バンカーズが好調です。
2月2日の医療ファンド第2号に続いて、今月2回目の募集を行います。
今回はノンバンクへの融資です。
この案件に投資すべきか?
内容を分析し、投資の是非を判断します。
バンカーズ、ノリノリです!
タップできる目次
バンカーズ事業者ファンド第1号案件の概要
まず、バンカーズ事業者ファンド第1号案件の概要です。
バンカーズとは?
バンカーズは2020年12月に運営を開始したソーシャルレンディングです。
基本情報は以下の通りです。
サービス名 | バンカーズ |
---|---|
運営会社 | 株式会社バンカーズ |
運営開始 | 2020年12月 |
最低投資額 | 1万円 |
利回り | 2~5% |
運用期間 | 4~12カ月 |
トップが三菱UFJ銀行の元専務であるなど、信頼性と透明性の高さが期待される業者です。
●公式サイト:バンカーズ
バンカーズについて詳しくはこちらの記事で解説しています。
バンカーズ事業者ファンド第1号案件の基本情報
バンカーズ事業者ファンド第1号案件の基本情報は以下の通りです。
- 案件名:バンカーズ事業者ローン・商業手形ファンド第1号
- 利回り:2.76~3.37%
- 運用期間:6カ月
- 募集総額:2,800万円
- 最低投資額:1万円
- 投資単位:1万円
- 投資上限:なし
- 分配:満期一括
- 募集開始:2021年2月26日12時
- 募集方式:先着方式
利回りが約3%とさみしげですが。
最近はFundsやCRE Fundingのように1%台、2%台の案件も増えてきました。
なので3%あれば許容ラインだと僕は考えています。
銀行の普通預金は0.001%だからね。
銀行で寝かせるくらいならバンカーズ!
2つの案件を組み合わせている
バンカーズは毎回ですが、2つの案件を組み合わせて1つの案件にしています。
今回の事業者ファンド第1号は次の2つの案件でできています。
- 手形割引案件
- 投資家から集めたお金を元手に
- 手形割引事業を行い
- 割引手数料で儲ける
- 融資案件
- 投資家から集めたお金を
- 企業に貸して
- 利息で儲ける
投資家から集めた2,800万円は、2つの案件に次のように割り振られます。
- 手形割引案件:200万円
- 融資案件:2,600万円
我々のお金で2つの事業を行う。
そして、儲けの一部を我々に分けてもらうってことです。
しっかり儲けてや~!
手形割引案件の詳細
手形割引案件は過去3回とまったく同じです。
バンカーズが自社で手形割引事業を行います。
- 投資家のお金200万円を使って
- 手形割引を行い
- お金を稼ぐ
手形割引とは簡単に言うと次のような事業です。
- 例えば、次の約束手形を98万円で買い取る
- 額面100万円
- 支払いは2カ月後
- 2カ月後に100万円を受け取って2万円儲かる
- 売った人は2カ月早く現金を受け取れる
手形割引がよく分からないという方は、こちらの記事を読んでみてください。
バンカーズの定番だから理解しておいた方が良いよ。
融資案件の詳細
今回の融資案件は事業者向け貸金業者(ノンバンク)に融資を行います。
融資案件の構図
融資案件は次のような構図です。
投資家から集めたお金をバンカーズが借り手の貸金業者に貸します。
- 投資家
- ↓
- バンカーズ
- ↓
- 借り手(貸金業者)
- ↓
- 企業A・企業B
そのお金を貸金業者が企業Aと企業Bへの融資に使います。
つまり、
- 投資家がバンカーズ経由で
- 貸金業者に
- 貸金事業の資金を貸してあげる
ということです。
私たちのお金を使って貸金業をするってことか。
その儲けの一部を投資家がいただく!
融資案件に関係する企業
バンカーズの先の3社についてですが。
- 投資家
- ↓
- バンカーズ
- ↓
- 借り手(貸金業者)
- ↓
- 企業A・企業B
借り手の貸金業者は関東地方のノンバンクです。
1月に募集された医療ファンド第1号案件の借り手でもあります。
今回で2回目の登場です!
