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J.LENDINGの運営会社ジャルコと経営者の田辺順一氏の詳細情報

J.LENDINGで投資して大丈夫かを判断するには、運営会社と経営者についての理解が大切です。

左野くん
左野くん

大切なお金を変な会社や怪しい経営者にあずけられないよね。

そこでこの記事では、J.LENDINGで実際に投資している僕が、

  • 実質的な運営会社であるジャルコ
  • JALCOホールディングスなどの関連会社
  • 経営者の田辺順一氏と関係者

について解説します。

タロウさん
タロウさん

みなさんの参考になればうれしいです!

この記事の著者
投資家・ブロガー
タロウ

ソーシャルレンディング、不動産クラウドファディング専門の投資家です。
2018年にソシャレン・クラファン投資を始め、これまで400件を超える案件に2億円以上を投資し損失ゼロ。
安全性を最重視した投資情報を発信しています。

J.LENDINGの運営会社と関連企業

J.LENDINGに関連する3つの企業について紹介します。

3社の概略とそれぞれの関係は下の図の通りです。

 

株式会社ジャルコ

ジャルコはソーシャルレンディングJ.LENDINGの運営会社です。

ジャルコの概要

会社名 株式会社ジャルコ
代表者 代表取締役 田辺順一
本社 東京都中央区日本橋2丁目16番11号
日本橋セントラルスクエア8階
設立 1956年3月9日
資本金 3億5千万円
事業内容 不動産の売買、賃貸、管理
貸金業
ソーシャルレンディング
設備機器等の販売
登録/免許 宅地建物取引業者免許
貸金業者登録
金融商品取引業者登録(二種)
古物商許可
株主 JALCOホールディングス株式会社(100%)

ジャルコの沿革

1956年3月 有限会社雪ヶ谷金属として設立
1967年11月 株式会社雪ヶ谷金属に改組
1974年5月 株式会社ジャルコに社名変更
1978年10月 株式を店頭登録
2004年12月 店頭登録取消、ジャスダック上場
2011年9月 上場廃止(JALCOホールディングスに株式移転)
2011年10月 JALCOホールディングスの完全子会社化
2012年9月 電子機器用部品事業の一部を東北タツミ株式会社へ譲渡
2013年3月 貸金業登録
2013年6月 アミューズメント事業への特化を発表
2013年9月 古物商登録
2015年11月 第二種金融商品取引業登録
ソーシャルレンディング事業(J.LENDING)開始
2018年9月 宅地建物取引業者免許取得
不動産取引業開始
  • ジャルコは元は電子機器用部品を製造するメーカーだったが、中国メーカーの台頭で業績が悪化した
  • 田辺順一氏が社長に就任し立て直しを図るが上手くいかず、同業の東北タツミに事業譲渡
  • 2012年から中古パチンコ台の割賦販売事業を始め、2013年からは完全にパチンコ方面に事業転換
  • さらに、パチンコ店向けの不動産賃貸業、貸金業をメインにした
  • 事業内容の変更に伴い、従来は電気機器であった東京証券取引所でのジャルコの業種分類は、2017年10月に不動産業に変更されている
  • 創業から60年以上経つが、ずっとソーシャルレンディングや不動産業、金融業をやっていたのではない
  • ずっと製造業をやってきて、この10年足らずで不動産、金融、さらにソーシャルレンディングへと事業転換した
  • なので創業60余年の老舗企業ではなく、社歴10年の不動産、金融事業者と見るのが正しい

ここからは、現在のジャルコの主力事業について説明します。

不動産賃貸事業

  • パチンコ屋が所有する不動産をジャルコが買い取り、パチンコ屋に賃貸する(ジャルコが大家さん、パチンコ屋が店子になる)
  • パチンコ屋はジャルコへの売却で得た資金で負債を返済したり、資金繰りを良くしたり、経営数値(ROE、ROA)を改善したりできる
  • ジャルコは安定した家賃収益を得られる(10~20年の長期契約が基本)
  • 一度契約してしまえば家賃徴収と固都税くらいしかコストがかからない
  • 他に、パチンコ屋の新規出店に際して、ジャルコが土地を取得しテナントとしてパチンコ屋が出店というパターンもある
  • パチンコ屋は出店コスト(1店舗あたり数十億円)を節約でき、ジャルコは長期の家賃収入を得られる(上記と同じ効果)
  • さらに、パチンコ屋以外(三菱ふそうトラックバス)の不動産取得→賃貸も行っている(今後はこちらを強化したい)
  • 収益性、返済能力が高いためパチンコ屋向けから始めたが、パチンコ屋にこだわるつもりはなく、収益性の良い不動産の取得を進める
  • すでに2018年の時点でジャルコが保有する不動産資産は、三菱ふそうトラックバス向けが70%、パチンコ屋向けが30%
  • 今後は病院や公共施設なども検討する
  • 不動産特定共同事業への進出も検討している
  • ただ、これは本来と言うか元々の不特のことであり、不動産投資型クラウドファンディングをやるということではないと思う
  • 不動産取得などの資金については、東京スター銀行、横浜銀行なども資金調達先、大手都銀からも調達(調達金利は2%以内、横浜銀は1%未満、悠晴は3%)
  • 三菱ふそうトラックバスは契約期間合計30年、総賃料65億円の契約内容(中途解約不可)、取得費用の80%は金融機関から融資が付いた
  • マルハン川崎桜本店は20年の賃借契約、賃料9%、取得費15億円の85%は銀行借入れ
  • 現在のジャルコの主力事業であり、好調かつ堅調、マルハン、三菱ふそうなど固くて筋の良い顧客が付いている

貸金事業

  • パチンコ屋が所有する不動産、動産(パチンコ台)を担保とした融資
  • 貸付金利:4~15%
  • 融資額:5千万円~20億円
  • 返済期間:原則10年
  • パチンコ屋は返済能力が高い
  • 貸金事業はパチンコ屋向けから始めたが、不動産業者など他の業種への融資も増えている
  • 不動産賃貸事業に次ぐジャルコのメイン事業

ソーシャルレンディング事業(J.LENDING)

