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【生命保険料控除】ソーシャルレンディングの所得税の算出と所得控除

生命保険料控除とは何か?

この記事を読めば、

  1. ソーシャルレンディングと不動産投資型クラウドファンディングで
  2. 所得税を計算する際の
  3. 生命保険料控除の扱いと
  4. 生命保険料控除を使った節税の仕方

が分かります。

それではさっそく説明していきます!

タロウさん
タロウさん

かなり長い記事なので、知っている内容は飛ばしながら読んでね!

以下で「所法」は所得税法、「所令」は所得税法施行令、「所基通」は所得税基本通達、「TA」は国税庁タックスアンサーを表します。
この記事の著者
投資家・ブロガー
タロウ

ソーシャルレンディング、不動産クラウドファディング専門の投資家です。
2018年にソシャレン・クラファン投資を始め、これまで400件を超える案件に2億円以上を投資し損失ゼロ。
安全性を最重視した投資情報を発信しています。

生命保険料控除の概要

生命保険料控除の仕組みと効果を簡単に説明すると次の通りです。

  1. 生命保険料を支払うと
  2. 一定の金額が
  3. 課税所得から差し引かれる

その結果、

  1. 課税所得が少なくなるので
  2. 税金が安くなる

抽象的でピンとこないと思いますので、ザックリですが少し具体的に説明します。

生命保険料控除は複雑ですので、まず基本となる仕組みの部分をしっかり理解して下さい。

課税所得が減る

所得税や住民税(所得割)は課税所得と税率で税額が決まります。

例えば次のような場合、税率20%の場合の所得税の計算式(課税所得×20%-427,500円)に当てはめると、

  • 課税所得:400万円
  • 所得税率:20%
  • → 所得税額:400万円×20%-427,500円=372,500円

という具合です。

生命保険料控除を受けると、この課税所得が減ります。

例えば、

  • もともとの課税所得:400万円
  • 生命保険料控除:10万円
  • → 控除後の課税所得:400万円-10万円=390万円

という具合です。

税金が減る

課税所得が減った結果、税金が減ります。

さきほどの例で説明すると、

  • 控除前の税額:400万円×20%-427,500円=372,500円
  • 控除後の税額:390万円×20%-427,500円=352,500円

税金が2万円減りましたよね!

見方を変えると、

  • 10万円×20%=2万円

控除された10万円にかかる分の税金が減ったということです。

右田さん
右田さん

減った課税所得にかかる分の税金が減るってことね。

控除額分の税金が減るのではない

注意して欲しいのは、控除額=節税額ではないことです。

さきほどの例で言うと、生命保険料控除の控除額は10万円でした。

これは税金が10万円減るということではありません。

課税所得が10万円減って、その分にかかる税金が減ります。

控除される金額分、税金が減るのではない点に注意して下さい。

タロウさん
タロウさん

これは生命保険料控除に限らず、所得控除すべてに共通だよ!

生命保険料控除の対象となる保険料

生命保険料控除の対象となる保険料は法律で決められています。

注意点と合わせて説明します。

タロウさん
タロウさん

ここからが本題です。専門的な話になります!

生命保険料控除の対象は3種類

生命保険料控除の対象となるのは、以下の3種類に該当する保険料です。

  1. 一般生命保険料(一般生保)
    • 死亡保険
    • 学資保険など
  2. 個人年金保険料(個人年金)
    • 個人年金保険など
  3. 介護医療保険料(介護医療)
    • 介護保険
    • 医療保険
    • がん保険など

(典拠:所法第76条

なお、この3種類の区分は生命保険料控除の控除額を出す際に重要です。

この記事では以下の略称を使いますので、覚えておいて下さい。

  • 一般生保
  • 個人年金
  • 介護医療
タロウさん
タロウさん

一般生保は単に「一般」と書く保険会社が多いです!

生命保険料控除の対象となるための条件

以上に該当するものであっても、生命保険料控除の対象となるためには、以下の条件を満たす必要があります。

一般生保と介護医療の場合

次の条件が必須です。

  • 保険金の受取人が以下のいずれかである
    • 保険料の支払者本人
    • 保険料の支払者の配偶者
    • その他の親族(この下のHINT欄参照)

(典拠:所法第76条第5~7項

左野くん
左野くん

保険金を受け取る人=支払った本人や家族、親戚ならばOKってことだね!

親族とは「6親等内の血族、配偶者、3親等内の姻族」のことです。(民法第725条
「血族」は本人と直接に血がつながっている人(養子を含む)です。「姻族」は結婚した相手の血族です。例えば、夫の姻族は妻の両親や祖父母、兄弟などです。

個人年金の場合

次の条件が必須です。

  • 保険金の受取人が以下のいずれかである
    • 保険料の支払者本人
    • 保険料の支払者の配偶者(配偶者以外の親族は不可)
  • 以下の条件を満たし「個人年金保険料税制適格特約」が付いている
    • 保険料払込期間が10年以上で定期的に支払われている
    • 年金の受取開始が60歳以上
    • 年金の受取期間が10年以上

(典拠:所法第76条第8項

生命保険料控除の対象となる例

生命保険控除の対象となる例、ならない例をいくつか挙げておきます。

その前に、契約者(保険料の支払者)、被保険者、受取人の定義は以下の通りです。

  • 例:妻の生命保険料を夫が支払い、妻が死亡した際に子供が保険料を受け取る場合
    • 契約者(支払者):夫
    • 被保険者:妻
    • 受取人:子供
タロウさん
タロウさん

保険の契約をして保険料を支払うのが契約者、保険をかけられる人が被保険者、被保険者に何かあった時に保険金を受け取るのが受取人だよ!

一般的な例

まず、ごく一般的な例です。

  • 契約者(支払者):夫
  • 被保険者:夫
  • 受取人:妻

支払者(夫)と受取人(妻)の関係が親族なので、生命保険料控除の対象となります。

受取人が親族でない例

次は、夫が自分に保険をかけ、自分が死んだ場合に保険金を親友が受け取るという場合です。

  • 契約者(支払者):夫
  • 被保険者:夫
  • 受取人:親友

この場合、支払者(夫)と受取人(親友)が親族でないため、控除対象となりません。

被保険者が親族でない例

親友に保険をかけて夫が支払い、親友が死んだ場合に夫の妻が保険金を受け取る場合です。

  • 契約者(支払者):夫
  • 被保険者:親友
  • 受取人:妻

この場合、支払者(夫)と受取人(妻)が親族なので、控除対象になります。

生命保険料控除で判断の基準となるのは、支払者と受取人の関係です。被保険者との関係は問われません。(典拠:所法第76条

特殊な例

理解を深めるために、特殊な例を一つ挙げます。

  1. 夫を被保険者、妻を受取人とし、夫が1月から12月まで保険料を支払った
  2. 6月に離婚したが、受取人は妻のままだった
  3. 11月に受取人を子供に変更した

