ゼロからの確定申告入門｜第2回：確定申告が必要な人

ソシャレン、不動産クラファンの確定申告を初めてする投資家のための確定申告入門。

第2回は「確定申告が必要な人」です。

「しなくても良いけどしたほうがオトク」な人もいます。

 

 

確定申告が必要な人

確定申告が必要な人の主なパターンを挙げます。

その他については国税庁のサイトを見てください。

 

給与以外の所得が20万円を超える給与所得者

申告が必要な給与所得者

以下に該当する人は確定申告が必要です。

ビギナーには分かりにくいと思うので、単語の意味も含めて詳しく説明します。

 

給与所得者とはお給料をもらっている人です。

会社員、派遣社員、公務員は言うまでもなく、パート、アルバイトも給与所得者に該当します。

いま流行りのタイミーさんも給与所得者です。

 

まず「給与以外」ですが、ソシャレン、不動産クラファンの分配金だけでなく、会社員の副業などすべてが含まれます。

会社が知らない所得すべてと考えてください。

キャンペーンでもらったアマゾンギフト券もです。

プチ解説 分配金とは？

プチ解説 キャンペーンとは？

 

そして、所得とは収入から経費を引いたものです。

会社員が副業でアクセサリーを作ってメルカリで売った場合、売上から材料費や送料などを引いた手取りが所得に当たります。

 

次にソシャレン、不動産クラファンの分配金の場合、所得は源泉徴収前の金額です。

下の画像で言うと、源泉徴収される前の39,671円が20万円にカウントされます。

業者から自分の銀行口座に振り込まれた31,571円ではない点に注意してください。

プチ解説 源泉徴収とは？

 

なお、カウントの対象は2024年に受け取った分配金です。

 

申告が必要な給与所得者の例

確定申告が必要な人の具体例を挙げます。

 

派遣社員という給与所得者であり、給与以外の所得が20万円を超えています。

したがってこの人は確定申告が必要です。

 

所得が48万円を超える非給与所得者

申告が必要な非給与所得者

以下に該当する人は確定申告が必要です。

こちらも詳しく説明を。

 

まず、非給与所得者は自営業者やフリーランスです。

パートなどをしておらず給与をもらっていない専業主婦も非給与所得者に該当します。

 

所得にはソシャクラ分配金の他に、自営業者の事業所得などすべてが含まれます。

専業主婦がメルカリで稼いだお金も所得です。

 

次に48万円の理由ですが、48万円以内ならば基礎控除48万円で所得がゼロになることにあります。

所得がゼロだと所得税もゼロで確定なので、確定申告は必要ないという理屈です。

 

したがって、48万円を超えていても、基礎控除の他に扶養控除や配偶者控除などがあり所得がゼロになるならば、確定申告は必要ありません。

 

課税所得が695万円を超える人

第1回で説明した通り、ソシャレン、不動産クラファンの源泉徴収は税率20.42％で行われています。

しかし下表の通り、課税所得695万円超では税率は20.42％よりも高いです。

 

例えば1千万円の人の場合、源泉徴収だけでは13％ちょいを納税していない状態です。

この状態を放置すると脱税になります。

ですので、確定申告で正しい所得税額を確定させ、不足分を追加で納税することが必要です。

確定申告したほうがオトクな人

 

課税所得が330万円以下の人

さきほどの695万円超と逆のパターンです。

 

税金を払いすぎている

次のような人がいたとします。

 

この人は給与以外の所得が20万円以下なので、確定申告は必要ありません。

でも、所得税率を見るとどうでしょう？

 

給与や分配金を含めた所得が200万円なので、この人の本来の所得税率は10.21％です。

ところが、源泉徴収は20.42％で行われています。

そうです！

税金を取られすぎているのです。

にっくき、国税庁！！！笑

 

確定申告をすれば戻って来る

ここで知っておいてほしいことがあります。

 

20万円を超えたら確定申告が必要です。

20万円以内なら不要です。

ただし、あくまでも「不要」です。

したらダメではありません。

20万円以内でも確定申告はしてOKです。

 

330万円以下の人が確定申告をすれば、取られすぎた所得税が戻ってきます。

確定申告をしたほうがオトクです。

注意点

今回の内容に関係して注意点が2つあります。

 

住民税は別途納付が必要

源泉徴収されたのは所得税だけ

税率の表をよく見てください。

「所得税」って書いてますよね。

 

業者で源泉徴収されたのは所得税だけです。

住民税は徴収されていません。

 

そのまま放置すると脱税

また、第1回の最初に書いたように、確定申告は所得税の手続きです。

住民税とは関係ありません。

ですので、「確定申告が不要＝住民税を払わなくて良い」ではないです。

このまま放置すると脱税になります。

 

確定申告をしない場合、役所に行って手続きが必要です。

確定申告をする場合、手続きは必要ありません。

これについては次回で詳しく説明します。

 

アマゾンギフト券の扱い

アマギフなども所得に含まれる

ソシャレン、不動産クラファンのキャンペーンなどで次のようなものをもらうことがありますよね。

 

これらはすべて所得です。

今回説明した20万円や330万円にカウントされます。

 

キャンペーンでよくあるのは次の4パターンですが。

 

いずれのパターンも所得です。

分配金や副業などと合わせて20万円を超える場合、確定申告が必要になります。

 

新たに課税される

確定申告をするとアマギフ分も所得として申告するわけですが。

これらの所得は源泉徴収されていません。

ですので、払っていなかった所得税を新規に払う形になります。

 

所得区分は雑所得

 

なお、キャンペーンでもらったアマギフなどの所得区分は雑所得です。

一時所得ではありません。

詳しくはこちらの記事を読んでください。

ソーシャルレンディングのキャッシュバックは雑所得です！

ソーシャルレンディングや不動産投資型クラウドファンディングのキャッシュバックは雑所得です。国税庁に確認した一時所得ではない理由、確定申告、所得税、住民税への影響を解説します。アマゾンギフト券も雑所得に該当します。

asean-info.net

2020.07.02

 

これについては勘違いをしている人が非常に多いです。

税理士でもネット記事で一時所得と書いている人が複数います。

 

今回の記事を書くためにあらためて税務署に確認しましたが、やはり上記4パターンとも一時所得ではなく雑所得との回答でした。

 

一時所得であれば90万円まで非課税なので、一時所得であって欲しい気持ちは分かります。

しかし、所得区分は自分にとっての都合の良し悪しで決まるのではありません。

残念ながら、アマギフは我々ソシャクラ投資家にとって都合の悪い雑所得です。

納得がいかない方は、所轄の税務署にお問い合わせください。

 

第2回のまとめ

 

シリーズ「ゼロからの確定申告入門」