  • これがJ.LENDING
  • 不動産賃貸事業と貸金事業では多額の資金が必要だが、その資金調達ルートの多角化を図るためにソーシャルレンディングを活用
  • ただ、横浜銀行などの金融機関も含めて資金調達先はそれなりにある模様
  • また、ソーシャルレンディングで調達できる資金などたかが知れているし、銀行など金融機関に比べると調達金利も高い
  • なので、ジャルコの主力事業の運営にソーシャルレンディングがどうしても必要ということではない
  • なのになぜわざわざソーシャルレンディングを始めたのか?
  • 田辺氏は野村證券で窓口業務をしていた際に、顧客のためにならない証券会社の手数料稼ぎ商品の販売を余儀なくされてきた
  • これは田辺氏に限った話ではなく、回転販売体質の古い証券会社では普通のこと
  • ただ、家族に胸を張って勧められないような金融商品を売りつけてきたという後悔と言うか、良心の呵責のようなものを、田辺氏は野村時代からずっと引きずってきた
  • その反省というかリベンジと言うか、あるべき金融商品の提供という田辺氏の個人的な思いでやっている側面が強いのではないか?
  • もちろん商売なのでロマンチシズムだけではできないが、田辺氏の思いがソーシャルレンディングを始める動機の一つであったことは間違いない
  • なお、ソーシャルレンディング事業強化のため、今後は証券会社、金融機関、富裕層対象のメディアなどとの提携を検討している
  • ソーシャルレンディング事業の特徴としては、利回りは4%程度と低い代わりに安全度が高い案件を供給する方針
ジャルコがソーシャルレンディング事業を始めるまでの経緯

ジャルコがソーシャルレンディングを始めるに至った経緯を、僕の推測を多分に含めてですが説明します。

  • UBI(投資、不動産業者)は2013年9月時点でジャルコの親会社であるJALCOホールディングスの株式150万株を保有する第6位株主だった(2014年に全株売却)
  • JALCOホールディングスが2013年11月に第三者割当増資を行った際、田辺氏からの貸付原資はUBI子会社で貸金業者のUBIfinanceが融資を行った(UBIfinanceから田辺氏が代表を務めるカタリスト社への貸付)
  • UBIfinanceは現在のリクレであり、当時の社長は前maneoマーケット社長の瀧本憲治氏であった
  • 以下、100%僕の推測
  • UBIつながりで田辺氏が瀧本氏と知り合い、ソーシャルレンディングを知った
  • ジャルコが不動産賃貸事業や貸金事業を始める際に、旧ジャルコが赤字続きで担保にできる不動産もなかったため、銀行からの資金調達に田辺氏は非常に苦労した
  • その経験から銀行以外にも複数の資金調達ルートを持つ必要があり、その一つとしてソーシャルレンディングが使えると田辺氏が認識
  • 同時に上述の野村證券時代の反省から金融商品としてのソーシャルレンディングの可能性も認識
  • パチンコ関連事業の資金調達でソーシャルレンディングの活用を検討する
  • しかし、けにごろう氏のインタビュー記事で田辺氏は「パチンコホール向けのサービスを開始した当初は瀧本さんには応援していただいた。maneo社と一緒にやろうと検討したこともあった。自分は、利回りは低くてもより安全な案件に融資するようにしたい。利回りが高くても、リスクが高ければマーケットが大きくならないのではないか。」と語っている
  • つまり、田辺氏はローリスク・ローリターンのソーシャルレンディングを志向したため瀧本氏とは方向性が合わず、自社でソーシャルレンディングをやることにしたのでは?
  • なお、上掲インタビュー記事にあるが、田辺氏はパチンコ屋の財務諸表を調べる過程でmaneoを知っている
  • なので、最初に瀧本氏とつながり、そこからUBIによるJALCOホールディングスへの出資につながった(逆だった)可能性はある ※1
  • それはともかく現在の状況を見ると、ソーシャルレンディング事業でmaneoと組まなくて本当に良かったね
  • 組んでいたらグリフラやクラリスとともにJ.LENDINGが期失ファミリーに名を連ねていたかもしれないw
2019年11月21日追記(※1)
J.LENDING担当者の方からご指摘をいただきました。
田辺氏は以前からソーシャルレンディングを知っていて、自社でもやろうと準備を進めていました。
その過程で、以前から投資、不動産関係で取引があったUBIから瀧本氏を紹介されたそうです。

設備機器販売事業

  • パチンコ屋の店内設備(空調機器など)の販売
  • パチンコ屋の新規出店に伴うワンストップサービスの提供ってところか
  • 中古パチンコ台の販売、レンタルはグループのジャルコアミューズメントサービスが行う

ジャルコの事業についての補足

  • もともとの電子機器用部品製造業からパチンコ屋向けの不動産業、金融業に商売替えしたって感じ
  • それをパチンコ屋以外へ横展開を図り、さらに横に広げたい模様
  • ジャルコの売上高のほとんどは家賃と金利(そのまま粗利)
  • 収益の9割が不動産賃貸事業、1割が貸金事業、ソーシャルレンディング事業は2~3%
  • 不動産の長期貸付(不動産賃貸事業、15~20年以上)はマルハン、ガイア、三菱ふそうトラックバスが借り手
  • 資金の短期貸付(貸金事業)はその他のパチンコ業者や不動産業者など
  • パチンコ屋向けのM&Aコンサルもやっている(メインではない)

J.LENDINGの借り手企業

以上のことがJ.LENDINGの借り手企業に影響しています。

J.LENDINGの過去の案件で融資を受けた借り手企業は以下の通りです。

借り手 業種 案件 融資額
A社 パチンコ 1号 1億円
2号 1億円
B社 不動産業 1号 1億円
C社 パチンコ 2号 4,000万円
3号 1億2,000万円
4号 1億2,000万円
D社 医療法人 3号 300万円
E社 コンサル? 4号 100万円
5号 100万円
6号 100万円
7号 100万円
F社 不動産業 5号 1億2,000万円
6号 1億2,000万円
7号 1億2,000万円
8号 1億2,000万円
T社 不動産業 9号 5,000万円
  • J.LENDINGは当初、パチンコ屋への貸付を特徴としていた
  • 実際に4号案件まではパチンコ屋がメインであった
  • ところが5号案件からは不動産業者がメインとなり、ここ2年間はパチンコ屋案件は募集されていない
  • ジャルコの事業対象がパチンコ屋から他の業種に広がったことが影響している模様

ジャルコの参考動画

以下は2018年2月に開催されたJALCOホールディングスのIRセミナーの模様を収録した動画です。

グループトップの田辺順一氏が、ジャルコの経営状況や戦略などについて詳しく語っています。

これを見れば、ここまで説明してきたジャルコの概要、沿革、事業内容についてより深く理解できます。

ちょっと長い動画ですが詳しく解説されていますので参考にしてください。

 

JALCOホールディングス株式会社

JALCOホールディングスはジャルコの親会社で、ジャスダック上場企業です。

ジャルコグループの持株会社であり、実際に行っている事業はありません。

JALCOホールディングスの概要

会社名 JALCOホールディングス株式会社
代表者 代表取締役 田辺順一
本社 東京都中央区日本橋2丁目16番11号
日本橋セントラルスクエア8階
設立 2011年10月3日
資本金 42億7千万円
事業内容 グループ持株会社
市場 東証ジャスダック

JALCOホールディングスの経営状況

連結(単位:百万円)