契約者、被保険者、受取人は次のようになります。

  • 契約者(支払者):夫
  • 被保険者:夫
  • 受取人:
    • 1~5月:妻
    • 6~10月:元妻
    • 11~12月:子供

この場合、1~5月分と11~12月分は、支払者(夫)と受取人(妻or子供)の関係は親族なので、夫の生命保険料控除の対象となります。

しかし、6~10月分は受取人が妻で親族ではないので、控除対象とはなりません。

右田さん
右田さん

要するに、保険料を払う人と保険金を受け取る人が親族だったらOKってことね。

なお、個人年金の場合は受取人が配偶者に限られるため、控除の対象となるのは1~5月分だけです。

どれに該当するかの確認方法

加入している保険が生命保険料控除の対象となるか、3種類のいずれに該当するかは、保険料を支払った時の状況によります。(所基通76-1

といっても、我々素人にはよく分かりませんし、主契約と特約で区分が異なる場合があるなど複雑です。

どれに該当するかは、保険会社から送られてくる「生命保険料控除証明書」に書かれています。

これを見て3つのどれに該当するかを確認しましょう。

左野くん
左野くん

あれこれ考えず、書かれている通りで了解すれば良いってことだね。

注意点

注意点は以下の通りです。

  • 外国の保険会社と国外で保険契約を締結したものは控除対象外です。(所法第76条第5項
  • 死亡保険と医療保険がセットになった保険契約、共済契約の内、医療保険部分がメインとなる保険契約(特定介護医療保険契約)、共済契約(特定介護医療共済契約)は、一般生保ではなく介護医療に分類されます。(所令208条の3
  • 控除の対象となるのは支払い済みの保険料だけです。支払期限が過ぎていても未払いのものは控除対象とはなりません。
  • 年をまたいで前納した保険料は、その年の分についてのみ控除の対象となります。(例:2019年10月~2020年3月までを一括で払った場合、2019年10~12月分が2019年の控除対象となる)(以上、所基通76-3
タロウさん
タロウさん

よく分からないものは保険会社に聞くか、生命保険料控除証明書で確認しましょう!

生命保険料控除の対象者

生命保険料控除を受けるのは、生命保険料を支払う人(契約者)です。

例えば、夫と妻の保険料を夫がまとめて払っている場合、生命保険料控除を受けるのは夫です。

夫と妻の保険料に対する控除額が、両方とも夫の所得から引かれます。妻の所得から引くことはできません。

また、夫が妻と子供の保険料を払っている場合も同様に、すべて夫の所得から控除されます。

保険料を払っている人=生命保険料控除を受ける人=税金が安くなる人です。

右田さん
右田さん

保険料を負担する人が、税金を安くしてもらえるってことね。

生命保険料控除の控除額の出し方の基本

それでは、生命保険料控除の控除額の出し方を説明していきます。

その前に、控除額算出の基本的なルールを4つ説明します。

タロウさん
タロウさん

とても大切な内容なので、しっかり理解してね!

支払保険料

生命保険料控除の控除額は「支払保険料」によって決まります。

支払保険料は1年間に支払った保険料の合計ではありません。

  1. 実際に支払った保険料から
  2. 受け取った剰余金、割戻金、配当金などを引いたもの

が支払保険料です。

細かい点を無視して単純に言うと、

  • 支払保険料=保険会社に払った額ー保険会社から受け取った額

です。

左野くん
左野くん

支払保険料の金額は「生命保険料控除証明書」に書かれているよ!

保険会社から受け取った剰余金などを保険料の支払いに当てた場合であっても、支払った保険料から差し引いて支払保険料を出します。(所法第76条第1項
なお、保険を解約した際の解約一時金は差し引く必要はありません。(TA No.1140
また、2つ以上の保険に入っている場合、それぞれの支払額と受取額は通算できます。(所基通76-6

旧保険と新保険で控除額の出し方が違う

控除額を出す際、対象となる生命保険等は次の2つに区分されます。

  • 旧保険:2011年12月31日以前に保険契約を締結したもの
  • 新保険:2012年1月1日以降に保険契約を締結したもの

そして、旧保険と新保険で控除額の出し方が異なります。

ですので、生命保険料控除の控除額を出す際は、まず最初に自分の保険が旧なのか新なのかを確認します。

どちらなのかは生命保険料控除証明書に記載されています。

なお、生命保険料控除証明書では、旧保険は「旧制度」、新保険は「新制度」と記載されています。
旧保険を2012年以降に更新、保障内容の見直し、特約の追加などをした場合、新保険の算出方法が適用されます。

3種類それぞれで出して足し算

上の方で、控除対象となる生命保険等には次の3つの種類があると説明しました。

  • 一般生保
  • 個人年金
  • 介護医療

生命保険料控除の控除額を出すには、まず一般生保の支払保険料をもとに一般生保の控除額を出します。

同じように個人年金の控除額と介護医療の控除額を出し、3つの控除額を足したものが生命保険料控除全体の控除額となります。

右田さん
右田さん

夫と妻と子供の携帯代を合わせたのが一家の携帯代、みたいな感じね。

タロウさん
タロウさん

なんか微妙だけど、そういう理解でもOKかなw

なお、介護医療は新保険で新しく生まれた種類です。旧保険には介護医療はありません。

保険種類 一般生保 個人年金 介護医療
旧保険 有り 有り なし
新保険 有り 有り 有り

ですので、旧保険は一般生保と個人年金の控除額を足したものが、生命保険料控除全体の控除額です。

所得税と住民税で控除額の出し方が違う

所得税と住民税で控除額の出し方が異なります。

基本的な出し方は同じですが、金額の部分が微妙に変わります。

左野くん
左野くん

新・旧と所得・住民で4つに分かれて、それぞれに一般生保、個人年金、介護医療の3つが関わってくるってことだね。複雑だな~!

旧保険の控除額の出し方と節税効果

それではまず、旧保険(2011年以前に契約)の控除額の出し方と、生命保険料控除による節税効果を説明します。

タロウさん
タロウさん

旧保険に入っていない人は読まなくて大丈夫です!

旧保険の所得税の控除額の出し方

所得税の控除額は、支払保険料の金額に応じて以下の通りです。

年間の支払保険料 控除額
25,000円以下 支払保険料等の全額
25,000円~50,000円 支払保険料等÷2+12,500円
50,000円~100,000円 支払保険料等÷4+25,000円
100,000円超 50,000円
※ 生命保険料控除全体の上限額は10万円

出し方の具体例はこのあとで説明します。

右田さん
右田さん

10万円を超えると控除額は一律5万円になるのね。

旧保険の住民税の控除額の出し方

住民税の控除額は、支払保険料の金額に応じて以下の通りです。

年間の支払保険料 控除額
15,000円以下 支払保険料等の全額
15,000円~40,000円 支払保険料等÷2+7,500円
40,000円~70,000円 支払保険料等÷4+17,500円
70,000円超 35,000円
※ 生命保険料控除全体の上限額は7万円

旧保険の控除額の算出例と節税効果

実際に控除額をどのように出すのか、いくつか例を挙げます。

まず、前の章の復習ですが、生命保険料控除の出し方は以下の通りです。

  1. 一般生保の控除額を出す
  2. 個人年金の控除額を出す
  3. 2つを足したものが生命保険料控除の控除額
タロウさん
タロウさん

旧保険に介護医療はないので、足すのは一般生保と個人年金の2つだけだよ!