企業Aと企業Bは都内の事業会社です。
ともにお世辞にも良いとは言えない経営状態です。
ヤバいんじゃない?
融資案件の保全
ヤバいっちゃヤバいんですが。
僕はソーシャルレンディングで投資するときは、借り手が絶対に返済不能になる前提でやっています。
相変わらず根がネガティブ。
ですので、担保など保全が十分ならば問題なしという考えです。
返済不能になっても担保で回収できればOK!
今回の融資案件では2つの保全が図られています。
1.債権への譲渡担保
まず、借り手は企業Aと企業Bにお金を貸しています。
そのお金を返してもらう権利(貸付債権)にバンカーズが譲渡担保を設定します。
その金額は次のようになっています。
- 企業A
- 借り手からの融資額:600万円
- 貸付債権残高:750万円(他の融資分も含む)
- 企業B
- 借り手からの融資額:2,000万円
- 貸付債権残高:2,000万円
借り手がバンカーズに返せなくなったら、企業A、企業Bから直接返してもらいます。
2.不動産担保
さらに、企業Aと企業Bが所有する不動産に、バンカーズが第1順位の抵当権を設定します。
- 企業A
- 借り手からの融資額:600万円
- 担保評価額:1,729万円
- LTV:34.7%
- 企業B
- 借り手からの融資額:2,000万円
- 担保評価額:4,711万円
- LTV:42.5%
借り手も同様に抵当権を設定(優先権はバンカーズの方が上)しているので、企業A、企業Bが返済できなくなったら担保で回収します。
ここまで案件の概要でした!
バンカーズ事業者ファンド第1号案件の分析
バンカーズ事業者ファンド第1号案件の分配金は、運用終了後に元本とあわせて一括支払いです。
ですので、元本を回収できるかについて考えます。
手形案件の元本回収
手形案件で元本を回収できるかは、手形の振出人が支払いをできるか次第です。
バンカーズは手形割引の際に振出人の支払い能力を審査しています。
また、万が一振出人が支払えない場合は、手形の割引依頼人に手形の買い戻しを求めることができます。
これらの対策を取ることで、バンカーズでは過去10年に渡って手形割引で不渡りを出していません。
この実績から、手形案件で元本を回収できない可能性は低いと思います。
上の説明がちょっと分かりにくいという方は、こちらの記事を読んでください!
融資案件の元本回収
次に融資案件です。
3つのケースで見ていきます。
1.企業A、企業Bが返済できない場合
企業A(600万円)、企業B(2,000万円)が借り手に返済できない場合です。
- 投資家
- ↓
- バンカーズ
- ↓
- 借り手(貸金業者)
- ↓
- 企業A・企業B
- 600万円・2,000万円
バンカーズサイトの説明には次のように書かれています。
借手の融資先2社(A社、B社)が破綻した場合でも、本融資はあくまでも借手に対する融資であり借手は全財産をもって返済する義務を負っているため、借手が返済することができれば元本は毀損しないと考えます。
ポイントは「借手が返済することができれば」です。
できるの?
借り手については次のように書かれています。
- 2001年の創業以来、連続黒字経営
- 前期の売上高1億8,700万円、経常利益7,100万円
- 今期も黒字見込み
- 資金残高常時1,500万円以上
借り手はバンカーズから借りた2,600万円を企業Aと企業Bに貸している形です。
両者が返済できず2,600万円を自社でかぶることになると、経常利益の3分の1が吹っ飛びます。
しかし上述の通り、借り手も企業A、企業Bが所有する不動産を担保としています。
なので、これら担保を処分して貸したお金を回収するでしょう。
回収できるだけの担保価値はあるの?