決算期 売上高 経常利益 純利益 総資産 自己資本比率
2012年3月 1,884 ▲578 ▲692 1,302 22.4%
2013年3月 791 ▲202 ▲343 1,623 73.1%
2014年3月 1,267 7 ▲527 4,016 67.9%
2015年3月 889 ▲47 ▲48 5,670 47.2%
2016年3月 567 60 113 5,787 48.1%
2017年3月 418 85 154 6,753 45.8%
2018年3月 552 35 409 14,280 27.2%
2019年3月 1,158 433 408 19,496 44.3%
2020年3月 1,724 613 512 27,684 32.9%
  • 資産の大半はパチンコ屋や三菱ふそうに貸している不動産
  • その不動産の賃料から各種コストや固都税を引いたものが売上高
  • おおむね総資産×6%=売上高、つまり、大家さん業の利益率は6%前後とのこと
  • 2015年度までは不動産の取得など先行投資で赤字が続いたが、2016年度からは順調な成長が続いている

JALCOホールディングスの大株主

2020年3月末時点でのJALCOホールディングスの大株主は以下の通りです。

株主 株主の説明 持ち株比率
カタリスト株式会社 田辺氏が代表
田辺氏の資産管理会社? ※2
37.87%
須田 忠雄 株式会社やすらぎ代表 9.48%
田辺 順一 ジャルコグループトップ 6.84%
スプラウト株式会社 実質的にJALCOホールディングス ※3 5.97%
株式会社悠晴 旧グローバルランド
2017年9月に資金業務提携
もとはパチンコ屋の資産管理会社
5.83%
杉山 昌子 個人投資家か資産家? 4.31%
幅田 昌伸 株式会社エスコ代表
この人も投資家?
3.86%
株式会社ウォーターフィールド 不動産業 3.44%
ゴールドマンサックス 投資銀行 2,87%
株式会社やすらぎ 企業再生、コンサル業 1.37%
  • 筆頭株主は田辺氏(カタリスト分を含む)
  • ただ、旧ジャルコ時代は9割弱の株を保有していたので、持ち株比率は下がっている
  • 不動産取得などの資金を金融機関からの借り入れ以外に増資でも調達してきたのだろう
2019年11月21日追記
J.LENDING担当者の方からこの点についてもご指摘をいただきました。
カタリスト社(※2)は田辺氏の個人保有会社、スプラウト社(※3)はJALCOホールディングスではなく吉岡氏の資産管理会社とのことです。
ご指摘ありがとうございました!

 

株式会社ジャルコアミューズメントサービス

ジャルコアミューズメントサービスは株式会社ジャルコのグループ会社です。

パチンコ、パチスロ機のレンタルを行っています。

ジャルコアミューズメントサービスの概要

会社名 株式会社ジャルコアミューズメントサービス
代表者 代表取締役 田辺順一
本社 東京都中央区日本橋2丁目16番11号
日本橋セントラルスクエア8階
設立 2010年11月4日
資本金 3億5千万円
事業内容 中古パチンコ台売買サイト運営
M&A、コンサルティング
パチンコ台等のレンタル
設備機器等の販売
株主 JALCOホールディングス株式会社(100%)
タロウさん
タロウさん

ここまでJ.LENDINGの運営会社と関連企業についてでした!

J.LENDINGの経営者と関係者

J.LENDINGの主な関係者について紹介します。

下表の通りジャルコグループ3社の役員はほぼ同じです。(以下敬称略)

役職 JHD ジャルコ JAS
代表取締役 田辺 順一 田辺 順一 田辺 順一
取締役 松島 正道 松島 正道
取締役 山岸 和仁 山岸 和仁 山岸 和仁
取締役 吉岡 勉 吉岡 勉 吉岡 勉
常勤監査役 鈴木 英一 鈴木 英一 鈴木 英一
監査役 露木 琢磨 露木 琢磨 露木 琢磨
監査役 天野 修 天野 修 天野 修

 

田辺 順一

ジャルコグループのトップ

  • 1965年11月三重県伊勢市生まれ
  • 1990年3月:一橋商卒
  • 1990年4月:野村證券入社
  • 2002年4月: 同、企業金融二部課長
  • 2004年8月:アイ・キャピタル証券入社
  • 2006年8月:MTラボ入社
  • 2007年2月:カタリスト設立、代表取締役(現任)
  • 2009年6月:ジャルコ取締役
  • 2009年9月:東北タツミ代表取締役
  • 2010年10月:ビジョンサーチアセット(現ジャルコアミューズメントサービス)代表取締役会長
  • 2011年2月:ジャルコ代表取締役社長(現任)
  • 2011年10月:JALCOホールディングス代表取締役社長(現任)
  • 2011年11月:ジャルコアミューズメントサービス代表取締役社長(現任)
  • 2014年7月:イオナアセット代表取締役
  • 2014年9月:タカナシコンサルティング代表取締役

田辺順一氏がJ.LENDINGを始めるまでの経緯

  • パチンコ、パチスロが好き、パチプロをしていたのは大学時代と思われる
  • サラリーマン時代もパチンコ屋に足しげく通っており、パチンコ屋はかなり儲かっていると肌感覚で感じた
  • そして、パチンコ屋の財務諸表を調べたところ、1~2日の売上がおおむね1ヶ月の家賃と同額であることに気付く(1~2日営業すれば家賃を払える)
  • その後、MTラボ(森トラスト100%出資の金融サービス業者)時代に融資を担当したジャルコに、MTラボ退社後に自ら出資
  • ジャルコ取締役就任以降は電子部品事業の立て直しで悪戦苦闘、かなり苦労した模様(電子部品事業は最終的に知人の東北タツミに事業譲渡)
  • その当時、本社周辺を何度も歩くうち、古い建物は銀行ばかりであることから金融業は長期安定すると気付き、不動産と金融をベースにしようと考える
  • パチンコが好きなため、パチンコ屋相手の不動産屋(賃貸)、銀行(貸金)をやることで差別化とする
    • 上述の通り1~2日で家賃が払えるのだから、パチンコ屋の大家になれば家賃徴収の確実性が上がる
    • オフィス賃貸などに比べて出入りが少ない(=長期に渡って借りてくれる)上、改装などの要求がないのでコストも掛からない
    • 他の業種と比べても資金力があるので、貸し倒れの可能性も低い
    • 銀行など既存の金融機関が貸したがらないので確実な需要が見込める
    • 自分がパチンコ、パチスロが好きで詳しいので、経営者のハートを掴める
  • 2012年2月以降、電子部品製造業からパチンコ屋をメインとする不動産業と貸金業に商売替え
  • その後、パチンコ屋以外にも借り手を広げ、現在はパチンコ屋の比率は30%以下
  • 上述の通り、不動産賃貸事業、貸金事業の資金調達先の一つとしてソーシャルレンディング事業(J.LENDING)を開始
  • 個人的な思いもあり、安全性を重視したソーシャルレンディングを目指す模様

 