例1.基本的なパターン

ある人の支払保険料が次のようだったとします。

  • 一般生保(旧保険):30,000円
  • 個人年金(旧保険):60,000円

この場合、次のようになります。

【所得税】

  • 一般生保の控除額:30,000円÷2+12,500円=27,500円
  • 個人年金の控除額:60,000円÷4+25,000円=40,000円
  • 生保控除全体の控除額:32,500円+40,000円=72,500円

【住民税】

  • 一般生保の控除額:30,000円÷2+7,500円=22,500円
  • 個人年金の控除額:60,000円÷4+17,500円=32,500円
  • 生保控除全体の控除額:22,500円+32,500円=55,000円

所得税は72,500円、住民税は55,000円が課税所得から控除され、その分の税金が減ります。

仮にこの人の所得税率が20%だった場合、節税効果は以下の通りです。(住民税(所得割)は一律10%)

  • 所得税:72,500円×20%=14,500円
  • 住民税:55,000円×10%=5,500円

所得税と住民税を合わせて、税金が20,000円減ります。

左野くん
左野くん

払った保険料が9万円なので2割以上戻ってくるってことだね。大きいなぁ。

例2.下限・上限を超える場合

次は少し特殊なパターンです。

  • 一般生保(旧保険):20,000円
  • 個人年金(旧保険):80,000円

この場合、このようになります。

【所得税】

  • 一般生保の控除額:20,000円(※25,000円以下なので全額
  • 個人年金の控除額:80,000円÷4+25,000円=45,000円
  • 生保控除全体の控除額:20,000円+45,000円=65,000円

【住民税】

  • 一般生保の控除額:20,000円÷2+7,500円=17,500円
  • 個人年金の控除額:35,000円(※70,000円超なので35,000円
  • 生保控除全体の控除額:17,500円+35,000円=52,500円

所得税、住民税ともに、下限を超えると控除額は支払保険料全額、上限を超えると一律の金額となる点に注意して下さい。

さきほどと同じように所得税率が20%だった場合、節税効果は以下の通りです。

  • 所得税:65,000円×20%=13,000円
  • 住民税:52,500円×10%=5,250円

両方合わせて税金が18,250円減ります。

右田さん
右田さん

払った保険料が10万円なので、この場合も2割近くの節税になるのね。

新保険の控除額の出し方と節税効果

次は新保険(2012年以降に契約)の控除額の出し方と、生命保険料控除による節税効果を説明します。

タロウさん
タロウさん

金額が変わるだけで基本は旧保険の場合と同じだよ!

新保険の所得税の控除額の出し方

所得税の控除額は、支払保険料の金額に応じて以下の通りです。

年間の支払保険料 控除額
20,000円以下 支払保険料等の全額
20,000円~40,000円 支払保険料等÷2+10,000円
40,000円~80,000円 支払保険料等÷4+20,000円
80,000円超 40,000円
※ 生命保険料控除全体の上限額は12万円
左野くん
左野くん

旧保険では所得税の生保控除全体の上限は10万円だったけど、新保険では12万円に増えるんだね。

新保険の住民税の控除額の出し方

住民税の控除額は、支払保険料の金額に応じて以下の通りです。

年間の支払保険料 控除額
12,000円以下 支払保険料等の全額
12,000円~32,000円 支払保険料等÷2+6,000円
32,000円~56,000円 支払保険料等÷4+14,000円
56,000円超 28,000円
※ 生命保険料控除全体の上限額は7万円
右田さん
右田さん

住民税の上限は旧保険も新保険も7万円で変わらないのね。

新保険の控除額の算出例と節税効果

新保険についても例を見ていきましょう。

再度復習ですが新保険の場合、生命保険料控除の出し方は以下の通りです。

  1. 一般生保の控除額を出す
  2. 個人年金の控除額を出す
  3. 介護医療の控除額を出す
  4. 3つを足したものが生命保険料控除の控除額

例1.基本的なパターン

ある人の支払保険料が次のようだったとします。

  • 一般生保(新保険):30,000円
  • 個人年金(新保険):30,000円
  • 介護医療(新保険):50,000円

この場合、このようになります。

【所得税】

  • 一般生保の控除額:30,000円÷2+10,000円=25,000円
  • 個人年金の控除額:30,000円÷2+10,000円=25,000円
  • 介護医療の控除額:50,000円÷4+20,000円=32,500円
  • 生保控除全体の控除額:25,000円+25,000円+32,500円=82,500円

【住民税】

  • 一般生保の控除額:30,000円÷2+6,000円=21,000円
  • 個人年金の控除額:30,000円÷2+6,000円=21,000円
  • 介護医療の控除額:50,000円÷4+14,000円=26,500円
  • 生保控除全体の控除額:21,000円+21,000円+26,500円=68,500円

所得税は82,500円、住民税は68,500円が課税所得から控除され、その分の税金が減ります。

この人の所得税率が20%だった場合、節税効果は以下の通りです。

  • 所得税:82,500円×20%=16,500円
  • 住民税:68,500円×10%=6,850円

両方合わせて税金が23,350円減ります。

左野くん
左野くん

金額が違うだけで旧保険の控除額の出し方と同じだね。

例2.下限・上限を超える場合

所得税の場合と同じように、上限や下限を超える場合も見ておきましょう。

  • 一般生保(新保険):10,000円
  • 個人年金(新保険):20,000円
  • 介護医療(新保険):60,000円

この場合、このようになります。

【所得税】

  • 一般生保の控除額:10,000円(※20,000円以下なので全額
  • 個人年金の控除額:20,000円(※20,000円以下なので全額
  • 介護医療の控除額:60,000円÷4+20,000円=35,000円
  • 生保控除全体の控除額:10,000円+20,000円+35,000円=65,000円

【住民税】

  • 一般生保の控除額:10,000円(※12,000円以下なので全額
  • 個人年金の控除額:20,000円÷2+6,000円=16,000円
  • 介護医療の控除額:28,000円(※56,000円超なので28,000円
  • 生保控除全体の控除額:10,000円+20,000円+28,000円=58,000円

旧保険の場合と同様に、下限を超えると支払保険料全額、上限を超えると一律同額となります。

さきほどと同様に所得税率が20%だった場合、節税効果は以下の通りです。

  • 所得税:65,000円×20%=13,000円
  • 住民税:58,000円×10%=5,800円

所得税、住民税合わせて節税効果は18,800円です。

右田さん
右田さん

だんだん分かってきた。出し方の表に当てはめて最後に足し算すれば良いのね。

例3.合計額が上限を超える場合

生命保険料控除全体の控除額が上限を超える場合も見ておきます。

  • 一般生保(新保険):10,000円
  • 個人年金(新保険):20,000円
  • 介護医療(新保険):60,000円

この場合、このようになります。

【所得税】

  • 一般生保の控除額:30,000円÷2+10,000円=25,000円
  • 個人年金の控除額:50,000円÷4+20,000円=32,500円
  • 介護医療の控除額:60,000円÷4+20,000円=35,000円
  • 生保控除全体の控除額:25,000円+32,500円+35,000円=92,500円

【住民税】

  • 一般生保の控除額:30,000円÷2+6,000円=21,000円
  • 個人年金の控除額:50,000円÷4+14,000円=26,500円
  • 介護医療の控除額:28,000円(※56,000円超なので28,000円)
  • 生保控除全体の控除額:21,000円+26,500円+28,000円=75,500円 → 70,000円

注目は最後の部分です。

住民税は3区分それぞれの上限は28,000円ですが、3つを足した生命保険料控除全体の上限は70,000円です。

ですので、生保控除全体の控除額は75,500円ではなく70,000円となります。

所得税率が20%だった場合、節税効果は以下の通りです。

  • 所得税:92,500円×20%=18,500円
  • 住民税:70,000円×10%=7,000円

所得税、住民税合わせて節税効果は25,500円です。

タロウさん
タロウさん

住民税の控除はトータルで7万円を超えることはできない。ここがポイントだよ!

