クラウドバンクの上場企業事業拡大支援ファンドが快調に応募を集めています。
上場企業の連帯保証が付いており安全性が高い点が人気の理由でしょう。
最近、太陽光偏重だったクラウドバンクで固い案件が出てきたのは歓迎すべきことです。
ただ、クラウドバンクにはもう少し情報開示に積極的になって欲しいと思うのです。
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上場企業案件の条件が前回と違う
読者諸兄姉はご存知の通り、僕はクラウドバンクのすべての案件を記録しています。
エクセルの表で管理しているので、前回の募集内容がイヤでも目に入ってきます。
利回り | 運用期間 | |
---|---|---|
前回 | 4.5% | 14ヶ月 |
今回 | 5.2% | 14ヶ月 |
あれ?なんで利回りが変わったのかな?
ってか、1ヶ月も経ってないのになんで再募集するの?
このあたり、小心者の本領発揮です。笑
上場企業案件の担保が変わった
気になって調べてみたところ、なんと、
キャンセルの理由は担保内容の変更です。
えぇ~、それってヤバイんじゃないの?!
これは会員限定情報ではない「お知らせ」欄に書かれてある内容なので、オープンにして問題ないと思いますが。
キャンセルになった案件の紹介ページで次のように説明されています。
本ファンドは2019年6月14日に運用開始を予定しておりましたが、本ファンドの主要な融資先に関する担保の設定が、会員限定情報内の[担保・保証の概要]等に記載の内容から変更されることとなりました。
そのため、本ファンドは運用を開始することなく、本日(2019年6月21日)、出資金をすべてお客様のクラウドファンディング口座に返還いたしました。
本ファンド記載のプロジェクトにつきましては、[担保・保証の概要]等を修正したうえで、本日よりあらためて「上場企業事業拡大支援ファンド」として募集の取扱いを行いますので、出資をご検討いただきますようお願いいたします。
つまり、前回はAを担保にするってことで募集をかけた。
ところが、諸般の事情で担保がBに変わった。
このため、前回募集したのはすべてキャンセルにする。
代わりに、担保をBに買えた案件で再度募集を行うってことです。
条件が変わったからリニューアルするってことね。
コッソリ続けたりせずにきちんと対応しているので、ヤバイと言うよりまともだよ!
前回の上場企業案件は途中で打ち切られた
前回の募集ですが、確かに不自然な終わり方をしていました。(以下、いささかマニアックな内容です。笑)
前回の募集状況
クラウドバンクの案件には2つの番号が付いています。
一つは「太陽光ファンド第20号」みたいな、案件の種類ごとの番号です。
もう一つは「クラウドバンクファンド第1234号」みたいな、クラバン全案件の通し番号です。
で、前回の募集を表にまとめるとこうなります。
種類番号 | 通し番号 | 募集金額 |
---|---|---|
43 | 2205 | 2,000万円 |
44 | 2206 | 1,950万円 |
45 | 2207 | 1,900万円 |
46 | 2208 | 2,000万円 |
47 | 2209 | 1,950万円 |
48 | 2210 | 1,900万円 |
49 | 2211 | 2,000万円 |
合計 | 13,700万円 |
前回の募集、元々は総額35,000万円の予定でした。
ところが、半分も集まらないうちに募集を打ち切っています。
順調に集まっていたのに途中で打ち切りって、確かに不自然だよね。
途中の番号が抜けている
また、前回は49号で終了しているのに、今回の再募集は61号から始まっています。
50~60号が抜けている。
しかも、通し番号の2212~2216号と、2219~2224号が欠番で使われていないのです。
よくそんなことに気付いたね。
小心者ですから…
欠番分は前回募集で使われるはずだった
で、欠番の通し番号分がすべて前回の募集で使われていたと仮定すると、キレイに辻褄が合うのです。
こちらの表をご覧ください。
種類番号 | 通し番号 | 募集金額 |
---|---|---|
43 | 2205 | 2,000万円 |
44 | 2206 | 1,950万円 |
45 | 2207 | 1,900万円 |
46 | 2208 | 2,000万円 |
47 | 2209 | 1,950万円 |
48 | 2210 | 1,900万円 |
49 | 2211 | 2,000万円 |
50 | 2212 | 1,950万円 |
51 | 2213 | 1,900万円 |
52 | 2214 | 2,000万円 |
53 | 2215 | 1,950万円 |
54 | 2216 | 1,900万円 |
55 | 2219 | 2,000万円 |
56 | 2220 | 1,950万円 |
57 | 2221 | 1,900万円 |
58 | 2222 | 2,000万円 |
59 | 2223 | 1,950万円 |
60 | 2224 | 1,900万円 |
合計 | 35,100万円 |
種類番号が60号までつながり、募集総額もほぼイコールになります。
43~60号まで募集する予定だったのに、49号までで打ち切ったってことか。なんで?
問題が発生して途中で打ち切った
当初は60号まで募集する予定だった。
ところが、担保の内容が変わるという問題が途中で発生した。
そこで、49号が満了した5月31日10時で募集をストップした。
その後、借り手企業と再調整を行い、なんとか話がまとまった。
そして満を持して昨日6月21日に前回分をキャンセルすると同時に、リニューアル案件として61号から再募集を行った。
たぶんこういうことだったのだろうと思います。
問題点を修正して改めて募集したってことだよ!