松島 正道

ジャルコ取締役

  • 1992年4月:村田機械入社
  • 2007年9月:KDA監査法人入所
  • 2011年10月:ジャルコ入社、営業本部長
  • 2012年2月: 同、取締役営業本部長
  • 2012年2月:JALCOホールディングス取締役
  • 2013年6月: 同、営業部長
  • 2013年6月:ジャルコ営業部長
  • 2018年6月: 同、取締役(現任)
  • 2018年6月:ジャルコアミューズメントサービス取締役(現任)

 

山岸 和仁

ジャルコ取締役

  • 1971年6月生まれ
  • 1997年9月:公認会計士・税理士相田・高橋事務所(現 千代田国際公認会計士共同事務所)入所
  • 2000年4月:税理士登録
  • 2005年12月:山岸和仁税理士事務所開設 代表(現任)
  • 2012年9月:JALCOホールディングス監査役
  • 2012年9月:ジャルコ監査役
  • 2013年6月:ジャルコアミューズメントサービス監査役
  • 2018年6月:JALCOホールディングス取締役(現任)
  • 2018年6月:ジャルコ取締役(現任)
  • 2018年6月:ジャルコアミューズメントサービス取締役(現任)

 

吉岡 勉

ジャルコ取締役

  • 1965年2月生まれ
  • 1989年8月:タツミ紙工入社
  • 1995年7月:東北タツミ入社
  • 1996年9月: 同、郡山事業所所長
  • 2000年1月: 同、常務取締役
  • 2003年11月: 同、代表取締役社長
  • 2010年5月: 同、取締役
  • 2010年6月:ジャルコ代表取締役社長
  • 2011年2月: 同、取締役副社長
  • 2011年10月:JALCOホールディングス取締役
  • 2012年2月:東北タツミ代表取締役(現任)
  • 2017年6月:JALCOホールディングス取締役(現任)
  • 2017年6月:ジャルコ取締役(現任)
  • 2017年6月:ジャルコアミューズメントサービス取締役(現任)
  • 2018年8月:スプラウト代表取締役

 

濵井 稔

元JALCOホールディングス取締役

ちょっと気になる点があったので調べました。

J.LENDINGに直接関係はないので、興味がなければ飛ばしてもらってOKです。

  • 1969年生まれ
  • 1992年4月:野村證券入社
  • 1996年7月:テキサス大学オースチン校MBA留学
  • 2003年4月:野村證券企業金融二部課長
  • 2005年8月:UBS証券投資銀行本部エグゼクティブディレクター
  • 2013年8月:スプラウト設立 代表取締役
  • 2016年12月:JALCOホールディングス入社
  • 2017年6月: 同、取締役

濱井氏と田辺氏との関係

  • 野村證券時代の同僚
  • 2002年4月に田辺氏が企業金融二部の課長に就任し、1年後に濱井氏が同じ職階に就いている
  • 同じポストとは限らないが、直属の部下とか片腕とかの関係だったか?
  • カタリスト(実質的に田辺氏とイコール)の資金調達に協力した
  • 2013年8月にJALCOホールディングス株をカタリストから80万株、他株主から20万株取得し第8位株主に
  • 同時期にスプラウトを設立
  • その後の保有株式の推移は下表の通り
決算期 濵井氏 スプラウト
2013年9月期 1,000千株 0株
2014年3月期末 1,096千株 0株
2014年9月期 3,096千株 2,000千株
2015年3月期末 3,016千株 2,100千株
2016年3月期末 3,016千株 2,100千株
2017年3月期末 3,016千株 2,100千株
2018年3月期末 3,016千株 2,100千株
2019年3月期末 0株 5,116千株

濱井氏がジャルコを去った経緯

  • 2014年4月16日に大株主の幅田昌伸氏からスプラウト分も合わせて4百万株を買い取る(市場外、1株160円、総額6億4千万円)
  • 妻の濵井利佳子氏持ち分(13万株)も合わせると5,226千株で、カタリスト、田辺氏、幅田氏に次ぐ第4位株主に
  • ところが、2018年7月31日に濱井氏が3,016千株すべてを総額6億円でスプラウトに売却(市場外)
  • 同時期にスプラウトの代表取締役が吉岡勉氏(ジャルコ3社取締役)に交代
  • 要はスプラウト分、濵井利佳子氏分(当時11万株)も含めて濱井氏の全持ち株5,226千株をJALCOホールディングスが買い取ったってことか? ※4
  • ちなみに、濱井氏が株取得に投じた資金は調べた限りで8億2千万円余(下表参照)
  • これに対して、濱井氏系5,226千株の評価額は2018年3月末には5億7千万円にまで下がっていた
  • そして、2018年7月31日の売却価格は当時の株価174円よりやや高い200円で、濱井氏は10億円余を手にした
取得時期 取得株数 単価 取得総額
2013年8月 1,000千株 ※ 153円 1億5,300万円
2013年8月? (妻分)130千株 ※ 153円 2,000万円
2013年11月18日 47千株 214円 1,000万円
2014年3月期中 49千株 不明
2014年4月16日 4,000千株 160円 6億4,000万円
合計 8億2,300万円
※ 2013年8月の初値と終値との平均
2018年7月31日売却 5,226千株 200円 10億4,500万円
  • 普通に考えて元サラリーマンが8億円も持っているわけがなく、どこかから借りてJALCO株を買ったのだろう
  • それが値下がりして2億5千万円も含み損を抱えたらキツイよね、要はそういうことなのかな?
  • 2017年6月に濱井氏は取締役に就任したが、1年後の株主総会では再任されなかった(退職したのだろう)
2019年11月21日追記(※4)
上の方で追記しました通り、スプラウト社は吉岡氏の資産管理会社です。
ですので、濱井氏の全持ち株5,226千株を買い取ったのは、JALCOホールディングスではなく吉岡氏のようです。(金持ちやなぁ!)
タロウさん
タロウさん

ここまでJ.LENDINGの経営者と関係者についてでした!

J.LENDINGで投資するかの判断

以上を踏まえて、J.LENDINGで投資して大丈夫か僕の判断です。

 

田辺順一氏についての判断

  • 一橋を出ているからアホではない
  • キツイ思いをして修羅場をくぐって会社を立て直しているので、我々ソシャレン投資家より数段優秀
  • 悪いことをするとは思えない
  • もしするのであれば、旧ジャルコが倒産しかけの一番キツイ時にやっている
  • その時にしなかったのに、そこから立て直して業績がやっと好調になった今、わざわざ悪いことをする理由がない
  • よって、経営者リスクは極めて低いと判断

 