新旧併用の控除額の出し方と節税効果

最後に旧保険と新保険の両方に入っている場合の控除額の出し方と、生命保険料控除による節税効果です。

これはけっこうややこしいです。

タロウさん
タロウさん

旧保険に入っていない人は読まなくてOKだよ!

新旧併用の場合の所得税の控除額の出し方

新保険と旧保険の両方に入っている場合の所得税の控除額の出し方です。

旧保険の保険料6万円を境に出し方が変わります。

  1. 一般生保、個人年金、介護医療それぞれについて以下の方法で控除額を出す
    1. 旧保険料が6万円以下の場合
      1. 旧保険分の控除額を旧保険ルールで出す
      2. 新保険分の控除額を新保険ルールで出す
      3. 両者を足したものが控除額(上限は4万円
    2. 旧保険料が6万円を超える場合
      • 旧保険分の控除額を旧保険ルールで出したものが控除額(上限は5万円
  2. 3つの控除額を足したものが全体の控除額(上限は12万円

注意して欲しいのは旧保険料が6万円を超える場合です。

6万円を超える場合、旧保険の控除額だけとなります。新保険分は無視します。(そうした方が控除額が大きくなるからです。)

左野くん
左野くん

新保険の控除は捨てるってことか!控除額がそれで多くなるならOKだけど。

実際の例で出し方を見てみましょう。

次のように合わせて5つの保険に加入しているとします。(旧保険に介護医療はありません。)

  • 一般生保
    • 旧保険:40,000円
    • 新保険:30,000円
  • 個人年金
    • 旧保険:70,000円
    • 新保険:50,000円
  • 介護医療
    • 旧保険:なし
    • 新保険:60,000円

この場合、一般生保と介護医療は旧保険が6万円以下なので、新旧それぞれで控除額を出して合計します。(上限4万円)

個人年金は旧保険が6万円を超えているので、旧保険についてのみ旧保険ルールで控除額を出します。(上限5万円)

  • 一般生保(新旧出して合計、上限4万円)
    • 旧保険:40,000円÷2+12,500円=32,500円
    • 新保険:30,000円÷2+10,000円=25,000円
    • 控除額=32,500円+25,000円=57,500円 → 40,000円
  • 個人年金(旧保険だけ、上限5万円)
    • 旧保険:70,000円÷4+25,000円=42,500円
    • 新保険:50,000円 → ×
    • 控除額=42,500円
  • 介護医療(新旧出して合計、上限4万円)
    • 旧保険:なし
    • 新保険:60,000円÷4+20,000円=35,000円
    • 控除額=0円+35,000円=35,000円
  • 全体の控除額=40,000円+42,500円+35,000円=117,500円

以上より生命保険料控除全体の控除額は117,500円です。

右田さん
右田さん

旧保険が6万円を超えてるかをチェックして、あとは地道に出していくのね。

タロウさん
タロウさん

上限額が新旧合計(4万円)と旧保険(5万円)で違うことに注意してね!

新旧併用の場合の住民税の控除額の出し方

新保険と旧保険の両方に入っている場合の住民税も同様です。

旧保険料4万2千円を境に出し方が変わります。

  1. 一般生保、個人年金、介護医療それぞれについて以下の方法で控除額を出す
    1. 旧保険料が4万2千円以下の場合
      1. 旧保険分の控除額を旧保険ルールで出す
      2. 新保険分の控除額を新保険ルールで出す
      3. 両者を足したものが控除額(上限は2万8千円
    2. 旧保険料が4万2千円を超える場合
      • 旧保険分の控除額を旧保険ルールで出したものが控除額(上限は3万5千円
  2. 3つの控除額を足したものが全体の控除額(上限は7万円
左野くん
左野くん

住民税の場合も旧保険料が4万2千円を超えたら、新保険分は無視するってことか!

所得税の場合と同じように、控除額の出し方を見てみましょう。

保険への加入状況が次のようだとします。

  • 一般生保
    • 旧保険:60,000円
    • 新保険:10,000円
  • 個人年金
    • 旧保険:20,000円
    • 新保険:30,000円
  • 介護医療
    • 旧保険:なし
    • 新保険:30,000円

この場合、一般生保は旧保険が4万2千円を超えているので、旧保険についてのみ旧保険ルールで控除額を出します。(上限3万5千円)

個人年金と介護医療は旧保険が4万2千円以下なので、新旧それぞれで控除額を出して合計します。(上限2万8千円)

  • 一般生保(旧保険だけ、上限3万5千円)
    • 旧保険:60,000円÷4+17,500円=32,500円
    • 新保険:10,000円 → ×
    • 控除額=32,500円
  • 個人年金(新旧出して合計、上限2万8千円)
    • 旧保険:20,000円÷2+7,500円=17,500円
    • 新保険:30,000円÷2+6,000円=21,000円
    • 控除額=17,500円+21,000円=38,500円 → 28,000円
  • 介護医療(新旧出して合計、上限2万8千円)
    • 旧保険:なし
    • 新保険:30,000円÷2+6,000円=21,000円
    • 控除額=0円+21,000円=21,000円
  • 全体の控除額=32,500円+28,000円+21,000円=81,500円→ 70,000円

3つを足すと81,500円ですが、住民税の生命保険料控除全体の控除額の上限は70,000円です。

したがって、生命保険料控除全体の控除額は70,000円となります。

右田さん
右田さん

控除額の上限は所得税は12万円、住民税は7万円。12万円と7万円がマックスってことね。

新旧併用の控除額の算出例と節税効果

おさらいの意味で、例を一つ挙げておきます。練習問題のつもりで控除額を出してみて下さい。

例1.旧保険と新保険の両方に加入している場合

保険への加入状況が次のようだとします。

  • 一般生保
    • 旧保険:20,000円
    • 新保険:30,000円
  • 個人年金
    • 旧保険:50,000円
    • 新保険:16,000円
  • 介護医療
    • 旧保険:なし
    • 新保険:70,000円

まず、所得税の控除額は次のようになります。

  • 一般生保(新旧出して合計、上限4万円)
    • 旧保険:20,000円(※25,000円以下なので全額)
    • 新保険:30,000円÷2+10,000円=25,000円
    • 控除額=20,000円+25,000円=45,000円 → 40,000円
  • 個人年金(新旧出して合計、上限4万円)
    • 旧保険:50,000円÷2+12,500円=37,500円
    • 新保険:16,000円(※20,000円以下なので全額)
    • 控除額=37,500円+16,000円=53,500円 → 40,000円
  • 介護医療(新旧出して合計、上限4万円)
    • 旧保険:なし
    • 新保険:70,000円÷4+20,000円=37,500円
    • 控除額=0円+37,500円=37,500円
  • 全体の控除額=40,000円+40,000円+37,500円=117,500円

次に、住民税の控除額は次のようになります。

  • 一般生保(新旧出して合計、上限2万8千円)
    • 旧保険:20,000円÷2+7,500円=17,500円
    • 新保険:30,000円÷2+6,000円=21,000円
    • 控除額=17,500円+21,000円=38,500円 → 28,000円
  • 個人年金(旧保険だけ、上限3万5千円)
    • 旧保険:50,000円÷4+17,500円=30,000円
    • 新保険:16,000円 → ×
    • 控除額=30,000円
  • 介護医療(新旧出して合計、上限2万8千円)
    • 旧保険:なし
    • 新保険:70,000円 → 28,000円(※56,000円超なので28,000円)
    • 控除額=0円+28,000円=28,000円
  • 全体の控除額=28,000円+30,000円+28,000円=86,000円→ 70,000円

仮に所得税が20%の場合、節税効果は以下の通りです。

  • 所得税:117,500円×20%=23,500円
  • 住民税:70,000円×10%=7,000円

所得税と住民税を合わせて30,500円の節税となります。

タロウさん
タロウさん

新旧併用はややこしいですね。何度も読み返して理解して下さい!