担保は次の3件で、いずれも区分マンションのようです。
- 企業Aの1
- 所在地:渋谷区富ヶ谷
- 建物構造:RC4階建の1階部分
- 面積:12.89平米
- 担保評価額:1,729万円(2と合わせて)
- 企業Aの2
- 所在地:千代田区二番町
- 建物構造:SRC11階建の2階部分
- 面積:13.34平米
- 担保評価額:1,729万円(1と合わせて)
- 企業B
- 所在地:横浜市神奈川区高島台
- 建物構造:RC6階建の1階部分
- 面積:76.62平米
- 担保評価額:4,711万円
この担保評価額が妥当なのか、不動産情報サイトで調べてみました。
その結果がこちらです。
物件 | 面積 | 推定平米単価 | 推定価格 |
---|---|---|---|
Aの1 | 12.89㎡ | 73.4万円 | 946万円 |
Aの2 | 15.10㎡ ※ | 88.0万円 | 1,329万円 |
B | 80.72㎡ ※ | 82.9万円 | 6,692万円 |
なんということでしょう。
僕の推定価格はいずれもバンカーズの担保評価額を大幅に上回っています。
担保 | A | B |
---|---|---|
バンカーズ担保評価額 | 1,729万円 | 4,711万円 |
タロウ推定価格 | 2,275万円 | 6,692万円 |
しかし、極度額(根抵当権での融資上限)は僕の推定価格にかなり近いです。
担保 | A | B |
---|---|---|
バンカーズ担保評価額 | 1,729万円 | 4,711万円 |
極度額 | 2,000万円 | 6,500万円 |
タロウ推定価格 | 2,275万円 | 6,692万円 |
なので、極度額の方が本来の担保評価額に近いのかもしれません。
そう考えた場合、極度額(≒本来の担保評価額)は、借り手から企業A、企業Bへの融資額を大幅に上回っています。
担保 | A | B |
---|---|---|
融資額 | 600万円 | 2,000万円 |
極度額 | 2,000万円 | 6,500万円 |
ですので、企業A、企業Bが返済できなくなった場合。
借り手が担保を処分して企業A、企業Bへの融資金を回収し、バンカーズにお金を返すことができる可能性は極めて高いと考えます。
それは安心。
2.借り手が返済できない場合
次に、借り手がバンカーズから借りた2,600万円を返済できない場合です。
- 投資家
- ↓
- バンカーズ
- ↓
- 借り手(貸金業者)
- 2,600万円
- ↓
- 企業A・企業B
上述の通り、バンカーズは借り手が持つ企業A、企業Bに対する貸付債権(お金を返してもらう権利)に譲渡担保を設定しています。
その額は以下の通りです。
- 企業A
- 借り手からの融資額:600万円
- 貸付債権残高:750万円(他の融資分も含む)
- 最終弁済予定日:2021年11月30日
- 企業B
- 借り手からの融資額:2,000万円
- 貸付債権残高:2,000万円
- 最終弁済予定日:2021年9月6日
借り手からバンカーズへの返済期限は2021年9月6日です。
その日まで貸付債権は企業A、企業Bともに残っています。
ですので、借り手が返済できない場合、貸付債権を根拠にバンカーズがAB両社から直接回収することができます。
だったら大丈夫。
ちょっと待った!
融資額と貸付債権残高の関係はさきほど見た通りです。
- 企業A
- 借り手からの融資額:600万円
- 貸付債権残高:750万円
- 企業B
- 借り手からの融資額:2,000万円
- 貸付債権残高:2,000万円
しかし(会員限定情報なので金額は伏せますが)、企業Aは毎月元本の一部を借り手に返済します。
ですので、借り手が返済不能になった時点で企業Aの貸付債権残高が600万円を下回っている可能性があります。
そうなったら貸付債権で600万円を回収できなくなる!
この点についてバンカーズに確認しました。
借り手からバンカーズへの返済期限9月6日まで、毎月の返済によって企業Aの貸付債権残高が600万円を下回ることはないとのことです。
だったら大丈夫。
安心するのはまだ早い!
企業A、企業Bともに早期返済する可能性もあるでしょう。
例えば、企業Bが500万円を予定より早く返済したとします。
項目 | Before | → | After |
---|---|---|---|
融資額 | 2,000万円 | → | 2,000万円 |
貸付債権残高 | 2,000万円 | → | 1,500万円 |
すると、貸付債権残高が融資額を下回り、バンカーズは融資額の一部を回収できないことになります。
ヤバいじゃん!