ジャルコについての判断

  • まず、本業が固い
  • 僕はパチンコをやらないのでよく分からないが、田辺氏の言葉が本当ならばパチンコ屋向けの不動産賃貸事業、貸金事業は安定収益源
  • また、メインの不動産賃貸事業の7割が三菱ふそうトラックバス向けの30年契約だが、天下のダイムラーが9割出資している三菱ふそうが家賃を踏み倒すとは考えにくい
  • 旧ジャルコからの立て直し期は資金調達に苦労したようだが、今では東京スター銀、横浜銀、一部都市銀行からも融資を得ている
  • さらに、2019年9月期にはゴールドマンサックス証券が第5位株主(出資比率2.43%)になった
  • つまり、銀行、証券がポジティブに評価している
  • 株価も2018年2月を底に基本上昇基調
  • なので、将来のことはもちろん分からんが、少なくとも1年後、2年後については事業者リスクは極めて低いと判断

 

J.LENDINGについての判断

  • 何よりも良いのが、ソーシャルレンディング事業の収益がジャルコ全体の収益の2~3%に過ぎないこと
  • そして、ソーシャルレンディング事業はメインの不動産賃貸事業、サブメインの貸金事業を運営する上での資金調達ツールに過ぎないこと
  • さらに、資金調達のメインは金融機関などであり、ソーシャルレンディングはメインではないこと
  • つまり、ジャルコにとってソーシャルレンディング事業の重要度は低い
  • サブのサブのサブであるソーシャルレンディング事業で上場企業の看板に傷をつけるようなことは絶対にしない
  • したがって、期失を起こすような案件を組成する可能性は極めて低い
  • また、田辺氏はJALCOホールディングス株の4割以上(4千万株弱)を保有する大株主
  • J.LENDINGで元本毀損などの事故が起こると、JALCOホールディングスの株価は間違いなく下がる(LCレンディングの資金繰りが原因でLCホールディングスの株価が下がったように)
  • そして、10円下がっただけでも田辺氏は4億円の損失を被ることになる
  • メイン事業でならばともかく、収益構成比2~3%のソーシャルレンディング事業でそういう事態に陥るのは何が何でも阻止するはず
  • さらに(これは根拠の薄い僕の推測だが)ジャルコのソーシャルレンディング事業の根底には田辺氏の野村時代の反省、後悔、無念さ、やるせなさのような私的な思いが流れている
  • そのリベンジのような気持ちがあるはずなので、投資家に損をさせるような案件を出してくるとは思えない
  • 以上を踏まえ、ソーシャルレンディングとしてのリスクも低いと判断

 

J.LENDINGの懸念点

  • ただし、田辺氏の考える「顧客にとって善良な投資商品」とは、ローリスク・ハイリターンな投資商品ではない
  • 田辺氏が目指すのは、投資家に損をさせない=投資家を危険に遭わせない=リスクが低い=リターンも低い商品
  • つまり「安全性に見合う低利回りは当然のこと」という考え方が田辺氏にはある
  • なので、現在の利回り4%が5%や6%になることは100%ありえないし、将来的には3%台まで下がる可能性が高いと僕は考える
  • よって、ローリスク・ローリターンを飲み込めない人はJ.LENDINGはやめた方が良い、田辺氏が顧客として想定する投資家ではない、ミスマッチはお互いにとって不幸
  • それと、今は平和なJ.LENDINGだが、いずれクリック合戦化するはず
  • その時に、最低投資額を現在の50万円から100万円程度に引き上げるのも一つの手
  • 1案件に100万円出せる投資家はすでにある程度の資産を持っているので、低利回りで低リスクな案件を好む
  • そういった顧客の方がハイリターン狙いの投資家よりもJ.LENDINGに合っているので、意図的にそっちの客層にもっていった方が良いような気がする
  • 現状、J.LENDINGは少ないスタッフで行っており、投資家が増えると対応できないという問題もある
  • その点でも最低投資額を10万円とかに下げて投資できる人数を増やす方向には動かないと考える

 

J.LENDINGについてまとめ

以上より、J.LENDINGでの投資の是非について最終まとめ。

  • 事業者として固い
  • ソーシャルレンディングとして固い
  • ハイリターン狙いには向いていない
  • 案件不足、最低50万円なのでメインにはならない
  • ある程度資金に余裕がある人にとってのサブ投資先

僕は資金に余裕はありませんが、元本回収至上主義の安全第一投資家です。

その僕の評価基準にJ.LENDINGはすっぽりはまるので、あくまでもサブとしてですが積極的に投資していきます!

★公式サイトから無料で会員登録できます → J.LENDING(公式サイト)

右田さん
右田さん

年会費や口座維持費とか、お金はかからないの?

タロウさん
タロウさん

登録したまま放置でも、お金は一切かかりません!

コメント

キャンペーン

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最新のキャンペーン情報は下記記事にまとめています。

最新のキャンペーン情報

途中解約

ソーシャルレンディングや不動産クラウドファンディングでは投資を行う期間、言い換えると、業者にお金を渡して戻ってくるまでの期間が事前に決まっています。

その期間の途中で契約を破棄し、お金を返してもらうのが途中解約です。

ソシャレン、クラファンともにほとんどの業者で途中解約は認められていません。

途中解約ができるのは大家どっとこむなどごく一部です。

基本的に運用期間が終わるまでお金は戻ってこないと考えてください。

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デビュー案件

業者が運営を開始後、初めて募集する第1号案件のことを、このブログではデビュー案件と呼んでいます。

このブログが独自に使っている用語であり、一般用語ではありません。

デビュー案件は一般に安全性、利回りともに高いことが多いです。

また、運営開始直後で会員がまだ少ないため、競争率が低く投資しやすいです。

デビュー案件はおすすめだと僕は思っています。

軍用地案件

軍用地案件はソーシャルレンディングのPocket Fundingが扱っている案件です。

担保が投資用不動産として人気が高い軍用地であるため、元本をほぼ確実に回収できることから、安全性が非常に高い人気の案件です。

なぜ、軍用地案件で元本をほぼ確実に回収できるのかは、この狭いスペースでは説明できません。

3分で読めますので、こちらの記事を参照してください。

軍用地案件の安全性が高い理由

1棟アパート、1棟マンション

不動産クラウドファンディングで「1棟アパート、1棟マンション」という表現を使う場合、アパートやマンション丸々1棟が投資対象であることを表します。

逆に投資対象が部屋単位である場合は「区分マンション」という表現を使います。

(区分アパートというのは聞いたことがありません)

海外案件

ソーシャルレンディングでは投資家のお金を借りるのが海外の企業であったり、借り手が日本企業であっても資金使途が海外企業への出資であるなど、投資家のお金の最終的な行先が海外である案件を海外案件といいます。

不動産クラファンでは投資家のお金で取得するのが海外の不動産である案件を海外案件といいます。

一般に海外案件は利回りが高い一方、海外ゆえにリスクが高くなることが多いです。

投資においてリターンとリスクはワンセットであり、ハイリターン・ローリスクはありえません。

初心者は海外案件には手を出さないことを強くおすすめします。

分散投資

ソーシャルレンディングや不動産クラウドファンディングで分散投資とは、利用する業者や投資する案件、案件のタイプなどを集中させず、複数に分ける投資手法のことです。

例えば、ソシャレンで1つの業者だけを使っている場合、その業者が倒産するとすべての資産を失うことになります。

また、不動産クラファンで東京の物件だけに投資していると、東京の地価の下落が全投資額に影響を及ぼしますよね?