生命保険料控除を受けるための手続き

生命保険料控除を受けるための手続きを簡単に説明します。

タロウさん
タロウさん

給与所得者とそれ以外に分けて説明するよ!

給与所得者の場合

保険料を給与天引きで支払っている場合、特に何もする必要はありません。

年末調整の際に勤務先が生命保険料控除の処理をしてくれています。

給与天引きでない場合は、「給与所得者の保険料控除申告書」に「生命保険料控除証明書」を添えて、年末調整までに勤務先に提出します。(所法第196条

具体的なことは勤務先の総務部門などに確認して下さい。

左野くん
左野くん

会社員で給与天引きにしておけば、何もせずに放ったらかしでOKってことだね。

自営業者などの場合

自営業者など非給与所得者が生命保険料控除を受けるには、確定申告が必要です。

確定申告の際には生命保険料控除証明書の添付が必要です。(所法第120条第3項

生命保険料控除証明書の注意点

  • 生命保険料控除証明書は10~11月頃に保険会社から送られてきます。
  • 年末調整や確定申告で提出、添付する際には証明書の原本が必要です。(コピー不可)
  • 原本を紛失した場合は保険会社に再発行を依頼します。

ソーシャルレンディングと生命保険料控除

ソーシャルレンディングや不動産投資型クラウドファンディングの節税対策で、生命保険料控除を活用できるかを考えます。

タロウさん
タロウさん

ソシャレンに生命保険料控除を使えるかだよ!

生命保険料控除を直接活用はできない

生命保険料控除をソシャレンや不動産クラファンに直接活用することはできません。

ソシャレンは企業への資金貸し付けですし、不動産クラファンは不動産への間接投資ですし、生命保険料とはまったくつながりがないからです。

分配金の収益を打ち消すことはできる

ただ、ソシャレンと不動産クラファンの収益は雑所得に分類され、総合課税の対象となります。

給与など他の総合課税所得と合わせた総所得から、生命保険料控除などを控除した課税所得に対して、所得税や住民税(所得割)がかかります。

ですので、例えば、

  • ソシャレンの収益:20万円
  • 生命保険料控除の控除額:20万円

の場合、生命保険料控除でソシャレンの収益を打ち消すことができます。

結果としてソシャレンで源泉徴収された所得税が確定申告で戻ってき、20万円に対する住民税の支払いが不要となります。

右田さん
右田さん

直接活用はできないけれど、間接的にソシャレンや不動産クラファンの節税につながるってことね。

タロウさん
タロウさん

ソシャレンや不動産クラファンで収益が出たときは、見落としている生命保険料控除がないかチェックしてね!

生命保険料控除のまとめ

非常に長くなりましたので、最後に要点をまとめます。

内容を思い出しながら確認のつもりで読んで下さい。

  1. 生命保険料控除を受けると
    1. 課税所得が減るので
    2. 支払う税金が減ります
  2. 生命保険料控除の対象となるのは以下の3種類です
    1. 一般生命保険料
    2. 個人年金保険料
    3. 介護医療保険料
  3. 生命保険料控除の対象となるのは
    1. 保険料の支払者と保険金の受取人が
    2. 親族の関係である場合だけです
  4. 生命保険料控除を受けるのは
    1. 保険料を支払った人です
    2. 被保険者が控除を受けるのではありません
  5. 生命保険料控除の控除額の出し方は
    1. 旧保険と新保険に分けて出します
    2. 一般生保、個人年金、介護医療の控除額を足します
    3. 所得税と住民税で控除額が違います
  6. 生命保険料控除で所得税と住民税が安くなります
  7. 生命保険料控除の手続きは
    1. 給与所得者は原則不要(年末調整)
    2. 自営業者などは確定申告が必要です

生命保険料控除を使うと支払った保険料の2割前後が戻ってきます。

合法な節税策ですので、モレがないように有効に活用しましょう。

タロウさん
タロウさん

生命保険料控除で上手に税金を減らそうね!

コメント

繰り上げ当選

抽選方式の案件で業者が当選者に連絡し、入金をお願いした。

ところが、3人の当選者が気が変わって入金しなかったため、合計400万円が浮いてしまった。

この場合、多くの業者では再抽選を実施し、400万円分の投資家を新たに当選とします。

これが繰り上げ当選です。

なお、繰り上げ当選では応募額の一部だけが当選の部分当選になる場合があります。

当選者 応募額 当選額
山田さん 150万円 150万円
田中さん 200万円 200万円
中山さん 100万円 50万円
合計 400万円

 

会員登録(口座開設)

ソーシャルレンディングと不動産クラウドファンディングでは、各業者で会員登録をすることで、投資できるようになります。

Amazonでアカウント登録をすると、Amazonで買い物ができるようになりますよね?

それと同じだと考えてください。

口座開設」という表現を使っている業者もありますが、意味は会員登録と同じです。

繰り上げ当選

抽選方式の案件で業者が当選者に連絡し、入金をお願いした。

ところが、3人の当選者が気が変わって入金しなかったため、合計400万円が浮いてしまった。

この場合、多くの業者では再抽選を実施し、400万円分の投資家を新たに当選とします。

これが繰り上げ当選です。

なお、繰り上げ当選では応募額の一部だけが当選の部分当選になる場合があります。

当選者 応募額 当選額
山田さん 150万円 150万円
田中さん 200万円 200万円
中山さん 100万円 50万円
合計 400万円

 

途中解約

ソーシャルレンディングや不動産クラウドファンディングでは投資を行う期間、言い換えると、業者にお金を渡して戻ってくるまでの期間が事前に決まっています。

その期間の途中で契約を破棄し、お金を返してもらうのが途中解約です。

ソシャレン、クラファンともにほとんどの業者で途中解約は認められていません。

途中解約ができるのは大家どっとこむなどごく一部です。

基本的に運用期間が終わるまでお金は戻ってこないと考えてください。

キャンペーン

ソーシャルレンディングと不動産クラウドファンディングでは、投資額などに応じてプレゼントなどがもらえるキャンペーンを業者が開催することがあります。

例えば次のようなものです。

  • 会員登録でアマゾンギフト券1,000円分プレゼント
  • 10万円以上の投資で投資額の1%分のアマゾンギフト券を贈呈
  • 投資した人の中から抽選で50名に高級焼肉セットをプレゼント

