いつの間にかFundsの案件がファンズ・レンディング利用ばかりになっていました。
「今ごろ気付いたか!」と親愛なる読者諸兄姉の失笑を買いそうですが。
僕と同じようなボンクラが世界に3人くらいいるかもしれませんので。
今さら気付いたことを書きます。
ボンクラさん、いらっしゃ~い!
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Fundsの案件構造の変遷
Fundsの案件の構造はこれまで2回、大きく変わっています。
その変化の歴史を見てみましょう。
ファンド組成企業とは?
投資家は貸金業の免許を持っていないため、企業にお金を貸すことができません。
そこで、間に貸金業者を介在させます。
Fundsではこの貸金業者をファンド組成企業と呼びます。
当初は借り手のグループ企業
関係会社貸付
Fundsが運営を開始した当初、ファンド組成企業は借り手企業と同一グループの会社でした。
次のようなイメージです。
- 楽天がファンド組成企業
- 投資家が楽天に出資
- 楽天が楽天モバイルに投資家のお金を貸す
- 借りたお金で携帯基地局を整備
- 利息を付けて楽天に返済
- 楽天が投資家に分配+元本償還
グループ内で貸付を行うことから、Fundsでは関係会社貸付と呼んでいました。
安全性を訴求
Fundsが運営を開始した2019年1月は、ソーシャルレンディングで数々の事件が起きた暗黒の時代でした。
当時問題とされた一つが不透明な融資です。
ラッキーバンクやグリーンインフラレンディングなどで、募集内容とは異なる不当な貸付が行われました。
その原因の一つとされたのが、どこに融資しているのかが見えない点です。
Fundsはファンド組成企業をFundsの社外とすることで監視が効き、ラキバン、グリフラで起きた内部癒着的な不正を防げるとしたのです。
ファンド組成企業と関係会社貸付はFundsの安全性の訴求点でした。
画期的に感じました!
ファンズ・レンディング社の登場
会社設立が手間
関係会社貸付は企業グループ内での貸付であるため、ファンド組成企業は貸金業の登録をする必要はありません。
とは言え、会社を設立するのは面倒ですよね?
Fundsからお金を借りるには法人を設立しなければならないって。
銀行で借りるよね。
ファンズ・レンディングの設立
そこで設立されたのが貸金業者のファンズ・レンディング(以下、FL社)です。
募集等を行うファンズ社と融資を行うFL社。
- ファンズ社
- 募集などを担当
- 金融商品取引業者
- ファンズ・レンディング社
- 貸付を担当
- 貸金業者
OwnersBookのロードスターキャピタル社とロードスターファンディング社の関係と同じです。
案件が激増
2020年11月19日に募集された霞ヶ関キャピタル1案件からFL社の利用が始まりました。
借り手企業から見てFundsを利用しやすくなった効果があったのでしょうか?
FL社の利用が始まった2020年下期からFundsの案件数が激増したのです。
時期 | 募集案件数 | 借り手企業数 |
---|---|---|
2019年上期 | 9件 | 7社 |
2019年下期 | 6件 | 4社 |
2020年上期 | 12件 | 6社 |
2020年下期 | 22件 | 14社 |
2021年上期 | 43件 | 24社 |
2021年下期 | 61件 | 32社 |
2022年上期 | 58件 | 27社 |
2022年下期 | 53件 | 28社 |
一気に増えたのね。
地位移転スキームの導入
Fundsの倒産リスク
ただ、これってラキバンやグリフラと同じ体制に戻ってますよね?
また、融資の債権はファンズ社100%子会社のFL社にあります。
万が一、ファンズ社が倒産すると債権はファンズ社の管財人の管理下に入ってしまう。
つまり、投資家がファンズ社の倒産リスクに晒されることになったのです。
オマイガッー!
地位移転スキームの導入
そこで導入されたのが地位移転スキームです。
まず、一般社団法人ファンズ保全協会の子会社としてファンズ・オペレーション(以下、FO社)を設立します。
そして、
- 投資家がFL社に出資
- FL社が借り手企業に貸付
- FL社が持つ債権などをFO社に移転
- あとの営業はFO社が実行
ファンズ保全協会はファンズ社の関連企業ですが、一般社団法人なので資本関係はありません。
その子会社であるFO社に債権などが移るため、ファンズ社が倒産しても管財人は債権に手を付けられません。
一般社団法人を利用した倒産隔離の仕組みであり、Fundsではこれを地位移転スキームと呼んでいます。
これを利用した最初の案件は2021年9月17日募集のサニーサイドモール小倉1-1案件でした。
ファンズ・レンディング社ばかりに
そして僕がボーッとしている間に、ファンド組成企業にFL社を使った案件が大増殖を遂げていました。
直近1年でFundsを利用した借り手企業39社の内、9割の35社がFL社を利用。
今やFunds=FL社利用と言っても良い状態になっています。
運営開始当初と大きく変わりました!
地位移転スキームのメリット・デメリット
最後に地位移転スキームのメリット、デメリットを考えてみました。
案件増加に役立っている
これは地位移転スキームよりもFL社設立のメリットです。
FL社ができたことで自社でファンド組成企業を作らなくて良くなった。
このことが多少なりともFundsの案件増加に役立っていることは間違いないでしょう。
FL社ができたことで我々投資家が投資しやすくなったということです。
ファンズ社からの倒産隔離
もちろん僕はファンズ社が倒産するとは思っていませんし、そうならないことを望んでいます。
とは言え、現時点では赤字のベンチャー企業です。
いつ何があるか分かりませんので、隔離できるならしておいてくれた方が安心です。
避けられるリスクは避けたい。
弁護士が回収できるのか?
懸念点は万が一の場合の債権回収の可否です。
地位移転スキームでは借り手企業が債務不履行になった場合、FL社が選任した弁護士がFO社が持つ債権の回収にあたります。
で、僕は知り合いに弁護士はおらず、弁護士の業務も知らないのですが。
弁護士先生って借金の取り立てできるのですかね?笑
もちろん昔の借金取りみたいに「オラァ~、肝臓売って返さんかい~!」みたいなことはないでしょうが。
回収できるのかな?
ま、Fundsの社員も借金回収の経験はないですからね。
どっちでも一緒かな。
万が一の事態にならないことを祈るのみです。
頼むよ~!
定期的な見直しは必要
ちょっと今回、反省しまして。
僕は新しい業者が出てきた時は気合いを入れて調べるのですが。
そのあとは放ったらかしなんですよね。
それで今ごろになってFL社だらけじゃん!とか言い出すわけで。
定期的な見直しは必要だなと思った次第です。
ということで、世界に3人のボンクラさん、一緒にチェックしようね。笑
お恥ずかしい!
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