分散投資をすることで大きな被害を防ぎ、万が一の場合でも被害を小さく済ませることができます。

事故

ソーシャルレンディングや不動産クラウドファンディングで分配金の支払いや元本の償還が遅れたり、元本が戻ってこなくなるなどのトラブルを、このブログでは「事故」と表現しています。

業者

ソーシャルレンディングや不動産クラウドファンディングの運営会社のことを、このブログでは「業者」と呼んでいます。

FundsやCREAL、バンカーズ、いずれも業者です。

Fundsのサイトの画像

「事業者」という表現を使っているメディアもあります。

満了

ソーシャルレンディングや不動産クラウドファンディングで募集額満額の応募が集まることを、このブログでは「満了」と表現しています。

募集額1億2千万円の案件で、応募が1億2千万円集まった状態が満了です。

満了のイメージ画像

「完売」という表現を使っているメディアもあります。

担保順位

1つの担保に複数の貸し手がいる場合の、貸したお金を回収する優先順位のことです。

例えば、評価額1億円の土地を担保に3者が下のように融資したとします。

担保順位 貸し手 融資額
第一順位 悪徳銀行 6千万円
第二順位 腹黒信金 2千万円
第三順位 山田さん 1千万円

借り手が返済できなくなり担保を処分するも、8千万円でしか売れなかった。

この場合、まず悪徳銀行が6千万円を回収、次に腹黒信金が2千万円を回収します。

第三順位の山田さんは1円も回収できません。

ソシャレン業者の担保順位が低い場合は注意が必要です。

源泉徴収税

ソーシャルレンディングや不動産クラウドファンディングでは、業者が20.42%の所得税を引いてから投資家に分配金を支払います。

この20.42%の所得税のことを源泉徴収税といいます。

引かれた源泉徴収税は業者が税務署に納めます。

壁芯面積

マンションの部屋の面積を測る際に、壁の中心線を基準に出した面積を壁芯面積といいます。

一方、我々が普通に使う壁の内側の線を基準に出した面積は内法面積です。

壁芯面積と内法面積の説明図

1口単位と最低口数

1口単位とは投資できる金額の単位です。

例えば1口=10万円の案件では、20万円、70万円と10万円単位で投資できます。

ですが、13万円や99万円では投資できません。

最低口数とは投資する際に最低限必要な口数です。

例えば以下の案件の場合、

  • 1口単位:1万円
  • 最低口数:2口

最低2万円から1万円単位で投資できます。

右田さん
右田さん

2万円の次は3万円だよ。

こんな感じに別ウィンドウが開き、ここで用語の解説などをします。

右下の「close」か別ウィンドウの外の部分をタップすると、別ウィンドウが閉まり記事に戻ります。

不成立

不成立とは案件の募集を行ったが、事情により案件を実行できなくなることです。

例えば、応募が最低成立金額に達しない場合、案件を実行できず不成立となります。

また、不動産クラファンで応募は順調に集まっていたものの、取得予定だった不動産に不備が見つかったため取得が中止になり、案件が不成立となることもありえます。

逆に成立は応募が集まり案件を実行できるようになることです。

最低成立金額

例えば、ソーシャルレンディングで「投資家から5千万円集めて企業に貸す」という案件があるとします。

この案件を募集して10万円しか集まらなかったら、ぜんぜん足りないので貸せませんよね?

でも、不足が数百万円ならば、その分は業者が自社で資金を出して合計5千万円とし、企業への融資を実行できるかもしれません。

そこで、業者が募集の際に「4千万円以上集まれば、満額集まらなくても不足分は自社で負担して融資を実行します」と約束します。

この場合の4千万円が最低成立金額です。

つまり、最低これだけ集まれば案件を実行しますよというラインのことです。

貸付金利

ソーシャルレンディングでは投資家から集めたお金を企業などに貸し、得られた利益を投資家に分配します。

例えば、企業に7%で貸し、ソシャレン業者が利益を2%取り、5%を投資家に分配します。

ソーシャルレンディングの貸付金利の説明図

企業に貸す際の金利(上図の7%)が貸付金利です。

上場企業系

ソーシャルレンディング、不動産クラウドファンディングで「上場企業系の業者」とは、業者自身やその親会社などが上場企業である業者を指します。

上場企業は信用力が高いことから、上場企業系の業者が運営するソシャレン、不動産クラファンは信頼性、安全性が高いと多くの投資家に認識されています。

ただし、「上場企業系=100%安全」とは限らないので注意が必要です。

運用と運用期間

不動産クラウドファンディングにおいて運用とは、投資家から集めた資金で取得した不動産を、賃貸したり売却したりすることで利益を生み出すことをいいます。

運用を行う期間は案件ごとにあらかじめ決められており、これを運用期間といいます。

マスターリース契約

不動産クラウドファンディングでは投資家の資金で不動産クラファン業者が物件を取得し、入居者から家賃を得ます。

しかし、入居者が見つからなければ家賃が入らず、投資家が分配金を得られなくなります。

そこで、不動産クラファン業者が不動産業者と次のような契約を結びます。

  1. 不動産クラファン業者が不動産業者に部屋を貸す
  2. 不動産業者が入居者に部屋を貸す
  3. 入居者が見つからなくても不動産業者は毎月の家賃を不動産クラファン業者に払う

マスターリース

これがマスターリース契約です。

マスターリース契約により投資家は入居者が見つからないリスクから隔離され、投資の安全性が向上します。

部分当選

ソーシャルレンディングと不動産クラウドファンディングの募集には、早い者勝ちの先着方式の他に、応募した人の中から投資できる人を抽選で決める抽選方式があります。

抽選方式では、50万円で応募して当選したら50万円投資できるのが基本です。

しかし、50万円の内、30万円分だけ当選する(=30万円だけ投資できる)こともあります。

これが部分当選です。

当選者の最後の1人が残額を割り当てられて部分当選になる場合の他、多くの人を当選にするために業者が全員を部分当選にする場合などがあります。

借り手企業

ソーシャルレンディングでは投資家から集めたお金を、ソシャレン業者が企業に貸します。

投資家のお金を借りるのが借り手企業です。

ソーシャルレンディングの仕組み

そして、借り手企業が支払う利息が、投資家が受け取る分配金となります。

一方で、借り手企業が倒産したり返済不能になると、投資家のお金が戻ってこないことも。

ソーシャルレンディングのリスク

ですので、ちゃんと返済できるのか?ソーシャルレンディングでは借り手企業の見極めが非常に重要です。

満室賃料

満室賃料とは、その物件が満室の場合に得られる想定賃料のことです。

全4室の1棟アパートで、各部屋の賃料が以下の場合、

  • 101号室:4.5万円
  • 102号室:4.5万円
  • 201号室:5.5万円
  • 202号室:5.5万円

満室賃料は月間20万円、年間240万円です。

空室リスク

空室リスクとは投資対象物件に入居者がつかず、空室で家賃収入を得られなくなるリスクです。

匿名組合型と任意組合型

不動産クラウドファンディングを含む不動産特定共同事業は、主に匿名組合型と任意組合型に分かれます。

主な違いは一般に下表の通りです。

匿名組合型 タイプ 任意組合型
匿名組合契約 契約 任意組合契約
なし 物件の所有権 あり
少なめ 最低出資額 多め
短め 運用期間 長め
有限責任 責任 無限責任
雑所得 所得区分 不動産所得