最新のキャンペーン情報は下記記事にまとめています。

最新のキャンペーン情報

デビュー案件

業者が運営を開始後、初めて募集する第1号案件のことを、このブログではデビュー案件と呼んでいます。

このブログが独自に使っている用語であり、一般用語ではありません。

デビュー案件は一般に安全性、利回りともに高いことが多いです。

また、運営開始直後で会員がまだ少ないため、競争率が低く投資しやすいです。

デビュー案件はおすすめだと僕は思っています。

軍用地案件

軍用地案件はソーシャルレンディングのPocket Fundingが扱っている案件です。

担保が投資用不動産として人気が高い軍用地であるため、元本をほぼ確実に回収できることから、安全性が非常に高い人気の案件です。

なぜ、軍用地案件で元本をほぼ確実に回収できるのかは、この狭いスペースでは説明できません。

3分で読めますので、こちらの記事を参照してください。

軍用地案件の安全性が高い理由

1棟アパート、1棟マンション

不動産クラウドファンディングで「1棟アパート、1棟マンション」という表現を使う場合、アパートやマンション丸々1棟が投資対象であることを表します。

逆に投資対象が部屋単位である場合は「区分マンション」という表現を使います。

(区分アパートというのは聞いたことがありません)

海外案件

ソーシャルレンディングでは投資家のお金を借りるのが海外の企業であったり、借り手が日本企業であっても資金使途が海外企業への出資であるなど、投資家のお金の最終的な行先が海外である案件を海外案件といいます。

不動産クラファンでは投資家のお金で取得するのが海外の不動産である案件を海外案件といいます。

一般に海外案件は利回りが高い一方、海外ゆえにリスクが高くなることが多いです。

投資においてリターンとリスクはワンセットであり、ハイリターン・ローリスクはありえません。

初心者は海外案件には手を出さないことを強くおすすめします。

分散投資

ソーシャルレンディングや不動産クラウドファンディングで分散投資とは、利用する業者や投資する案件、案件のタイプなどを集中させず、複数に分ける投資手法のことです。

例えば、ソシャレンで1つの業者だけを使っている場合、その業者が倒産するとすべての資産を失うことになります。

また、不動産クラファンで東京の物件だけに投資していると、東京の地価の下落が全投資額に影響を及ぼしますよね?

分散投資をすることで大きな被害を防ぎ、万が一の場合でも被害を小さく済ませることができます。

事故

ソーシャルレンディングや不動産クラウドファンディングで分配金の支払いや元本の償還が遅れたり、元本が戻ってこなくなるなどのトラブルを、このブログでは「事故」と表現しています。

業者

ソーシャルレンディングや不動産クラウドファンディングの運営会社のことを、このブログでは「業者」と呼んでいます。

FundsやCREAL、バンカーズ、いずれも業者です。

Fundsのサイトの画像

「事業者」という表現を使っているメディアもあります。

満了

ソーシャルレンディングや不動産クラウドファンディングで募集額満額の応募が集まることを、このブログでは「満了」と表現しています。

募集額1億2千万円の案件で、応募が1億2千万円集まった状態が満了です。

満了のイメージ画像

「完売」という表現を使っているメディアもあります。

担保順位

1つの担保に複数の貸し手がいる場合の、貸したお金を回収する優先順位のことです。

例えば、評価額1億円の土地を担保に3者が下のように融資したとします。

担保順位 貸し手 融資額
第一順位 悪徳銀行 6千万円
第二順位 腹黒信金 2千万円
第三順位 山田さん 1千万円

借り手が返済できなくなり担保を処分するも、8千万円でしか売れなかった。

この場合、まず悪徳銀行が6千万円を回収、次に腹黒信金が2千万円を回収します。

第三順位の山田さんは1円も回収できません。

ソシャレン業者の担保順位が低い場合は注意が必要です。

源泉徴収税

ソーシャルレンディングや不動産クラウドファンディングでは、業者が20.42%の所得税を引いてから投資家に分配金を支払います。

この20.42%の所得税のことを源泉徴収税といいます。

引かれた源泉徴収税は業者が税務署に納めます。

壁芯面積

マンションの部屋の面積を測る際に、壁の中心線を基準に出した面積を壁芯面積といいます。

一方、我々が普通に使う壁の内側の線を基準に出した面積は内法面積です。

壁芯面積と内法面積の説明図

1口単位と最低口数

1口単位とは投資できる金額の単位です。

例えば1口=10万円の案件では、20万円、70万円と10万円単位で投資できます。

ですが、13万円や99万円では投資できません。

最低口数とは投資する際に最低限必要な口数です。

例えば以下の案件の場合、

  • 1口単位:1万円
  • 最低口数:2口

最低2万円から1万円単位で投資できます。

右田さん
右田さん

2万円の次は3万円だよ。

こんな感じに別ウィンドウが開き、ここで用語の解説などをします。

右下の「close」か別ウィンドウの外の部分をタップすると、別ウィンドウが閉まり記事に戻ります。

不成立

不成立とは案件の募集を行ったが、事情により案件を実行できなくなることです。

例えば、応募が最低成立金額に達しない場合、案件を実行できず不成立となります。

また、不動産クラファンで応募は順調に集まっていたものの、取得予定だった不動産に不備が見つかったため取得が中止になり、案件が不成立となることもありえます。

逆に成立は応募が集まり案件を実行できるようになることです。

最低成立金額

例えば、ソーシャルレンディングで「投資家から5千万円集めて企業に貸す」という案件があるとします。

この案件を募集して10万円しか集まらなかったら、ぜんぜん足りないので貸せませんよね?

でも、不足が数百万円ならば、その分は業者が自社で資金を出して合計5千万円とし、企業への融資を実行できるかもしれません。

そこで、業者が募集の際に「4千万円以上集まれば、満額集まらなくても不足分は自社で負担して融資を実行します」と約束します。

この場合の4千万円が最低成立金額です。

つまり、最低これだけ集まれば案件を実行しますよというラインのことです。

貸付金利

ソーシャルレンディングでは投資家から集めたお金を企業などに貸し、得られた利益を投資家に分配します。

例えば、企業に7%で貸し、ソシャレン業者が利益を2%取り、5%を投資家に分配します。

ソーシャルレンディングの貸付金利の説明図

企業に貸す際の金利(上図の7%)が貸付金利です。

上場企業系

ソーシャルレンディング、不動産クラウドファンディングで「上場企業系の業者」とは、業者自身やその親会社などが上場企業である業者を指します。

上場企業は信用力が高いことから、上場企業系の業者が運営するソシャレン、不動産クラファンは信頼性、安全性が高いと多くの投資家に認識されています。

ただし、「上場企業系=100%安全」とは限らないので注意が必要です。

運用と運用期間

不動産クラウドファンディングにおいて運用とは、投資家から集めた資金で取得した不動産を、賃貸したり売却したりすることで利益を生み出すことをいいます。

運用を行う期間は案件ごとにあらかじめ決められており、これを運用期間といいます。

マスターリース契約

不動産クラウドファンディングでは投資家の資金で不動産クラファン業者が物件を取得し、入居者から家賃を得ます。

しかし、入居者が見つからなければ家賃が入らず、投資家が分配金を得られなくなります。

そこで、不動産クラファン業者が不動産業者と次のような契約を結びます。

  1. 不動産クラファン業者が不動産業者に部屋を貸す
  2. 不動産業者が入居者に部屋を貸す
  3. 入居者が見つからなくても不動産業者は毎月の家賃を不動産クラファン業者に払う