これについてもバンカーズに確認したところ、2つの対応があります。
まず、不足する500万円分、借り手がバンカーズに追加で担保を出します。
担保のトータルが2,000万円に戻ります!
もう1つの対応は、借り手もバンカーズに500万円を早期返済します。
すると、バンカーズから借り手への融資残額が1,500万円に減ります。
項目 | Before | → | After |
---|---|---|---|
融資額 | 2,000万円 | → | 1,500万円 |
貸付債権残高 | 2,000万円 | → | 1,500万円 |
こうすることで、貸付債権残高が融資残額をカバーする状態に戻します。
このどちらかの対応を取る契約にしているので、貸付債権で元本を回収できない状態にはならないそうです。
ちゃんと考えているのね。
貸金業って奥が深いですね!
3.借り手、企業A、企業Bすべてが返済できない場合
最後に、バンカーズの先の3社がすべてアウトになった場合です。
- 投資家
- ↓
- バンカーズ
- ↓
- 借り手(貸金業者)
- ↓
- 企業A・企業B
この場合はバンカーズが企業A、企業Bの不動産担保を処分します。
不動産担保についてはさきほど説明した通りです。
買い手がつかないなどイレギュラーがない限り、担保の売却で元本を回収できる可能性は極めて高いと考えます。
よっしゃ!
融資案件の元本を回収できる可能性は高い
以上、細かく見てきました。
パターンとしては主に次の2つになりますが、
- 不動産担保で回収
- 貸付債権で回収
いずれの場合でも、融資案件の元本を回収できる可能性は高いと判断します。
損することはないでしょう!
担保情報をより充実させてほしい
なお、バンカーズに要望です。
担保が不動産の場合、以下の情報も出してください。
- 築年数
- 壁芯面積
新築と築50年では担保価値が違います。
20~25年のように幅を持たせてでも良いので出してほしいです。
また、現在掲載されている専有面積は登記面積(内法面積)だと思います。
しかし、不動産情報サイトで掲載されているのは大半が壁芯面積です。
このため、不動産情報サイトで平米単価を調べても、内法面積しか出ていないので担保評価額を出せません。
内法面積に何%か上乗せして推定することもできますが、最初から壁芯面積を出していただけると助かります。
現在のバンカーズの担保情報では十分な投資判断ができません。
SBI-SLに比べればはるかに充実していますが、さらなる充実をお願いしたいです。
ぜひご検討を!
バンカーズ事業者ファンド第1号案件の投資判断
それでは最後に、バンカーズ事業者ファンド第1号案件に投資するかの判断です。
20万円で投資します
見てきたように、よほどのイレギュラーがない限り元本は回収できます。
元本が回収できるならば分配金も問題ないでしょう。
非常に硬い案件だと思います。
ただ、今回の借り手は1月に募集された医療ファンド第1号案件の借り手と同じです。
そして、僕はこの医療ファンド1号に50万円を投資しています。
同じ借り手にどっさり投資はリスキーなので、今回は前回より少なめの20万円にします。
小心者!
慎重と言ってくれ!
SBI難民が押し寄せてくる
SBI-SLでトラブルが起こっていますが。
第三者委員会の結論が出る4月まで、SBI-SLは新規の募集ができないはずです。
その結果、SBI-SLで投資していた人が投資の場を失い、SBI難民として他の業者に押し寄せてくるでしょう。
実際、先日のOwnersBookは3億6千万円の募集が3分足らずで満了しました。
投資できる業者を確保しないと。
バンカーズは投資できる
その点、バンカーズは毎月コンスタントに案件を出しています。
- 12月15日:2,200万円
- 1月15日:5,500万円
- 2月2日:3.300万円
- 2月26日:2,800万円
募集額は少ないですが会員数もまだ少ないので、クリック合戦は一度も起きていません。
ですが、良い業者なのでいずれ競争率が上がるのは確実です。
会員数が少ない今がチャンスだよ。
事業者ファンド第1号の募集開始は2月26日12時。
今から会員登録すれば間に合うでしょう。
僕は過去3回すべてに投資済みです。
今後も主力業者として投資していきます。
みんなで投資しましょう!
●公式サイト:バンカーズ
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