【質問】春秋航空って中国資本の会社ですよね。中国系だからやっぱりサービスが悪いのではないですか?
【回答】春秋航空のサービスの良し悪しについてはいくつかに分けて考えるべきです。まず、機内食や飲み物が別料金だったり、映画を見たりゲームができる座席のモニターがないといった点は、中国系だからという問題ではなく春秋航空がLCC(格安航空会社)だからです。
普通の航空会社は機内食や映画などの費用がチケット代の中に最初から含まれています。だから別料金を払わなくても機内食が出てきますが、その分LCCよりチケットが高いです。LCCはそれらの費用をカットすることでチケット代を安くしています。機内食代がチケット代に入ってないから機内食が出てこないだけで、これはサービスの良し悪しの問題ではなく、中国系であることとも無関係です。
次に春秋航空日本についてですが、確かに資本金の33%は中国の春秋航空が出資しています。ですので中国系であることは事実です。ですが、67%は日本の出資であり本店所在地も日本で監督官庁は国土交通省である純然とした日本企業です。社長も従業員の大半も日本人ですし、会長は中国人ですが日本の大学を卒業して日本企業で10年近く働いていました。ですので資本的には中国系ですが、会社の中身としては完全に日本系です。
また、日本人が「中国=品質が低い、サービスが悪い、安かろう悪かろう」みたいなイメージを持っていることが分かっているからこそ、普通の日本企業以上に中国系であることに敏感で、なんとかして中国系だと思われないようにしよう、日系エアライン以上に日本レベルのサービス水準を守ろう、という意識が強い、ある意味デリケートにすらなっていると感じます。少なくともピーチやバニラなど他の日本のLCCと比べてサービスが劣るということはないはずです。実際に乗ってみた人のブログなどが多数ありますので見てみることをおすすめします。
最後に春秋航空(中国)ですが、こちらは正真正銘の中国系ですのでサービスに対する意識や基準は日本に比べると明らかに落ちます。そのことはまったく否定しませんし、むしろ強く同意します。ですが中国東方航空など中国の普通の航空会社と比べて極端に差があるとは感じません。また、エアアジアやスクート、セブパシフィックといったアジアの他のLCCと比較すると、春秋航空(中国)のほうがサービスの意識レベルは明らかに高いです。少なくともアジアのLCCの中では韓国系と並んでサービス意識は高いと断言します。
また、中国国内線の一番安いチケット以外は追加料金なしで受託手荷物を預け入れることができますし、台風などによる欠航、遅延に対して後続便への振り替え、払戻しがあります。さらに、会社理由で大幅な遅延が発生した場合は食事と宿泊先の無償提供があります。中国の国内事情もありますが、ここまでのサービスを提供しているのはアジアのLCCの中では春秋航空(中国)だけです。