マスターリース

これがマスターリース契約です。

マスターリース契約により投資家は入居者が見つからないリスクから隔離され、投資の安全性が向上します。

部分当選

ソーシャルレンディングと不動産クラウドファンディングの募集には、早い者勝ちの先着方式の他に、応募した人の中から投資できる人を抽選で決める抽選方式があります。

抽選方式では、50万円で応募して当選したら50万円投資できるのが基本です。

しかし、50万円の内、30万円分だけ当選する(=30万円だけ投資できる)こともあります。

これが部分当選です。

当選者の最後の1人が残額を割り当てられて部分当選になる場合の他、多くの人を当選にするために業者が全員を部分当選にする場合などがあります。

借り手企業

ソーシャルレンディングでは投資家から集めたお金を、ソシャレン業者が企業に貸します。

投資家のお金を借りるのが借り手企業です。

ソーシャルレンディングの仕組み

そして、借り手企業が支払う利息が、投資家が受け取る分配金となります。

一方で、借り手企業が倒産したり返済不能になると、投資家のお金が戻ってこないことも。

ソーシャルレンディングのリスク

ですので、ちゃんと返済できるのか?ソーシャルレンディングでは借り手企業の見極めが非常に重要です。

満室賃料

満室賃料とは、その物件が満室の場合に得られる想定賃料のことです。

全4室の1棟アパートで、各部屋の賃料が以下の場合、

  • 101号室:4.5万円
  • 102号室:4.5万円
  • 201号室:5.5万円
  • 202号室:5.5万円

満室賃料は月間20万円、年間240万円です。

空室リスク

空室リスクとは投資対象物件に入居者がつかず、空室で家賃収入を得られなくなるリスクです。

匿名組合型と任意組合型

不動産クラウドファンディングを含む不動産特定共同事業は、主に匿名組合型と任意組合型に分かれます。

主な違いは一般に下表の通りです。

匿名組合型 タイプ 任意組合型
匿名組合契約 契約 任意組合契約
なし 物件の所有権 あり
少なめ 最低出資額 多め
短め 運用期間 長め
有限責任 責任 無限責任
雑所得 所得区分 不動産所得

物件が倒壊して隣接する建物に被害が及んだ場合、任意組合型では出資額を超えて賠償責任が発生します。

匿名組合型の場合は責任範囲は出資額が上限であり、最悪でも全損で済みます。

任意組合型は所得区分が不動産所得で有利なため、相続など節税対策に使われることが多いです。

不動産クラファンではほとんどの案件が匿名組合型です。

不動産特定共同事業

不動産特定共同事業は次のような事業です。

  1. 複数の投資家から出資を受け
  2. 集まった資金で不動産を取得、運用し
  3. 得られた利益を投資家に分配する

多くの場合、1億円の1棟マンションを100口の持ち分に分割し、1口100万円で販売するといった、不動産小口化商品の形を取ります。

不動産特定共同事業のうち、募集などをインターネットを使って行うのが不動産クラウドファンディングです。

不動産小口化商品

不動産小口化商品は不動産を小口の持分に分割して販売する不動産投資商品です。

例えば、1億円の1棟マンションを1口100万円の持分100口に分割し、1口単位で販売します。

仮にこのマンションで1,000万円の利益が出た場合、1口投資した人は10万円、5口投資した人は50万円を得るイメージです。

不動産クラファンの場合、持分には利益の分配を受ける権利が含まれますが、物件の所有権は含まれません。

 

デポジット口座

デポジット口座とは業者内で投資家ごとに設置されるお財布のようなものです。

デポジット口座方式の業者では、投資家は事前に銀行から業者にお金を振り込み、そのお金は業者内のデポジット口座で保管されます。

デポジット口座

そして、デポジット口座のお金で案件に投資します。

また、分配金や償還された元本はデポジット口座で保管され、投資家が必要なときに出金申請し、自分の銀行口座に引き出します。

デポジット口座

 

売却リスク

不動産において、物件が予定通りの価格で売却できない、もしくは、売却そのものができない可能性を売却リスクといいます。

売却リスクが現実化すると、投資家には次のような不利益が生じる場合があります。

  • 分配金が予定額を下回る
  • 分配を受けられない
  • 元本の一部が戻ってこない
  • 元本のすべてが戻ってこない

流動性

不動産において、売買のしやすさや、現金化のしやすさを流動性といいます。

都心の一等地など需要が高く売りやすい物件は「流動性が高い」、逆に農村の空き家など需要が低く売りにくい物件は「流動性が低い」です。

譲渡

ソーシャルレンディング、不動産クラウドファンディングで自分の出資持分(利益の分配や元本の償還を受ける権利)を、第三者に譲り渡すことを譲渡といいます。

例えば、〇〇FUNDINGで10万円投資し、それを第三者(〇〇FUNDINGを含む)に10万円(もしくはそれ以外の金額)で買い取ってもらうイメージです。

入金と出金

投資するお金をソシャレン、クラファン業者の銀行口座に振り込むことを入金といいます。

運用が終わったお金が業者から投資家の銀行口座に振り込まれることを出金といいます。

元本

ソーシャルレンディングや不動産クラウドファンディングで、投資家が出資(投資)したお金のことを元本といいます。

リフォームとリノベーション

リフォーム、リノベーションともに、住宅の改修や改築を指します。

両者の違いはリフォームは「元の状態に戻す」ことであり、例えば壁の張替えや外壁の塗替えはリフォームです。

対して、リノベーションはリフォームよりも大がかりな改修、改築を行うことで「住宅の機能や価値を高める」ことを指します。

例えば、床暖房の新設や、壁を撤去して広々としたLDKへの間取りの変更はリノベーションです。

リフォームが老朽化で800万円に下がった物件の価値を元の1,000万円に戻すのに対し、リノベーションでは機能を付加して1,200万円に高めるイメージです。

分配と分配金

ソーシャルレンディングや不動産クラウドファンディングで、運用で得られた利益を投資家に支払うことを分配といいます。

また、支払われる利益を分配金と呼びます。

案件

ソーシャルレンディングや不動産クラウドファンディングで、募集される1つ1つの投資商品のことを案件と呼びます。

この用語は次のように使われます。

  • 〇〇業者から新しい案件が出た
  • 今度の案件は利回りが高い
  • 先週は△△案件に10万円投資した
  • □□業者は先月は3案件募集があった
  • ◇◇案件に応募したが抽選で落選した

すいません、上手く説明できなくて。

区分マンション

マンションを部屋単位で購入し投資する場合、「区分マンションに投資する」といった表現をします。

対して、1棟単位で購入、投資する場合は「1棟マンションに投資する」といいます。

独立した部屋1つ1つが区分マンションであり、面積や間取りを問いません。

ワンルームでも4LDKでも区分マンションです。

大島てる

大島てるは全国の事故物件情報を掲載するウェブサイト、及び、そのサイトを運営する会社の名称です。

先着方式と抽選方式

ソーシャルレンディングと不動産クラウドファンディングの募集方式は2つあります。

一つは募集開始と同時によ~いどんで早い者勝ちで投資できる人が決まる先着方式です。

もう一つは募集期間中に応募した人の中から抽選で投資できる人を決める抽選方式です。

成立前書面

成立前書面(契約成立前書面、契約締結前交付書面)は、ソーシャルレンディングや不動産クラウドファンディングで案件に応募する前に確認する書類です。

確認することで応募できるようになります。

成立前書面の確認画面

案件の詳細情報や契約内容などが書かれており、契約書に相当するものだと考えてください。

多くの業者で募集開始前から確認が可能です。

サイトに書かれていない情報も多いので、事前に必ず確認することを強くおすすめします。

モニタリング

ソーシャルレンディングにおいてモニタリングとは、借り手が融資契約を守れるか、ソシャレン業者が監視することをいいます。

業者によって異なりますが具体的な作業としては、定期的な借り手企業の訪問、経営者などへのヒアリング、財務書類のチェックなどがあります。

定期的にモニタリングを行うことで借り手の異常などを早期に察知し、貸し倒れを防ぐことができます。

このため、業者のモニタリングの実施とその精度は投資家にとって重要です。

あと入金と事前入金

投資するお金を業者に入金する方法は2つあります。

一つは先着や抽選の結果、投資できることが決まってから業者の口座に振り込むあと入金方式です。

もう一つは募集開始前に業者のデポジット口座への入金が必要な事前入金方式です。

デポジット口座

デポジット口座のお金は応募した案件への出資に充当されます。

ただし、抽選に落選などで投資できなくなると、入金したお金がデポジット口座で寝ることになります。

さらに、このお金を自分の口座に出金する際の振込手数料が投資家負担の業者もあります。

投資家にとってはあと入金の方が有利です。

 