クラウドバンクの対応は非常に適切
今回の一件へのクラウドバンクの対応ですが、極めてまっとうなものです。
会員限定情報なので詳しくは書けませんが。(←これ、ほんと面倒!)
まっとうだと僕が判断する理由を述べます。
隠していない
担保の変更と言っても、
- 前回:土地そのものへの抵当権
- 今回:土地を所有する特別目的会社の持ち分への質権
直接から間接に変わっただけで、土地そのものは変わっていません。
シレッとそのまま流そうと思えば流せたはずです。
どことは言いませんが某maneoでは、千代田区案件で物件の販売計画が勝手に変更され、期失が起こるまでその事実は伏せられていました。
担保内容の変更を隠して継続するのではなく、きちんとキャンセルにしている。
当然といえば当然のことですが、コソコソやっていないことは評価すべきです。
コソコソが連発のソシャレンだけにね。
リスクアップに対応している
ただ、担保が間接的になったことでリスクが高まったとは言えるでしょう。
そのため、クラウドバンクから借り手企業への貸出金利が0.5%上がっています。
と同時に、クラウドバンクは自分の取り分(手数料)を0.2%下げています。
この結果、投資家の利回りは前回の4.5%から今回の5.2%へと0.7%上がっています。
リスクが高まったので、それを投資家の利回りに反映させた。
しかも、自分の取り分の一部を(今回のドタバタのおわび代として?)投資家に回している。
至極まっとうな対応だと思います。
0.7%がリスク上昇に見合うと判断する投資家は、納得して投資できるよね。
キャンペーンに神対応
さらに、前回の募集はキャンペーン期間中だったのですが、この点についても対応しています。
なお、「融資型クラウドファンディングサービス利用者様 感謝キャンペーン」の条件を満たされているお客様による本ファンドへの投資申請額は、キャンペーン期間中に投資申請した金額の合計額から差し引くことなく、当該合計額に含めてキャッシュバック金額を算出いたします。
キャンセルになった分についてもキャンペーン対象としてキャッシュバックを払うってことです。
これは神対応ですよ。
ですので、前回分がキャンセルになったこと自体はいただけませんが、そのことへの対応は非常にキッチリと誠実に行った。
このあたりはさすが老舗だなと感じます。
起きたことは起きたこととして、対応自体はまともです!
クラウドバンクは積極的に情報開示すべき
ただ、残念なことが一つあります。
今回のリニューアル案件の募集に当たって、経緯を説明していない点です。
リスク上昇は明示すべき
リニューアル案件の募集ページで、次のように説明して然るべきだと僕は思います。
- 前回の募集の途中で担保が変わることになった
- そのため、前回の募集は途中で打ち切った
- 担保を変えた内容で今回、再募集を行う
- 担保が直接から間接に変わったことでリスクが高まる
- その代償として利回りを0.7%アップする
- なお、キャンペーンについては予定通り対応する
リスクが高まったことは明確に示すべきではないでしょうか?
投資家にとって不利な情報は明確に示すべきだと僕は考えます。
今のクラウドバンクの勢いであれば、リスクが高まったことをオープンにしても、3億5千万円程度ならば満額集められるはずです。
不利な情報をオープンにし、さらにキャンペーンについても投資家有利に対応したということで、間違いなく評価がさらに上がるでしょう。
不利な情報をちゃんと出してもらわないと、投資家は安心して投資できないよね。
オープンにしないと疑心暗鬼を呼ぶ
逆にオープンにしない方がクラウドバンクにとってマイナスです。
投資家の中には僕みたいに重箱の隅だけをつついている変質者がいるので、不都合な事実の少なからずは明るみに出ます。
また、投資家の中には僕みたいにすべてをネガティブに捉える性格がクソひん曲がったクズもいるので、さてはクラバン、意図的に隠蔽したな!と騒ぎ立てるやもしれません。
タロウさんだけだよ。
クラウドバンクの情報開示に期待
同業のPocket Fundingは先週募集した3つの案件で、以前募集した案件の条件変更による後継だとか、売却が予定よりも遅れているといったネガティブな情報もオープンにしています。
今回のクラウドバンクの対応は非常にまっとうであっただけに、それをオープンにしなかったことが惜しまれてなりません。
やっていることはまともなのですから、情報開示をより積極的に進めていくことを期待します。
情報を出す業者を投資家は支持するよ!
コメント
このファンドはダメでしょう。以前ファンドで集めたけどエグジット出来ず、SPCでの借換は出来ない(貸金業のライセンスがないから)ため、別のSPCをおっ立てて名前も事業拡大ファンドって一見して裏が見えないようにしてます。そもそも開発案件がとん挫したファンドで回収の見込みがないので新たな箱を作って乗り換えただけ。恐らく物件の価値も目減りして、金利負担でキャッシュフローもきつくなっているはずです。自転車操業でいずれ破綻するファンドを一般投資家に販売するなんで最低。買ってはいけません、絶対。
僕は自分のお金だけが大切なので、クラバンを擁護するつもりはゼロです。
しかし、絶対的に明確な根拠がない状態で、いずれ破綻すると断定し、絶対といった表現を使うのは不適切だと思います。