第1号案件から大人気のソーシャルレンディング「バンカーズ」。
第2号案件は「バンカーズ地域医療機関支援・商業手形ファンド第1号」です。
この第2号案件には2つの案件が含まれます。
その内の1つが「診療・介護報酬債権担保融資案件(以下、診療報酬案件)」です。
これ、複雑で分かりにくいですよね?
そもそも名前が長い…
漢字ばっかでお経みたいw
今後もバンカーズで出てくるであろう診療報酬案件。
やさしく解説しますので、ぜひ理解してください。
超初心者向けに解説します!
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診療・介護報酬債権担保融資案件の解説
それでは、一番最初の入り口から解説を始めます。
診療・介護報酬の仕組み
医療や介護サービスを受けた際に支払う診察料などを「診療報酬」「介護報酬」と呼びます。
診療報酬の一部は患者が負担します。
3割負担とかのことだよね。
そして、7割など残りの分は社会保険や国民健康保険(以下、社保国保)が支払います。
社保国保からの支払いは2~3カ月後
診療報酬の内、患者負担分は基本的に診療時に支払われます。
これに対して社保国保分は、診療の翌月に1カ月分をまとめて社保国保に請求します。
そして、それから社保国保内で手続きが進められます。
このため、社保国保から病院に診療報酬が支払われるのは診療の2~3カ月後です。
病院は困るんじゃない?
医療機関で資金需要の発生
社保国保からお金が入るのは2カ月後。
だからと言って、医師や看護師に「給料、2カ月後でヨロ!」とは言えませんよね?笑
このため、資金繰りに余裕がない病院では、社保国保の支払いが入るまでのつなぎ資金が必要になります。
そこで、銀行やノンバンクなどの金融機関から病院が融資を受けるケースが出てくるのです。
第2号案件ではノンバンクです!
診療報酬債権担保融資
さて、銀行にせよノンバンクにせよ、融資にあたっては担保(借金の方)を取ります。
ソーシャルレンディングでよく出てくるのは不動産ですよね。
- 不動産を担保に
- お金を貸す
これに対して診療報酬案件では、診療報酬を受け取る権利を担保にお金を貸します。
例えば、ノンバンクが、
- 社保国保から100万円の診療報酬を受け取る権利を担保に
- 病院に100万円を貸す
みたいなイメージです。
不動産と同じように「診療報酬を受け取る権利」に担保価値を認めるってことです。
つまり、診療報酬債権担保融資とは、
- 診療報酬を
- 受け取る権利(債権)を
- 担保に
- お金を貸す(融資する)
ことです。
「診療報酬債権担保融資」と、4つに切り分けて理解してください。
やっと分かった。
ノンバンクが譲渡担保を設定
病院に融資するにあたって、ノンバンクが診療報酬債権を担保に取るのですが。
担保には質権や抵当権などいくつかのタイプがあります。
バンカーズの第2号案件では、譲渡担保というタイプの担保が使われました。
譲渡担保を設定すると、
- 担保の所有権が
- 債務者(借りる人)から
- 債権者(貸す人)に移動
します。
第2号案件ですと、
- 診療報酬債権の所有権が
- 病院から
- ノンバンクに移動
します。
で、どうなるの?
診療報酬債権は「診療報酬を受け取る権利」でしたよね?
この「診療報酬を受け取る権利」の持ち主がノンバンクに変わるので、
- ノンバンクが
- 社保国保から
- 診療報酬を受け取る
ようになります。
社保国保から直接ノンバンクに支払われます!
ノンバンクが2カ月後に回収
社保国保からの支払いは2~3カ月後でした。
ですから例えば、
- ノンバンクが1月に病院に100万円を貸し
- 診療報酬債権に譲渡担保を設定し
- 所有者がノンバンクに変わり
- 3月に社保国保から100万円を受け取る
みたいなイメージです。
ノンバンクはこのサービスの見返りに病院から利息を受け取る。
病院は2カ月という時間を利息で買う。
これが診療報酬債権担保融資です。
ここまで、病院とノンバンクの関係です!
バンカーズによるバックファイナンス
ところで、ノンバンクは2カ月の間、100万円を拘束されることになります。
もし、どこかから100万円が入ってきたら、別の病院にも貸すことができますよね?
そこでバンカーズの登場です。
バンカーズがノンバンクに100万円を融資します。
そうすることでノンバンクの資金繰りが改善されるわけです。
この例のノンバンクのように、
- 先に自分の資金で融資し
- 後から
- その資金を調達する
ことを、「後から(バック)資金を調達する(ファイナンス)」ということでバックファイナンスといいます。
診療報酬案件ではノンバンクがバックファイナンスとしてバンカーズから融資を受けます。
バンカーズからお金を借りるわけね。
バンカーズが譲渡担保を設定
ただし、融資となるとバンカーズも担保を取る必要があります。
そこで何を担保に取るか?
ノンバンクが所有する診療報酬債権です。
そして、バンカーズが診療報酬債権に譲渡担保を設定します。
こうすることで、債権の所有者がノンバンクからバンカーズに変わります。
持ち主がバンカーズに変わるんだ!
その結果、今度は社保国保からバンカーズに診療報酬が支払われるようになるのです。
譲渡担保設定を繰り返すことで、診療報酬債権の所有者が
と移動する。
こうして手に入った診療報酬債権を借金の方に、バンカーズがノンバンクにお金を貸すわけです。
これがバンカーズの診療報酬案件の仕組みです。
お分かりでしょうか?
診療報酬案件は安全性が高い
診療報酬案件ではバンカーズが社保国保から診療報酬を受け取ります。
払い手が社保国保ですので取りっぱぐれがありません。
診療報酬が存在する限り確実に支払われるので安全性が高いです。
社保国保が踏み倒すわけないし。
ファクタリングとは別
なお、診療報酬債権担保融資と似たものにファクタリングがあります。
ファクタリングは次のような仕組みです。
- ノンバンクが病院から
- 100万円の診療報酬債権を
- 95万円で買い取り
- 2カ月後に社保国保から100万円を受け取る
ノンバンクは5万円が儲かり、病院は5万円で2カ月という時間を買います。
同じじゃん?
違いまんねん!
ファクタリングでは診療報酬債権を完全に買い取ります。
債権の所有権があとで病院に戻ることはありません。
これに対して診療報酬債権担保融資では、借金の方として債権の所有権を一時的に取るだけです。
借金が返済されると譲渡担保の設定が解除され、債権の所有権は病院に戻ります。
ですので、バンカーズの診療報酬案件はファクタリングではありません。
(※ 今後、ファクタリングが含まれる案件が出る可能性はあります。)
間違いやすいところです!
診療・介護報酬債権担保融資案件のまとめ
最後に要点をまとめます。
- 診療報酬を受け取る権利を担保にお金を貸す
- 譲渡担保設定で社保国保から支払いを受ける
- これをノンバンクとバンカーズのダブルでやる
- 譲渡担保設定の繰り返しで債権がバンカーズに移る
- 払い手が社保国保なので安全性が高い
なお、診療報酬案件の細かい内容は、募集される案件ごとに違いが出ます。
案件ごとにバンカーズサイトの説明をちゃんと読み、内容をしっかり理解した上で投資判断をしましょう。
以上、バンカーズの診療・介護報酬債権担保融資案件の解説でした。
お疲れさまでした!
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