早期償還

ソーシャルレンディングで借り手が予定より早く返済したり、不動産クラウドファンディングで物件が予定より早く売れることがあります。

そういった理由で案件の運用が予定より短い期間で終わり、業者が元本を予定より早く投資家に返すことを早期償還といいます。

例えば、運用期間12カ月の予定が6カ月で早期償還になると、受け取る分配金は基本的に半分になります。

ネガティブに捉えられがちですが、業者が確実に返済できる借り手、売れる物件を選んで案件を組成した証でもあります。

分配原資

分配原資とは分配金の出どころのことです。

例えば、入居者から得る家賃から投資家に分配金を払う場合、分配原資は家賃です。

家賃はインカムゲインですので、分配原資はインカムゲインとも表現できます。

組成

案件を作ることを組成といいます。

  • 投資対象は緑町ハイツ102号室で
  • 利回りは4.5%で
  • 運用期間1年
  • 募集総額2,300万円の案件を作る

こうやって案件が出来上がります。

組成 → 募集 → 運用開始 → 運用終了 → 償還

ソーシャルレンディング、不動産クラウドファンディングの案件はこのような流れで運営され、その最初の段階が案件の組成です。

元本毀損

元本毀損(元本割れ)とは投資したお金の一部、または、すべてが戻ってこなくなることです。

例えば、不動産クラウドファンディングで2,000万円で取得した物件が1,500万円でしか売れなかった場合、元本の一部が戻ってこないことがあります。

また、取得した物件が地震で倒壊し売れなくなった、ソーシャルレンディングで借り手企業が倒産したなどで、元本の全額が戻ってこないこともありえます。

クラファン案件の管理手数料

不動産クラファンで区分マンションなどが投資対象になる場合、物件の入居者募集や家賃徴収といった管理業務が行われます。

これらの業務は業者または外部の不動産業者が代行し、そこでは管理手数料が発生します。

案件の利回りはこういった手数料や経費も差し引いた上で計算されたものです。

ですので、投資家が管理手数料を別途支払う必要はありません。

優先出資と劣後出資

不動産クラファンでは一般に投資家と業者が共同で出資し、物件を取得します。

例えば、投資家が2,400万円、業者が600万円出資し、3,000万円の物件を取得するといった感じです。

出資者 出資額
投資家(優先出資) 2,400万円
業者(劣後出資) 600万円
出資総額 3,000万円

この時、投資家分の出資を優先出資業者分の出資を劣後出資といいます。

なぜ、そのような言い方をするのかなど、詳しくは下記記事を参照してください。

優先劣後出資方式と劣後出資比率

キャピタルゲイン型

不動産クラファンの案件は大きくキャピタルゲイン型とインカムゲイン型に分かれます。

投資対象物件を売却した際の売却益を分配原資(分配金の出どころ)とする案件がキャピタルゲイン型です。

一方のインカムゲイン型は運用期間中の家賃収益を分配原資とします。

なお、売却益と家賃収益の両方を分配原資とする併用型の案件もあります。

自社買取

不動産クラファンでは運用期間の最後に物件を不動産投資家など第三者に売却するのが一般的です。

しかし、何らかの事情で売却できなかった場合、自社で物件を買い取ることがあります。

売却できずに元本が戻ってこないところが、業者が買い取ることで元本が戻ってくることになるので、自社買取は投資家にとってメリットです。

インカムゲイン型の案件では、最初から自社買取の予定で案件を組成することもあります。

劣後出資比率

不動産クラファンでは一般に投資家と業者が共同で出資し、物件を取得します。

例えば、投資家が2,400万円、業者が600万円出資し、3,000万円のマンションを取得するといった感じです。

このとき、出資総額に対する業者分の出資額の比率を劣後出資比率といいます。

さきほどの例では20%です。

出資者 出資額 出資比率
投資家 2,400万円 80%
業者 600万円 20%
合計 3,000万円

そして、劣後出資比率が高いほど安全性が高まります。

右田さん
右田さん

数字が大きいほど安全だよ。

なぜ高いほど安全なのか?

詳しくは下記記事を参照してください。

優先劣後出資方式と劣後出資比率

償還

案件の運用が終わり、業者が元本を投資家に返すこと、業者から投資家に元本が戻ってくることを償還といいます。

クリック合戦

募集が先着方式の案件では、投資できる人が決まるのは早い者勝ちです。

このため、人気の案件では募集開始と同時に応募が殺到します。

この状態をクリック合戦といいます。

信託受益権

信託受益権とは信託財産から発生する利益を受け取る権利のことです。

詳しくは↓こちらの記事を参照してください。

信託受益権とは?(別タブで開く)

信託受益権とは?(今開いているタブで開く)

抵当権と根抵当権と極度額

抵当権とは借り手が返済できなくなった時に担保を売却し、その代金から他の債権者に優先して返済を受ける権利です。

抵当権は1つの借り入れに対して設定されるため、返済時点で消滅します。

これに対し根抵当権ではあらかじめ融資の上限額を設定し、その範囲内であれば何度でも融資と返済が可能です。

その都度、抵当権の設定登記を行う必要がないため、企業への融資などでよく利用されます。

極度額は根抵当権の融資上限額のことです。

債務履行

まず、「債務」とは他人に対し何らかの行動を行う義務のことです。

そして、債務を実際に行うことを債務履行といいます。

ソーシャルレンディングの場合、借り手(債務者)が利払いや元本の返済をすることや、連帯保証人が借り手に代わってそれらを行うことが債務履行にあたります。

逆に、借り手が経営悪化などに至り、利払いや元本返済をしない(できなくなる)ことが債務不履行です。

LTV

ソーシャルレンディングで使われる用語で、担保評価額に対する融資額の割合をいいます。

例えば、1億円の土地を担保に8千万円を融資する場合、LTVは80%です。

担保が評価額通りに売れるとは限らないため、LTVの数字が小さいほど安全性が高いとされます。

資金使途

ソーシャルレンディングで業者から借りたお金を借り手が何に使うかを資金使途といいます。

延滞

ソーシャルレンディングで借り手が期限内に返済できなくなることを延滞といいます。

また、ソシャレン、不動産クラファンで分配金の支払いや元本の償還が予定より遅れている状態を延滞と呼ぶことがあります。

業者や投資家によっては「遅延」という表現が使われることもありますが、意味は同じです。