです。
ところが紙の航空券には問題がありました。まず、印刷したり乗客に郵便で送ったりするので、航空会社にとってはコストがかかります。また乗客にとっては紛失したり盗難に遭うと飛行機に乗れないというリスクがあります。
そこで登場したのがeチケットです。社会の電子化が進んできた2000年代中頃、乗客の氏名や搭乗日時、渡航先などの情報を、紙の航空券として乗客に渡すのではなく、航空会社のコンピュータの中にデータとして保管することにしたのです。この保管されたデータがeチケットです。
そして、乗客が空港のチェックインカウンターに来たら、予約番号やパスポート番号などで検索してコンピュータの中のeチケットを探し出し、その情報を元に搭乗手続きを行い、搭乗券を発行することにしたのです。
要するに、今まで乗客に紙で渡していた航空券を、eチケットとしてコンピュータの中で保管するようにしたということです。
ですので今回の質問に答えるとすれば、ピーチ航空にもeチケットはあります。ですが、ピーチ航空のコンピュータの中にデータとして保管されているだけで、乗客にメールで送られてくるわけではありません。もちろん印刷もできません。
さて、eチケットになって航空会社も乗客もコストやリスクがなく便利になりました。ですが、これで問題解決とはなりませんでした。というのが、乗客に不安感が残ったのです。飛行機の予約をして支払いも済ませた。なのに手元には何もない。これって漠然と不安ですよね?
また、入国管理の面でも問題が出ました。世界には出国する航空券を持っていなければ入国を認めない国がけっこうあります。eチケットに変わって何も持ってないと、入国審査の時に不都合が生じてしまいます。さぁ、困った。
そこで新たに登場したのが予約確認書(旅程表、お客様控え)です。eチケットに含まれる情報の中から、搭乗者名、搭乗日時など主要な情報だけを抜き出して記載した紙です。
これが手元にあれば、乗客はちゃんと予約できてるなと安心できますし、入国する時にこれを見せればちゃんと出国便の予約をしていると示すこともできます。
そして、この予約確認書をメール添付資料で乗客に送るようになりました。ピーチ航空の場合はメールそのものが予約確認書になっています。その結果、昔と違って今は次のような流れになりました。
航空会社によっては予約確認書のプリントアウトが不要だったり、スマホに表示した2次元バーコードで搭乗できるところなどもあります。
チケットと名がついているので紛らわしいのですが、eチケットは紙の航空券ではありません。コンピュータの中に保管しているだけで、乗客には送られませんし印刷する必要もありません。
その代わりに乗客には予約確認書が送られ、航空会社によりますが基本的にこれを印刷して持参し、チェックインカウンターで搭乗手続きをして、搭乗券を受け取って飛行機に乗る、ということです。