物件が倒壊して隣接する建物に被害が及んだ場合、任意組合型では出資額を超えて賠償責任が発生します。

匿名組合型の場合は責任範囲は出資額が上限であり、最悪でも全損で済みます。

任意組合型は所得区分が不動産所得で有利なため、相続など節税対策に使われることが多いです。

不動産クラファンではほとんどの案件が匿名組合型です。

不動産特定共同事業

不動産特定共同事業は次のような事業です。

  1. 複数の投資家から出資を受け
  2. 集まった資金で不動産を取得、運用し
  3. 得られた利益を投資家に分配する

多くの場合、1億円の1棟マンションを100口の持ち分に分割し、1口100万円で販売するといった、不動産小口化商品の形を取ります。

不動産特定共同事業のうち、募集などをインターネットを使って行うのが不動産クラウドファンディングです。

不動産小口化商品

不動産小口化商品は不動産を小口の持分に分割して販売する不動産投資商品です。

例えば、1億円の1棟マンションを1口100万円の持分100口に分割し、1口単位で販売します。

仮にこのマンションで1,000万円の利益が出た場合、1口投資した人は10万円、5口投資した人は50万円を得るイメージです。

不動産クラファンの場合、持分には利益の分配を受ける権利が含まれますが、物件の所有権は含まれません。

 

デポジット口座

デポジット口座とは業者内で投資家ごとに設置されるお財布のようなものです。

デポジット口座方式の業者では、投資家は事前に銀行から業者にお金を振り込み、そのお金は業者内のデポジット口座で保管されます。

デポジット口座

そして、デポジット口座のお金で案件に投資します。

また、分配金や償還された元本はデポジット口座で保管され、投資家が必要なときに出金申請し、自分の銀行口座に引き出します。

デポジット口座

 

売却リスク

不動産において、物件が予定通りの価格で売却できない、もしくは、売却そのものができない可能性を売却リスクといいます。

売却リスクが現実化すると、投資家には次のような不利益が生じる場合があります。

  • 分配金が予定額を下回る
  • 分配を受けられない
  • 元本の一部が戻ってこない
  • 元本のすべてが戻ってこない

流動性

不動産において、売買のしやすさや、現金化のしやすさを流動性といいます。

都心の一等地など需要が高く売りやすい物件は「流動性が高い」、逆に農村の空き家など需要が低く売りにくい物件は「流動性が低い」です。

譲渡

ソーシャルレンディング、不動産クラウドファンディングで自分の出資持分(利益の分配や元本の償還を受ける権利)を、第三者に譲り渡すことを譲渡といいます。

例えば、〇〇FUNDINGで10万円投資し、それを第三者(〇〇FUNDINGを含む)に10万円(もしくはそれ以外の金額)で買い取ってもらうイメージです。

入金と出金

投資するお金をソシャレン、クラファン業者の銀行口座に振り込むことを入金といいます。

運用が終わったお金が業者から投資家の銀行口座に振り込まれることを出金といいます。

元本

ソーシャルレンディングや不動産クラウドファンディングで、投資家が出資(投資)したお金のことを元本といいます。

リフォームとリノベーション

リフォーム、リノベーションともに、住宅の改修や改築を指します。

両者の違いはリフォームは「元の状態に戻す」ことであり、例えば壁の張替えや外壁の塗替えはリフォームです。

対して、リノベーションはリフォームよりも大がかりな改修、改築を行うことで「住宅の機能や価値を高める」ことを指します。

例えば、床暖房の新設や、壁を撤去して広々としたLDKへの間取りの変更はリノベーションです。

リフォームが老朽化で800万円に下がった物件の価値を元の1,000万円に戻すのに対し、リノベーションでは機能を付加して1,200万円に高めるイメージです。

分配と分配金

ソーシャルレンディングや不動産クラウドファンディングで、運用で得られた利益を投資家に支払うことを分配といいます。

また、支払われる利益を分配金と呼びます。

案件

ソーシャルレンディングや不動産クラウドファンディングで、募集される1つ1つの投資商品のことを案件と呼びます。

この用語は次のように使われます。

  • 〇〇業者から新しい案件が出た
  • 今度の案件は利回りが高い
  • 先週は△△案件に10万円投資した
  • □□業者は先月は3案件募集があった
  • ◇◇案件に応募したが抽選で落選した

すいません、上手く説明できなくて。

区分マンション

マンションを部屋単位で購入し投資する場合、「区分マンションに投資する」といった表現をします。

対して、1棟単位で購入、投資する場合は「1棟マンションに投資する」といいます。

独立した部屋1つ1つが区分マンションであり、面積や間取りを問いません。

ワンルームでも4LDKでも区分マンションです。

大島てる

大島てるは全国の事故物件情報を掲載するウェブサイト、及び、そのサイトを運営する会社の名称です。

先着方式と抽選方式

ソーシャルレンディングと不動産クラウドファンディングの募集方式は2つあります。

一つは募集開始と同時によ~いどんで早い者勝ちで投資できる人が決まる先着方式です。

もう一つは募集期間中に応募した人の中から抽選で投資できる人を決める抽選方式です。

成立前書面

成立前書面(契約成立前書面、契約締結前交付書面)は、ソーシャルレンディングや不動産クラウドファンディングで案件に応募する前に確認する書類です。

確認することで応募できるようになります。

成立前書面の確認画面

案件の詳細情報や契約内容などが書かれており、契約書に相当するものだと考えてください。

多くの業者で募集開始前から確認が可能です。

サイトに書かれていない情報も多いので、事前に必ず確認することを強くおすすめします。

モニタリング

ソーシャルレンディングにおいてモニタリングとは、借り手が融資契約を守れるか、ソシャレン業者が監視することをいいます。

業者によって異なりますが具体的な作業としては、定期的な借り手企業の訪問、経営者などへのヒアリング、財務書類のチェックなどがあります。

定期的にモニタリングを行うことで借り手の異常などを早期に察知し、貸し倒れを防ぐことができます。

このため、業者のモニタリングの実施とその精度は投資家にとって重要です。

あと入金と事前入金

投資するお金を業者に入金する方法は2つあります。

一つは先着や抽選の結果、投資できることが決まってから業者の口座に振り込むあと入金方式です。

もう一つは募集開始前に業者のデポジット口座への入金が必要な事前入金方式です。

デポジット口座

デポジット口座のお金は応募した案件への出資に充当されます。

ただし、抽選に落選などで投資できなくなると、入金したお金がデポジット口座で寝ることになります。

さらに、このお金を自分の口座に出金する際の振込手数料が投資家負担の業者もあります。

投資家にとってはあと入金の方が有利です。

 

