J.LENDINGは2月24日のLF77号を最後に募集が止まっています。
僕はそろそろ新規案件が出てくるかもと思っていたのですが。
しかし、どうやら僕の予想は完全にハズレだったようです。
出てこないの?
先日公開されたJALCOホールディングスの決算説明動画で、今後のJ.LENDINGのあり方について言及がありました。
今回はその内容を紹介します。
最悪、終わるかも…
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J.LENDINGは縮小方向に
決算説明動画のJ.LENDINGに関する部分を紹介します。
JALCOの業績は絶好調
JALCOホールディングスの業績が絶好調
その前に、JALCOホールディングスの業績は絶好調です。
直前の2023年3月期の決算は前期比で大幅な増収増益で、売上、利益ともに過去5年で最高値でした。(百万円)
2022年 | 2023年 | 前期比 | |
---|---|---|---|
売上高 | 2,783 | 4,964 | +78% |
営業利益 | 1,651 | 3,230 | +96% |
経常利益 | 1,002 | 2,267 | +126% |
利益倍増か。
パチンコ向けが好調を牽引
この好調を牽引しているのがJALCOのパチンコ業界向けビジネスです。
JALCOの主な商売は2つです。
- 不動産業(土地を所有しテナントから賃料を得る)
- 貸金業(ソシャレンを含む)
これら大家さん業と貸金業の顧客は次の3つです。
- パチンコ屋
- 三菱ふそうトラック・バス
- その他(イオンなど)
JALCOはパチンコ屋向けの大家さん業、貸金業で大きく収益を上げています。
パチンコ向け商売は大きく儲けられる
パチンコと聞くと衰退産業、お先真っ暗、オワコンと考える人が大半でしょう。
しかしこれは、事実に基づかない思い込みです。
JALCOの田辺社長は次のように考えています。
- パチンコ業界全体の年間売上は15兆円
- 粗利率は平均20%なので粗利3兆円
- 平均20%が家賃なので賃料は6千億円
- シェアの6分の1を取ったとして1千億円
- パチンコ屋向け不動産業だけで1千億円はいける
トレンドとしては衰退産業であっても、業界全体の規模が大きい。
そこで一定のシェアを取れば十分に大きな商売になる。
恐らくそういう考え方であり、それを実践して最高益を出しています。
この前提を踏まえた上で、以下を読み進めてください。
岩見本部長の発言から
決算説明会動画の38分から42分にかけて、金融事業本部長の岩見哲也氏が発言しました。
ソーシャルレンディングに関する部分を抜粋、要約します。
ソシャレンの募集は減っている
ソーシャルレンディングの募集について
- J.LENDINGの募集がないとの問い合わせはよく受けている
- SLの融資残高は前期19.6億円、今期18.8億円で減っていない
- しかし募集実績は前期38億円、今期26.2億円で大幅減
やはり、投資家からの問い合わせは来ているようです。
そして実際に募集は大幅に減っているのは、みなさんご存知の通りです。
最近、ご無沙汰よね…
ソシャレンは儲からない
J.LENDINGの募集が減った理由について岩見氏は次のように発言しました。(要旨まとめ)
要素としては2つある。1つは会社としてどこで売上、利益を確保していくかを考えたときに、SLは例えば6%で貸して、5%投資家に渡すので、1%しか儲からない。10億円貸してもそれほど儲からない。プロパーで貸すと15%、10%の金利で貸せる。会社に与える影響はそちらの方が良い。
プロパーとはプロパー融資、ここでは(ソシャレンではない)ジャルコが直接貸す貸金事業を指します。
ジャルコが自前で貸せば10%、15%儲かる。
ところが、J.LENDINGにすると1%しか儲からないよと。
ソシャレンは儲からない…
J.LENDINGは抑えていく
続けて、
反面、SLは他者=投資家の金でやるので自己資本はまったく使わない。プロパー融資は自己資本でやる。
自己資本の効率化という点で総合的に判断して、ちょっとソーシャルレンディングのとこは抑えていくというのが(減った)一つの理由
ソシャレンは自己資本を使わないで済むというメリットはある。
しかし、それを踏まえてもトータルではソシャレンに積極注力という選択はできない。
続けて、
もう一つとして貸付債権の中身の入れ替えを進めている。より資産内容を良くしたく、要はより堅い借り手にしたいため、その入れ替えの結果SLが減った(従来は堅くない借り手もあった)
JALCOの貸金事業トータルとして、貸付債権の中身の良化、つまり、堅い借り手への融資中心にしたい。
その選択の過程でJ.LENDINGのうち、堅くない借り手の案件が継続されなくなり、そのことも募集減につながったということでしょう。
田辺社長の発言から
今回の動画で田辺社長はJ.LENDINGについては語っていません。
しかし、49分の発言からJ.LENDINGの今後について考えることができます。
結論から言うとパチンコ全振り。で、それ以外の今一つ良く分からない、パチンコよりも良く分からない事業は、ほっとこう、極端な話やめよう。
JALCOは今後、パチンコ屋向けのビジネスに全振りするとのことです。
パチ屋にガッツリ!
パチンコ屋向けのビジネスの中には貸金事業も含まれます。
なので、パチンコ全振りには借り手をパチンコ屋とするJ.LENDINGも含まれると考えることは可能ではある。
ただ、J.LENDINGで借り手がパチンコ屋の案件はそれほど多くないです。
また、さきほどの岩見本部長の発言を踏まえると、J.LENDINGを使わずジャルコが自社で貸す可能性は十分あるでしょう。
J.LENDINGは最低でも縮小確実
以上、JALCOホールディングスの決算説明会動画について解説しました。
J.LENDINGの今後は未定
誤解、早合点しないでほしいのは、J.LENDINGについて何か確実に決まったことはまだない点です。
運営終了がアナウンスされたわけでもなければ、募集が減ると確定したわけでもありません。
こういう記事を書くと某掲示板に「J.LENDING運営終了、元本ヤバい!」みたいにネガティブなコメントを書いて喜ぶ変わり者がたまに出ますが。
そういう輩は無視放置で。
今後の準備はしておこう
ただ、岩見本部長、田辺社長の発言を踏まえると、J.LENDINGが以前の募集ペースに戻る可能性は低いと考えざるを得ない。
全案件を無事に償還した上での運営終了というシナリオも想定すべきでしょう。
可能性としてはあり得る。
過去を振り返っても、SBI-SLを始め多くの業者が消え、そのたびに我々は投資先を失ってきました。
これからさき、業者が1つや2つ消えたところでまったく困らない。
そう言えるように新たな業者を常に開拓し、いざという時のための予備の投資先を用意しておく。
常時から非常時の備えをする姿勢が我々投資家には求められるでしょう。
常に投資先に余裕を!
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