ソーシャルレンディングの問題を報じたNHKの記事。
この中でNHKは借り手企業の匿名化が金融庁の指導であることを報じませんでした。
そしてこれは偶然ではなく意図的な隠蔽だったのです。
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NHKの報道内容
問題の報道は2019年3月7日にNHK NEWS WEBが報じた下記のニュースです。
”「ソーシャルレンディング」投資家が仲介会社を提訴へ”
この中でNHKは画像を使って次のように報じました。
企業に資金を貸し出す「ソーシャルレンディング」の仲介会社は、借り手の個人情報などを保護する貸金業法の規定に触れる可能性があるとして、融資先を公表しないケースが多くなっています。
証券取引等監視委員会は去年12月、仲介会社がうその説明をして投資を募るなどの悪質なケースが相次いでいるとして、金融庁に対し、投資家が適切な投資判断を行うためには、融資先の情報を開示する必要があると指摘していて、金融庁も仲介会社に融資先の情報を公表させる方向で検討を進めています。
赤字の部分を読むと、
- ソシャレン業者が自らの判断で融資先を隠した
- それが原因で問題が起きたので
- 金融庁が融資先を公表させる
つまり、
- 融資先を隠したのはソシャレン業者の判断ミス
- それを金融庁が正す
という趣旨になっています。
明らかな誤報
これは明らかな誤報です。
借り手企業の匿名化は金融庁の指導で行われたものです。
ソシャレン業者が自らの判断で隠したのでもなければ、自ら進んで隠したのでもありません。
むしろ、OwnersBookの岩野社長やmaneoの瀧本社長など、少なからずの経営者は匿名化に反対でした。
それを押し切って強制的に借り手情報を隠させたのは、他でもない金融庁です。
金融庁を一方的に責める気はない
ただ、僕は金融庁を一方的に責めるつもりはありません。
ソーシャルレンディングに適用できる法律は貸金業法くらいです。
貸金業法を適用させる以上、貸金業法の下で合法となるように、体裁を整えるしかありません。
借り手をアルファベットで表記するとか、5万円だけ融資する借り手その2を作るとか。
国家官僚にまでなって、何が悲しくてこんなしょうもない仕事をしなければならないのか。
ソシャレンに携わる金融庁の職員には同情を禁じえません。
被害発生の土壌を作ったのは金融庁
ただ、悪質な業者が悪意のある行為を容易に行える。
匿名化によってその土壌を作ったのが金融庁であることは否定できません。
また、ソーシャルレンディングに適した法律がないならば、新法の制定を立法府に起案するのは、行政官として当然の責務です。
僕は一連のソシャレン不祥事の原因を作ったのは金融庁であり、その背景には同情するものの、指弾を免れることはできないと考えます。
NHKは金融庁の関与を報じず
しかし、NHKはこの事実を報じませんでした。
金融庁の関与を報じないどころか、借り手企業を隠したのはソシャレン業者の自主的な判断だと報じました。
これは明らかな誤報です。
金融庁の関与を報じなかったことが、金融庁に対する忖度と受け止められても反論できないでしょう。
そして実際に、NHKは金融庁の関与を意図的に隠蔽していたのです。
NHKは事実を意図的に隠蔽
今回の記事でNHKは、みずほ総合研究所の原島研司主任研究員に取材しています。
その中で原島氏は次のように述べたと書かれています。
「“匿名化”の規制をなくしたうえで、事業者側は投資されたお金の運用や収支の状況を正確に開示し、透明性を高める必要がある。」
「匿名化の規制」とは具体的に何を指すのか?
こんな非一般的な用語を、NHKの記者が具体的な内容を把握せずに記事として書くなど考えられません。
記者は原島氏に取材した時点、つまり、この記事を書く前の時点で、金融庁の匿名化指導を知っていたのです。
NHKは金融庁に忖度した
金融庁の指導を知っていながら、その事実を記事に書かず隠蔽した。
そして、業者による自主判断であると、事実に反する内容を報じた。
不祥事が生まれる土壌を作った責任は金融庁にあるのに、その事実を隠蔽し、逆に責任が業者にあるかのように事実を歪曲した。
明らかに金融庁に対する配慮、忖度です。
これでは真面目にやっているソシャレン業者が報われません!
NHKの意図的誤報を許さない
NHKは6月のグリフラ事件の際にも、事実と異なる報道をしました。
このときは記者がソシャレンのことをよく知らなかったのかもしれません。
しかし、今回は関係者から内部資料を得るなど、十分に勉強した上で記事を書いています。
真実を知った上で、意図的にソーシャルレンディングと真面目にやっている業者を貶めた。
今回のNHKの意図的な隠蔽報道を僕は許しません。
決して許されてはなりません。
NHK報道局にひとこと
お前ら、スポーツニュースと天気予報だけやっとれ!
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