早期償還

ソーシャルレンディングで借り手が予定より早く返済したり、不動産クラウドファンディングで物件が予定より早く売れることがあります。

そういった理由で案件の運用が予定より短い期間で終わり、業者が元本を予定より早く投資家に返すことを早期償還といいます。

例えば、運用期間12カ月の予定が6カ月で早期償還になると、受け取る分配金は基本的に半分になります。

ネガティブに捉えられがちですが、業者が確実に返済できる借り手、売れる物件を選んで案件を組成した証でもあります。

分配原資

分配原資とは分配金の出どころのことです。

例えば、入居者から得る家賃から投資家に分配金を払う場合、分配原資は家賃です。

家賃はインカムゲインですので、分配原資はインカムゲインとも表現できます。

組成

案件を作ることを組成といいます。

  • 投資対象は緑町ハイツ102号室で
  • 利回りは4.5%で
  • 運用期間1年
  • 募集総額2,300万円の案件を作る

こうやって案件が出来上がります。

組成 → 募集 → 運用開始 → 運用終了 → 償還

ソーシャルレンディング、不動産クラウドファンディングの案件はこのような流れで運営され、その最初の段階が案件の組成です。

元本毀損

元本毀損(元本割れ)とは投資したお金の一部、または、すべてが戻ってこなくなることです。

例えば、不動産クラウドファンディングで2,000万円で取得した物件が1,500万円でしか売れなかった場合、元本の一部が戻ってこないことがあります。

また、取得した物件が地震で倒壊し売れなくなった、ソーシャルレンディングで借り手企業が倒産したなどで、元本の全額が戻ってこないこともありえます。

クラファン案件の管理手数料

不動産クラファンで区分マンションなどが投資対象になる場合、物件の入居者募集や家賃徴収といった管理業務が行われます。

これらの業務は業者または外部の不動産業者が代行し、そこでは管理手数料が発生します。

案件の利回りはこういった手数料や経費も差し引いた上で計算されたものです。

ですので、投資家が管理手数料を別途支払う必要はありません。

優先出資と劣後出資

不動産クラファンでは一般に投資家と業者が共同で出資し、物件を取得します。

例えば、投資家が2,400万円、業者が600万円出資し、3,000万円の物件を取得するといった感じです。

出資者 出資額
投資家(優先出資) 2,400万円
業者(劣後出資) 600万円
出資総額 3,000万円

この時、投資家分の出資を優先出資業者分の出資を劣後出資といいます。

なぜ、そのような言い方をするのかなど、詳しくは下記記事を参照してください。

優先劣後出資方式と劣後出資比率

キャピタルゲイン型

不動産クラファンの案件は大きくキャピタルゲイン型とインカムゲイン型に分かれます。

投資対象物件を売却した際の売却益を分配原資(分配金の出どころ)とする案件がキャピタルゲイン型です。

一方のインカムゲイン型は運用期間中の家賃収益を分配原資とします。

なお、売却益と家賃収益の両方を分配原資とする併用型の案件もあります。

自社買取

不動産クラファンでは運用期間の最後に物件を不動産投資家など第三者に売却するのが一般的です。

しかし、何らかの事情で売却できなかった場合、自社で物件を買い取ることがあります。

売却できずに元本が戻ってこないところが、業者が買い取ることで元本が戻ってくることになるので、自社買取は投資家にとってメリットです。

インカムゲイン型の案件では、最初から自社買取の予定で案件を組成することもあります。

劣後出資比率

不動産クラファンでは一般に投資家と業者が共同で出資し、物件を取得します。

例えば、投資家が2,400万円、業者が600万円出資し、3,000万円のマンションを取得するといった感じです。

このとき、出資総額に対する業者分の出資額の比率を劣後出資比率といいます。

さきほどの例では20%です。

出資者 出資額 出資比率
投資家 2,400万円 80%
業者 600万円 20%
合計 3,000万円

そして、劣後出資比率が高いほど安全性が高まります。

右田さん
右田さん

数字が大きいほど安全だよ。

なぜ高いほど安全なのか?

詳しくは下記記事を参照してください。

優先劣後出資方式と劣後出資比率

償還

案件の運用が終わり、業者が元本を投資家に返すこと、業者から投資家に元本が戻ってくることを償還といいます。

クリック合戦

募集が先着方式の案件では、投資できる人が決まるのは早い者勝ちです。

このため、人気の案件では募集開始と同時に応募が殺到します。

この状態をクリック合戦といいます。

信託受益権

信託受益権とは信託財産から発生する利益を受け取る権利のことです。

詳しくは↓こちらの記事を参照してください。

信託受益権とは?(別タブで開く)

信託受益権とは?(今開いているタブで開く)

抵当権と根抵当権と極度額

抵当権とは借り手が返済できなくなった時に担保を売却し、その代金から他の債権者に優先して返済を受ける権利です。

抵当権は1つの借り入れに対して設定されるため、返済時点で消滅します。

これに対し根抵当権ではあらかじめ融資の上限額を設定し、その範囲内であれば何度でも融資と返済が可能です。

その都度、抵当権の設定登記を行う必要がないため、企業への融資などでよく利用されます。

極度額は根抵当権の融資上限額のことです。

債務履行

まず、「債務」とは他人に対し何らかの行動を行う義務のことです。

そして、債務を実際に行うことを債務履行といいます。

ソーシャルレンディングの場合、借り手(債務者)が利払いや元本の返済をすることや、連帯保証人が借り手に代わってそれらを行うことが債務履行にあたります。

逆に、借り手が経営悪化などに至り、利払いや元本返済をしない(できなくなる)ことが債務不履行です。

LTV

ソーシャルレンディングで使われる用語で、担保評価額に対する融資額の割合をいいます。

例えば、1億円の土地を担保に8千万円を融資する場合、LTVは80%です。

担保が評価額通りに売れるとは限らないため、LTVの数字が小さいほど安全性が高いとされます。

資金使途

ソーシャルレンディングで業者から借りたお金を借り手が何に使うかを資金使途といいます。

延滞

ソーシャルレンディングで借り手が期限内に返済できなくなることを延滞といいます。

また、ソシャレン、不動産クラファンで分配金の支払いや元本の償還が予定より遅れている状態を延滞と呼ぶことがあります。

業者や投資家によっては「遅延」という表現が使われることもありますが、意味は同じです。